好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Art Garfunkel - Breakaway

今回はアート・ガーファンクルの『Breakaway(愛の旅立ち)』を取り上げます。サイモン&ガーファンクルの来日は7月とまだ先のことですが、関西では新型インフルエンザ騒動のために幾つかのコンサートが中止になっているので少々心配です。何やらこのインフルエンザ・ウイルス、毒性が弱いので大騒ぎするほどのものではなく「政府は危機を煽リ過ぎ」、「経済的損失の責任は誰が取るんだ」との批判をメディアを通して耳にし、「インフルエンザなど寝てたら直る病気や。タミフルなんかいらんで。隔離は不必要」といった声も少なくありません。お医者様の中にもそういった見解をお持ちの方もおられるようです。でも、油断しているといつ強毒性に変異・進化して牙を向けてくるか分からないので十分留意しておくほうが懸命かと個人的には思います。政府の対策は大袈裟かもしれませんが、近いうちに必ず襲いかかって来るだろうと言われている「鳥インフルエンザ」のリハーサルとして受け止めれば決して無駄な措置ではなかったかと思うのです。一連の出来事から何を学び、どういう教訓を得て、どのような対応をして行くことのほうが大切ではないでしょうか。しかし、こういう発言をしていると「保守的」と揶揄されてしまいそうです。
そんな話はさておき、『Breakaway』は前回取り上げた『Angel Clare(天使の歌声)』に続くアートのセカンド・アルバム。1975年にリリースされました。プロデューサーはリチャード・ペリー。ハリー・ニルソン、カーリー・サイモン、リンゴ・スターと手掛けたアーティストは数知れず、当時は敏腕プロデューサーとして名を馳せました。その彼が「私の手掛けた作品の中で一番好きなのはアートの『Breakaway』だね」と言わせるほど充実した完成度の高いアルバムです。
前作に収録されていた「All I Know」でポール・サイモンとのコンビは解消しても友情は永遠であるといった具合に歌っていたアートですが、早速このアルバムで共演が実現しています。それもサイモンのほうから「ええ曲が出来たさかい使ってくれへんか」というふうに声を掛けてきたそうです。その曲は「My Little Town」。シングル・カットされて全米9位のヒットになりました。サイモンのアルバム『Still Crazy After All These Years(時の流れに)』(1975年)にも同時収録されています。
それではまず、アルバムからシンプルでキュートな「Rag Doll」。カーペンターズの1977年のヒット曲「All You Get From Love Is A Love Song」の作者として知られるスティーヴ・イートンの作品です。彼のオリジナル・ヴァージョンは『Hey Mr. Daydreamer』(1974年発表)に収録されていました。そして、前述したポール・サイモンとのデュエット・ナンバー「My Little Town」の2曲をお聴きください。





MY LITTLE TOWN
ちっぽけな町で
神の光は僕らみんなに注がれていると
俺は信じて育った
壁に忠誠を誓った時 神は俺をあてにしたものだ
やれやれ
いまだに俺はあのころの町を思い出す

学校が退けて家に帰ると
工場の門を通り抜けてバイクを飛ばす
お袋は洗濯をしていて
薄汚れた風の中で俺たちのシャツを干していた

雨が上がって虹がかかっても
真っ黒の虹
黒い虹なんかあるはずはなく
想像力が欠けているってことさ
すべてがあの頃のまま
俺の育ったちっぽけな街では 

生気も活気もない
俺の町はあのときのまま
よどみと滅び行くものだけの
マイ・リトル・タウン

ちっぽけな町では
俺は何の意味も見いだせなかった
あの親父の息子だからさ
金を貯め 名誉を夢見て
銃の引き金に当てた指のように
ぴくぴく震えながら生きていた

あばよ よどんだ滅び行くものの町
あの頃とおんなじさ
廃墟同然の俺の育った町


壁に向かって礼拝するという行為はエルサレムの「嘆きの壁」を連想させます。
サイモン&ガーファンクルが思春期を迎えていたであろう1950年代のアメリカではまだまだユダヤ人に対する差別が激しかったと推測されます。ニューヨークのクィーンズ地区という住宅地で育った彼らであっても屈辱的な思いをしたことがあったかもしれません。
真っ黒の虹とは工場の煙突から吐き出される煙で空気が汚染されていることを指しているのでしょう。工場だけが頼りで他の産業がないちっぽけな町。久しぶりに帰ってきた主人公が相変わらずの廃墟同然の光景を目にし、落胆した様子が描かれています。また、親からの自立、立身出世、思春期の少年が持つ父親への嫌悪といった感情も表現されていました。

その他の楽曲もYouTubeのイメージ映像とともにお楽しみいただければ幸いです。
アルバムの冒頭を飾る「I Believe (When I Fall In Love It Will Be Forever) 」。スティヴィー・ワンダーとイヴォンヌ・ライトが共作した1972年の作品。アートの力強い声が胸に迫ります。スティーヴィー本人の録音は「Taking Book」(1972年)に収録。


