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John Lennon - How Do You Sleep

 前々回、前回に引き続いてビートルズ関連の記事になりますが、今回はジョン・レノンが1971年に発表したアルバム、『Imagine』の中から「How Do You Sleep」を取り上げることにしました。ポール・マッカートニーへの皮肉が込められた歌として物議を醸したこの曲。しかし、ジョンからポールに対しての強烈な愛情とメッセージが込められているように思えるのです。

イマジンイマジン
(2010/10/06)
ジョン・レノン

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1. Imagine
2. Crippled Inside
3. Jealous Guy
4. It's So Hard
5. I Don't Wanna Be A Soldier Mama I Don’t Wanna Die
6. Gimme Some Truth
7. Oh My Love
8. How Do You Sleep?
9. How?
10. Oh Yoko!



HOW DO YOU SLEEP
サージェント・ペッパーズのアルバムジャケットには
さすがの君も不意打ちを食らったよな
君はあの母親の目に映る魂胆を見抜いたほうがいいぜ
俺たちの熱狂的なファンが
君が死んだって言ってたのは正しかったな
君が犯した唯一の誤りはその頭の中にあるのさ
どうだい、眠れるかな?
夜はどうやって眠るんだい?

君を王様に祭り上げてる俗物どもに
囲まれて暮らしている
カミさんから何か言われたら
ドキッとしっぱなし
君の唯一の傑作は「イェスタデイ」
君が去った今では「アナザー・デイ」ってとこさ
どうだい、眠れるかな?
夜はどうやって眠るんだい?

きれいな顔はせいぜい持ってあと一年か二年
でもすぐに人々は気づくだろう
君の力量はこんなものかと
君が作り出す音楽は
俺の耳には雑音程度にしか聴こえんぞ
俺たちと過ごした歳月の間に
君はもっと何かを学んだはずなんだがねぇ
どうだい、眠れるかな?
夜はどうやって眠るんだい?

 もともと "How Do You Sleep" という言葉はビートルズの仲間内で、つぶらな瞳のポールのことをふざけて洒落のめすために使われていたらしく、ジョンは当時を思い返しながら歌のタイトルにしたのでしょう。

 歌詞は「サージェント・ペッパーズ云々」で始まりますが、ご丁寧にも冒頭にサージェント・ペッパーズ風のサウンド・コラージュを施した念の入れよう。サージェント・ペッパーズのアルバムジャケットではジョン、ジョージ、リンゴの三人が明るく派手な色のミリタリー・ルックに身を包んでいるのに対し、ポールだけが比較的地味なブルーを纏っていたことを始めとしたこじつけにもならないことを根拠に様々な解釈がなされ、ポールは既に死んでいるとの噂が広まりました。そして、『サージェント』以降のアルバムのジャケットや収録曲の内容にまつわる荒唐無稽と思えるような死亡説が流布されたのです。
 次のヴァースの「君を王様に祭り上げている俗物ども」とはウイングスのメンバーや音楽業界関係者はもとより、金儲けを狙ってすり寄って来る人々を指すのでしょう。言葉巧みに近づいて来る連中には気をつけろと注意しています。続く、「カミさんから・・・・・・」は女房の尻に敷かれるなとの忠告であり、ジョン自身の自戒の念が込められているのかもしれません。そして、「アナザー・デイ(Another Day)等々」は「ありふれた一日」という意味なので傑作も色褪せたと捉えがちですが、好意的に解釈すれば「君がいなくて淋しいぜ」と言う具合にも受け取れます。
 最後のヴァースの「きれいな顔は云々」以下の歌詞はルックスはもちろん、ビートルズ時代に築いた過去の栄光を指し、「そんなものに頼っていると痛い目に合うから精進してもっといい音楽を作るんだ。君なら出来るはず」と励ましているかのよう。冷静な視点に立って吟味すると悪口どころか、別れてもかつての仲間を思うジョンの気持ちがよく表されていました。
 
