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Crosby, Stills, Nash & Young - Compass

 前回はCSN&Yのアルバム『American Dream』を取り上げましたが、ニール・ヤング作の表題曲ばかりについて言及し、残りのメンバーの方々には失礼な扱いをしたように思えます。そこで、今回は引き続きデヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グラハム・ナッシュのお三方のナンバーに焦点を当てて少しばかり語らせていただくことにしました。

American DreamAmerican Dream
(1988/11/15)
Crosby Stills & Nash

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1. American Dream
2. Got It Made
3. Name Of Love
4. Don't Say Good-Bye
5. This Old House
6. Nighttime For Generals
7. Shadowland
8. Drivin' Thunder
9. Clear Blue Skies
10. That Girl
11. Compass
12. Soldiers Of Peace
13. Feel Your Love
14. Night Song


 デヴィッド・クロスビーはドラッグ中毒に苛まれて音楽活動に支障を来し、CS&Nとして1982年に発表したアルバム『DAYLIGHT AGAIN』の録音時でも本調子で臨めませんでした。彼はその後、1986年に銃器法違反で逮捕されて刑務所生活を送り、薬物や飲酒が祟ったのか肝硬変を患って生死の境を彷徨うほどの経験もしています。
 やがて肝移植を含む懸命の治療が功を奏し、クロスビーは社会復帰。以前にニール・ヤングがクロスビーがドラッグを止めて立ち直ることを条件にCSN&Yの再結成に加わることを公約していたこともあり、待ちかねていたようにスティーヴン・スティルス、グラハム・ナッシュも駆けつけ、18年ぶりに4人揃ってのアルバム『American Dream』リリースへと相成りました。

 それでは収録曲を何曲か紹介していきましょう。まず、刑務所の独房で自分の人生を振り返りながら反省し、薬物中毒が災いして肝硬変を発症して死の淵に臨んだ体験を顧みて創作されたデヴィッド・クロスビー作の「Compass」です。苦しみの中から這い上がろうとする意志が表されていました。



COMPASS
俺は目隠しされた状態で10年間を無駄にしてしまった
いま思い返すと俺が費やした時間はその10倍以上に感じられる
蠅が這うように傾斜のある鏡をのたうち回り、
闘志心の反映を失った

だが、北を捜す羅針盤のように
俺の中には今なお、魂が生き続けているのさ
疑念の雲が稲妻と雷鳴によってばらばらに裂け
俺の心の羅針盤から光が放たれている

俺はコウモリの翼をつけて血迷った飛行を続け
死に通じる扉の取手を握ったから闇を知っているのだ
水の中から釣り上げられた魚のように
猫の慈悲を求めて待っている

だが、北を捜す羅針盤のように
俺の中には今なお、魂が生き続けているのさ
疑念の雲が稲妻と雷鳴によってばらばらに裂け
俺の心の羅針盤から光が放たれている

 グラハム・ナッシュの真骨頂のひとつである反戦歌である「Soldiers Of Peace」です。力による平和を掲げたロナルド・レーガン政権下におけるグレナダ侵攻やニカラグア内戦を激化させていったことなどに対する不満や抗議が背景にあるものと推測されます。1980年代ではまだ説得力のあるメッセージでしたが、残念ながら軍事力の用意を後ろ盾にして外交を有利に展開して行くことが主流となった今の世界情勢では非現実的で空しいとの印象が拭えません。



SOLDIERS OF PEACE
平和の兵士たちは戦争という戦いをしない
扉の背後に潜む敵を捜したりしない
殺したり、不具にするために人々を待ち伏せたりしない
平和の兵士たちはゲームを変える

我々の生命を守るために戦っていた男たちはいま、
子供たちのために、家庭や妻のために闘っている
戦死した仲間の思い出のために闘っている
老いた戦士たちはもうこれ以上、人が人を傷つけることを望まないのだ

