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Fool's Gold - Mr. Lucky

今回もまた拙ブログとリンクしていただいているPurple_Hazeさんの記事に被せるようで、申し訳ございません。今回はフールズ・ゴールドの皆様に登場してもらいます。Purple_Hazeさんはファースト・アルバムを扱われておりましたが、私は1977年にリリースされたセカンド・アルバム『Mr. Lucky』を取り上げることにしました。 

ミスター・ラッキーミスター・ラッキー
(2001/03/23)
フールズ・ゴールド

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1. Sweet Country Air
2. I Can Hear the Whistle
3. Wouldn't I Love to Love You?
4. Runnin' and Hidin'
5. Fly Away
6. Gypsy Brew
7. Mr. Lucky
8. Where Did Our Love Go Wrong
9. Captain

ダン・フォーゲルバーグのバック・バンドだったフールズ・ゴールドがアリスタからデビュー・アルバムをリリースしたのは1976年のことです。メンバーはトム・ケリー(ヴォーカル、ベース、ギター)、デニー・ヘンソン(ヴォーカル、ギター)、ダグ・リヴィングストン(ギター、ペダル・スティール・ギター)、ロン・グリネール(ドラムス、パーカッション)の四人。もともとトムとデニーはイリノイ州出身で、1970年頃からバンドを組んで行動を共にしてきました。彼らはダン・フォーゲルバーグのマネージャーであるアーヴィン・エイゾフに見初められ、ザ・ギルドというバンド名を名乗って1972年にアサイラムからデビュー。しかし、敏腕マネージャーの健闘空しくバンドは話題にもならないまま解散の憂き目を観ます。その後、エイゾフの計らいでトムとデニーはダン・フォーゲルバーグのバック・バンドのメンバーに就き、そこに彼らと親交があったダグとロンが加わってフールズ・ゴールドが結成されました。

イーグルスやリンダ・ロンシュタットらがヒット・チャートを賑わしていた1976年。ウエスト・コースト・サウンドやカントリー・ロックが商業的に大きなトレンドとなっている現実を直視したのか、各社から新たなグループが相次いでデビューします。その動きに最も力を入れていたアリスタは元イーグルスのバーニー・レドンの実弟であるトム・レドンやバドーフ&ロドニーで活躍したジョン・バドーフらが中心となって結成されたシルヴァー、イーグルスに「Peaceful Easy Feeling」を提供したジャック・テンプチン率いるファンキー・キングス、そしてこのフールズ・ゴールドを送り出しました。
アリスタはCBSを解任されてベル・レコードに移籍したクライヴ・デイヴィスが社名を変更したレコード会社。就任後はバリー・マニロウという稼ぎ頭に支えられていましたが、リベンジを誓ったデイヴィスはロック・ミュージック部門にことさら力を入れて行くことになります。パティ・スミスを世に出し、グレイトフル・デッド、ルー・リード、エリック・アンダーセンらヴェテラン勢も引っ張り込むなどして徐々に成功の道を歩んで行きました。そうした苦労が実を結び1980年代にはエア・サプライ、ホイットニー・ヒューストンらを輩出。メジャー・レーベルと認められるに至ったことは言うまでもありません。

閑話休題。同郷のよしみかバックを受け持ってもらったお礼か楽曲を提供したダン・フォーゲルバーグが何かと協力を惜しまず、アーヴィン・エイゾフのマネージメントの管理下に加わったイーグルスからドン・フェルダーとジョー・ウォルシュがレコーディングに参加するなどフールズ・ゴールドは恵まれたスタートを飾りました。

