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J.D.Souther - Natural History

懐メロブログと化さないように、今回も新作をお題とします。ご登場いただくアーティストはJ.D.サウザー。彼が今年、2010年5月31日(国内盤6月8日)にリリースしたばかりのアルバム、『Natural History』を取り上げることにしました。でも、セルフ・カヴァー集なので、やはり懐メロの範疇に入ってしまうんでしょうかねぇ・・・・・・。

ナチュラル・ヒストリーナチュラル・ヒストリー
(2011/06/08)
J.D.サウザー

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1. Go Ahead And Rain
2. Faithless Love
3. You're Only Lonely
4. The Sad Cafe
5. Silver Blue
6. New Kid In Town
7. I'll Take Care Of You
8. Little Victories
9. Prisoner In Disguise
10. Best Of My Love
11. I'll Be Here At Closing Time
12. How Long(Bonus Track)
13. Heartache Tonight (Bonus Track)

前作『If The World Was You』がジャジーな上に、エスニックな雰囲気さえ漂わせていて、カントリー風味のアレンジが施されたシンガー・ソング・ライターとしての作品を望んでいた旧来のファンの期待を少なからず裏切った結果となりました。人間は進歩するものであり過去のスタイルに拘っていられないといったところでしょうか、J.D.にしてみれば否定的な声にかまうことなくライヴ活動に勤しみ、熟成した味わいを披露。還暦過ぎた男の熟成ぶりを醸し出していたのです。

惑うことなく我が道を行くようなJ.D.ザウザー。彼のライヴ・パフォーマンスは好評を博し、再び脚光を浴び始めました。そんな時、J.D.の過去の作品を埋もれさせるには忍びないと思ったのか、バリー・マンの『Soul & Inspiration』(2000)、ジミー・ウェッブの「Just Across The River」(2010)などのセルフ・カヴァー集を手掛けたプロデューサーのフレッド・モーリンが彼にもセルフ・カヴァー集のレコーディングをオファー。当初は渋り気味だったJ.D.でしたが、モーリンの熱意にほだされ、自身の意欲が込み上げてくるタイミングを見計らいながらアルバムの完成へと向かうことになったのです。
J.D.によるギターの弾き語りをベースにピアノ、ベース、ドラムが控えめに伴奏し、曲によってはサックスやトランペットがジャジーな音色を効果的に奏でるといったシンプルな音作り。当世流行の安易なセルフ・カヴァー集ではなく、J.D.のキャリアから珠玉の作品が選び抜かれ、かつての名曲が新しい魂が込められたように甦ったような感覚を受けました。歌声は甘く耳元に響き、熟成というよりも瑞々しさをたたえ、彼の歌心が表されたアルバムに仕上がっています。

参考までに収録曲のファースト・レコーディングは以下の通りです。イーグルスのグレン・フライとは若き日々にロングブランチ&ペニーウィッスルというデュオを組んで1969年にデビュー・アルバムを発表していますが、解散後も二人の交流は続き、イーグルスの楽曲をドン・ヘンリーら他のメンバーをも加えて共作してきました。
1. Go Ahead And Rain (1984年発表の『Home By Down』収録)
2. Faithless Love (1976年の『Black Rose』に収録)
3. You're Only Lonely (1979年の『You're Only Lonely』に収録)
4. The Sad Cafe (グレン・フライらとの共作。イーグルスの1979年のアルバム『Long Run』に収録)
5. Silver Blue(『Black Rose』に収録)
6. New Kid In Town (グレン・フライらとの共作。イーグルスの1976年作、『Hotel California』に収録)
7. I'll Take Care Of You (ディキシー・チックスの1998年作、『Wide Open Space』に提供)
8. Little Victories (近年のライヴで歌っている未発表曲らしい)
9. Prisoner In Disguise(サウザー・フューレイ・ヒルマン・バンドの1975年作『Trouble In Paradise』、リンダ・ロンシュタットの1975年作『Prisoners In Disguise』に収録)
10. Best Of My Love (グレン・フライらとの共作。イーグルスの1974年作、『On The Border』に収録)
11. I'll Be Here At Closing Time (2008年の『If The World Was You』に収録)
12. How Long(国内盤ボーナス・トラック。イーグルスが2007年に発表した『Long Road Out Of Eden』に収録)
13. Heartache Tonight (国内盤ボーナス・トラック。グレン・フライらとの共作。イーグルスの『Long Run』に収録)

それではアルバムの中から何曲か紹介します。まず、リンダ・ロンシュタットでもお馴染みの「Faithless Love 」。自分の過ちを後悔する切ない気持ちが如実に伝わる失恋の歌です。


FAITHLESS LOVE
不実な愛・・・川の流れのよう
枯れた薔薇の上に落ちる雨に雫のよう
誰も訪れることがない谷で
夜が冷たく暗い風の中で巡る
川の流れのような不実な愛

不実な愛・・・俺はどこで間違えたのか
あまりにも多くの物語と
数えきれないほどの失恋の歌
誰が正しいわけでも誰が間違っているわけでもない
不実の愛がおまえの傍に寄り
不幸がつきまとう
俺がどこかで間違えた不実の愛

今、俺は叶わなかった夢の回廊に立っているようだ
時おりそんな風な気分を味わう
新しい恋はいつも思い通りにはならない
気持ちは移り変わるものだから

不実な愛・・・川の流れのよう
枯れた薔薇の上に落ちる雨に雫のよう
誰も訪れることがない谷で
不実の愛が俺の傍に寄り
冷たい腕で俺を包み込んだ
不実の愛・・・川の流れのよう

リンダのヴァージョンは1974年発表の『Heart Like A Wheel』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=UMUw67bNQ8Q

