好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Chris Hillman - (Take Me In Your Lifeboat)

 桜の花の咲く頃は薄くぼんやりと曇った空模様の日が多いのですが、カリフォルニアを思わせるような青空の日にもソメイヨシノの淡桃色や枝垂れ桜の濃紅色が映え、都会の喧噪と昨今の世の中に起こる祭りのような騒動を暫し忘却の彼方へと押しやってくれそうです。そんな爽快感の中、今回もクリス・ヒルマンの『Slippin' Away』を取り上げることにしました。

スリッピン・アウェイスリッピン・アウェイ
(2005/12/21)
クリス・ヒルマン

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 スティーヴン・スティルス作の「Witching Hour」。この曲はマナサス時代にレコーディングされておりましたが発表されることなく、クリス・ヒルマンのこのソロ・アルバムで陽の目を見ることとなりました。
 技能や力量があり、人生の酸いも甘いも嗅ぎ分けてきたものの怪しい影があり、安易に信用するには危険と思しき男の歌。ザ・ビートルズの「Nowhere Man」を少しばかり連想してしまいました。


WITCHING HOUR
みんなは理解に苦しんでいるようだ
奴はいったい誰で、単なる普通の人間なのか
天国気分を味わったことも地獄のような困難に陥ったこともある男
自分にも訳が分からぬほどの道を旅して来た奴さ

奴はやり方を知っているし、力量もある
伸ばせるだけ手を伸ばし、ひるむことはない
奴は塔を取り壊せと言い
丑三つ時には人々にその代償を支払わせるだろう

創造力が日ごとに膨らみ
いつの日か奴は書き留めたであろう物事を練り上げる
人々はそれを求めてやって来ては述べ
少なくとも自分ひとりではなく
他の誰かも同じようにやっていたのだと知る

奴はとても困惑し
自分が利用されていることを知る
奴を悪用するのは容易く
それで彼は傷つくのだ

夢見る者が新たな観点を持ってやって来て
闇の中に深く隠れた何かに目を向ける
創造力は眩しいほど鮮明で
奴のことを気に入る者もいれば
まやかしだという者もいる

 CS&Nの「Wooden Ships」を彷彿させるマナサスのヴァージョンです。リード・ヴォーカルはもちろん親方のスティーヴン・スティルス。スティルス節が炸裂するこの曲が、どうしてお蔵入りになったのか少々不可解に思えました。2009年にリリースされた未発表曲を中心とするアルバム、『Pieces』に収録。


Manassas PiecesManassas Pieces
(2009/10/05)
Stephen Stills

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 美しいバラード曲、「Love Is The Sweetest Amnesty」。スティーリー・ダンのリード・ヴォーカルを務めたことのあるデヴィッド・パーマーとWha-Kooを結成し、1979年にはソロ・アルバム『Night Eyes』を発表したダニー・ドウマの作品です。
 恩赦(Amnesty)とは大袈裟な表現に思え、要するに自分の行為や言動を大目に見てくれと言いたいのではないかと受け取れました。例えば、「出来心で浮気をしてしまった。どうか許してくれ。水に流してくれ」と懇願している様子が目に浮かびます。甘く優しい雰囲気の曲ですが、勝手な男のご都合主義が窺えてなりません。また、仰々しく恩赦という言葉を使っているため、ラヴソングのみならず神への懺悔と赦免の意味も込められているとの解釈も出来るのかもしれませんが、それではあまりにも虫が良すぎます。と、そのように偉そうなことを言ってみても、所詮それが男の性なんでしょうねぇ。過去を振り返り、驕り高ぶらないよう自戒したいと思います。
 そんな雑念はともかくとして、スティーヴ・クロッパーのギターとクリス・ヒルマンを支えるようなハーブ・ペダーセンのハーモニーが味わい深く心に響きました。


LOVE IS THE SWEETEST AMNESTY
愛は優しき恩赦
空と海の間にある雲のように浮かぶ
君にそれを贈ろう
だから俺にもそんな特別な赦しをくれないか

いま、俺たちは会話を交わし、分かり合える
意見が合わないなら率直な態度でいよう
ふたりの愛を優しき恩赦にしよう

愛は優しき恩赦
ふたりがありのままでいられる活力からの賜り物
俺は君にそれを贈るよ
どうか俺にもその特別な赦しをくれないか
だから君が必要なんだ

俺と君の間には
愛情もあれば拒絶もある
ふたりの魂は神秘の中に包まれている
愛情をもってゆっくり話そうよ

ふたりの愛は最高に優しい赦しになり得るのさ
最高に優しき赦し、最高に優しき恩赦

 アルバムは自らのルーツに感謝を込めるかの如く、ゴスペル風味のブルーグラス、「(Take Me In Your Lifeboat)」で締めくくられています。旧約聖書の『創世記』(6章〜9章)に登場する「ノアの方舟物語」を題材としていると思われ、はしゃぎたくなるような曲調で演奏されているのとは裏腹に、非常に危機的な光景が描かれていました。


(TAKE ME IN YOUR)LIFE BOAT
荒れ狂う嵐に耐え得る
あなたの救命ボートに乗せてください
あなたの救命ボートに乗せてください
家に魂をもたらす
あなたの救命ボートに乗せてください
あなたの救命ボートに乗せてください

さあ、兄弟姉妹たちよ
眠ってはならない
夜も昼も祈りを捧げなさい
さもなくば深い眠りに陥るだろう
そう、父や母たちは一途に祈りを捧げている
ああ神よ、我々を
あなたの救命ボートに乗せてください

雲はとても重く垂れ込み
風は騒々しく吹きすさぶ
雷鳴は轟き
群衆に手招きする
彼らは船員仲間のためと
これまでなされた行いに祈りを捧げ
瀕死の水夫を
救命ボートに乗せる

 これまでリーダー格の片腕としてサポート役に徹して来たクリス・ヒルマン。初のリーダー・アルバムの制作には気負いもあったことでしょう。しかし、今回はラス・カンケル、リーランド・スクラー、ジョー・ララ、ハーブ・ペダーセン、アル・パーキンスといった旧知の面々にスティーヴ・クロッパー、ドナルド・ダック・ダンら御大たちのサポートを受け、ヒルマンの音楽性と人となりが巧みに表現されていたと言えます。ヒルマンは翌1977年にセカンド・アルバム、「Clear Sailin'」を発表。79年にはザ・バーズ時代の仲間だったロジャー・マッギン、ジーン・クラークらとマッギン、クラーク&ヒルマンを結成。来日公演も行いました。

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