Fool's GoldFool's Gold
(2005/04/05)
Fool's Gold

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順調な船出を始めたフールズ・ゴールドでしたが、セカンド・アルバムはCBSからのリリースとなり、メンバーもトムとデニーの二人組になっていました。プロデューサーに迎えたキース・オルスンが、後にTOTOで活躍するジェフ・ポーカロ(ドラムス)、デヴィッド・ペイチ(キーボード)、後にシカゴに加わるビル・チャンプリン(オルガン)、リンダ・ロンシュタットやジェイムズ・テイラーなどのバックでお馴染みのワディ・ワクテル(ギター)、ジャズ/フュージョン界を代表するサックス奏者のトム・スコット、言わずと知れたアンドリュー・ゴールド(ギター)、デヴィッド・フォスター(キーボード)などの名だたるミュージシャンをバックに起用。加えてダン・フォーゲルバーグまでもが馳せ参じるという豪華な面々が集っていたのです。
当然ながら予算を大幅にオーヴァーし、アリスタ側は経費の支払いを拒否。レコーディングされたマスター・テープは宙に浮いた状態へ。どこか引き取ってくれるレコード会社はないかとフールズ・ゴールドらが奔走した結果、CBSが名乗りを上げて権利を買い取り、目出たく発売に漕ぎ着けることになりました。
フリートウッド・マックを手掛けて名を上げたキース・オルスン。引き続いての成功を夢見て熱が入り過ぎたのか、とんだ失態を演じてしまったようです。策士策に溺れるといったところでしょうか。
ドタバタ劇でCBSに拾われたフールズ・ゴールドですが、いっぽうデュオになったいきさつにはこうした強者たちの集結により、アルバムの参加メンバーとして記載されているもののダグ・リヴィングストンとドン・グリーネルの居場所がなくなり正式メンバーから外された格好となったのが実情とのこと。決して人間関係の悪化ではなく、その証拠にライヴは元の四人で活動していました。

CBSにすれば大枚をはたいて獲得したフールズ・ゴールドでしたが、音楽界のトレンドがディスコ・サウンドが主流となる予兆の中、社内事情も手伝ってプロモート不足に陥り商業的な結果を残せませんでした。やがて、ウエスト・コースト・ロックの終焉を迎えるとともにバンドは解散。デニー・ヘンソンは1980年代にサンダー、1992年にはThe Remingtonsのメンバーとして音楽活動を続けて行きます。トム・ケリーはバック・アップ・シンガーとして活躍した後、ビリー・ステインバーグとi-TENというデュオを組み、キース・オルスンとスティーヴ・ルカサーのプロデュースの下で1983年にアルバム『Taking A Cold Look』を発表。このコンビはリンダ・ロンシュタットに「How Do I Make You」(1980年の『Mad Love』収録)を提供し、マドンナの「Like A Virgin」(1984)、シンディ・ローパーの「True Colors」(1986)、ハートの「Alone」(1987)、ホイットニー・ヒューストンの「So Emotional」(1988)、バングルスの「Eternal Flame」(1989)などのヒット曲を手掛けました。

Taking a Cold LookTaking a Cold Look
(2008/12/22)
I-Ten

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それではアルバムの中から何曲か紹介しましょう。前作からの路線を引き継ぐメロディアスで爽やかな「Wouldn't I Love to Love You?」。トム・ケリーの作品です。「心に引っ掛かることがあって君につながる道へと歩いて来たんだ」と、ビートルズの「The Long And Winding Road」を何となく連想させるような雰囲気で始まり、「夢を君と分かちあいたい」と愛する人への想いがひしひしと伝えられる歌でした。


トム・ケリーとデニー・ヘンソン共作の「Fly Away」。「心の翼を広げれば試練にも耐えられ、いつか夢が叶う」といった趣旨の励ましが込められた歌です。


ファンキーな表題曲、「Mr. Lucky」。ボズ・スキャグスにも通じるようなサウンドはバックの面々のなせる業でしょうか。すっかり落ち込んでしまった男が、ミスター・ラッキーに幸運を分けてくれとすがる様子が少々ユーモラスに描かれていました。これもトムとデニーの共作です。


