好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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America - AMERICA

 ビーチ・ボーイズ関連の楽曲ばかりを記事にしていると、同行されたアメリカの皆さんに失礼ではないかとの気持ちを覚えました。そこで、今回は1971年に発表されたアメリカのファースト・アルバムを取り上げることにします。

名前のない馬[紙ジャケットCD]名前のない馬[紙ジャケットCD]
(2007/07/11)
アメリカ

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1. Riverside
2. Sandman
3. Three Roses
4. Children
5. A Horse With No Name
6. Here
7. I Need You
8. Rainy Day
9. Never Found The Time
10. Clarice
11. Donkey Jaw
12. Pigeon Song

 アメリカのメンバーとなるデューイ・バネル、ジェリー・ベックリー、ダン・ピークの3人はロンドンのハイ・スクールで出会いました。彼らはアメリカ人ですが、軍人である父親の勤務の関係で、イギリスに在住していたのです。
 3人は高校時代に仲間とともにバンド活動を始めましたが、1970年頃に解散。デューイ、ジェリー、ダンは新たにアコースティック主体のトリオで再スタートに臨むことになりました。バンドの名はアメリカ。当時3人が働いていた空軍基地のカフェにあったジュークボックスに「Americana(アメリカーナ)」という商標が記されていたのをヒントにしたと伝えられておりますが、遙なる祖国アメリカへの想いも心の奥底に宿っていたのでしょう。
 ロンドン近郊のクラブを中心に活動するアメリカ。やがて、制作したデモ・テープがクリフ・リチャードやスモール・フェイセズのプロデューサーとして知られるイアン・サムウェルの耳にとまります。斬新な何かを感じ取ったのか、サムウェルはDJの傍らコンサートのブッキングも手掛ける友人のジェフ・デクスターに探りを入れさすかのようにアメリカのステージを観ることを依頼。1970年11月、アメリカのライヴ・パフォーマンスを目の当たりにしたデクスターはたちまち彼らに魅せられ、自らマネージャーを買って出るに至りました。
 そうこうするうち、サムウェルとデクスターの尽力によりアメリカはワーナー・ブラザーズとの契約が成立。1971年9月にデビュー・アルバム、『AMERICA』の発表の運びとなったのです。

 オープニングを飾るデューイ・パネル作の「Riveeside」。アコースティック・ギターのコード・ストロークに軽快なリード、高音域を活かした美しいハーモニーが冴える曲調は、CSN&Yのフォロワーと称されたバドーフ&ロドニーを彷彿させます。


ライヴ映像です。


 全英、全米チャートで1位に輝いた「A Horse With No Name」。デューイ・バネルの作品です。
 一見すると大自然の恩恵を求めて旅立った男の物語のようですが、暗喩で表現された部分もあって難解な歌詞です。ヴェトナム戦争に反対し、合理性やテクノロジーを優先した経済へ異議を呈する形で起こったカウンター・カルチャー華やかなりし1960年代後半から1970年代初頭、物質文明を批判し、自然回帰を求める動きがアメリカの若者を中心に起こりました。そうした流れは西側諸国であり同盟国でもあるイギリスやヨーロッパ諸国にも波及し、本来の人間性や心の内側を見直すといったことが注目されていたのです。
 アメリカの「A Horse With No Name」には、そのような当時のトレンドが背景としてあったのでしょう。都市を「見せかけのもの」と歌うことにより豊かな社会が、限りなき大衆の欲望や環境問題などの弊害をもたらしていると訴えかけているように思えました。また、"horse" にはスラングで「ヘロイン」という意味がありますが、カウンター・カルチャーはドラッグ・カルチャーの側面を持っており、何か隠された意味があるのではないかと考えると興味が尽きません。


セントラル・パークにおけるライブ映像です。


こちらはクリストファー・クロスがゲスト参加した2008年のシカゴでのライヴ映像。


A HORSE WITH NO NAME
旅に出た初めの頃は
世の有り様を眺めて過ごした
植物や小鳥や岩山や身の回りのいろんなものがあり
砂や丘や切り株があった
最初に出会ったのは羽音と立てながら飛ぶ虫
そして雲ひとつない空
温度は高く、大地は乾いていた
だけど大気の中には音が満ち溢れていた

名前のない馬に乗り、俺は砂漠を進んだ
雨が降らずに心地よかった
この砂漠で人は自分らしさを取り戻せる
痛みを食らわせようとする奴なんていないから

砂漠の太陽に照らせれて2日が経ち
俺の肌は赤くなり始めた
砂漠の戯れも3日が過ぎると
俺は川床を見つめていた
かつて流れる川の物語を聞いていたのだが
もう涸れてしまったようで俺を悲しくさせた

