好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Linda Ronstadt & Ann Savoy - Adieu False Heart

前回扱ったボニー・レイットが1976年に来日した際、「わたしはリンダ・ロンシュタットのように美人じゃないから、純粋に音楽だけを聴いてもらえるのよ」と話していたようです。ボニー・レイットも実際には魅力的な女性であることに変わりないと思うのですが、ご謙遜されるところが何とも奥ゆかしく思えました。それはさておき、今回はそのリンダ・ロンシュタットがケイジャン歌手のアン・サヴォイと組んで2006年に発表したアルバム『Adieu False Heart』を取り上げることにします。

新たなる旅立ち新たなる旅立ち
(2006/09/21)
リンダ・ロンシュタット&アン・サヴォイ~ザ・ズーズー・シスターズ

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輸入盤のジャケットは国内盤と異なります。

Adieu False HeartAdieu False Heart
(2006/07/25)
Linda Ronstadt

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1. Opening
2. Adieu False Heart
3. I Can't Get Over You
4. Marie Mouri
5. King Of Bohemia
6. Plus Tu Tournes
7. Go Away From My Window
8. Burns' Supper
9. The One I Love Is Gone
10. Interlude
11. Rattle My Cage
12. Parlez-Moi D'amour
13. Too Old To Die Young
14. Interlude
15. Walk Away Renee
16. Closing

リンダ・ロンシュタットはソロ・シンガーとして活動する一方で、ドリー・パートンやエミルー・ハリスらと組んでアルバムをリリースしてきた人です。カントリー・ミュージックを基盤にしてきた同年代のアーティストとのコラボレーションは各々が持つ個性が激しくぶつかり合うことなく、リラックスした雰囲気の中で彼女たち本来の魅力を十二分に醸し出していました。
今回リンダが選んだデュオのパートナーはアン・サヴォイ。ケイジャン・ミュージックの分野で活動するアーティストです。彼女たちはゾゾ・シスターズと称してデュエット・アルバムを企画しました。
リンダに関して今さら言及することは不要と思いますので、アン・サヴォイについて簡単に紹介しておきましょう。
アン・サヴォイ
1952年1月20日、ヴァージニア州リッチモンドの生まれ。出生名Ann Allen。1976年に結婚した夫はケイジャン・ミュージックのシーンで有名なアコーディング奏者であるマーク・サヴォイ。夫やフィドル奏者のマイケル・ドゥーセらと結成したサヴォイ=ドゥーセ・バンドでヴォーカルやギターを担当する傍ら、ケイジャン・バンドのマグノリア・シスターズのメンバーとしても活動。リンダ・ロンシュタットとは1990年代にジャズ・フェスティヴァルで知り合い、交流を深めて行った。このデュエット・アルバムに先立ち、2002年にヴァンガードから発売されたオムニバス・アルバム『Evangeline Made: A Tribute to Cajun Music,』で共演していた。なお、ケイジャン・ミュージックとはルイジアナ州に定住したフランス系移民によって始められた音楽。アコーディオンとフィドルを中心とした編成で演奏され、歌詞はフランス語で歌われることが多い。

サヴォィ=ドゥーセ・バンドの映像です。宜しければご参考までに。
http://www.youtube.com/watch?v=b9V5Z5R97MA

リンダ・ロンシュタットはフォークやカントリーの要素を強く含んだロックをベースにしながらも、弾けるようなロックン・ロール、しっとりとしたバラード、ジャズ・スタンダード、メキシコ歌曲、ラテン・ミュージックなど様々なジャンルの音楽を歌いこなしてきました。ひとりの歌い手としての道をひたむきに歩んだそんな彼女が、ケイジャン・ミュージックのプレイヤーであり研究家としても知られるアン・サヴォイと共演。今度はケイジャン・ミュージックに挑戦かとも思われましたが、この共演盤では端々にその雰囲気が窺われるものの真っ向から臨んだものではありませんでした。むしろ、彼女たちが心の赴くままにお気に入りの曲を選曲し、歌い手であることを楽しみながら表現したアルバムに仕上がったと言ったほうがよいでしょう。

