好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Great Speckled Bird

今回紹介するグレイト・スペックルド・バードは、カナダのフォーク・デュオ、イアン&シルヴィアを中心に結成されたバンドです。イアン・タイソン(1933年生まれ)とシルヴィア・フリッカー(1940年生まれ)は1959年にトロントで出会い、フォーク・デュオとして活動を開始しました。その後ニューヨークに拠点を移し、ボブ・ディランのマネージャーであるアルバート・グロスマンに見初められて彼の事務所に入り、ヴァンガード・レコードとの契約に漕ぎ着けます。彼らは1963年にトラディショナル・ソングを中心に収録した1stアルバム『IAN & SYLVIA』を発表し、翌1964年に二人は結婚しました。
おしどり夫婦デュオとして注目を集めた二人は、1963年のニューポート・フォーク・フェスティヴァルに出演し1964年には後にニール・ヤングがカヴァーして有名になった「Four Strong Winds(風は激しく)」(ニール・ヤングのヴァージョンは1978年発表の『Comes A Time』に収録)を含む2ndアルバム『FOUR STRONG WINDS』をリリースするなどの順調な活動を展開。ことに本国カナダでは絶大な人気を誇りました。ちなにこのアルバムにはボブ・ディランの「Tomorrow Is ALong Time」も収録されていました。イアン&シルヴィアの二人はこの後も6thアルバムの『So Much For Dreaming』(1967)でジョニ・ミッチェルの「Circle Game」をいち早く取り上げるなど、彼らの下の世代のアーティストを世に送り出す作業にも積極的でした。
彼らの音楽にはフォーク・ソングのみならずカントリーやゴスペルの要素も含まれており、次第にロック色も強めて行きました。MGMに移籍した1968年にはナッシュヴィル録音の『NASHVILLE』、『Full Circle』というカントリー・アルバムまで出しています。
この時期のイアン・タイソンはカントリーとロックの融合に興味を持ち始めていたようで、友人であったギタリストのエイモス・ギャレットにバンドを組む話を持ちかけました。イアン&シルヴィアとエイモスのもとにケン・カルムスキー(ベース)、バディ・ケージ(スティール・ギター)、N.D.スマート2世(ドラムス)ら腕利きのミュージシャンが集められ彼らはグレイト・スペックルド・バードとなのるバンドを結成することになります。バンド名の由来はカントリー界の大スター、ロイ・エイカフが歌った古いゴスペル・ソングから取られているとのことです。
プロデューサーにはトッド・ラングレンが起用されました。ナッズというバンドで活躍した彼は当時、アルバート・グロスマンの事務所であるベアズヴィル・レコードでエンジニアとして働いていたのです。
アルバムはイアン&シルヴィア所属のベアズヴィル・レコードによって原盤制作され、オーディオ機器メーカーとして有名なアンペックスを通して発売されました。しかし、ベアズヴィルとアンペックスの蜜月は長く続かず、様々な契約問題もあってこのアルバムはごく短期間で市場から姿を消し、幻の名盤となってしまいます。

グレート・スペックルド・バード+1(K2HD/紙ジャケット仕様)グレート・スペックルド・バード+1(K2HD/紙ジャケット仕様)
(2007/03/07)
グレート・スペックルド・バードグレイト・スペックルド・バード

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1. Love What You're Doing Child
2. Calgary
3. Trucker's Cafe
4. Long Long Time To Get Old
5. Flies In The Bottle
6. Bloodshot Beholder
7. Crazy Arms
8. This Dream
9. Smiling Wine
10. Rio Grande
11. Disappearing Woman
12. We Sail
13. New Trucker's Cafe (Live Version)

それではアルバムの中から何曲かご紹介しましょう。まず、少々アーシーな雰囲気が漂うオープニング・ナンバー、「Love What You're Doing Child」。


ソロ転向後のシルヴィアの重要なレパートリーとなった軽快な「Trucker's Cafe」。
http://www.youtube.com/watch?v=fO2acfK_Gr0

レイ・プライスが1956年にヒットさせた「Crazy Arms」。リンダ・ロンシュタットも『Linda Ronstadt』 (1972)でカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=3x3WKkKh1kg

ゴスペル風のアレンジが心に滲みる「We Sail」。
http://www.youtube.com/watch?v=dfjdX8fUvZw

先ほどのスタジオ録音よりもノリが良くエイモスのギターもご機嫌なNew Trucker's Cafe (Live Version)
http://www.youtube.com/watch?v=FDKc8ODUEIc

NEW TRUCKER'S CAFE
私は毎日トラック野郎のカフェで働いているの
夜になればお酒も出すのよ
立ち寄ったお客には何も言うことがないから
懇ろになることなんてない
お金目当てだって思われるかもしれないけれど
私が働き続ける理由はそれだけじゃない
私は朝から真夜中まで働き
真夜中から夜明けまですすり泣いているのだから

幸福なときもあった 
若い娘が考えそうな夢に満たされていたこともあった
愛の時間は一塊に包まれ
ひとりの男の意のままにされた
でもあの人は他の女を見つけ
彼女のことを愛していると私に言い
トラックの運転席まで辿り着くと
そのままどこかへ行ってしまった
だから私は朝から真夜中まで働き
真夜中から夜明けまですすり泣いているのだから

