好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Batdorf & Rodney - BATDOLF & RODNEY

 前回の記事の中で、ジョン・バドーフがシルヴァー結成前に組んでいたデュオ、バドーフ&ロドニーについて言及しました。そこで今回はアサイラム・レコードから1972年にリリースされたバドーフ&ロドニーのセカンド・アルバム『Batdorf & Rodney』を取り上げます。

Batdorf & RodneyBatdorf & Rodney
(2005/10/25)
Batdorf & Rodney

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1. Poor Man's Dream
2. Oh, Can You Tell Me
3. Between The Ages
4. Home Again
5. By Today
6. Happy Town
7. All I Need
8. Under Fire
9. Let Me Live The Life

 オハイオ州出身のジョン・バドーフとニューヨーク州出身のマーク・ロドニーはともにロサンゼルス育ち。高校時代に初めて出会いましたが、その頃の二人は別々のバンドで活動していました。バドーフのバンドはカウシルズのようなタイプ、一方のロドニーは幾つかのブルース・バンドで活躍し、ブルース・イメージやジミ・ヘンドリックスらとのジャムセッションの経験を積んでいたのです。やがてアコースティックな音を求めてロサンゼルスを離れた二人は1970年にラスヴェガスで再会して意気投合。彼らはデュオを組み、アトランティック・レコードに自ら売り込みを掛けてオーディションを受け、見事アーメット・アーティガンのお眼鏡にかない契約を結びました。

 1971年、ファースト・アルバム『Off The Shelf』を発表。グラハム・ナッシュのような繊細な声質のジョン・バドーフのリード・ヴォーカル、スティーヴン・スティルスを思わせるマーク・ロドニーのギター・プレイ、ほのかにカントリー・ロック的な要素も見え隠れする瑞々しい一枚です。しかし、クロスビー、スティルス&ナッシュを彷彿させる彼らのサウンドとハーモニー・ワークは二番煎じと受け取られたのか、さほど大きな注目を集めるに至りませんでした。

 アルバム『Off The Shelf 』から「Can You See Him」。


 同じく「Oh My Surprise」。


 捨てる神あれば拾う神あり。翌1972年、アサイラムに移籍したバドーフ&ロドニーはセカンド・アルバム『Batdorf & Rodney』をリリースします。CSN&Y風のサウンドは変わらないものの新鮮でのどかな感触が伝わり、同じくCSN&Yフォロワーと揶揄されたアメリカと共通する響きも感じ取れました。
 
 アルバムのオープニングを飾る「Poor Man's Dream」は直訳すると「貧乏人の夢」となりますが、ここでの "Poor" は物質文明を拒否して人間らしく生きたいという願望であると思われます。



POOR MAN'S DREAM
やるべきことはやった
太陽に手が届きそう
人生において
両方の道も真ん中も歩んだ
自分の内なる見すぼらしい男は
正しい道を選んだのだと思う

年老いるのは怖くない
金に未練はない
人生において
両方の道も真ん中も歩んだ
自分の内なる見すぼらしい男は
正しい道を選んだのだと思う

ああ、とても嬉しい
心に溢れる愛
ああ、とてもラッキーだ
幸先の良いスタートが切れて

昨日は良い日だった
怖れは消えてしまった
人生において
両方の道も真ん中も歩んだ
自分の内なる見すぼらしい男は
正しい道を選んだのだと思う

 「Home Again」には故郷の家に辿り着き、周りの風景の輝きを自覚する様子が描かれています。都会の生活では感じられなかった故郷の素朴な美しさに感慨無量といったところでしょうか。「貴方が私を困難から救ってくれた」という歌詞は神、つまりイエス・キリストを指しているかと思われます。