表題曲「Adieu False Heart」。フィドリン・アーサー・スミスで知られる1930年代のヒルビリー・ソング(1920年代~30年代頃のカントリー・ミュージック)です。早くもアンとリンダの息のあったハーモニーが堪能できました。


ADIEU FALSE HEART
アデュー、偽りの心、もうお別れしましょう
世界中の幸福があなたとともにありますように
誠実な心でずっとあなたを愛してきた私だけど
もうあなたを信じられない

あなたとの結婚を夢見た時もあった
いつでもあなたの恋人だった私
でも今の私は喜んであなたを捨てるでしょう
もっと誠実な心をもった人が現れたなら

私にはもったいないほどの男だとあなたは思っているんでしょう
私のことを孤独な女だと思ってるのね
だけど私があなたのことを気にかけているとお考えなら
それは大間違いよ

私の気持ちは情熱の太陽のよう
東から西へと移り変わる
だけど、あなたの気持ちは月のよう
毎月めまぐるしく変化する

私が安らぎの床につく時
意地悪な誰かさんに起こされることがなければ
まっすぐに末期へと向かうでしょう
時に連れて行かれるままに

アデュー、偽りの心、もうお別れしましょう
世界中の幸福があなたとともにありますように
誠実な心でずっとあなたを愛してきた私だけど
もうあなたを信じられない

1938年に録音されたアーサー・スミスの音源です。
http://www.youtube.com/watch?v=3dcKxK6Fg4k

リンダがリードを取る「I Can't Get Over You」。テキサス州出身のシンガー・ソング・ライター、ジュリー・ミラーの作品です。この曲にはジュリーの夫で、エミルー・ハリスのバック・バンド、スパイボーイのギタリストとして活躍したバディ・ミラーが参加していました。
冒頭の音声にお聞き苦しいところがあるのをご了承ください。


リチャード・トンプソン作の「Burns' Supper」。アンがリードを取っています。3分43秒の曲ですが、途中で終わってしまうのが残念。
http://www.youtube.com/watch?v=mIiE42wBhKg

リチャード・トンプソンのオリジナル・ヴァージョンは1996年の『You? Me? Us?』に収録。お口直しと言っては何ですが、こちらをお聴きくだされば幸いです。
http://www.youtube.com/watch?v=oEwe7Ld585I

リンダがリードの「Rattle My Cage」。ケイジャンとトラディショナルをレパートリーにするバンド、レッド・スティック・ランブラーズのチャス・ジャスティスの手による曲です。「私に自由をくれるのは小鳥だけ」と現状を克服できない男、あるいは囚われのみになった人間の諦観が表されているような歌に思えました。


アンのリードによる「Parlez-Moi D'amour」。「聞かせてよ愛の言葉」の邦題で知られるシャンソンの古典です。


シャンソンではありませんが、ナナ・ムスクーリのヴァージョンを宜しければお聴きください。
http://www.youtube.com/wa0tch?v=BnXKRwezQaw
00
1966年にレフト・バンクでヒットした「Walk Away Renee」。リンダがリードとハーモニーを、アンはコーラスとサード・ヴァースのリードを担当していました。アルバムの他の曲と比べて少々意外な選曲との印象を受けますが、二人の共通したお気に入りの曲だそうです。原曲が美しいだけに違和感なく溶け込んでいました。


ザ・レフト・バンクのヴァージョンです。
http://www.youtube.com/watch?v=seuwhZvXa6Y

聴き紛うほどに声質が似たリンダとアン。相性に申し分ありません。リンダと声質が似ているといっても、カーラ・ボノフとの共演ならこんなにうまく事が運ばなかったでしょう。
何人からも束縛されることなく、自らの思うがままに制作された雰囲気の漂うアルバム。ケイジャン・ミュージックのテイストを取り入れながらもジャンルにとらわれることなく、歌いたい歌を歌うという意志が示されていました。そうした意味でのある種のこだわりから選ばれた様々な曲の中にはフランス語の曲も収録されており、リンダが敬愛するフレンチ・カナディアンのケイト&アンナ・マッガリグル姉妹をどことなく彷彿させる印象もある一枚と言えるのかもしれません。
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