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Bonnie Raitt - LUCK OF THE DRAW

デラニー&ボニーと縁のあるアーティストを取り上げていると、もうひとりのボニーさんのことが気に掛かりました。その人の名はボニー・レイット。今回は彼女が1991年にリリースしたアルバム『LUCK OF THE DRAW』をお題とします。

Luck of the DrawLuck of the Draw
(1991/08/15)
Bonnie Raitt

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1. Something To Talk About
2. Good Man Good Woman
3. I Can't Make You Love Me
4. Tangled And Dark
5. Come To Me
6. No Business
7. One Part Be My Lover
8. Not The Only One
9. Papa Come Quick (Jody And Chico)
10. Slow Ride
11. Luck Of The Draw
12. All At Once

1986年に発表したアルバム『Nine Lives』の売り上げがも芳しくなく、ワーナー・ブラザーズとの契約を打ち切られたボニー・レイット。しかし、捨てる髪あれば拾う神あり。1989年、キャピタルに移籍してリリースした『Nick Of Time』が全米チャートの第1位に輝き、1990年のグラミー賞においては "Album Of The Year"(最優秀アルバム)、"Best Pop Performance, Female"、"Best Rock Vocal Performance, Female "など3部門の栄冠を獲得しました。さらに、ミシシッピ州出身のブルース・シンガー兼ギタリストのジョン・リー・フッカーとデュエットした「I'm In The Mood」が収録された『The Healer』も "Best Traditional Blues Album" を授賞。見事4冠達成と相成ったのです。数々の評価の高い作品を送り出すも、これまで商業的な結果に恵まれなかったボニー・レイット。遅咲きの花と言っては誠に失礼ですが、彼女の魅力を引き出し、スターとしての地位を確立するほどの成功に導いたプロデューサーのドン・ウォズの功績は多大だったのでしょう。

ドン・ウォズ
本名ドナルド・フェイグソン。従弟のデヴィッド・ウォズ(本名デヴィッド・ウェイス)らとウォズ・ノット・ウォズというプロジェクトをデトロイトで結成し、1981年にデビュー。ロック、ソウル、ジャズ、カントリー、ヒップ・ホップファンクなどの要素が融合したダンサブルでファンキーなサウンドが注目を集めた。
その後、ドン・ウォズはプロデューサーに転身。1990年にデヴィッド・ウォズとともにボブ・ディランの『Under The Red Sky』、1994年にはローリング・ストーンズの『Voodoo Lounge』などを手掛けた。

栄誉の余韻が覚めやらぬ1991年、ボニー・レイットは再びドン・ウォズをプロデューサーに迎えてリリースしたアルバムが今回紹介する『Luck Of Draw』です。直訳すると「くじ運」と題されたこのアルバム。俳優マイケル・オキーフとの結婚直後に発表されたこともあってか、くつろぎに満ちた雰囲気が醸し出されていました。自信と余裕も窺えます。
前作の延長線上にありながらもR&B色を強め、ブルージーな趣が漂う曲が目立つのが特徴。ここにはジャクソン・ブラウンの作品もエリック・カズの楽曲もありませんが、粒よりのナンバーが選曲され、ボニー・レイットの個性があまねく発揮されています。彼女の歌唱もスライド・ギターの技量も円熟味を増したものの、シンプルに構成された仕上がり感は初期の瑞々しささえ感じ取れました。
このアルバムは全米2位まで上昇。1992年のグラミー賞でも "Best Rock Vocal Performance, Solo"、Best Pop Vocal Performance, Female"、Best Rock Performance by a Duo or Group with Vocal" の3部門を授賞しました。

Shirley Eikhard作の「Something To Talk About」。シングル・カットされて全米5位のヒットを記録し、この曲でグラミー賞のBest Pop Vocal Performance, Femaleを授賞。ボニー・レイットのスライド・ギターが堪能できます。


SOMETHING TO TALK ABOUT IT
みんなが噂している 町の噂
囁き合うのを耳にした
あなたは信じようとしない
みんなは私たちが内緒の恋人だって
知らないふりをしても
そう言い続けるの
私たち、ちょっとばかり笑い声が大きすぎた
私たち、ちょっとばかり近くに寄り過ぎた
私たち、ちょっとばかり見つめ合うのが長過ぎた
たぶん私たちには気がつかないことばかりね

みんなに話題を提供しましょう
みんなに話題を提供しましょう
みんなに話題を提供しましょう
恋をするのはどうかしら?

馬鹿げたことね まったく気がつかなかった
あなたはびくびくしていた
私に恋をするのかしら?
私をそわそわさせる噂のおかげで
今は恋に落ちるのを確信した
毎日、あなたのことを考えてるの
毎晩、あなたのことを夢に見ているの
あなたが同じように感じていることを願って
さあ、気がついたのだから表に出しましょう

みんなに話題を提供しましょう
みんなに話題を提供しましょう
みんなに話題を提供しましょう
恋をするのはどうかしら?
ねぇ、どうかしら?

