好きな音楽のことについて語りたいと思います。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Delaney & Bonnie - Home

前回の記事の中でドン・ニックスがデラニー&ボニーの『Home』をプロデュースしたことに触れました。そこで今回はデラニー&ボニーの御二方に登場していただくことにしましょう。

HomeHome
(2006/05/23)
Delaney & Bonnie

商品詳細を見る

1. A Long Road Ahead
2. My Baby Specializes
3. Things Get Better
4. We Can Love
5. All We Really Want To Do
6. It's Been A Long Time Coming
7. Just Plain Beautiful
8. Everybody Loves A Winner
9. Look What We Have Found
10. Piece Of My Heart
11. A Right Now Love
12. I've Just Been Feeling Bad
13. Dirty Old Man
14. Get Ourselves Together
15. Pour Your Love On Me
16. Hard To Say Goodbye

デラニー・ブラムレットは1939年7月1日、ミシシッピ州ポントトック・カウンティの出身。実家が経営していた農場で働く黒人たちからの影響で、幼き頃からブルースに感化されていたと言います。やがて青年となった1960年頃、デラニーはロサンゼルスに出て、バンドを組んで活動するようになりました。その時期に知り合ったのがレオン・ラッセル。二人は親交を深めて行き、1964年にレオンがディレクターを務めたABCの音楽番組「シンディグ」が売り出したバンド、シンドッグズのメンバーに迎えられています。このバンドには後にエルヴィス・プレスリーのバック・バンドや数々のアーティストのレコーディングに参加して名を馳せるギタリストのジェイムズ・バートン、レオン・ラッセルの片腕となって行動を共にするドン・プレストンらが在籍。LAスワンプを形成する面々が若き日に篠木を削っていたとの様相が窺えます。

番組内でビートルズの「Ticket To Ride」を演奏するThe Shindogs(シンドッグズ)。後方でテレキャスターを弾いているのがジェイムズ・バートン、ベースを弾きながら歌っているのがデラニー・ブラムレットと思われます。


対するボニー・ブラムレット(結婚前の名はボニー・リン・オファレル)は1944年11月8日、イリノイ州アルトンに生まれました。幼き頃は教会の聖歌隊に所属。16歳頃にアルバート・キングやリトル・ミルトンのバック・ヴォーカルを務めるようになり、1962年頃にはアイク&ティナ・ターナーのコーラス隊、ジ・アイケッツに参加しています。1966年頃、ボニーはザム・ザ・ソウル&ボニー・リンというR&Bデュオを組んでロサンゼルスに進出。ナイト・クラブの仕事でデラニー・ブラムレットと出会い、恋に落ちて結婚しました。夫婦デュオ、デラニー&ボニーはこうして誕生したのです。

前述したようにデラニー・ブラムレットはレオン・ラッセルと親密な関係にあり、彼のファミリーの一員と言える存在でしょう。デラニー&ボニーの二人は1966年から67年にかけてシングル盤を何枚か発表(これらの音源は1971年に編集盤『Genesis』としてリリース)していましたが、レオンの弟分であるドン・ニックスの仲介によりスタックス・レコードと契約が成立。まず、ファースト・シングルとして68年5月に「It's Been A Long Time comin'」が発売され、R&Bチャートを上昇します。しかし、デビュー前に行ったライヴで二人が白人だと知ったR&B局のDJは次第に彼らの曲を敬遠するようになりました。
そんな状況の中、ドン・ニックスと彼の旧友でブッカー・T&MGsのメンバーでもあるドナルド・ダック・ダンがアルバムのプロデュースを担当し、MGsの面々に加えてアイザック・ヘイズ、ウィリアム・ベル、エディ・フロイドといった大御所がバック・ヴォーカルで参加して順調にレコーディングは進みます。ところが、当時のアメリカ南部はマーティン・ルーサー・キング牧師暗殺事件や暴動が各地で頻繁に起こっていた時代。いわば逆人種差別ともいえる問題に晒されたデラニー&ボニーが社会に与える影響を配慮し、スタックスはアルバムのリリースを凍結しました。
失望したデラニー&ボニーの二人はスタックスを去り、新たにエレクトラと契約してアルバム『Accept No Substitute - The Original Delaney & Bonnie』を1969年に発表。セールス面では芳しくはなかったものの、彼らは徐々に認知度を高めて行きました。キング牧師の暗殺から一年以上が過ぎ、アメリカ社会の緊張した状態が緩和。黒人の放送局で白人の音楽が流れ、白人の放送局で黒人の音楽が聴こえるような時代へと変わって行き始めたのです。その年の11月、スタックスは慌てて『Home』を発売するに至りました。