HOME AGAIN
自己を認識させる意識の扉が開いた
老木の下に座り
かつての悩みを一掃して
何よりも幸福と知る

人生においてこの日を待っていた
私は家に戻ってきたのだ
あなたが私を困難から救ってくれた
私はいるべき本来の場所に戻ってきたのだ

直面する新しい目標を
追うことなく捜し求めている
ゆるやかに流れる時間に、もはや競争はない
日々を家で大切に過ごす

澄んだ空気の中では歌声以外のものはない
音楽がハーモニーを奏でる
身の回りのものすべてに喜びが鳴り響く
幸福をやっと見つけたのだ

 バドーフ&ロドニーがアサイラムへ移籍した1972年はヴェトナム戦争が敗色濃厚という形で終結に向かいつつあり、 60年代の混乱の後の重苦しさや閉塞感がアメリカ国民の気分を支配する一方で、70年代への期待から湧き出した平静な空気に包まれようとしていた時期でした。アサイラムのレーベル・メイトであるイーグルスとジャクソン・ブラウンは、「心の重荷を振り払って気楽にやろうよ」と挫折から立ち直ろうとする意志を「Take It Easy」という歌に込め、かたやバドーフ&ロドニーは旅や自然や故郷を題材にして物質優先の社会を見直し、人間性の回復をテーマにしていたのです。
 CSN&Yの流れを汲みながらも牧歌的な雰囲気を漂わせ、溌剌とした若々しさの中にも哀感が窺われたバドーフ&ロドニーの音楽。しかし、彼らのパフォーマンスはアサイラムでも不発に終わりました。
 それでも懸命に努力している二人を神は見放しません。1975年、当時ロック路線に力を入れようとしたアリスタがバドーフ&ロドニーを迎え入れます。ここで彼らは三度目の正直とばかり、アルバム『Life Is You』を発表。「You Are A Song」と「Somewhere In The Night」(アルバム未収録)が下位ながらチャート・インを果たしました。

 アルバム『Life Is You』から「Is It Love」。


 気を良くしたアリスタの社長クライヴ・デイヴィスはバドーフ&ロドニーが大成する可能性に賭けようと後にシルヴァーでヒットする「Wham Bam」をレコーディングさせましたが、マーク・ロドニーがアリスタの商業的なポップ路線と相容れずに結局デュオは解散。ジョン・バドーフはシルヴァーの結成へと動きます。

 シルヴァー解散後のジョン・バドーフは前の記事で述べたようにソング・ライターとしてアメリカやキム・カーンズらに楽曲を提供したり、ロッド・ステュワートやデイヴ・メイソンなどのアルバムにバッキング・ヴォーカルとして参加。そうした裏方の活動の傍ら、1994年にマイケル・マクレーンと組んでアルバム『Look Inside』、97年には『Don't You Know』をリリース。2005年にはパートナーをジェームズ・リー・スタンレーに替えた『All Wood And Stones』とソロ・アルバム『Home Again』を発表してます。


All Wood and StonesAll Wood and Stones
(2005/03/08)
John Batdorf & James Lee Stanley

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 2008年にはマーク・ロドニーとバドーフ&ロドニーを再結成し、アルバム『Still Burning』をリリース。二人はライヴ・ハウスでステージに立ちました。セカンド・アルバム『Batdorf & Rodney』からの「Oh, Can You Tell Me」の映像で今回はお開きにしたいと思います。




Still Burnin'Still Burnin'
(2008/04/15)
Batdorf、Rodney 他

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コメント

地味なアルバムを取り上げてくださりありがとうございます。出来は良いと思うのですが、当時のアサイラムのプロモがテキトーなのかCSNの2番煎じと思われたのか。。。印象が薄いですね。私も、初期アサイラムの収集からたどり着きました・・・・意外とCDが出ていることに驚いてます(笑)
kuwa様、訪問していただき誠にありがとうございます。
バドーフ&ロドニーは商業的に大きな成功を収めることが出来ませんでしたが、コアなファンが多いようで、CDの再発はもとよりYouTubeに幾つも音源や映像がアップされております。中には彼らの曲をカヴァーしているファンの映像までありました。
アリスタ時代に芽が出かけていたので、アサイラムがもう少し本気でプロモートすればもっと注目されたのではと思われ、つくづく残念です。

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