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Strawbs - From The Witchwood

前回のフェアポート・コンベンションの記事の中で、サンディ・デニーがストローブスというグループに所属していたことに言及しました。そこで今回はストローブスに登場していただくことにします。取り上げるアルバムは『From The Witchwood』。彼らが1971年にリリースした四作目のアルバムです。

From the WitchwoodFrom the Witchwood
(1998/09/29)
Strawbs

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1. A Glimpse Of Heaven
2. Witchwood
3. Thirty Days
4. Flight
5. The Hangman And The Paptist
6. Sheep
7. Cannondale
8. The Sheperd's Song
9. In Amongst The Roses
10. I'll Carry On Beside You
11. Keep The Devil Outside

1960年代の半ば、ストローブスの前身であるストロベリー・ヒル・ボーイズがデイヴ・カズンズ(vo, g, banjo,etc)、トニー・フーパー(vo, g)、アーサー・フィリップス(mandolin)の三人によって結成されました。彼らはフォークやブルーグラスのナンバーを主なレパートリーとして、クラブを中心に演奏活動を始めます。
やがてアーサー・フィリップスが抜け、ロン・チェスターマン(b)が加入。さらに1968年、紅一点のサンディ・デニーを迎えて充実したラインナップが実現し、ブリティッシュ・フォーク・グループとしての確固たる地位を固めて行きました。
しかし、サンディ・デニーとストローブスの蜜月期間は長く続かず、代わって後のカーヴド・エアのヴォーカリストでポリスのステュアート・コープランド夫人となるソーニャ・クリスティーナが加わるもごく短期間でグループを去っています。彼女のワイルドな歌唱はストローブスには合わなかったのでしょう。


サンディ・デニーのストローブス在籍時の録音はアルバム『All Our Own Work』として1973年に発売されました。

All Our Own WorkAll Our Own Work
(2010/07/13)
Sandy Denny

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トリオ編成に戻ったストローブスですが、地道な努力が実を結びます。1969年、A&Mからアルバム『STRAWBS』にてデビュー。ここではジョン・ポール・ジョーンズ(レッド・ゼペリン)、ニッキー・ホプキンスらのサポートを得て、シンプルなフォークからフォーク・ロック路線へと脱却した音作りがなされていました。翌70年、トニー・ヴィスコンティをプロデューサーに起用したセカンド・アルバム、『Dragonfly』を発表。クレア・デニス(チェロ)、リック・ウェイクマン(キーボード)らが参加し、前作とは一転して原点回帰を試みたようなブリティッシュ・フォーク色の濃い雰囲気を漂わせていたのです。これら2作の評価は高かったものの、芳しいセールス結果を残すことが出来ませんでした。
フォークやトラッドに捕われることなく、より幅広い音楽性を追求することが事態の打開につながると考えたデイヴ・カズンズはリック・ウェイクマンを正式メンバーに迎えてサウンド面での拡充を図ります。さらにロン・チェスターマンが抜け、ジョン・フォード(b)、リチャード・ハドソン(dr)が加わりリズム・セクションも強化されました。
新生ストローブスはクイーン・イーライ・ホールでのライブ録音で、サード・アルバムとなる『Just A Collection Of Antiques And Curios』(1970年発表)を発表。ファースト・アルバム『STRAWBS』に収録の「Where Is This Dream Of Your Youth」以外はすべて新曲を収めた画期的なアルバムは全英チャート27位を記録し、まずまずのヒットとなりました。
ようやく脚光を浴び始めたストローブスは翌71年、『From The Witchwood』をリリース。ダルシマーやシタールを使用し、フォーク、ロック、バロックなどを融合させた彼らの音楽は独特の響きを醸し出しています。アルバムのコンセプトも魔女伝説や宗教をコンセプトとし、哀愁と翳りを帯びたサウンドを背景に不気味な色彩を放っていました。

アルバムのオープニング・ナンバーはリック・ウェイクマンが弾く教会音楽風のオルガンの音色が印象的な「A Glimpse Of Heaven」。デイヴ・カズンズのペンによる美しいメロディーを持った曲ですが、悟りの境地といった厳かなムードが漂います。


デイヴ・カズンズ作で、物悲しく悲劇的な結末が描かれた「Witchwood」。控えめに奏でられるクラリネットはリック・ウェイクマンによるものです。


WITCHWOOD
私はが魔女の森に迷い込んだのは
好奇心にかられてのこと
鬱蒼とした木々は時間を止めていたので
私の心はここにあらず
聞こえる音は私の声だけ
けれどその声は無意識のうちに音楽を奏でた

