好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Paul Williams - Rainy Days And Mondays

A&Mレコードのアーティストばかりが続きますが、引き続き今回もA&Mに在籍した人を記事にします。その人はポール・ウィリアムス。前回のカレン・カーペンターと関わりが深い人でもあります。
1940年9月19日にネブラスカ州で生まれたポール・ウィリアムスは少年時代から劇団に入って俳優の活動を開始します。1965年公開の映画『Loved One』での演技の表現力が買われ、翌1966年の『The Chase(逃亡地帯)』(マーロン・ブランド、ロバート・レッドフォード主演)に出演する機会を得ました。この映画の撮影の合間に他人からギターを借りて弾いたことがきっかけとなって作詞・作曲に興味を持ち始めたと言われています。また、同時期である1965年には「モンキーズ・ショー」のオーディションを受けるものの不合格となりました。
こうして俳優の仕事の傍ら曲作りを始めたポール・ウィリアムスは1967年にビフ・ローズというコメディアン兼シンガー・ソング・ライターと知り合い共同作業を行うようになりました。2人は共作した7曲をA&Mレコードの音楽出版部門であるアルモ/アーヴィング・ミュージックに持ち込み、担当マネージャーのチャック・ケイに聴かせます。チャック・ケイは7曲の中の3曲を採用しますが、ウィリアムスの詞をいたく気に入り、彼をアルモ/アーヴィング所属の作曲家ロジャー・ニコルズに引き合わせました。なお、相方に振られた格好のビフ・ローズもシンガー・ソング・ライターとしてデヴューすることが叶い、1968年発表の1st『The Thorn In Mrs Rose's Side』にはウィリアムスとの共作曲「Fill Your Heart」を収録しています。彼は以降も数枚のアルバムをリリース。現在もオレゴン州ユージンを拠点にして地道に活動を続けているようです。
こうして巡り会ったポール・ウィリアムスとロジャー・ニコルズは意気投合。二人はコンビを組むことになりました。彼らが最初に書いた曲は先日紹介しましたクロディーヌ・ロンジェの「It's Hard to Say Goodbye」です。
この頃ニコルズはスモール・サークル・オブ・フレンズというグループを組んでいましたが、1枚のアルバムを残してほどなく解散。ポール・ウィリアムスも弟のメンター・ウィリアムスやジェリー・シェフ(エルヴィス・プレスリーのバック・バンドのベーシストとして名を馳せる。スタジオ・ミュージシャンとしての経歴も豊富)らとホリー・マッカレルというバンドを結成し、1968年にはリチャード・ベリーのプロデュースでアルバムをリリースするものの解散の憂き目に遭います。
やがて二人は本格的にソング・ライターとしてのチームの活動を始めます。数々のアーティストに彼らが作った楽曲が次々と採用されるようになりましたが、最初のヒット曲は皮肉にもモンキーズに提供した「Someday Man」(1969年5月、全米81位)でした。さらに、翌1970年にはスリー・ドッグ・ナイトが「Out In The Country」(全米15位)を、カーペンターズが「We've Only Just Begun」(全米2位)をヒットさせます。ことにカーペンターズはこの後も「Rainy Days And Mondays」(1971年、全米2位)、「I Won't Last A day Without You」(1974年、全米11位)などニコルズ=ウィリアムスの作品を取り上げてヒット・チャートに送り込んだことは言うまでもありません。
この余勢を駆って1970年にはポール・ウィリアムスにもソロ・アルバムをワーナー・リプリーズから発表するチャンスが回ってきます。『Someday Man』と名付けられたそのアルバムは全曲をニコルズ=ウィリアムスの楽曲で構成し、ストリングスを効果的に配し凝ったアレンジを施したスモール・サークル・オブ・フレンズを連想させるようなサウンドに仕上げていました。
この後ポール・ウィリアムスはA&Mに移籍。ソロ2作目の『Just An Old Fashioned Love Song』(1971年発表)ではシンガー・ソング・ライターが脚光を浴びていた時代背景を意識したのか、簡素な伴奏とシンプルな音作りを心掛けながら語るように歌っていました。その傾向は翌1972年発表の『Life Goes On』でも引き継がれ、そのことだけが原因ではないもののニコルズとの関係が次第に悪化してコンビが解消されます。
ポール・ウィリアムスは順調にアルバムを発表し続け、活動の場を映画音楽にまで広げて行きました。ジョン・ウィリアムズとテーマ曲「Nice To Be Around」を共作した『Cinderella Liberty(シンデレラ・リバティー)』(1973年公開)、当時14歳のジョディ・フォスターの妖艶な演技が注目された『Bugsy Malone(ダウンタウン物語)』(1976年公開)、バーブラ・ストライザンド、クリス・クリストファーソン主演の『A Star Is Born(スター誕生)』(1977年公開)のテーマ曲「Evergreen」、カエルのカーミットが活躍する『The Muppet Movie』(1979年公開)のテーマ曲「Rainbow Connection」など多数の作品を手掛けています。
また、ブライアン・デ・パルマ監督(1987年公開の『The Untouchables』、1996年公開『Mission: Impossible 』などが有名)による『Phantom Of The Paradise(ファントム・オブ・ザ・パラダイス)』(1974年公開)では音楽担当のみならず昔取った杵柄か、俳優としても出演。レコード会社の社長役を演じていました。
1980年代以降は体調を崩して活動を休止していたポール・ウィリアムスですが、1995年にかつての相棒ロジャー・ニコルズが「サークル・オブ・フレンズ」名義でリリースした『Be The Gentle Of Friends』に客演して再録された「Rainy Days And Mondays」を披露。1997年には日本のパイオニアLDCから『Back To Love Again』を発表し、俳優業も粉しながらマイペースで活動を続けています。

