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Robbie Robertson - Storyville

ロビー・ロバートソンの新作がリリースされるという情報が入ってきました。一年ほど前にエリック・クラプトンとレコーディングを行ったという話を耳にしたことがありましたが、既に忘却の彼方。頭の片隅から消えかけていたところでの嬉しい知らせです。

ハウ・トゥ・ビカム・クレアヴォヤントハウ・トゥ・ビカム・クレアヴォヤント
(2011/03/23)
ロビー・ロバートソン feat.エリック・クラプトン、ロビー・ロバートソン 他

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そこで、今回は彼が1991年に発表したセカンド・アルバム『Storyville』を取り上げます。

ストーリーヴィル+2(紙ジャケット仕様)ストーリーヴィル+2(紙ジャケット仕様)
(2010/11/24)
ロビー・ロバートソン

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01. Night Parade
02. Hold Back The Dawn
03. Go Back To Your Woods
04. Soap Box Preacher
05. Day Of Reckoning (Burnin For You)
06. What About Now
07. Shake This Town
08. Breakin The Rules
09. Resurrection
10. Sign Of The Rainbow
(Bonus Tracks)
11. Storyville
12. The Far, Lonely Cry Of Trains

1987年発売のファースト・アルバム『Robbie Robertson』がザ・バンドの音楽と異質な響きになっていたことで、ファンからは驚きと落胆の声で迎えられました。僚友のリチャード・マニュエルに捧げた「Fallen Angel」で幕が開き、全体的に重厚で神秘的な雰囲気が漂う作りはザ・バンドがなしえたサウンドと一線を画していたのです。出来ることならリヴォン・ヘルムと和解し、再結成されたザ・バンドに合流してほしいのが多くのファンの望み。まるでピーター・ガブリエルの新作と揶揄されたアルバムは裏切り行為のように映ったかもしれません。
そんな不評を一蹴するが如く、アルバムは全米チャートの38位まで上昇し、シングル・カットされた「Showdown At Big Sky」が2位、「Sweet Fire Of Love」が7位と一定の支持を集めました。ザ・バンドはカナダ人の視点からR&Bからカントリーに至るまで様々なアメリカの伝統音楽を掘り起こし、自分たちの解釈にひたむきな情熱を込めながら新しい息吹を吹き込むという作業を続けた人々。彼らの豊潤で一種の魔法のような音の世界はリスナーの共感のみならず敬意までをも獲得していったのです。
ザ・バンドのナンバーの殆どを創作したのはロビー・ロバートソン。ファンはザ・バンドの延長線上にロビーがいることを期待して当然でしょうが、前述したように彼は我が道を行きました。過去の栄光や遺産に捕われぬ姿がそこにあったのです。

このセカンド・アルバム『Storyville』はニュー・オリンズでレコーディングされたこともあり、多少なりともザ・バンドを彷彿させる印象が窺えます。愛、夢、悲しみ、挫折、傷心、希望、欲望などが人間模様とともに語られ、宗教観や自分ではどうしようもない運命的なものも投影されたロビーの世界が繰り広げられていました。流麗で隅々まで綿密に妥協することなく作り込んだ音。完全主義者と思しきロビー・ロバートソンがなしえた賜物でしょう。

アルバムのオープニングを飾る「Night Parade 」。闇の中で聖なるものと邪悪なものが絡み合い、パレードの喧噪とともに我を忘れ、人生という三文芝居の演者に過ぎないと思わせる作品です。


表題の「Storyville」という言葉が登場する「Go Back To Your Woods 」。ブルース・ホンズビーとの競作です。その「storyville」とは20世紀の始めにあったルイジアナ州ニュー・オリンズにあった赤線地区で、当時のジャズの中心地でもありました。いかがわしさと欲望が織りなす世界の一端を垣間みるような曲です。シングル・カットされて全米32位を記録。


ニール・ヤングがバック・ヴォーカルで参加した「Soap Box Preacher」。黒子に徹したかのように控えめな歌声なので、彼と気がつかずに流してしまいそうです。淡々とした風情が心地よい楽曲ですが、街頭伝道者の悲哀や儚さが描かれていました。


清算の日に曰く付きの物語が展開される「Day Of Reckoning (Burnin For You) 」。


シングル・カットされて全米15位まで上昇した「What About Now 」。過去の実績やあてのない未来の予測などより、今この瞬間が大切との決意を表明しているかのようです。アーロン・ネヴィルとの共作。


WHAT ABOUT NOW
季節は変わりゆく
インディアン・サマーの日が続いたと思えば
すぐに終わっちまうものさ
どうして最高のものを最後までとっておきたがるんだい
大人になるまではゆっくりだけど
年老いて行くのはあっという間だぜ

俺は永遠なんて言葉は口にしない
手を出せる間に捕まえとくのさ
時期が来て手に入れたなら
忘れることなく手放さないようにする

今このときが大事なんだ
明日のことなんか忘れちまえ
あまりにも先の話さ
今このときが大事なんだ
瞳を閉じて
昨日のことなんて口に出すなよ
あまりにも遠い話さ
今このときから始めよう