A LIGHT NOW LOVE
私を抱きしめてくれる愛するあなたなしでは
日々は長く、夜風は冷たく感じる
大切な時間を無駄にしていたのがおまえにも分かるだろう
おまえのもとに帰ろう お前を満足させるために

二人には愛が必要
今すぐに
二人には愛が必要
今すぐに

渇望した私の心 あなたは私を夢中にさせる
いつもと変わらぬ言葉が私を溢れんばかりに癒してくれる
大切な時間を無駄にしていたのがおまえにも分かるだろう
二人が一緒なら時間なんて問題じゃないのさ

夜よりも長く陽光を浴びているのは
あなたが私を愛し続けてくれているようなもの
大切な時間を無駄にしていたのがおまえにも分かるだろう
二人でこっそり抜け出そうぜ 俺とおまえだけでな

愛し合わなければならない 今すぐに

エディ・フロイドのナンバー「Things Get Better」。「おまえといればうまくいく/あなたといればうまくいく」と歌う様はこの頃の夫婦仲の良さを彷彿させます。


1970年に発表された『On Tour With Eric Clapton』に収録されていたヴァージョンです。


Jerry Ragovoy & Bert Berns作の「Piece Of My Heart」。「私の心のかけらを奪って」と魂のこもったボニーの熱唱が胸に迫ります。アレサ・フランクリンの妹、アーマ・フランクリンが1967年にリリースしたのがファースト・レコーディングのようです。ダスティ・スプリングフィールド(1968年の『Dusty... Definitely 』収録)、ブライアン・フェリー(1973年の『A Foolish Things』収録)、フェイス・ヒル(1993年の『Take Me As I Am』収録)、フィービー・スノウ(1998年の『I Can't complain』収録) などカヴァー・ヴァージョンは枚挙に暇がありません。


カントリー・シンガー、フェイス・ヒルのヴァージョンです。

http://www.youtube.com/watch?v=qPseJvXVVfo&ob=av2el

ジャニス・ジョプリンもアルバム『Cheap Thrills』(1968)で歌っておりました。宜しければ今回はライヴ映像でご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=-7JVxE2SYxo

デラニー&ボニーはR&B、ゴスペル、ブルースなどの黒人音楽を白人としての解釈で昇華させていったデュオです。とりわけこの『Home』は黒人音楽への憧憬が素直に溢れた彼らの原点とも言えるアルバム。幼き頃から黒人や黒人音楽に親しんできた二人には当たり前の感覚から発せられた作品だったのかもしれません。それ故に、黒人DJからオンエアを拒絶されたことはこの上もないほどの衝撃を与えられたかと思われます。
 
今回は『レコード・コレクターズ』1998年8月号に掲載されたデラニー・ブラムレットへのインタビュー記事を参考文献として参照しました。
スポンサーサイト

コメント

デラニー&ボニーのアルバムで1番好きなのが『Home』です
渋いアルバムですね 彼らの代名詞「Things Get Better」
ウイリアム・ベルの「Everybody Loves A Winne」etc
サザン・ソウル・マナーを真摯に聴かせよります
スワンプ・ロックの原点は、このアルバムから始まったと
言うても過言や無いですね  正しく名盤です
   Backstreetsさん本年も宜しくです。


ナルダン珈琲店主様、コメントありがとうございます。
デラニー&ボニーが黒人音楽への憧憬を気負いなく素直に表した『Home』。おっしゃる通り、スワンプ・ロックの原点ともいえるアルバムですね。そんな彼らの音楽には愛することや生きることの素晴らしさが高らかに歌い上げられていると思えました。
こちらこそ本年も宜しくお願い申し上げます。

コメントの投稿

URL
コメント

パスワード
秘密
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL : http://shadowdream25.blog105.fc2.com/tb.php/267-b3dad13c
<< Faith Hill - FAITH | TOP | Don Nix - LIVING BY THE DAYS >>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。