大ヒット曲、「You're Only Lonely」。こちらは1990年に来日した時のパフォーマンスをご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=j0vucbsBizo

イーグルスのナンバー、「The Sad Cafe」。ドン・ヘンリー、グレン・フライ、ジョー・ウォルシュらイーグルスの面々との共作です。


イーグルスのヴァージョンです。
http://www.youtube.com/watch?v=LNa8jiApWo0

こちらも自分の過ちを悔い、未練が募る気持ちが描かれた、「Silver Blue」。


SILVER BLUE
シルヴァー・ブルー、彼女は誰にも別れを告げなかった
よくよく考えた末に
彼女は俺を道に残して去って行ったのだ
おまえは寂しくても
決してそんな素振りを見せなかった
だけどいつの日かおまえがここにいて
おまえを残して俺が故郷に帰る
不幸は俺に責任がある
俺がおまえを連れ回したから
そして今、俺たちは弱っていて立つことも出来ない
おまえは永遠に生きるつもりで
どうにかして俺の傍にいようとしている
だけどおまえは金の翼をつけたままで
空から真っ逆さまに落ちるだろう

おまえを求めるなんて
俺は馬鹿だった
こんなに辛い思いをしたのに
泣いていることにも気がつかないほどだ
だから寂しいと思ったら
俺に知らせてくれ
すぐにおまえのもとに駆けつけるだろう
優しくなだめながら家に連れ帰ってあげよう

リンダ・ロンシュタットのヴァージョンは1975年の『Prisoners In Disguise』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=vPV0zGZ_4Lw

ドン・ヘンリー、グレン・フライらと共作したあまりにも有名なイーグルス・ナンバー、「New Kid In Town」。こちらもライヴ映像でお楽しみください。


イーグルスのヴァージョンも宜しければどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=8u7J60I_wro

前述した通り、アルバム『If The World Was You』からの「I'll Be Here At Closing Time」。 アコースティック・ギターの弾き語りには説得力があります。


アルバム・ヴァージョンでは少々ロカビリー調にアレンジされていた「Heartache Tonight」。このライヴ映像では控えめながらもノリのよい仕上げにしようと懸命な様子が窺えます。


こちらがイーグルスのヴァージョン。
http://www.youtube.com/watch?v=EVlQgxy15D4

YouTubeには新作アルバムからの音源・映像が「Faithless Love」のみしかなかったので、雰囲気だけでもつかんでもらおうと最近のライヴ映像でお茶を濁す結果となりました。結局詐欺、ペテンのような記事になってしまい誠に申し訳ございません。現総理と前総理のやり取りを彷彿させるようで反省することしきりです。しかし、現総理も前総理にだけは言われたくなかったでしょう。その部分だけは同情致します。

お詫びの印にならないかもしれませんが、スタンダード・ナンバーの「Bye Bye Blackbird」を歌うJ.D.の映像で今回はお開きとさせていただきます。

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コメント

こんばんは。あれ?こんなセルフ・カバー集出していたんですね?前作は購入し、以前と異なる雰囲気にとまどいました。この人、ロイ・オービソン好きだからロックンロールで行って欲しいんですけど。。。収録された曲を見ると、佳曲がいっぱいありますね。グレン・フライは利用していたのか友人として本当に敬意を払っていたのか、最近のイーグルスを見ていると疑心暗鬼になります。
前記事のロビーロバートソンも個人的には同様のイメージです。ファンの方、すいません。
kuwa様、ご訪問ありがとうございます。
本作における穏やかで味わい深いJ.D.の歌声。前作の変貌ぶりに少々とまどったファンも、今回の出来映えには納得されると思います。国内盤ボーナス・トラックとして収録された「Heartache Tonight」はアコースティック主体ながらもロカビリー調にアレンジされ、彼の本領が発揮されたと言えるでしょう。
グレン・フライは親友としてJ.D.をバックアップしているのか、はたまた自分の都合で利用しているだけなのか、いささか疑問符が付くところです。どちらにしてもグレン・フライ、あるいはイーグルスの利益に繋がっており、そう考えるとグレン・フライという人のしたたかな面が窺い知れます。
J.D.サウザーといえばやっぱり思い浮かぶのはリンダ。

そういえば先週、アンドリュー・ゴールドが亡くなりましたね。
がじゅまる様、ご訪問ありがとうございます。
かつてリンダ・ロンシュタットと公私にわたるパートナーの関係だったJ.D.サウザー。そんな時期に作られた「Faithless Love」を、彼はいまどんな気持ちで歌っているのでしょうね。
アンドリュー・ゴールドの突然の訃報。昨年のケニー・エドワーズに続き、リンダ・ロンシュタットにもカーラ・ボノフにも縁の深いアーティストがまたひとり旅立って行かれました。
このセルフ・カヴァ・アルバム、いいですねぇ~♪
偶々「The Sad Cafe」のYou Tube映像を漁ってて
J.Dヴァージョンを見つけて、そしてこのアルバムの存在を知りました。
大好きな「ホワイト・リズム&ブルース」が収録されてないのが残念!
remy05様、訪問していただき誠にありがとうございます。
不惑の年はとうに過ぎ、迷うことなく自分を信じて歌い続けるJ.D.サウザー。カヴァー・アルバムが流行る昨今ですが、決して安易に妥協することなく丹精が込められた趣が滲み出ています。これまで他人に提供した曲のセルフ・カヴァーに新鮮な響きを覚えました。
おっしゃる通り、私も「ホワイト・リズム&ブルース」が収録されていないのを残念に思います。リンダ・ロンシュタットとの関係を物語る歌なので、まだ吹っ切れない部分があるのかもしれませんね。

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