 金品に目が眩んだり、あるいは自己保身のためにいとも簡単に人を裏切る輩。親切を踏みにじり、恩を仇で返す輩。忠告を無視して逆恨みする輩。そんな手合いが多い昨今、こんなに親友のことを気にかけてくれる人は滅多にいないでしょう。ポールも当初は気を悪くしたようですが、後にかつての同僚であるジョンからの親切なアドヴァイスに謝辞を述べていました。
 ティーン・エイジャーの頃から苦楽を共にしてきたジョンとポール。ジョンが本気で怒ればどうなるか、ポールにはお見通しだったと推察されます。ともすれば小野洋子さんやジョンの先妻シンシアよりもよく分かっていたのかもしれません。
 
 ピート・ベストがビートルズを脱退した一因はジョン、ポール、ジョージのジョークについて行けなかったことによるとの逸話を聞いたことがありました。FAB4の感覚で交わされる会話は常人に理解し難いものだったのかもしれません。そう考えると、「How Do You Sleep」はたんなる彼ら一流のジョークの範囲内と捉えて理解したほうが良さそうですね。

こちらはレコーディング風景の映像のようです。ジョージ・ハリスンがリード・ギターを担当していました。


 なお、「君はあの母親(たぶんリンダ・マッカートニーのこと)の目に映る魂胆を見抜いたほうがいいぜ」の原文は "You better see right thru that Mother's eyes" です。CD等の対訳では「女々しい目を見開いて良く見るがいい」といった具合に訳されていることが多いようですが、寡聞にしてそのような言い回しを知りません。ご存知の方がおられれば、教示していただけると幸いです。
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コメント

v-255 Backstreetsさん、こんにちは。

「Mother's 」を女々しいと言う表現は初めてです。
意訳なのかな?それとも英語表現にはある?

確かにアメリカ人のジョークに比べると
イギリス人のはブラックジョークとは行かないまでもそれに近い様な気がします。

shoppgirl様、訪問していただき誠にありがとうございます。
私の所有しているLPは英盤ですが、国内盤に付いていた和訳は確か今野雄二先生が担当していたように思われ、「あの母親には気をつけろ」といった趣旨が書かれてあったような記憶があります。CDの「女々しい目ん玉を見開き云々」の訳のほうが正しいとすれば、歌詞の持つニュアンスも少々変わってきますね。
日本人の感覚とは多少異なりますが、イギリス人も「本音と建前」や「謙遜」のようなものがあると聞きました。でも、本文でも記したようにFAB4の感覚は常人では理解不能でしょう。それ故、"How Do You Sleep" は罵倒ではなく、日頃交わしていたジョークの延長線上にあるという風に解釈したほうが良いのかもしれません。
こんばんは^^
この曲で、ジョンはポールへの誹謗中傷を綴っていますね。
ビートルズ時代のことを持ち出して、「サージェント・ペパーズ云々」とか、後期に発生した「ポール死亡説」を持ち出してみたりしてますね。「アナザー・デイ」は、ウィングス時代の曲でしょうか??
ジョークの延長線上・・・、そうかもしれませんね。
saya様、訪問していただき誠にありがとうございます。
ジョン・レノンは「ポールのことを皮肉ったつもりだったが、結局は自分のことを歌ってしまった」と述懐していました。激しい内容ですが、彼らのように本音で語り合い、憎まれ口を叩き合える関係は素敵です。やはりFAB4の感覚はFAB4以外の人間には理解出来ないのかもしれません。
なお、ポール・マッカートニーの「アナザー・デイ」は1971年2月に発表されたソロ・シングルで、ウイングス結成前の作品です。ちなみにジョンはこの「アナザー・デイ」を貶しましたが、言い過ぎたと思ったのか、ウイングスのファースト・アルバム『ワイルド・ライフ』(1971年12月発売)には高い評価を与えていました。

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