好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Evie Sands - Any Way That You Want Me

前回取り上げたメリリー・ラッシュの記事の中でイーヴィ・サンズのことについて言及しました。そこで今回は早速彼女に登場してもらうことにします。
イーヴィ・サンズはニューヨーク州ブルックリンの出身。シンガーだった母親の影響もあり、幼き頃からジャズやブルースやR&Bのレコードを聴きながら育ち、自らも歌手になることを夢見ていたそうです。そんな彼女にシンガーとしての仕事が舞い込んできたのは十代前半のこと。音楽出版社のデモ・シンガーとして採用されてレコーディングした「The Roll」、「My Dog」という曲がABCパラマウントに注目されてデビューする機会を得ました。1963年のことです。翌年には別のレコード会社から「Danny Boy, I Love You So b/w I was Moved」をリリースするも反響なく終わりました。そんな鳴かず飛ばずの状況の中、ギタリストでソング・ライターのアル・ゴーゴニと彼の友人でソング・ライターであるチップ・テイラーの目に止まり、1965年に彼らのプロデュースのもとブルー・キャットというレーベルから「Take Me For A Little While」をリリースします。


まだあどけなさの残る十代という年齢とは思えぬほどのソウルフルな歌声ですね。
ところがこの曲は発売前のプレス盤を手に入れたチェス・レコードが同社所属のジャッキー・ロスに歌わせて競作の形となり、ロスのヴァージョンはR&Bチャートでヒットするもののイーヴィのほうは全米チャート114位止まりと振るいませんでした。気を取り直してチップとアルのコンビによる「I Can't Let Go」をリリースするも今度も不発。翌1966年にホリーズがこの曲を取り上げて全英1位、全米42位のヒットを記録します。なお、1980年にはリンダ・ロンシュタットがアルバム『Mad Love(激愛)』の中に収録し、シングル・カットされて全米31位まで上昇しました。また、作者のチップ・テイラーも1996年発表のソロ・アルバム『Hit Man』でセルフ・カヴァーしています。


1967年にイーヴィはキャメオ・レコードに移籍。チップ・テイラー作の「Angel Of The Morning」をリリースします。この曲は発売前からラジオ局にリクエストが殺到するほど評判がよく、大ヒット間違いなしの予感をはらんでいました。ところが発売直後にキャメオが倒産。十分なプロモーションがなされぬまま、在庫も裁判所に差し押さえられて出荷できぬ状況に陥ったのです。前評判の高かった曲を音楽関係者が放っておくはずはなく、翌1968年にベル・レコードがメリリー・ラッシュという新人歌手に歌わせて全米7位の大ヒットとなりました。

不運続きのイーヴィ・サンズですが、世の中には捨てる神あれば拾う神あり、1968年にA&Mに移籍して今回紹介するアルバム『Any Way That You Want Me』の発売に至ります。
Any Way That You Want MeAny Way That You Want Me
(2005/08/08)
Evie Sands

商品詳細を見る

1. Crazy Annie
2. But You Know I Love You
3. I'll Never Be Alone Again
4. Any Way That You Want Me
5. Close Your Eyes Cross Your Fingers
6. Its This I Aa
7. Shadow Of The Evening
8. Take Me For A Little While
9. Until Its Time For You To Go
10. Ill Hold Out My Hand
11. Carolina In My Mind
12. One Fine Summer Morning
13. Maybe Tomorrow

アルバムはオーケストレーションやエコー処理を適度に施し、女性コーラスを配してイーヴィ・サンズのソウルフルなヴォーカルを盛り上げていました。いかにも1960年代末から1970年代初頭を思わすジャケットのイメージ通り、ナチュラルな雰囲気が醸し出されています。なお、1965年にブルー・キャットからリリースした「Take Me For A Little While」を再録音していました。

まず、アルバムのタイトル曲でもあるチップ・テイラー作の「Any Way That You Want Me」。シングル・カットされて全米53位を記録しています。この曲はザ・トロッグスが1966年に全英6位となるヒットを放った曲で、1982年にもメラニーが『Arabesque』 (1982)でカヴァーしていました。チップ自身のヴァージョンは1996年発表の『Hit Man』に収録されています。
チップ・テイラーは再起をかけるイーヴィのためにヒットの見込めるこの曲を用意したのだと思えます。情感の込められたイーヴィの歌声はもちろん女性コーラスや控えめなストリングス・アレンジも心地よく胸に迫りました。


