好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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The Beatles - Free As A Bird

 前回の記事でザ・ビートルズの「Real Love」を取り上げましたが、今回は「Free As A Bird」について少しばかり述べさせていただきたいと思います。順序が逆になったようで申し訳ございません。

Anthology 1Anthology 1
(1995/11/20)
Beatles

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FREE AS A BIRD
鳥のように自由に
それは2番目に幸せなこと
鳥のように自由に

目的を完遂させて、早く家に帰りたい
巣に戻って行く鳥のように私は飛ぶのだ
両の翼で鳥のように

いったいどうしたというのだ
かつて我々のものであった日々は
お互いが離ればなれになっても暮らして行けるのだろうか
大切に思えたあの感触は
どこで見失ったのか
私の感性をそうしていつも豊かにしてくれた(鳥のような自由な感触)

 1977年頃にホーム・レコーディングされていた「Free As A Bird」。1988年頃にBBCラジオで放送された「Lost Lennon Tapes」でお披露目されたことがあり、ブートレグも各種出回っているので、熱心なファンの間では既に存在を知られた曲でした。
 一見シンプルに窺える歌詞ですが、抽象的かつ観念的です。1977年頃といえば、ジョン・レノンがハウス・ハズバンド(主夫)として家事や育児に精を出していた時期。ジョンは主夫業の合間に、ひとりであれこれ思索に耽りながら歌の創作にも勤しんでいたのでしょう。
 
 それでは作品の内容に触れてみたいと思います。まず最初のヴァースの"That's the best things to be" を直訳すると、「それがその次に素晴らしいもの」となりますが、マドンナ主演の映画『The Next Best Things』(2000年公開)の日本語タイトルが「二番目に幸せなもの」と付けられていたので、これをそのまま拝借することにしました。でも、一番素晴らしいものとは何なのでしょうね。ジョン・レノンなら「愛」とか「平和」とかと言いたかったのではと想像しがちですが、ビートルズ時代に彼が主導して作った「Happiness Is A Warm Gun」という曲もあるので、もう少し大人になってその解釈を深く思い巡らせたほうが良いのかもしれません。
 次のヴァースの"Home and dry" は成句で、「目的を達成する」という意味です。直訳するとあれこれ仕事を片付けてねぐらに帰るといった趣旨になりますが、その後に続く歌詞の内容を鑑みると、その目的とは「大切だったことを再確認する」(太郎さんのブログ「ひとつのポケットから出た話」参照)といったニュアンスに近いと思えます。何故なら、"Whatever happened to/The lives that we once knew/Can we really live without each other/where did we lose the touch/That seems to mean so much/It always made me feel so" という原文を「いったいどうしたというのだ/かつて我々のものであった日々は/お互いが離ればなれになっても暮らして行けるのだろうか/大切に思えたあの感触は/どこで見失ったのか/私の感性をそうしていつも豊かにしてくれた」と訳すとビートルズのメンバーとの関係が連想され、ポール・マッカートニーが「Let It Be」の中で、"And when the broken hearted people/Living in the world agree, There will be an answer, let it be/For though they may be parted there is/Still a chance that they will see/There will be an answer, let it be" (「この世に生きる傷ついた人々がまたひとつになる時、そこに答えはあるだろう、なるがままに/たとえ離ればなれになろうとも/再び巡り会うチャンスはある/そこに答えはあるだろう、なるがままに」と歌った心境に共通するものが読み取れました。
 また、小野洋子さんとの夫婦生活の変調が示されているようにも受け取れます。ジョンは1974年頃に小野洋子さんと不和を来して一時期別居。ニューヨークを離れてロサンゼルスで暮らした経験がありました。そこで待ち受けていたのは籠から解き放たれた自由な鳥のように羽目を外し、かつての同僚リンゴ・スターやハリー・ニルソンらと毎晩のように飲み歩き、暴力をふるっていざこざを起こす破滅的な日々。いわゆる「失われた週末」と称される期間で、幻覚に怯えるアルコール中毒症の作家の苦悶を描いたビリー・ワイルダー監督の映画のタイトルに、「The Lost Weekend(失われた週末)」(1945年公開)にちなんだものです。結局ジョンと小野さんの別居生活は約1年で解消されましたが、ジョンの自戒を込めた反省の意図が歌詞に表されているのかもしれません。
 もっとも、実際には "Whatever~" 以降のくだりの歌詞はジョンのデモ・レコーディングを聴く限りにおいて完成されておらず、ポールらFAB3が補作したものです。それ故に、FAB3の願望が含まれていると解釈するほうが適切でしょう。それ故に "Home And Dry" と歌ったジョンの本音は、「嫌な仕事(家事や育児など)はさっさと終えちまおう」といったぐらいの気分だったのかもしれません。

 ジョン・レノン単独によるデモ・レコーディング。ビートルズのヴァージョンが、このテイクをベースにしたかどうかは定かでありません。ビートルズ版の歌詞では "That's the best things to be"(「それがその次に素晴らしいもの」と記されていますが、ここでは "That's the best things to being" と聴き取れます。そうなると、「それは存在(あるいは人生)の次に良いもの」といった意味になり、最も素晴らしいものが明確に示されたと言えるでしょう。


 またも出ました、「ご降臨」ライヴ。こんな映像を観てしまうと、「ジョンとジョージはいまでも心の中で生きています」と気取って言ってしまいたくなります。


 よく"Simple Is Best " と言われますが、単純なものほど難解です。小難しいことは考えず、素直に音楽を楽しんだほうが良いのかもしれませんね。
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コメント

今頃コメント差し出しましてナンですがヤッパ歌詞の文面・内容に心打たれホロッと涙が浮かび上がりました。
『これぞビートルズ』と言う感情が趨ります ミ☆
アラン・スミシー様、訪問していただき誠にありがとうございます。
ジョン・レノンのビートルズへの想い、小野洋子さんへの思慕が込められていると考えると、涙が溢れ出てきますね。
拙いブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。

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