好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Linda Ronstadt - Poor Poor Pitiful Me

今回もリンダ・ロンシュタットが1977年にリリースしたアルバム、「Simple Dreams」をお題とします。拙ブログとリンクしていただいているPurple_Hazeさんが、リンダ・ロンシュタットの取り上げた曲を記事にしてシリーズ化しておられるのに対抗しているわけではございません。数曲ずつ紹介することでネタ切れをごまかしているだけです。

夢はひとつだけ夢はひとつだけ
(2011/02/23)
リンダ・ロンシュタット

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1. It's So Easy
2. Carmelita
3. Simple Man, Simple Dream
4. Sorrow Lives Here
5. I Will Never Marry
6. Blue Bayou
7. Poor Poor Pitiful Me
8. Maybe I'm Right
9. Tumbling Dice
10. Old Paint

前回はJ.D.サウザーが関与した2曲を紹介しましたが、今回はウォーレン・ジヴォンが提供した2曲について少しばかり言及したいと思います。ウォーレン・ジヴォンに関しては以前にも断片的に述べたことがありますが、ここでも彼の経歴を少しばかり記すことから話を始めましょう。

ウォーレン・ジヴォン
1947年1月24日、シカゴの生まれ。父親がロシア系移民のギャンブラーだったために幼少の頃よりアメリカ各地を転々とした。中学生の頃にロサンゼルスに落ち着き、クラシック・ピアノを学ぶ。やがてボブ・ディランに憧れ、単身ニューヨークに向かいフォーク・シンガーを目指した。しかし、夢叶わず再びロスに戻り、1965年頃よりバッキング・ミュージシャンとして活動を始める。同時にソング・ライターとしての才覚も発揮するようになり、タートルズに「Outside Chance」を提供。地道な努力が実を結び、1970年にインペリアルから念願のデビュー・アルバム『Wanted Dead Or Alive』を発表し、収録曲「She Quite Me」が1969年公開の映画『Midnight Cowboy(真夜中のカーボーイ)』のサントラ盤の中の一曲に採用された。しかし、自身のアルバムの売り上げは芳しくなく再びバック・アップ・ミュージシャンとして生計を立てることになる。この頃エヴァリー・ブラザーズのバック・バンドに加わり、後にリンダのバックを受け持つワディ・ワクテルと出逢った。
雨過天晴。ほどなくしてジヴォンは親友であるジャクソン・ブラウンの口利きでアサイラムと契約。1976年にジャクソン・ブラウンのプロデュースの下、『Warren Zevon』をリリースした。その後も『Excitable Boy』 (1978)、『Bad Luck Streak In Dancing School』(1980)、『Stand In The Fire』(1980)と順調にアルバムを発表するも売り上げは伸びず、1982年の『The Envoy』を最後にアサイラムから契約を打ち切られる。ジヴォンはそのショックからアルコールに溺れるようになり、シーンから遠ざかって行った。この荒んだ状態のジヴォンを精神的に支え、復帰を促していたのが J.D.サウザーだと言われている。
1987年、アルコール依存症を乗り越え、ニール・ヤングやREMの協力を得て、ヴァージンより復活作『Sentimental Hygiene』を発表。ユーモアや皮肉を込めた批評精神溢れる歌詞は健在で、巧みに取り入れたシンセサイザーの音色がジヴォン独特の厭世的な雰囲気に適合した印象を与えていた。1990年にはジャイアント、2000年にはアルテミスへと移籍。ヒット・チャートには無縁だが、存在感のある唯一無比の音楽を作り出している。2003年9月7日、肺癌のため死去。



CARMELITA
ラジオから雑音の入ったマリアッチが聴こえる
暗闇の中で熱と光を放つブラウン管
そして私とあなたはエンセナダに
そして私はここエコー・パークに

カルメリータ、もっとしっかり抱きしめて
私はもう駄目になりそう
ヘロインで身も心もボロボロになっている
この町の外れで

スミス&ウエッソンを質に入れて
私のあの人に会いに行った
彼がたむろするアルヴァラード・ストリート
パイオニア・チキン・スタンドへ

ここに座って私はひとりでトランプ遊びに興じている
真珠の柄が付いた一組のトランプで
州の行政はもうメタドンも出してくれないだろうし
生活保護も打ち切られてしまった

スミス&ウエッソン(Smith & Wesson)
米国製のリヴォルヴァー
メタドン(Methadone)
ヘロイン中毒の治療に用いる合成麻酔剤
生活保護(Welfare check)
ここでは生活保護と訳しましたが、消息不明の家族や友人を捜索する警察の業務という意味もあるようです。

元々はドラッグと恋に溺れた男の哀感が描かれているのですが、カントリー風のアレンジをバックにリンダは主人公を女性に変更して淡々と歌っています。同じ歌でも性別が違えば視点も変わり、ニュアンスも微妙に異なるものでしょう。
ウォーレン・ジヴォンの経歴紹介のところでも触れましたが、このアルバム『Simple Dreams』当時のリンダのバック・バンドのメンバーの中にワディ・ワクテルが参加しており、彼が親友であるウォーレン・ジヴォンの作品をリンダに推薦したのかもしれません。ちなみに、そのワディ・ワクテルが参加していた前作『Hasten Down The Wind』でもリンダはジヴォン作の表題曲を取り上げていました。

ウォーレン・ジヴォンのヴァージョンは1976年リリースの『Warren Zevon』に収録。



Warren Zevon (Coll)Warren Zevon (Coll)
(2008/12/08)
Warren Zevon

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POOR POOR PITIFUL ME
鉄道の線路に頭を寝かせて
EE列車を待っている
だけどEEはもうここを走っていない
可哀相なぐらいついてない私