複雑に絡み合った枝には
深い雪が積もり
優しく輝く虹が行く手を指し示した
私は眼が霜に縁取られるまで
その虹の色を注意深く見つめた
道に迷うのを恐れ
私は足跡を残そうと懸命に試みた

この世のものとは思えない奇妙な歌が
魔女の森に響き渡り始め
私の指は枝のように灰色を帯び
大地に根を生やして立ちすくんだ
呪文はいまだ解かれぬまま
私は今なお彼女の命じるままの奴隷
棺が魔女の森から墓穴に運ばれるまで

ジョージ・ハリスンの楽曲を連想させるようなジョン・フォード作の「Thirty Days」、続けてこれもジョージ・ハリスンを彷彿させるリチャード・ハドソン作の幻想的なバラード、「Cannondale」を宜しければお聴きください。


リチャード・ハドソン作の「Flight」。甘美で優しいタッチの曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=MeMDp9-jDQs

デイヴ・カズンズ作の「The Hangman And The Paptist(死刑執行人とローマ・カトリック教徒)」。リック・ウェイクマンの流麗なオルガンで始まり、カズンズが力強く歌い上げます。


リック・ウェイクマン在籍時のライブ映像。


大幅なメンバー・チェンジがなされた後年の映像のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=lxao1lkf66c

サイケデリック風のドラマティックなロック、「Sheep」。デイヴ・カズンズの作品です。リック・ウェイクマンのオルガンがザ・ドアーズを思い起こさせました。
http://www.youtube.com/watch?v=HOOVzlM67NI

憂いを帯びた「In Amongst The Roses」。デイヴ・カズンズの作品です。
http://www.youtube.com/watch?v=WzJu0vNzWgM

デイヴ・カズンズ作の「I'll Carry On Beside You」。ホンキー・トンク調のリック・ウェイクマンのピアノがバッファロー・スプリング・フィールドの「Kind Woman」、あるいはThe Bandのリチャード・マニュエルを想起させます。デイヴ・カズンズらは意識していたのか、ウエスト・コースト・サウンド的な曲調が窺えました。


ストローブスに限らず、1960年代後半から1970年代前半にかけては悪魔や魔女や魔法に関心を示したアーティストが多数いました。ローリング・ストーンズは「Sympathy For The Devil(悪魔を憐れむ歌)」を呪文のように演奏し、密教や魔術の世界に耽溺して魔術師と暮らした経験があるというマーク・ボラン(T.REX)は奇想天外な解釈で禁断の雰囲気を漂わせ、ネーミングの由来は魔女と悪魔の集会「サバト」に因んだとするブラック・サバスはあたかも悪魔が登場するかのような重く力強いサウンドで聴くものを圧倒していたのです。
また、「Season Of Witch(魔女の季節)」を歌ったドノヴァンは魔女の子供であるという根も葉もない噂が実しやかに囁かれたことがあり、ブリティッシュ・フォークの雄と称されたペンタングルも「Solomon's Seal(ソロモンの封印)」というアルバムをリリースしています。
こうした傾向はイギリスだけのものではありません。イーグルスが「Witchy Woman」と「Take The Devil」という2曲をファースト・アルバムに収録したのも偶然の産物ではないでしょう。ちなみにこのアルバムはイギリス人のグリン・ジョーンズがプロデュースを担当し、ロンドンでレコーディングされました。

ソロモンの封印
旧約聖書に登場するソロモン王が神から授かった印鑑つきの魔法の指輪のこと。この指輪で王は悪魔たちを支配したとされる。印鑑の印は六芒星の形をしており、ダビデの星と呼ばれた。

前述の『Just A Collection Of Antiques And Curious』の余勢を駆って送り出した『From The Witchwood』でしたが、全英チャート37位と前作を超えられませんでした。しかし、さらに高い評価を得てストローブスの存在を知らしめるには十分の結果となったようです。ストローブスはこのまま順調な活動を続行していくように思われましたが、神のいたずらか悪魔の仕業か、行く手に不運が待ち受けていました。
豊かな才能と華麗なテクニックでストローブスに新風を吹き込んだリック・ウェイクマンが、この『From The Witchwood』を最後に脱退。イエスが彼に目をつけ、強引に引き抜いたのです。さらには結成以来デイヴ・カズンズの盟友として同じ道を歩んだトニー・フーパーも退団し、ストローブスはまたも新たなる方向を模索することを余儀なくされました。
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