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Jackson Browne - These Days

前回は来日公演が盛況だったネッド・ドヒニーを取り上げたので、今回は拙ブログではお馴染みさんで、彼の旧友でもあるジャクソン・ブラウンに登場してもらうことにしました。お題は「These Days」。1974年にリリースされたジャクソンのセカンド・アルバム、『For Everyman』に収録されていますが、書き上げたのは彼が16歳の頃です。

フォー・エヴリマンフォー・エヴリマン
(2005/09/21)
ジャクソン・ブラウン

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1. Take It Easy
2. Our Lady of the Well
3. Colors of the Sun
4. I Thought I Was a Child
5. These Days
6. Redneck Friend
7. Times You've Come
8. Ready or Not
9. Sing My Songs to Me
10. For Everyman



THESE DAYS
そうさ、俺はずっとあちこち出歩いていたんだ
近頃は他人とあまり言葉を交わすことがない
近頃
近頃はいろいろと考え込んじゃうのさ
君のためにしようとして忘れていた物事について
できるチャンスはいつもあったのにってね

かつて俺には愛する人がいたんだ
近頃は別の女に恋をするリスクなんて負いたくないのさ
近頃
歌にしたような人生を送ることを
怖がっているように思えるのなら
それはまさしく俺がこれまでずっと負けてきたからだろう

だけど俺は前に進むことにするよ
物事はきっと良くなって行くのさ
近頃
近頃は隅石に座って時間を四分音で十まで数えている
友よ、俺の過ちを責めないでくれ
忘れたわけじゃないんだから

切ないメロディと相まって喪失感が漂う「These Days」。失ったものは去って行った恋人だけではなく、若き日々の思い出、引いては人生そのものであるかと推測されます。このような感情は思春期から青年期の若者には度々起こり得ることで、誰もが通る道であると言えるでしょう。歌の締めくくりは絶望的な結末に終わることなく、明日への希望を見出しています。

ジャクソン・ブラウンについて書かれた書物に以下のような解説が記されていました。
「少年の心から遠ざかることを成長と呼ぶのだとすれば、それは人一倍少年の心を持ったジャクソンにはつらい体験だったのだろう。以後歌詞は何度か手が加えられ、十八歳以後のジャクソンの内側の成長をこの歌は印画紙のように鮮やかに焼き付けている。(リッチ・ワイズマン著、室矢憲治訳『ジャクソン・ブラウン・ストーリー』P.56 CBSソニー出版 1983年)


2002年頃のライヴ映像です。


この「These Days」はカヴァー・ヴァージョンが幾つも存在しますが、その多くは前述の言葉が示す通り、ジャクソン・ブラウン自身のヴァージョンと歌詞が異なります。それはジャクソンが1967年にニューヨークに滞在した時、音楽出版社のニナ・ミュージックのデモ用に自作曲をレコーディングしたヴァージョンを手本にしているからでしょう。

ファッション・モデルや女優として知られ、ヴェルヴェッド・アンダーグラウンドにも参加した経歴のあるニコのヴァージョンは彼女が1967年に発表したソロ・アルバム、『Chelsea Girl』に収録。浅からぬジャクソン・ブラウンとの関係はまた別の機会に述べたいと思います。


散歩をして来たところ
このごろは他の人とあまり喋らない
このごろ
このごろはいろいろと考え込んでしまうの
あなたのためにしてあげたかったことについて
いつもそうしてあげられたのにってね

ぶらつくのはやめにしよう
もう無茶もしない
このごろ
このごろは考えるようになったわ
この変化はどうしたことだろう
常道を理解することがあるのかしら

かつて私には愛する人がいた
このごろは新たな恋をする危険を冒したくないの
このごろ
歌にしたような人生を送ることを
怖がっているように思えるのなら
それはまさに私がこれまでずっと負けてきたせいよね

もう夢を見るのはやめよう
野心も抱かないこのごろ
このごろ 
このごろは隅石に座って時間を四分音で十まで数えている
友よ、私の過ちを大目に見てね
決して忘れたわけじゃないから

最後のヴァースがジャクソン・ブラウン自身がレコーディングした歌詞と大きく異なります。人間的な成長とともに諦観を捨て、新たな夢を見るために勇気を持って歩み続ける決意をしたのでしょう。この「These Days」に限らず、ジャクソン・ブラウンが書く歌はこうした人生の瞬間を描くことによって多くの人々の心を捉え、共感を呼んでいるのかもしれません。

ジャクソン・ブラウンが短期間ながら在籍していたニッティ・グリッティ・ダート・バンドのヴァージョン。ジャクソン・ブラウンのヴァージョンで醸し出された哀切感が少々影を潜め、何か吹っ切れたような明るさが窺えます。1968年リリースの『Rare Junk』に収録。


ジャクソン・ブラウンとの共演も多いジェニファー・ウォーンズも「These Days」をレコーディングしています。1972年リリースの『Jennifer』に収録。余談ながらこのアルバムには先日の記事で扱った「P.F.スローン」も収められていました。


ザ・バーズのプロデューサーとして、ブルース・ジョンストン(ビーチ・ボーイズ)の相棒として拙ブログではお馴染みのテリー・メルチャーも取り上げていました。母であるドリス・デイトとの共演はまるで自身の波乱の人生を振り返るようで胸に迫る思いがします。1974年発表の『TERRY MELCHER』に収録。