行きて行くこと容易くなく
正気を保とうとしても私はほとんど気が狂いそう
もしあの人と会えればもう一度やり直せると思う
泣いてばかりいられないのよ
そのときになれば
私のありったけの愛をあの人に捧げるつもり
哀れな母親にしか出来ないようなかたちでね
だから私は朝から真夜中まで働き
真夜中から夜明けまですすり泣いているの
そう 私は朝から真夜中まで働き
真夜中から夜明けまですすり泣いているの


1970年の夏に開催されたフェスティヴァル・エクスプレス出演時の映像。アーティストたちがカナダを横断する列車に乗り込み、トロント、ウィニベグ、サスカトゥーン、カルガリーと移動しながら各地でコンサートを催すという試みが行われました。この列車に乗り込んだアーティストはグレイト・スペックルド・バードの他に、ジャニス・ジョプリン、グレイトフル・デッド、ザ・バンド、フライング・ブリトゥー・ブラザーズ、デラニー&ボニーなど錚々たる面々です。グレイト・スペックルド・バードはボブ・ディラン『 The Basement Tapes 』(1975) やザ・バンド『 Music From Big Pink』 (1968) で有名な「Tears Of Rage」を演奏。若き日のエイモス・ギャレットがプレイする姿は貴重です。


あくまでもイアン&シルヴィアのバック・バンドであるためか、エイモス・ギャレットのギターは控えめで、彼のユニークなプレイは片鱗程度しか見せておりません。また、メンバーの他にデヴィッド・ブリッジズ(エリア・コード615)がピアノで参加していますが、これはイアン&シルヴィアがナッシュヴィルでレコーディングした際に培われた人脈かと思われます。
レコーディング終了後にケン・コロムスキーが脱退。ジム・コルグローブが替わって加入し、前述のフェスティヴァル・エクスプレスに出演したり、来日して大阪万博(1970)のカナダ館で演奏するなど精力的な活動を続けました。しかし、その直後エイモス・ギャレット、N.D.スマート2世、ジム・コルグローブの三人はハングリー・チャックを結成。バディ・ケージもフェスティヴァル・エクスプレスでジェリー・ガルシアらとセッションしたことが縁で意気投合し、ニュー・ライダーズ・オブ・ザ・パープル・セージに参加するなど次々とメンバーが抜けて行きました。イアン&シルヴィアはこの後CBSに移籍してイアン&シルヴィアwithグレイト・スペックルド・バードとして2枚のアルバムを残すものの、オリジナル・メンバーでの録音はこのアルバムが唯一のものとなります。
イアン&シルヴィアの間に子供が生まれたこともあり、イアン・タイソンはソロ活動を余儀なくされ活動が縮小して行きました。さらに夫婦の関係も不和を来し、1975年に彼らは離婚してそれぞれの道を歩んでいます。

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グレイト・スペックルド・バードが「C.C.ライダー」を演奏するシーンではジェリー・ガルシアやデラニー・ブラムレットも参加していました。

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コメント

私が彼らを知ったのは、ゴードン・ライトフットの作品、「朝の雨」Early Morning Rainのカヴァーからです。前にYou Tubeでゴードン・ライトフットの伴奏で二人が歌っているビデオを見たことがあります。ジュディ・コリンズで有名な「Someday Soon」は彼らの作品でしたね。
bornin様、コメントありがとうございます。
イアン&シルヴィアがゴードン・ライトフット、ジョニ・ミッチェルらカナダのシンガー・ソング・ライターに光を浴びる機会を与えた功績は大きいですね。でも、日本ではイアン&シルヴィア自体が過小評価されているようです。ヴァンガードやMGM時代のアルバムはかなり再発されているようですが、CBS時代の作品もお願いしたいところです。
イアン&シルヴィアってどこかで聞いた名前だと思ったら、ジョニ・ミッチェルの「サークル・ゲーム」を本人やバフィー・セント・メリー(いちご白書)より先に歌っていた人たちではありませんか。
すっかり忘れていましたが、なるほど、こういう人たちでしたか。 歌声は今回初めて聴きました。

アクセス数のことも気になるでしょうが、やはり自分の好きなことを書いている時が一番楽しいですから、このまま好きな人たちを採り上げていても良いのではないでしょうか。
私には「サン・ソン」やピーター・バラカンさんの番組と同じように専門的すぎるところもあるのですが、勉強させてもらっています。
読んでもコメントしないのは、したくても難しくて「できない」記事の方が多いからです。
MusicBlog様、コメントありがとうございます。
フォーク・デュオとして出発したイアン&シルヴィアは時代の潮流なのか、ボブ・ディランに影響されたのか、次第にロック色を強めて行きました。ナッシュヴィルまで行ってカントリーのアルバムを録音したのもボブ・ディランに触発されたからだと言われております。
アクセス数とコメント数は必ずしも比例しません。もう少し内容を考えて読みやすいブログになるように心掛けるべきなんでしょうね。

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