好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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悲しい雨が

ランディ・ニューマンと言えば、黒人奴隷を船に乗せて新大陸を目指して出航した移民のことを歌った「Sail Away」をまず連想してしまいますが、ファースト・アルバムに収録されていた「I Think It's Going To Rain Today」もどこか物悲しく荒涼とした心に染み込んで行くような素晴らしい作品です。

壊れた窓に何もない通路
空に浮かぶ青ざめた月が灰色の縞模様を付けた
人間の優しさが溢れ出し
今日は雨が降りそうだ

人間の情を描いているかのような歌い出しですが、それは逆説的なものです。これ以降の歌詞には皮肉めいたメッセージが表されていました。

案山子は最新の流行の服を纏い
凍てついた微笑みで
まとわりつく愛を振り払う
人間の優しさが溢れ出し
今日は雨が降りそうだ


寂しい心
足下にはブリキの缶
通りに向かって蹴りつけよう
それが友達の扱いかた

目の前の光は私に慈悲を懇願する合図
恵まれない人に支援を、そして救いの道をと
人間の優しさが溢れ出し
今日は雨が降りそうだ


ランディ・ニューマンの曲は数々のアーティストに取り上げられています。この曲はダスティ・スプリングフィールドやジュディ・コリンズやベット・ミドラーのカヴァーが有名ですが、個人的にはクロディーヌ・ロンジェのヴァージョンが好みです。

Randy Newman - I Think It's Going Rain Today


本人は登場しませんが、こちらでクロディーヌ・ロンジェの歌声をお聴きください。彼女はアンディ・ウィリアムスの奥様だった人で、とてもキュートな方です。


アカデミー賞のオスカー獲得数歴代1位を誇るという映画音楽の巨匠を叔父に持つランディ・ニューマン。その作風は古き良きアメリカを連想させつつも、過去や現在のアメリカの影や負の部分を浮かび上がらせ、アイロニーとユーモアを織り交ぜながら様々な人間模様を描き出しています。皮肉屋と称されるランディ・ニューマンですが、実のところ対象となる人への敬意と愛情が感じられ、そこが彼の歌を聴いていてほっとするような印象を受ける所以なのでしょう。前述のような奴隷商人や差別主義者や金の亡者が歌の中の主人公として登場することもありますが、彼は決してそのような人間ではなく、そういった人々を彼自身が演じているに過ぎないのです。
美しく、切なく、物悲しいが、それでいてほのぼのとした爽快感をもたらすランディ・ニューマンの歌。ノスタルジックな作風とあいまって、聴く人の心の奥底に潜む痛みを捉えて離さない魅力があります。

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コメント

新年おめでとうございます。

ランディ・ニューマンは
大げさな身振りとは無縁な抑制の利いた表現の中に
相反するものも飲み込んで
実に多様なニュアンスを表現するひとですね。
ブログを拝見してやはり購入することになりそうです。
滅多に出ない新譜ですもんね。
旧年は興味深い記事を拝読させていただきありがとうございました。本年も宜しくお願い申し上げます。
多くのアーティストにカヴァーされた「I Think It's Going To Rain Today 」ですが、ランディ・ニューマン自身は当初あまり好きではなかったらしく、年月を経てお気に入りの1曲になったとの旨を語っていました。
ランディ・ニューマンの新作が昨年リリースされましたが、国内盤の発売が見送られているようで残念です。ジャクソン・ブラウンのことを揶揄しているとも、賛美しているとも受け取れるような曲が収録されているとのことで、とても興味を引かれます。

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