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The Sandpipers - Guantanamera

このブログはもともと1960年代から1980年代のロック・ミュージックを中心に語りたいとの趣旨で始めたのですが、ここ最近はかなりかけ離れて行ってしまったような気がしています。出来るだけ他の方々の記事と被らないことを念頭に心掛けると、なかなか適切なネタが見つからないものです。

今回紹介するのはザ・サンド・パイパーズ。ロサンゼルスを拠点に活動したヴォーカル・グループです。1960年代のA&Mレコードの創成期に登場し、ヒットを連発したわけではないもののレーベルを代表するアーティストとして評価されています。
メンバーはマイケル・ピアノ、ジム・ブラディ、リチャード・ショフの3人。アルバムにクレジットがありませんが、サポート・メンバーとしてパメラ・ラムシャーという女性も加わっています。
ミッチェル・ボーイズ・クワイアという聖歌隊に所属していたマイケル、ジム、リチャードの3人はグラッズと名乗ってヴァリアント・レコードからシングル盤をリリースしますが鳴かず飛ばず。ほどなくA&Mに移籍し、ザ・サンド・パイパーズと改名します。
前回のクロディーヌ・ロンジェの記事でも少し触れましたが、当時のA&Mはアメリカン・ポップス、スパニッシュ/メキシカン・ポップス、ブラジル音楽などが融合したサウンドを得意としていました。その例に習い、プロデューサーのトミー・リプーマはサンド・パイパーズにキューバの国民的歌謡「guantanamera(グァンタナメラ)」をカヴァーさせます。この曲は全米9位まで駆け上がり、彼らの最大のヒットとなりました。
このヒットの余勢を駆ってデヴュー・アルバム『guantanamera』が1966年にリリースされます。全12曲中6曲がスペイン語(英語との併用含む)で歌われるというこだわりよう。わざわざスペイン語に訳したアメリカ・ポップスまで収録されていました。

まず、アルバム・タイトル曲でもある「Guantanamera」です。この曲はキューバの文学者で19世紀のキューバ独立革命に参加した革命家ホセ・マルティの詩を元にして後年曲が付けられ歌い継がれるようになりました。アメリカではサンド・パイパーズよりも前にピート・シーガー在籍時のウィーバーズのカヴァーで知られています。日本でも加藤和彦さんや北山修さんらが参加していたフォーク・クルセダーズが、1967年に作られた自主制作盤『ハレンチ』の中に収録しています。


スペイン語で歌われていますが、途中で英語の解説が入ります。
歌詞は「俺は椰子の木の育つ島から来た正直者で、あの世に行く前に俺の魂からそれらの詩を取り分けたい。俺が呟く詩は薄い緑。俺の詩は燃え盛る深紅。俺の詩は避難所を探す傷を負った森の子鹿のよう」。最後の一行は「この地球の恵まれない哀れな人々とともに運命を分かち合いたい。山々から流れ落ちる水流が海よりも俺を喜ばせる」と歌う。

続いて「La bamba」。もともとはメキシコ民謡ですが、リッチー・ヴァレンス(1958年)やロス・ロボス(1987年)のカヴァーがあまりにも有名。この曲もフォーク・クルセダーズが前述の『ハレンチ』に収録しています。


ソフト・ロックに仕上げたというより、この時点ではソフト・ロックを予兆させるといったほうが相応しい「What Makes You Dream, Pretty Girl」。


バリー・マン&シンシア・ウェイルのコンビによる「Angelica」。この曲もソフト・ロックを予感させます。


アルバムからさらに2曲聴いていただけると幸いです。フランク・シナトラでお馴染みの「Strangers In The Night」(1966年発表)。もともとはベルト・ケンプフェルトが作曲したアメリカ映画『ダイアモンド作戦』(1965年公開)の主題歌でした。そして、シャルル・トレネが書いたシャンソンの名曲「La Mer (Beyond The Sea)」。レーベル・メイトのウィ・ファイヴも『You Were On My Mind』(1965年発表)でカヴァーしています。




もう1曲。ザ・ビートルズのカヴァー「Things We Said Today」(1964年発表の『A Hard Day's Night』に収録)です。ビートルズ時代からメキシカン・ポップスの名曲「Besame Mucho」を歌っていたポール・マッカートニーですが、自身が作ったこの曲もメキシカン、あるいはラテンを思わすような哀愁を帯びたメロディー・ラインが窺われます。ちょっぴりエスニックな雰囲気がこのアルバムにぴったりの選曲と言えるでしょう。


前述したようにわざわざスペイン語に翻訳して歌った「Louie, Louie」を始め他にも優れたカヴァー曲が揃っているのですが、とても紹介しきれません。ちなみに「Louie, Louie」は1956年にリリースされたリチャード・ベリーという黒人シンガーのものがオリジナルで、1963年のキングスメンのヴァージョンが有名です。他にもザ・キンクス(1964年発表の『Kingsize Session』に収録)、ザ・ビーチ・ボーイズ(1964年発表の『Shut Down Volume 2』に収録)、オーティス・レディング(1964年発表の『Pain In My Heart』に収録)、イギー・ポップ(1993年発表の『American Caesar』に収録)など枚挙に暇がないほどのアーティストが取り上げていました。

アメリカ人の中にはメキシコやキューバや南米などの異国に憧れる人々が多く存在し、こうした異国情緒が溢れる楽曲やアルバムは強く支持をされる傾向がありました。そうした異国への憧憬は少々かたちを変えて、J.D.サウザー、ジェームズ・テイラー、ライ・クーダー、ケニー・ランキンらの楽曲にも反映されていると思います。

このアルバムのアレンジはモート・ガーソンが全12曲中8曲を担当、ニック・デカロが任されていたのは残りの4曲でした。トミー・リプーマとのコンビで後にA&M流のソフト・ロックを創成して行くニック・デカロですが、ここではまだ前哨戦といったところでしょうか。本格的に開花し始めるのはクロディーヌ・ロンジェのアルバム以降ということになります。

Guantanamera/The SandpipersGuantanamera/The Sandpipers
(2001/02/13)
The Sandpipers

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コメント

コメントを頂きありがとうございます
松月さんのところでコメンとを書かれておられたのでBackstreetsさんのお名前は知っていました。
サンドパイパースというグループは名前だけ知っている程度ですがこちらの解説で勉強させていただきました。
Backstreetsさんのブログは情報をたくさん集められていてまるで音楽情報誌のようで驚きました。
僕はブログで何を表現すべきか考えますが結局好きなように書くしかないのでしょうね。
こちらでも素敵な訳詩をされていて僕のいい加減な訳詩が恥ずかしいです。
ただ僕は忠実に訳そうとは思っていません。そもそも僕の英語力では無理ですから。(笑)
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。
それからこちらをリンクさせていただければと思います。
レモン様、コメントありがとうございます。
まったくいい加減で、ごまかしと誤訳ばかりの訳詞なのでお恥ずかしい限りです。
こんなつたないブログでよければリンクしていただけると誠に有り難く存じます。
今後とも宜しくお願い致します。
GuantanameraといえばやはりCelia Cruzのバージョンが頭に浮かびます。 ポップス歌手によるカバーにはない「泥臭さ」やなんともLooseな感じが私的にはたまりません。
Trot様、コメントありがとうございます。
やはりサルサの女王と称される人とは貫禄が違いますね。

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