可哀相な私
とことんついていない
男たちは私を放っておいてくれない
ああ、もう勘弁して
悲しくて泣けてきちゃう

ハリウッドで出逢った男は
誰とは言わないけれど
彼は本当に酷い目にあわせてくれた
まるでジェシー・ジェイムズ
そう、本当にいいように振り回してくれたわ
道楽が男の甲斐性ってことね
彼は私を悲惨な目にあわせた
ミキサーにかけられらみたいにね

横浜のヴー・カレーで
出逢った男の子
私をナンパして押し倒しておきながら
「お願いだから痛くしないで」だって

惨めで惨めで惨めな私
ほんとについてない私

自殺未遂で幕を開ける不運な主人公の境遇に気が滅入りますが、リンダが歌うと思わず苦笑するぐらいのユーモラスな印象を受けました。ウォーレン・ジヴォンのオリジナル・ヴァージョンには「横浜のヴー・カレー」という歌詞が出て来ません。ジヴォンが自身の曲を贔屓にしてもらっているリンダのために新たに書き加えたのか、リンダあるいは彼女のスタッフが書き変えたのか。このあたりの事情に詳しい方のご教示がいただければ幸いです。

こちらはライヴ映像。1996年にホワイト・ハウスで行ったもので、冒頭にクリントン元大統領夫妻の姿が映っています。
http://www.youtube.com/watch?v=aahtK6W7l78

ウォーレン・ジヴォンのヴァージョンは前述の『Warren Zevon』に収録。今回はブルース・スプリングスティーン作の「Cadillac Ranch」(1980年発表の『The River』に収録)とのメドレーで歌ったライヴ映像をご覧ください。ジヴォンのピアノがロイ・ビタンを連想させるようで興味深く思われます。
http://www.youtube.com/watch?v=D3SUJTcc8dE

カナダ出身のテリー・クラークのヴァージョン(1996年発表)も注目されました。
http://www.youtube.com/watch?v=T3064dD-qGQ

ジャクソン・ブラウンとボニー・レイットの共演で今回はお開きにします。トリビュート・アルバム『Songs Of Warren Zevon -Enjoyevery Sandwich』(2004年発表)に収録。



Enjoy Every Sandwich: the Songs of Warren ZevonEnjoy Every Sandwich: the Songs of Warren Zevon
(2007/10/23)
Enjoy Every Sandwich: The Songs of Warren Zevon

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コメント

このアルバムは、高校時代に肉屋のO君が購入し当時、彼の家で前作「風にさらわれた恋」と併せ、みんなでよく聴いていました(笑)
良い曲が多いですが、J・Dサウザーやウォーレン・ジィボンの曲を中心にバンドで演った「イッソーイージー」やマイク・オールドリッシジのドブロとか魅力満載ですね。もちろん、ワディ・ワクテルも好きなギターリストです。
kuwa様、訪問いただきありがとうございます。
ウォーレン・ジヴォンの楽曲を表題曲とした『風にさらわれた恋』ともども、この『夢はひとつだけ』はリンダ・ロンシュタットの最盛期の一枚に数え上げられますね。 ワディ・ワクテルを中心としたこの時期のリンダのバック・バンドはバランスが取れてチームワークも良く、充実した演奏を聴かせてくれました。セルダム・シーンのマイク・オールドリッジのドブロも印象的。リンダとドリー・パートンの華やかな共演の影で渋い光沢を放っていました。
J.D.サウザーやウォーレン・ジヴォンの作品をバンドで演られていたとは興味深いですね。
お読みになっているかもしれませんが、僕のブログにこの曲の歌詞についてMonaさんが興味深いコメントを書いて下さってます。
『特にインパクトがあるのは、ヘロイン中毒の主人公が、クスリを買うお金欲しさに、スミス&コロナ製のタイプライターを質屋に持って行き、それから売人に会いに行くというくだり。
タイプライターというのが、いかにもWZらしいです。ちなみに、「物書き」というイメージからほど遠い(失礼!)Lindaのヴァージョンでは、「Smith & Corona」ではなく、あえて「Smith & Wesson」と置き換えているのが笑えます。
でも、ヘロイン中毒者が、銃を質に入れるより、タイプライターを入れる方が、ずっと意外性があって、ドラマティックだと思いませんか?』

それからパイオニア・チキン・スタンドも実在してたらしいですね。
http://home.comcast.net/~gr8tvfx/PCS/Pioneer_Chicken_Stand.html

不覚にも「Songs Of Warren Zevon -Enjoyevery Sandwich」ノーチェックでした。
早速買います。
Purple_Haze様、訪問いただきありがとうございます。
確かにヘロイン中毒者がタイプライターを質に入れることは意外性があってドラマティックですが、女性が護身用に銃を持ち歩いているというアメリカ社会の現実が浮き彫りにされていることも興味深く思えました。このあたりがオリジナルとの差別化が図られているのでしょう。
パイオニア・チキン・スタンドは実在しているんですね。もっと注意深く調べれば良かったと反省しきりです。
ウォーレン・ジヴォンへのトリビュート・アルバム『Songs Of Warren Zevon -Enjoyevery Sandwich』。錚々たるメンバーが参加し、各々の個性を生かしてジヴォンの作品を聴かせてくれました。友人たちのジヴォンへの愛が溢れた1枚といったところです。

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