だから戦いのために生きる戦士たちよ
あなた方より以前に
そこに行ったであろう人たちの声に耳を傾けよう
死んでいったの彼らが真相をあなた方に語るのは当然のこと
老いた戦士たちはもうこれ以上、人が人を傷つけることを望まないのだ

平和の兵士たちには
泣き叫びながら命を失った人々の嘆き声や
体が引き裂かれて魂を粉砕された人々の悲鳴がいまでも聞こえる
平和の兵士たちは人々が嘆き悲しむ光景を見たくないのだ

だから戦いのために生きる戦士たちよ
あなた方より以前に
そこに行ったであろう人たちの声に耳を傾けよう
死んでいったの彼らが真相をあなた方に語るのは当然のこと
老いた戦士たちはもうこれ以上、人が人を傷つけることを望まないのだ

 グラハム・ナッシュの歌声をもう一曲、こちらは切ない失恋の歌、「Don't Say Goodbye」です。政治的な歌のみならずパーソナルな作品もナッシュは得意にしておりますが、これは誰のことを歌っているのでしょうか。



 ニール・ヤング作の「This Old House」もご覧ください。1990年にファーム・エイドに出演した際の映像です。1970年の『DeJa Vu』に収録されていたグラハム・ナッシュ作の「Our House」のささやかな幸福感を崩壊させるが如く、夢と思い出が詰まった家を手放す情景が描かれていました。「我々のこの古い家は夢の上に建てられた/そのことが何を意味するか事業家には分からない/外には妻が毎日手入れしている庭がある/そして明日になれば銀行員がやって来て何もかも奪い去って行く」との歌詞は現在のサブプライム住宅ローン危機を連想させます。アメリカ社会では80年代も今も底辺で起こる問題はさほど変わらないのかもしれません。



 ラストを飾るナンバーはニール・ヤングとスティーヴン・スティルス共作の「Night Song」。このアルバムはニール・ヤングひとりが気を吐き、スティルスの存在感が薄れているような雰囲気がしないでもないのですが、彼の個性的なギター・プレイは随所で堪能出来ます。



 アルバムは全米チャートの16位まで上昇し、まずまずのセールスを記録しました。しかし、1位となった『Deja Vu』や『4 Way Street』には遠く及ばず、物足りなさを覚えざるを得ません。盛者必衰の理の如くといったところでしょうか。
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コメント

こんばんは~
先程は、守備範囲の狭い当ブログにご訪問&コメント、ありがとうございましたm(__)m
本格的な音楽ブログにコメントするので緊張してしまってます。

当時、兄の部屋には、ウエスト・コースト系含む70年代のレコードが
足の踏み場がないほど散乱している状態でして、それを聴き漁るのが趣味な
乙女リアンでした^^;
今から思えば、もっと聴いておけば良かったと思う名盤が沢山あります。
C.S.N&Yもそのうちの一つです。
かろうじて、ニール・ヤングを聴いておいて良かったかなぁと・・^^;

守備範囲を広げる為に、またお邪魔します(^^♪


remy05様、訪問していただき誠にありがとうございます。
レコードが散乱するぐらいに音楽好きのお兄様がおられたことは、音に親しみ感性を豊かにする恵まれた環境だったといえますね。私も小学生時代に兄の部屋から聴こえて来る洋楽を耳にし、すっかりその魅力に惹き付けられてしまいました。
拙いブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
『American Dream』リリースいいですネ!
解説「COMPASS」のクロスビーの自己葛藤の苦闘
そしてナッシュの音楽性「Soldiers Of Peace」。
いつもながら素晴らしい音楽の提供に感心します!!
タウン・ワンダー様、訪問していただき誠にありがとうございます。
麻薬中毒から脱したデヴィッド・クロスビーは、「ドラッグでハイになるよりも、音楽や友情のほうがずっと大切であることにようやく気がついた」との趣旨の告白をしていました。再生というよりも、本来の自分を取り戻すためのあまりにも長い道のりだったようです。

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