好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Carly Simon - From The Heart

 今回も前回に引き続き、カーリー・サイモンのアルバム『Torch』から何曲か取り上げたいと思います。

TorchTorch
(2008/07/15)
Carly Simon

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 このアルバムでは、カーリー・サイモンのペンによる唯一のオリジナル曲です。


FROM THE HEART
昨夜、ふたりのうちのどちらかが
「ダーリン」とうわ言を漏らした
真夜中の
夢と眠りの狭間で
あなただったの? それとも私?
わからないわ
でもそのひと言がふたりの間の争いを中断させた
そういうものよ
冷戦とはそんなもの
愛している、との言葉を交わすふたり
というか、ふたりのうちのどちらかがそう言って
そして同意したの
心の底から

昨夜、ふたりのうちのどちらかが
「ごめんなさい」とうわ言を漏らした
狂気の真っただ中で
暗闇と明かりの狭間で
すべてのドアが閉ざされていたかどうかなんて
どうでもいいこと
そして何日も愛が入って来なかった
炎が燃え上がるような冷戦
愛している、との言葉を交わすふたり
というか、ふたりのうちのどちらかがそう言って
そして同意したの
心の底から

夢の霞を通り抜け
真実が姿を現す
私が今でもあなたに心を開いているって分かるでしょ
愛してるわ
愛してる、心の底から

 カーリー・サイモンからジェイムズ・テイラーへの最後通告といった趣が受け取れました。心の中に出来た綻びを今なら修復可能と伝えているようにも受け取れますが、もう後戻りは出来ないという訣別の気持ちが込められているようにも思えました。

 ランバート・ヘンドリックス&ジョン・ヘンドリックス作詞、ジャズ・ピアニストとして有名なランディ・ウエストン作曲の、「PRETTY STRANGE」。1958年の作品です。


PRETTY STRANGE

恋を理解できる人なんていやしない
訳知り顔のひとだって
恋を適切に表現することはできないだろう
あなたが多感だった時期のこと
恋はたんなる時間の無駄だった
かつてのあなたは恋愛ごっこをするにも用心深かった
今じゃ恋に身も心も捧げている
それってとても不思議なことね
あなたなら恋をもてあそべるのに
うんざりするほど戯れることだってできるのに
でもねぇ、おかしく思うかもしれないけれど
あなたは恋なしじゃ生きられない
それってとても不思議なこと

恋を理解できる人なんていやしない
訳知り顔のひとだって
恋を適切に表現することはできないだろう
時々
恋に泣かされることだってあるわ
時には
死にたくなることも
でもねえ、泣き止んだとき
恋は我を忘れるくらい楽しいもの
それってとても不思議なことね

 誰でも同じ経験をしていると思いますが、当然ながらカーリーもJTとの恋愛中はさぞかし楽しかったんでしょう。でも、夢見心地は長く続きません。いったん関係が破綻すると、自己嫌悪に陥るぐらい辛いものです。

 ケーシー・ホーシー作詞、ニコラス・ホームズ作曲の作品にカーリー・サイモンが補作詞した、「What Shall We Do With The Child」。


WHAT SHALL WE DO WITH THE CHILD
分かってるわ、私がはあなたが求めているような女でないことを
あなたが想像していた女なんかじゃないの
あなたが置いたゴールには
ほど遠かったようね
あなたが理想としていた女じゃないから
ふたりは一緒に笑い合ったことがあったけれど
あなたは私が泣いている姿を見たことなんてなかった
まったく意味なく誇張された言葉や何気ない別れに
心を重ね合わせていたようね

だけど子供のことはどうするの?
あなたの瞳と
私の髪と
そしてあなたの笑顔を持ったあの子のことは
ほんの少しの間だけでも
ふたりが恋に落ちた頃を思い出させてくれる子供のことは

生まれたのを知らない娘のことを
あなたは一度も尋ねなかった
私の腕の中で眠っているこの子も
あなたのことを一度も尋ねなかった
あなたがいない生活が日常だから
しかたがないわよね
でも時は過ぎ行き
もうこの子はいろいろなことを尋ねる年頃になろうとしている
あなたのことについても訊いてくるでしょう
どんな風に
わたしはこの子に言ったらよいのかしら
あなたの瞳と
私の髪と
そしてあなたの笑顔を持ったあの子のことは
ほんの少しの間だけでも
ふたりが恋に落ちた頃を思い出させてくれる子供のことは