続いてチップ・テイラー&アル・ゴーゴニ作の「I'll Never Be Alone Again」。重厚なバラードです。


アルバムからさらに2曲聴いていただければ幸いです。バフィー・セント・メリー作の「Until It's Time For You To Go」。しっとりしたイーヴィのヴォーカルが印象的です。バフィ・セント・メリーのオリジナル・ヴァージョンは『Many a Mile』(1965) に収録。多数のアーティストによって取り上げられている曲で、クローディーヌ・ロンジェ『Claudine』 (1967) 、バーブラ・ストライザンド『What About Today? 』(1969) 、ニール・ダイヤモンドTouching You, Touching Me (1969)、ロバータ・フラック『Chapter Two』 (1970) 、フランソワーズ・アルディ『If You Listen』(1972)、アンディ・ウィリアムス『Love Theme from The Godfather』 (1972) 、 エルヴィス・プレスリー『Elvis Now』 (1972)、ウィリー・ネルソン『 City of New Orleans 』(1984)など枚挙に暇がありません。
もう1曲はクインシー・ジョーンズが作曲した「Maybe Tomorrow」。ダスティン・ホフマン、ミア・ファロー主演の映画『John & Mary(ジョンとメリー)』(1969)の挿入歌として使われた曲です。もともとはアルバム未収録でしたが、ボーナス・トラックとして収められました。これまでと少々趣が異なった雰囲気のする曲で、イーヴィは感情を抑えるように歌っています。




UNTIL IT'S TIME FOR YOU TO GO
あなたは夢じゃない
あなたは天使じゃない
あなたは男
私は女王様じゃない
私は女
私のこの手を取って
お互いが先のことを考えて行きて行ける
居場所を作りましょう
一緒にここで過ごしましょう
あなたが行ってしまうまで

そう 私たちは違った存在
違った世界に生きてるの
二人とも同じじゃない
笑ってじゃれ合った私たち
最初から
ゲームの中にいるようね
私の心の外側にいたのに
あなたは入ってきた
一緒にここで過ごしましょう
あなたが行ってしまうまで

何故かと聞かないで
どうしてなのかと聞かないで
永遠に聞かないで
ただ愛して 今すぐ愛して
私のこの愛には始まりがなかった
終わりもないの
樫の木のようにかたくなだった私
今では柳の木のようにしなやか
もう諦めてもいいのよ
私の人生の中で
再びあなたに会えることはないだろうけど
それでも私は留まるの
あなたが行ってしまうまで


今回のボーナス・トラックとして、イーヴィがジョニー・キャッシュ・ショーに出演した際の映像をお楽しみください。


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コメント

こんにちは♪
イーヴィ・サンズのことはあまりよく知らなかったのですが、ご紹介の曲、全部を頑張って聴いてみました。
初期のころの曲はとてもソウルフルでこれもなかなかいいですね・・・。でも、すこし抑え気味くらいのほうがさらにいいようにも思いました。
最後の2曲、「Until Its Time For You To Go」「Maybe Tomorrow」は特に気に入ってしまいました。ついでにエルヴィス・プレスリー、ニール・ダイアモンド、Buffy SainteMarieのカバーも聴いてみましたけれど、夕食後に一人静かに聴き入るのも似合っている曲だなぁ、と思いましたv-484
Evie Sands、いいですね

個人的には勝手にサザン・ソウルだと思って聴いてます

他の誰っぽくもないボーカルが最高です
マーヤ様、コメントありがとうございます。
モノクロ映像のイーヴィ・サンズはこの頃たぶんまだ十代。はち切れんばかりの若さに任せて歌っていたのでしょう。アルバムを出す頃になると年齢を少し重ねていたので抑制する歌唱も覚えたのだと思います。彼女はこの後も素敵なアルバムをリリースし、今でも現役で活動されています。
col様、コメントありがとうございます。
幼少時代はビリー・ホリディやサラ・ヴォーンのレコードを聴いて育ったというイーヴィ・サンズ。思春期にはジェイムズ・ブラウンやマーヴィン・ゲイに影響されたとか。個人的にはローラ・ニーロを連想させます。
つたないブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。

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