この他にもトム・ラッシュ(1972年発表の『Tom Rush』に収録)、イアン・マシューズ(1973年の『Valley High』)、グレッグ・オールマン(1973年の『Laid Back』)、シェール(1975年の『Stars』)などカヴァー・ヴァージョンは枚挙に暇がありません。

グレッグ・オールマンとグラハム・ナッシュの共演映像を見つけました。1990年頃のライヴ映像のようです。

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コメント

こんばんは。このアルバム、16歳で初めて聴きました。リンドレーのラップスティールによる名演と併せて人生において外せない曲です。歌詞が4番まである場合とこのアルバムで歌われている3番までと、どちらが原曲なんでしょうね?ちなみにエブリシング・バット・ザ・ガールもカバーしていますが、4番まで歌っています。ギャンブルは辞めたって内容でした??
kuwa様、コメントありがとうございます。
ジャクソン・ブラウンが若き日に録音したニーナ・デモでは4番まで歌われております。よって原曲は4番まであったということでしょう。本文中でも述べたようにジャクソンはこの歌に何度も手を加え、自身が正式にレコーディングする際に、「ぶらつくのはやめよう/もう無茶もしない」、「もう夢を見るのは止めよう/野心も抱かない」といった部分を除き、「だけど俺は前に進むことにするよ/物事はきっと良くなって行くのさ」と書き変えて3番までに縮めたものと思われます。
なお、原曲の詞 "Now I don't do that much gambling" を直訳すると「もう博打もあまりしない」との意味になりますが、gambleには「無茶をする。向こう見ずな真似をする」という意味もあり、ここでは歌い手がニコであることを考慮して「無茶をしない」という訳をつけました。
やはりデヴィッド・リンドレーのスライドギターに限ります。

2003年の来日時にコンサートへ行きましたが、リンドレーこそいなかったものの素晴らしい演奏でした。

歌詞がまた切なくて、2ndアルバムを代表する名曲ですよね!
ryo様、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、デヴィッド・リンドレーのスライド・ギターはこの曲の哀調感をさらに心深くまで染み込ませる効果をもたらしていましたね。
2003年の来日公演にリンドレーの姿はなかったものの、マーク・ゴールデンバーグとVal McCallumの二人のギタリストがなかなかいい味を出していました。バンドの演奏もまとまっていて、素晴らしいステージでしたね。
はじめまして
香港在住のJunpei(女)です。
私は17歳でこのアルバムに出会いました。
ふらっと遊びに行ったアメリカで、お世話になっていたお兄さんが毎朝毎朝このレコードをかけていたのです。
日本に帰ってタワレコで買い求め、ぼろぼろになるまで聞きました。
今はJBもあまり聴かなくなってしまいましたが、久しぶりにじっくり聞きました。
私は1994年に来日したときに行ったライブが最後です。名古屋空港で着陸寸前の飛行機が爆発した日だったことを覚えています。
リンドレーとの新しいアルバムあるようなので、それを買って聞きなおそうかな?
また遊びに来ます。素敵な曲満載なので私のブログにリンクさせてくださいね。
Junpei様、コメントありがとうございます。つたないブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
CDからネット配信へと音楽媒体が変化して行く昨今、ぼろぼろになるまでレコードを聴くという行為も懐かしい言葉になってしまいそうです。
マーク・ゴールデンバーグのギターも素晴らしいけれど、ジャクソン・ブラウンにはデヴィッド・リンドレーの紡ぎ出す音がよく似合っています。共演盤に収録の「These Days」はスペインの女性シンガー、ルツ・カサールがリード・ヴォーカルを担当しており、また違った印象を受けました。
とりとめのない記事しかないブログですが、リンクしていただき誠にありがとうございました。こちらも早速リンクさせていただきます。拝読させていただきましたが、機智に富みながらもけれんみのない内容に興味を惹かれました。
こんばんは。続いて投稿します。
みなさんやはりデイヴィッド・リンドレーのことを書かれてますね。彼に限らず、あの頃の人たちは黄泉の国に入って狂気すれすれの演奏をしていたような感があります。Viva 70s!

私のブログを見つけて下さいましてありがとうございました。ブログって検索結果に反映されやすから便利でいいですよね。
実はブログと同一内容のホームページをやっているのですが、こちらは反映させるのがとても難しいです。
バルカローレの「歌詞を訳しました」ホームページ
http://www.nexyzbb.ne.jp/~yassum/
といいます。よかったらご覧下さい。

あと私が途中まで訳して投げちゃったというのは“Jamaica Say You Will”です。
もしお時間ご都合つきましたら、Backstreetsさんの訳で読みたいなあと思う次第です。^^
それでは~。
バルカローレ様、こちらにもコメントいただきありがとうございます。
あの頃の人たちは黄泉の国に入って狂気すれすれの演奏をしていた感があるとは言い得て妙ですね。実際に旅立たれた人も多々あります。
ジャクソン・ブラウンの歌詞も彼の人生の道程、私的な内面の告白、社会背景などを鑑みて理解を深めなければならないので、途中で訳が分からなくなってしまうことがよくあります。さらには聖書からの引用も効果的に使われている曲もあり、宗教の知識も必要であると痛感させられている次第です。

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