俺は暗闇から姿を現すところ
こんな一方通行の道を歩いていられない
憂鬱な思い出は埃にまみれ
雨の中で錆び付いていくばかり

自由への行進を見たことがあるかい
サヴァンナの月を見たことがあるかい
列を歩くすべての人々が
自分の番が来たかどうかとある男に問う

生涯の営みの中で
今がその時と分かる時が来る
船が入って来るまで俺は待てない
もう一度やり直したくてたまらないのだ
賢人の過ちは
愚者の規則を作る

救世主への皮肉が込められた「Shake This Town」はライヴ映像をご覧ください。


直訳すると死者の復活を意味する言葉、「Resurrection」。


幻想的な趣のある「Sign Of The Rainbow 」。


アルバム『Storyville』は全米69位に終わり、以降のロビー・ロバートソンの作品の傾向は自らのルーツでもあるネイティヴ・アメリカンの伝統音楽に影響を受けたものへと変化して行きます。

最後に新作『 How To Become Clairvoyant』から1曲、「When The Night Was Young」。メロディ・ラインはザ・バンドを彷彿させますが、全体の雰囲気は彼らが得意としていたアーシーなサザン・ソウルではなく、洗練されたノーザン・ソウル風に仕上がっています。

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コメント

こんばんは。
ロビロバの新作が出ること、知りませんでした。情報ありがとうございます。
とても楽しみです。

Storyville、大好きな盤です。
これはThe Bandの匂いが残るからか、80年代の大名盤と言われる1stソロよりも、こっちの方が好みです。
Substitute様、コメントありがとうございます。
エリック・クラプトンやスティーヴ・ウィンウッドらの盟友が参加しているというロビー・ロバートソンの新作。国内盤にはボーナス・トラックの収録が予定されているとのこと。発売まで待ち遠しい思いで一杯です。
そこはかとなくThe Bandの響きを感じさせた『Storyville』でしたが、過去の栄光にとらわれぬロビー・ロバートソンの世界が描かれており、その意気込みに好感が持てました。新作はどういう展開を示しているのか、本当に興味深いものです。
こんにちは、初めまして。リンクを勝手に張らしていただいているgatemouthと申します。
ブログ愉しみに拝見させていただいております。

なんと、ロビー・ロバートソンの新作が出るのですね。これは、ビッグニュースですね、驚きました。いやあ、楽しみです。
『Storyville』は、私も大好きなアルバムでした。久しぶりに、映像で愉しませてもらいました。ところで、竹内まりあのアルバムに『Quiet Life』というのがあるのですが、そのアルバムジャケットにこの『Storyville』への賛辞というかリスペクトが寄せられています。きっと、『Storyville』にインスパイアされたんでしょうね。

今後ともよろしくお願いします。
gatemouth様、コメントありがとうございます。
YouTubeにアップされているロビー・ロバートソンの新曲は一曲のみですが、出来映えから察するに新作への期待が持てそうです。
私は邦楽には疎いので竹内まりやさんのアルバムに『Storyville』への賛辞が寄せられている件は初耳ですが、竹内さんが The Band を好きだということは存じておりました。1980年代に桑田佳祐さんがFM番組のために「The Weight」を録音し、竹内さんや山下達郎さんがバックで参加していたそうです。この音源はYouTubeで聴くことが出来ます。
拙いブログですが今後とも宜しくお願い申し上げます。
『Storyville』以降から全然違う世界に行ってしまった感じのロビー・ロバートソン
新作は期待出来そうですね 楽しみです シンプルな音作りに好感が持てます


ナルダン珈琲店主様、コメントありがとうございます。
長い間待たされたので本当に楽しみです。売れるものでなければ作品を世に送り出すのが困難な現在のアメリカ音楽界ですが、ロビー・ロバートソンには今後も自分の音楽を追究してほしいものです。
こんばんは。お久しぶりです。

懐メロではなく現役として音楽活動を続けている、ディランやクラプトン、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤングらの新作でさえ食指の動かない食わず嫌いの私ですが、この「When the Night Was Young」にはびっくりしました。

政治的な心情を歌に込めるとろくなことはない、と私は個人的に思うのですが、この曲はそんな偏見を見事に吹き飛ばしてくれました。

「我々は傾く太陽の光の中をまっすぐ南に向かった
デルタの夜をハイウェイ61号線に乗って」

「今アンディ・ウォーホールがこのホテルのロビーにいる
昨夜の女神をずっと待っているんだ」

「俺たちはまだ世界を変えることができる。戦争だって、とめられる」

歌詞も、彼の歌も、アレンジも(私はカーティス・メイフィールドを思い浮かべました)みんな素晴らしいです。
ことによると私の方で訳すかもしれません・・・。

Backstreetsさんにはいつも感謝しています。
バルカローレ様、コメントありがとうございます。私の拙い記事がお役に立てて光栄です。
政治的な心情を歌に込めて人気を落とす人。政治的なメッセージを歌に込めるのを身上として影響力を発揮する人。どちらも個性であり生き方でもあり、リスナーはアーティストの意向を理解することが肝要だと思います。でも、本当はアーティストの思想や言動と関わりなく、素直に音楽を楽しむほうが良いのかもしれません。
政治的なメッセージが込められようと、惚れたはれたの他愛ないラヴ・ソングであろうと、人生の機微が歌の中に存在し、真意を推測しながら和訳することは骨の折れる作業です。
こんばんは。言葉がちょっと足らなかったかなと思っていました。
意図を汲み取って下さってありがとうございます。
私もご意見に同感です。

さきほど、Backstreets様のブログのリンクを、私のブログとホームページではりました。今後ともどうぞよろしくお願いします。
バルカローレ様、このような拙いブログをリンクしていただき誠にありがとうございます。
こちらも早速リンクをはらしていただきます。今後とも宜しくお願い申し上げます。

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