ポール・ウィリアムスが書く詞はシンプルな言葉で表現されたラヴ・ソングが中心です。恋の喜びや悲しみ、人生の機微といったものが、聴き手の心の中に滲み込んで来るような感覚で表現されています。幼き頃に一家が離散するという境遇の中で少年時代から一筋に打ち込み、一時的に注目されるものの鳴かず飛ばずだった俳優業。小柄で小太りという決して恵まれているとは言えない容姿。そうしたことから培われた人生経験が歌詞に込められているのでしょう。朴訥で誠実そうな人柄と相まって、他人への思いやりや幸福の意味などが伝わってきます。

それではまず、「Someday Man」とカーペンターズでお馴染みの「We've Only Just Begun」(1971年発表の『Just An Old Fashioned Love Song』に収録)をお聴きください。後者は希望に満ちた新婚生活をスタートさせたカップルの姿が描かれた作品です。カーペンターズのヴァージョンとは違い、地味ながらも情感を込めて歌われています。




この曲はもともと銀行のCM用に作られた曲です。明るく爽やかなカーペンターズのヴァージョンに近い躍動感が窺えるサウンドに仕上げられていました。


アート・ガーファンクルに取り上げられた「Traveling Boy」(1972年発表の『Life Goes On』収録)。恋人に背を向けて旅する青年の心情が綴られた作品です。アートのヴァージョンは先日紹介した『Angel Clare』に収録されていました。


アルバム『Life Goes On』からもう1曲。カーペンターズでヒットした「I Won't Last A Day Without You」です。都会の中のやるせない職場であってもパートーナーさえいれば癒され、本当の自分を取り戻して乗り切って行けるという意志が表されていました。


カーペンターズのヒットで有名な「Rainy Days And Mondays」(1974年発表の『Here Comes Inspiration』に収録)。しっとりしながらも爽やかなカーペンターズのヴァージョンとは異なり、物寂しげな雰囲気が漂っています。

Rainy Days And Mondays
独り言を言うなんて年を取ったなぁと思う
何も上手くいかない感じがして
ただぶらぶらするだけで
しかめっ面する以外に何もない
雨の日と月曜日は
いつも落ち込んでしまうんだ

人がよく言う憂鬱だという気分さ
どこが悪いってことはないのに
なんだか場違いなところにいる気がして
あちこち歩き回る
寂しい道化みたいに
雨の日と月曜日は
いつも落ち込んでしまうんだ

おかしいんだけど
気がつけばいつもここで君と一緒にいるよね
誰かに愛されているって素敵なこと
おかしいんだけど
唯一できることと言ったら
愛してくれる人を見つけて駆けつけることなんだ

いままでに何度もこんな感情を味わった
話すまでもないことさ
もう分かりきったこと
ただぶらぶらするだけで
しかめっ面する以外に何もない
雨の日と月曜日は
いつも落ち込んでしまうんだ


再び「Rainy Days And Mondays」。前出のロジャー・ニコルズがA Circle Of Friends名義でリリースした『Be Gentle With My Heart』に客演したヴァージョンです。


最後はカーペンターズの皆様に友情出演を願います。曲はもちろんニコルズ=ウィリアムス作の「Rainy Days And Mondays」です。


ユア・ソング~ポール・ウィリアムスユア・ソング~ポール・ウィリアムス
(2007/04/11)
ポール・ウイリアムス

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コメント

初めまして!
ポール・ウィリアムスについて、知りたいと思っていたところ、タイムリーに記事にしていただき、感激しています♪
俳優、シンガー・ソング・ライターなど多芸多才な方なんですね。
Rainy Days And Mondaysも作詞作曲されたのでしょうか?この曲もとってもお気にいりで、ポールさんの歌も味があり、じっくりと聴かせていただきました。

実はポールさんはジョン・デンバーともデュエットしている上にジョンのアルバムの編集も手がけていて、すごく才能なある人なんだと思いました。

とても詳しい記事を書いていただき本当にありがとうございましたv-485

マーヤ様、コメントありがとうございます。松月様やsaya様のブログで何度かお名前を拝見しておりました。ジョン・デンバーがお好きだとか。
『Rainy Days And Mondays』はロジャー・ニコルズとの共作なのでポール・ウィリアムスは作詞のみの担当だと思います。二人の関係悪化は様々な要因があったと思われ、「俺は一人でもやって行けるんだ」と誇示しているわけではないのでしょうが、この曲が収録された1974年発表の『Here Comes Inspiration』ではウィリアムス単独で作った曲が12曲中5曲もありました。ニコルズとの共作はこれ1曲のみです。
ドビー・グレイの「Drift Away」はポール・ウィリアムスの弟、メンター・ウィリアムスの作品です。
つたないブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
Backstreets様、
更なる詳しいご説明をしていただき、ありがとうございます。
作詞作曲のコンビもなかなか折り合っていくのが大変なでしょうね・・・。
アルバムのほうも聴いてみたいと思いました。
「Drift Away」はポール・ウィリアムスの弟、メンター・ウィリアムスの作品だったのですか?これは、本当に勉強になりました。今、ちょっと忙しいので、後日、トラックバックさせていただきますね♪

どうぞよろしくお願いしますm(__)m
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