みんなに話題を提供しましょう
解き明かすためのちょっとした謎
みんなに話題を提供しましょう
恋をするのはどうかしら?
ねぇ、どうかしら?

ライヴ映像です。


ウーマック&ウーマックのナンバー、「Good Man Good Woman」。デルバート・マクリントン(デルバート&グレン)とのデュエットの相手に起用したこの曲は、前述の "Best Rock Performance by a Duo or Group with Vocal" を授賞しています。ウーマック&ウーマックのヴァージョンは "Good Man Monologue" のタイトルで1988年の『Conscience』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=EezlVFwr7ss

Mike Reid と Allen Shamblinの共作、「I Can't Make You Love Me」。愛の破局をさりげなく歌うボニー・レイットのヴォーカルが切なく、心に滲み渡りました。全米18位に終わったものの、こちらのほうが人気が高いようです。ピアノ演奏とアレンジはブルース・ホンズビーが担当。


少し短く編集されているようですが、プロモーション映像も宜しければご覧ください。


ライヴ映像です。


ボニー・レイット自身の手による「Tangled And Dark」。初期の彼女、あるいはリトル・フィートあたりを思わすファンキーで少々泥臭いな曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=OVqz0Bu-Ggk

こちらもボニー・レイットのオリジナル、「Come To Me」。
http://www.youtube.com/watch?v=qxHooYQSYs8

ジョン・ハイアット作の「No Business」。ここでもボニー・レイットのスライド・ギターが聴けます。ジョン・ハイアット自身もバック・ヴォーカルで参加。
http://www.youtube.com/watch?v=2d_5Upn2YQE

ボニー・レイット&マイケル・オキーフ夫妻の共作による「One Part Be My Lover」。「彼女の目を見つめた時、彼には真実だけが見える」、「彼女にとって彼は夢に見た男かもしれない/彼女が心の内側に隠していたものを見つけてくれる男」といった言葉が甘いバラードで語られます。


アイルランドのシンガー・ソング・ライター、ポール・ブレディ作の「Not The Only One」。リチャード・トンプソン、マーク・ゴールデンバーグらがギターで参加。ポール・ブレディ本人のヴァージョンは1983年に『True For You』、1986年のライヴ・アルバム『Full Moon』に収録されていました。


少し短く編集されたプロモーション映像も宜しければご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=Gw8wJQi05Ws

Richard Hirsch, Chip Taylor, Billy Vera作の「Papa Come Quick (Jody And Chico)」はアリソン・クラウスとの共演映像をご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=qecodpVYAJo

Bonnie Hayes, Larry McNally, Andre Pessis作の「Slow Ride」。
http://www.youtube.com/watch?v=xzhnh9eAJ2Y
ポール・ブレディ作の表題曲「Luck Of The Draw」は残念ながらYouTubeに映像・音源がないので割愛させていただきます。

アルバムを締めくくるボニー・レイット作の「All At Once」。夫との別離、娘との確執を通して人の弱さや世の無情が描かれていました。「私たち女のほうが強いと人々は言う/いつでもなんとかして切り抜けてしまうのだと/今はそんな風にはかじられない/それが真実であるとさえ思えない/私には誰もが実際に見るよりも多くの人が傷を持っているように見えるの/なぜ天使たちは一部の人たちを見捨てるのか/私には不思議なこと」という最後のヴァースが胸に突き刺さります。


この『Luck Of The Draw』に続き、1994年に発表された『Longing in Their Hearts』も全米1位を獲得。ボニー・レイットはアメリカを代表するシンガー・ソング・ライター、パフォーマーのひとりと呼ぶに相応しい存在となりました。しかし、日本ではこれらのアルバムは廃盤状態。寂しい限りです。
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コメント

こんばんは。そうですね。「哀しき街角」のカバー歌っていた垢抜けない時代を考えると突然のブレイクにビックリしたモノです。でも替わらぬ貫禄は(笑)嬉しかったです。ジャクソンとのライブ映像でのデュエットとか良いですよね♪
kuwa様、コメントありがとうございます。
ワーナー・ブラザーズ時代の末期はボニー・レイット自身がプロデュースに不満を持っていたと聞きます。アーティスト本来の魅力を引き出せるドン・ウォズとの出逢いが功を奏し、予想以上の成功をもたらしてくれたのでしょうね。
1995年に出されたライヴ・アルバム『Road Tested』にはジャクソン・ブラウンが客演していますが、ぜひ二人で来日してくれることを臨む次第です。

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