アルバムのタイトル曲「Break Away」。イギリスのデュオ・グループ、ギャラガー&ライルの書き下ろし作品です。ご本人たちのセルフ・カヴァーは1976年発表の『Breakaway』やベスト・アルバムに収録。ブログへの埋め込みが無効らしいので下記のアドレスをクリックしてください。
http://www.youtube.com/watch?v=sb4acvJpktc

ほのぼのとした雰囲気の「Disney Girls」。作者はビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストンで、1971年に発表されたビーチ・ボーイズの『Surf's Up』や1977年にリリースしたソロ・アルバム『Going Public』に収録されていました。キャプテン&テニールも『Love Will Keep Us Together』(1975年発表)の中で取り上げています。その縁でしょうか、アートのこの曲のレコーディングにジョンストンとキャプテン&テニールのトニー・テニールも駆けつけていました。


ボサノヴァのカヴァーを1曲。アントニオ・カルロス・ジョビンのナンバーで「Waters And March」。アートのさりげない歌い方が印象に残ります。ジョビンのオリジナル・ヴァージョンは『Jobin』(1972年発表)に収録。


1959年にフラミンゴスが大ヒットさせ、Doo-Wopのスタンダードとなっているナンバー、「I Only Have Eyes For You」。アル・ダービンとハリー・ウォーレンが1934年に書いた作品です。フラミンゴスのヴァージョンは「Flamingos Serenade」(1959年)やベスト盤などに収録。アートの声の魅力が存分に引き出された曲です。ブログへの埋め込みが出来ないようなので下記のアドレスをクリックしてください。
http://www.youtube.com/watch?v=dLn1aUvB-fw

スティーヴン・ビショップ作の「Looking For The Right One」。ビッシュのセルフ・カヴァーは1978年発表の『Bish』やベスト・アルバムに収録。これもアートによく似合った選曲です。


バート・バカラックとのコンビでお馴染みのハル・ディヴィッド作詞、アルバート・ハモンド作曲の『99 Miles From L.A.』。ハモンドのヴァージョンは1975年リリースの『 99 Miles From L.A. 』、1977年発表の『When I Need You』に収録。アートの切ない声が哀感を誘うようです。


本日の友情出演はビッシュ。曲はもちろん「Looking For The Right One」です。


愛への旅立ち愛への旅立ち
(2004/02/25)
アート・ガーファンクル

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コメント

アートは新作が出ると無条件で購入することを決めている数少ない歌手です。
アートのアルバムでは『ウォーターマーク』と『シザース・カット』が双璧のアルバムだと思っていましたが、2年前くらいに、このアルバムが最も好きになりました。
その中でも最も愛する『Rag Doll』が冒頭に挙げられて嬉しく思いました。
TB不調なので過去記事です。

http://home-and-human-navi.blog.ocn.ne.jp/genki100/2007/10/post_945f.html
このアルバムも大好きですが、個人的には『シザース・カット』が1番好きです。もう数えられないほど聴いて、レコードが終わり、輸入盤でCDを手にした時は嬉しかったです!
white様、コメントありがとうございます。
アートの新作を無条件で購入ということはマイア・シャープとバディ・マンドロックとの共作やスタンダード・ナンバー集もお持ちですか。あの2枚もアートの違った魅力が放たれていました。
確か「Rag Doll」が収録されたスティーヴ・イートンのアルバムも取り上げておられましたね。前に試聴させてもらいましたが、なかなか粒ぞろいの楽曲が揃っている様子。少々高額だけど早めに購入しておいたほうがいいですね。
TB不調ですか。whiteさんがSintanさんのヴァレリー・カーターの記事へ送られたTBが上手くいってる様子を確認させてもらっているので、やはりFC2との相性でしょうか。
fighter-k様、コメントありがとうございます。
数えられないほど聴いてすり減ったレコードが役目を果たし、そしてCDを手にする。こうした行為に昨今のダウン・ロード購入では味わえない喜びがありますね。
来日記念として『シザース・カット』の国内盤再発を望んでいるのですが無理のようです。
当時、二人のアルバムに収められた「マイ・リトル・タウン」は嬉しかったですね。アートの最近のスタンダード・アルバムに興味があります。
bornin様、コメントありがとうございます。
プロデューサーにリチャード・ペリーを迎えたアートのスタンダード・アルバムは興味深い選曲がなされていました。ガーシュウィン兄弟の「Someone To Watch Over Me」、ロジャース&ハーマスタイン2世の「If I Loved You」などの傑作のほか、アントニオ・カルロス・ジョビンの「Quiet Nights Of Quiet Stars (Corcovado)」のような曲も含まれていてひねりがきいています。

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