9日後に俺は馬を解き放った
砂漠が海に変わったから
それでも植物や小鳥や岩山や身の回りのいろんなものがあり
砂や丘や切り株があった
その海は水面下に生命が満ちた砂漠
上にある世界は完璧な見せかけのもの
都市の下には大地で作られた心が横たわっている
だけど人間たちは愛を与えようとしない

* rings(年輪)という単語を sand(砂)や丘(hills)などの言葉から切り株と訳しましたが、その後に sound という言葉も出て来ることから「響き」と訳すほうが適切なのかもしれません。また、"Under the cities lies a heart made of ground" という歌詞を「都市の下には大地で作られた心が横たわっている」と訳しましたが、理想郷のようなものを示しているのかもしれません。

 シングル・カットされて全米9位のヒットとなったジェリー・ベックリー作の「I Need You」。少々甘いバラード曲ですが、ビートルズを思い起こさせる曲調です。その後、アメリカはジョージ・マーティンをプロデューサーに迎えて『Holiday』(1974)、『Hearts』(1975)、『Hideaway』(1976)、『Harbor』(1977)、『Live』(1977)、『Silent Letter』(1979)などの秀逸なアルバムを発表して行くのですが、下地となるような要素がファースト・アルバムにおいて内包されていたと言えるでしょう。


スタジオ・ライヴのようです。


I NEED YOU
二人で笑ったり、二人で泣いたり
お辞儀をしたり、その理由を考えたりしたものさ
君は行ってしまったけれど
俺は上手くやって行けるだろう
君が残してくれたものを出来るだけ利用して
君が残してくれたもの 俺のために

俺には君が必要さ、花には雨が欠かすことが出来ないように
ねえ、俺には君が必要なんだ、もう一度初めからやり直したい
ああ、俺には君が必要さ、冬の後に春がついて来るように
俺には君が必要なんだよ

来る日も来る日も 君が俺のことを好きなんだって
思っただけで何時間も機嫌良く過ごせた
でも俺が責めを負う日がやって来たのだ
俺にまつわるいろんな噂話のせいで
俺についての噂話のせいさ 噂話のね

 ハリー・ニルソンのカヴァー・ヴァージョン。1976年発表のアルバム、『...That's the Way It Is』に収録されています。


 今回はダン・ピーク作の「Rainy Day」でお開きにしたいと思います。ダンはリード・ヴォーカル、12弦と6弦のアコースティック・ギターを担当。デヴィッド・リンドレーがスライド・ギターで参加し、幻想的な雰囲気を醸し出していました。遠く離れたところにいる恋人に想いを馳せる内容の歌に思えますが、神への畏敬や思慕が表されているのかもしれません。
 提供した3曲のうち、リード・ヴォーカルを取ったのは2曲、とファースト・アルバムではやや地味な存在のダンでしたが、セカンド・アルバム以降はソング・ライターとしての才覚をいかんなく発揮して行くことになります。
 なお、ダン・ピークはコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックに転向するため1977年に脱退。3枚のソロ・アルバムを発表して好評を博しましたが、2011年7月24日に他界しています。


雨の日はいつも
部屋の中でくよくよ悩むのはやめにして
心を覆う雲を遠くに追い払い
生まれる前の自分に戻るんだ

だけど俺には君が泣くのが分かる
涙が君の眼から溢れ出し
あなたの手の中にある私の人生の一片は
時おり傷ついてしまうものだ

遠く離れている時はいつも
あなたの実像を思い描く
輝く唇、鳶色の髪
あなたはすぐ近くに実在する
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コメント

80年代、二人になってからのアメリカファンも多いですが、やっぱり3人の活動時期が好きです。この1stは学生バンドの雰囲気が色濃くてお気に入りの1枚です。ジョージマーチンが監修したベストも良いですね♪
kuwa様、訪問していただき誠にありがとうございます。
おっしゃる通り、デューイ、ジェリー、ダンのパワー・バランスが保たれ、チーム・ワークの取れていた時期のアメリカは充実していて素晴らしいですね。でも、「A Horse With No Name」、「Ventura Highway」は心に滲みるが、「I Need You」、「Sister Golden Hair」、「Daisy Jane」などの曲が軟弱であるとして批判的な見解を持っていた人々もいました。爽やかなコーラスと素朴なサウンドには変わりないのですが、人の好みは難しいものです。

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