 悪いのはあなただけではないと反省の弁を述べるものの、やがてちょっぴり恨み節めいた本音を現し、ふたりの間に出来た子供の将来に対する不安な気持ちをのぞかせています。カーリーはこの歌を、JTとの間にもうけた幼い娘と息子に想いを重ねていたことでしょう。
 カーリー・サイモンとJTとの間には長女サラ・マリアことサリー・テイラー(1974年1月7日生まれ)、長男ベンジャミンことベン・テイラー(1977年1月22日生まれ)がおり、『Torch』発表当時は7歳と4歳といったところだったのでしょうか。
 なお、サリー・テイラーはシンガー・ソング・ライターとして1998年に『Tomboy Bride』でデビューしています。2000年にセカンド・アルバム、『Apt Number 6s』、2001年にはサード・アルバム、『Shotgun』をリリース。また、ベン・テイラーも2003年にアルバム、『Famous Among The Burns』でデビュー。2012年までに4枚のアルバムを発表しています。2011年には父ジェイムズとコンサート・ツアーを行い、サリーも飛び入りした日があったとかで、親子共演を果たしていました。

 アルバムのラストを飾るのはスティーヴン・ソンドハイムの作で、ブロードウェイ・ミュージカル『Merrily We Roll Along』(1981年初演)の中で歌われた、「Not A Day Goes By」。スティーヴン・ソンドハイムは『West Side Story』(1957)で作詞を担当して脚光を浴び、『A Funny Thing Happened on the Way to the Forum』(1962)以降は作曲をも手掛けるようになり、『Company』(1970)、『Pacific Overtures』(1976)、『Sweeney Todd 』(1979)、『Into the Woods』(1984)、『Passion』(1994)などの話題作の主題歌・劇中歌の作詞・作曲を受け持ってきました。


NOT A DAY GOES BY
時が止まっている
1日の動きが止まっているの
だけどあなたは私の人生の
どこかにいる
日々が過ぎても
あなたはそこに留まっているよう
いつになったら終わるのかしらと私は考え続けている
忘れ去る日はいつになったらやって来るのかしら
でも私はただ思い続け
うろたえている
そして罵り、泣き叫ぶ
そして寝返りを打ち、手を伸ばす
そして彷徨い歩き、死ぬほどの苦しみを味わう
ああ、1日が止まってしまった
神の祝福を受ける日などありゃしない
だけどあなたは私の人生の
どこかにいる
そしてあなたはいっこうに立ち去ろうとしない
とても厄介なことだわ
私が死ぬ日が来るまでは
来る日も来る日も来る日も
私は死にそうな気分
そう、来る日も来る日も来る日も
何日過ぎても

 別れた人への未練と忘れ去りたい気持ちが交錯し、踏ん切りがつかない様子が窺えます。この曲はJTへの惜別と精一杯の感謝が込められていると捉えてもよいのかもしれません。

 カーリー・サイモンはJTとの別離の後、ラス・カンケルと1984年から夫婦同然の関係を結びますが、1985年に破局。彼女が、1985年にリリースしたアルバム『Spoiled Girls』のオープニングを飾った「My New Boyfriend」はラス・カンケルへの思いを表現した歌とされています。その後、1987年には作家・詩人のジェイムズ・ハートと再婚しましたが、2007年に離別しました。
 いっぽうJTは1985年に女優のキャサリン・ウォーカーと再婚。彼女の献身のおかげでドラッグと縁を切ることが出来たものの1995年に離婚し、2001年にボストン・シンフォニー・オーケストラの広報担当である Caroline ("Kim") Smedvig(キャロライン"キム"スメドヴィグ)と再々婚しています。
 2000年にカーリーはJTのプロデュースで、アルバム『The Bedroom Tapes』をリリース。決して復縁の兆しがあったわけではありません。彼女は2004年に、「もはや元夫について話ことはないわ。もう関係ないもの」といった趣旨の発言をしていました。
 憎しみあって別れるふたり。愛情が亡くなったから縁を切るふたり。発展的解消と言って別々の道を歩むふたり。友達の間柄に戻ったふたり。離婚しても仕事上のパートナーを続けるふたり。夫婦と言う関係を打ち切ってもその後の事情は人それぞれ、千差万別です。価値観が多様化した現代、離婚しても仲良しでいられる元夫婦の微妙で不思議な関係にとやかく言うほうが野暮というものなのかもしれません。
 今は孫に囲まれ、マイペースの活動をするカーリー・サイモン。悠々自適の余生を楽しく、幸福に過ごしていると言えるのでしょうね。

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