トム・ケリー作の美しいバラード、「Where Did Our Love Go Wrong」。「どこで間違ったのだろうか」と失った恋人への想いが語られていました。


トムとケリーのハーモニーが絶妙な「Captain」。 二人の共作曲です。


CAPTAIN
メイン州の南海岸で一息ついた俺
冒険の旅をしようとヒッチハイクしていたのさ
二度とお目にかかれない宝を探して
二度と現れない虹を求めて

このカビ臭い古い桟橋で男が一人
釣った獲物を料理し、ビールを飲んでいた
俺はプライドを捨て
恐る恐るその男に近寄った
キャプテン、私は腹がへって寒いのです

キャプテン あなたの助言に耳を傾けます
既に持っている宝を大切にします
俺は目に見えぬ真珠を手にしていたのだ
キャプテン、あなたの忠告に従います

男は俺に目もくれず振り返った
そして、髭だらけの顔で微笑むのが見えた 
くすぶる炎を通して
俺に囁く声が聞こえた
落ち着きなよ、お若いの、
まだ話は終わっちゃいないよ

男は魚やチップスやビールで俺の腹を満たしてくれた
そして自分の半生を賭けた海との闘いの顛末を話してくれた
目に見えぬ真珠を獲ろうと海に潜っている間
深海が彼の眼から光を奪ったのだと

キャプテン あなたの忠告に従います
既に持っている宝を大切にします
俺は目に見えぬ真珠を手にしていたのだ

フールズ・ゴールドでは不運に見舞われたトム・ケリーは、解散後に大成功を収めました。ソング・ライターに転じてマドンナに提供した「Crazy For You」が大ヒットしたフィフス・アヴェニュー・バンドのジョン・リンドと姿が少なからず重なります。才能のある人は地道に努力すれば開花するものですね。
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コメント

前回のエミリーハウスは取り上げた日あたりに中古レコード店で1980年のアルバムを購入したばかりでした。。。今回のフールズ・ゴールド、名前はウエストコースト・ファンとしては知ってはいましたが、楽曲を提供していたりとかは全然知りませんでした。バーニーリードン弟のシルバーやファンキーキングスは、当時出たレコードは持ってるんですけどね~探して聴いてみます(^^;)
kuwa様、コメントありがとうございます。
フールズ・ゴールドの楽曲と他人に提供した曲ではかなり雰囲気が違います。女性歌手を念頭に入れて作ったからかもしれません。臨機応変に出来るところが才能なのでしょう。
シルヴァーやファンキー・キングスもあまり売れなかったようですが、今でも根強い人気がありますね。1970年代後半から80年代の前半は本当にいい時代でした。
こんにちは。Tom Kellのアルバム"angeltown"にはproduced(Kenny Edwards&Bob Carpenter)の二人とともに作った楽曲も収められているんですが、
David Lindley、Karla Bonoffも参加のたいへん良く出来たアルバムです。彼の才能の豊かさがわかりますね。

スナジイー様、コメントありがとうございます。
フールズ・ゴールドのトム・ケリーとシンガー・ソング・ライターのTom Kell は同一人物だったんですか? 寡聞にして知りませんでした。勉強不足を恥じ入る次第です。
アルバム "Angeltown" は未聴ですが、素晴らしいアルバムのようですね。教えていただき感謝しております。
小生もくわしくはないのですが・・・ひょっとしたら勘違いかもしれません。間違っていたらすみません。
スナジイー様、再びコメントいただきありがとうございます。
そうですか。念のためにTom Kellyをウィキペディアで調べてみましたが、そのような記述はありませんでした。amazonを閲覧するとCDのジャケット写真が掲載されていましたが、小さすぎて確認出来ません。よく分からないですね。でも、そんなことは別にして "Angeltown" は興味深いアルバムです。
このコメントは管理人のみ閲覧できます
フールズ・ゴールド大好きでした。一枚目よりも
よりポップになったミスター・ラッキーがお気に入りです。AORというジャンルの中では、隠れた名作なんじゃないでしょうか。
BRUCE06様、コメントありがとうございます。
ファースト・アルバムからは「Rain, Oh, Rain」が小ヒットしましたが、セカンド・アルバムは満足な結果を残せませんでした。ポップなAOR寄りのサウンドが却って仇になったのかもしれません。デヴィッド・フォスターが後に結成したエア・プレイにも通じるような響きもあって興味深い要素が詰まっていただけに残念です。
人間関係の悪化で解散したのではないらしいので、是非とも再結成してほしいところです。

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