好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Take It Easy

ヴェトナム戦争が敗戦という形で終結に向かいつつあった1972年のアメリカは、60年代の混乱にかわって重苦しさや閉塞感が漂う雰囲気の中にも平静な空気に包まれかけていた時期でした。この年にイーグルスが発表した「Take It Easy」はジャクソン・ブラウンとメンバーのグレン・フライの共作で、歌詞を単純に眺めていると「お気楽な歌」のように受け取れます。でも、当時の若者たちが置かれた立場や社会状況を鑑みると、とても額面通りではないメッセージが示唆されているように思われます。ジャクソン・ブラウンとイーグルスは「Take It Easy」で、「心の重荷を振り払って気楽にやろうよ」と挫折から立ち直ろうとする意志を歌に込めたのです。

心の重荷を振り払おうとあの道を走っていると
7人の女が心に浮かぶ
4人は俺を束縛しようとし
2人は俺を薬付けにしたがったし
1人はただの友達だと言った
気にすることはない 気楽にやろうぜ
タイヤの軋む音でおかしくならないように
理解しようなんて考えないほうがいい
自分がいられる場所を見つけなよ
気楽にな

アリゾナ州のウィンズロウの街角に立ち
素敵な街の風景を眺めていると
平らなボディーのフォードに乗った娘が
スピードを落として俺の顔を覗き込んだ
来なよ、ベイビー、「メイビー」なんて言ってためらうなよ
君の優しい愛が俺を救ってくれるか確かめてみたいんだ
俺たちが上手くいくかどうかは分からない
ここには二度と戻ってこないだろうけれど
だから、扉を開けてくれ、俺を乗り込ませてくれ
さぁ、気楽にやろうぜ


心の重荷を振り払おうとあの道を走っていると
トラブルばかりの世界が俺の心に浮かぶ
俺の正体をばらさないでいてくれるような女を捜しているんだが
そう簡単に見つかるもんじゃない
まぁ心配せずに、気楽にやろう
タイヤの回る音なんかでおかしくならないように
来いよ、ベイビー、「メイビー」なんて言ってためらわないで
おまえの優しい愛が俺を救えるものか確かめたいんだ

Jackson Browne, Linda Ronstadt with Eagles - Take It Easy


いくら反戦を叫んでいても、当時の若者たちは自分の国が負けてしまうという結果には何かやりきれぬ違和感や喪失感、そして、手放しでは喜べぬ感情を覚えてしまったのかもしれません。ある人は引き続き政治活動を続け、ある人は環境保護運動に関わり、ある人は反核・反原発を唱え、ある人は宗教に帰依しました。
歳月が過ぎ、イーグルスは「Hotel California」(1976)の中で「1969年以来のスピリット(精神)は途切れてしまった」とカウンター・カルチャーの衰退を嘆きながら退廃と堕落の状況から抜け出せない事情を語り、ジャクソン・ブラウンは「Running On Empty」(1977)で「わけもわからずみんな走っているが、自分は遅れをとっている」と焦燥感を露にしていました。



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コメント

この曲、当時の若者たちが抱いていた感情に共感を与えたのでしょうね。
“病めるアメリカ”と言われたのはこの頃だったでしょうか。
おっしゃるようにとても額面通り“お気楽な歌”とは思えません。

この曲はジャクソン→イーグルスの順で聴いたのですが、曲調としてはジャクソンはやや暗く、個人的にはイーグルスのヴァージョンのほうが気に入っています。
ジャクソンのほうはちょっと重く感じてしまいます。

この動画は初見ですが、メンバー構成から75年あたりでしょうか。
折角ですからワンコーラスくらいジャクソンの歌声も聴きたいと感じました。
bob様、コメントありがとうございます。
あまりにもイーグルスの「Take It Easy」が「お気楽ソング」と揶揄されたためか、ジャクソン・ブラウンは『For Everyman』のトップで「Take It Easy」をやや深みのある印象を持たせるアレンジでセルフ・カヴァーしたようですね。そして、途切れることなく2曲目の「Our Lady Of The Well」に突入させていました。この歌は故郷を離れた男と井戸に水を汲みに来た女との出会いをきっかけに叙情的な愛が語られる歌。この辺にも配慮の後が感じられます。
高校生だった僕はここまで深く歌詞の意味を知らずに聴いていたと言うのが正直な所です。
でもこの曲を聴く度にあの頃のいろんな光景が頭に浮かんできます。
この映像は僕も初めて見ました。
ギターソロがほぼ同じフレーズで2回登場する長尺ヴァージョンなのにジャクソン・ブラウンがソロを取っていないのはほんと残念。
Purple_Haze様、コメントありがとうございます。
それほど難解な英語ではないのですが、いざ訳してみるとなかなか適切な日本語で表現できないものです。誤訳があるかもしれません。CDの対訳と比べてみても納得できない箇所もあります。また、全体の意味が変わるわけではありませんが、ダブル・ミーニングと思われる箇所もあるようです。
思わず感傷に浸り、我を忘れてしまいそうになる映像です。あの人たちも若いけれど、自分はもっと若く、あの頃に戻ることが出来ればと後悔の念さえ湧き出してしまいます。
今後もYouTubeに貴重な映像が投稿されるでしょうから、こまめにチェックしたほうが良さそうですね。

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