好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Jimmy Webb - JUST ACROSS THE RIVER

朝夕が涼しくなりつつも昼間は真夏の勢いがまだまだ衰えない京都。来年以降に冷夏になることもあり得るので、行く夏を惜しむといった風情を味わうことにしたいと思います。

Just Across the RiverJust Across the River
(2010/06/29)
Jimmy Webb

商品詳細を見る

1. Oklahoma Nights (featuring Vince Gill)
2. Wichita Lineman (featuring Billy Joel)
3. If You See Me Getting Smaller (featuring Willie Nelson)
4. Galveston (featuring Lucinda Williams)
5. P.F. Sloan (featuring Jackson Browne)
6. By The Time I Get To Phoenix (featuring Glen Campbell)
7. Cowboy Hall Of Fame
8. Where Words End (featuring Michael McDonald)
9. Highwayman (featuring Mark Knopfler)
10. I Was Too Busy Loving You (featuring J.D. Souther)
11. It Won't Bring Her Back
12. Do What You Gotta Do
13. All I Know (featuring Linda Ronstadt)

拙ブログではお馴染みのジャクソン・ブラウンが、ジミー・ウェッブの「P.F.Sloan」を歌う音源がYouTubeにアップされていました。1990年頃のライヴを録音したもののようです。
http://www.youtube.com/watch?v=QssJS_8YqS8

そこで今回はジミー・ウェッブが2010年に発表したアルバム『JUST ACROSS THE RIVER』を取り上げることにしました。これは彼が1996年にリリースした『TEN EASY PIECES』に続く二作目のセルフ・カヴァー・アルバム。ジャクソン・ブラウンを始めとする錚々たる面々が、ジミー・ウェッブの作品の魅力を引き立てるために駆けつけています。

ジミー・ウェッブとジャクソン・ブラウンはアサイラム・レコードの創始者デヴィッド・ゲフィンを介して知り合ったといいます。それはジャクソン・ブラウンがデビューする少し前のこと。しかし、二人はその後交流することなく、長い年月が過ぎ去って行きました。ジャクソン・ブラウンはウェッブとの出逢いを大切にしたかったのか、彼が作った「P.F.Sloan」をしばしばステージで披露しています。
ジミー・ウェッブはジャクソン・ブラウンのそうした姿勢にたいそう胸を打たれたことでしょう。このアルバムにおいて二人の旧交を暖めるかのような共演が実現の運びとなりました。


P.F. SLOAN
ずっとP.F.スローンを探している
彼の行方を知る者はいない
ときめきを送ってくれた歌を聴いた者もひとりとしていない

いま君はため息をついたかもしれない
嘆いたかもしれない
痩せこけるほどに汗水たらして働く日々
でも君は微笑みながら
ローリングストーン誌を読んでいた
彼が歌い続けていた間のことだ
さあ、彼が歌うのを聴いてごらん

No No No No
この歌を歌わないでくれ
歌ってはいけない
No No No No
歌わないでくれ
この歌は今からP.F.スローンのものだから

旧友が銃で命を絶った
遺体は剥製にするために詰め物をされて乾かされ
皮膚はなめされた
彼は十字架に張り付けにされ
ガラス製の目玉をきらきらさせて
扉の外を見つめている

ロンドン橋がついに完成した
橋は別の町に移されたのだ
古い橋が崩れ落ちるのを見ようと
多くの人々がまわりに集まっている
だけど橋が崩れてなるものか

No No No No
この歌を歌わないでくれ
歌ってはいけない
No No No No
歌わないでくれ
この歌は今からP.F.スローンのものだから

ニクソンがやって来て暫くここに留まった
彼は犯した罪を洗い清めることが出来なかった
今日ニュースで聞いたんだ
そのことが耳にこびりついている
私がP.F.スローンに最後に会ったとき
彼は夏の陽射しに焼け、冬の風に凍えていた
彼はたったひとりで苦難を乗り越えた
でも彼は歌い続け、歌うことをやめなかった

No No No No
この歌を歌わないでくれ
歌ってはいけない
No No No No
歌わないでくれ
この歌は今からP.F.スローンのものだから

ロンドン橋は大昔から何度も崩壊したり架け替えられてきた橋です。歌詞の中に出て来るくだりは1831年に完工した橋が1968年にアメリカの企業家に売却され、アリゾナ州のハヴァス湖に復元されたことをもとにしているのだと思われます。古い橋をP.F.スローンの姿と重ね合わせているのでしょう。また、「夏の陽射しに焼け、冬の風に凍えていた」という表現はおそらく、「音楽界の辛酸を舐め、苦難に耐えた」という風な意味に受け取れます。

P.f. Sloan(P.F.スローン)とは1960年代にサーフィン/ホットロッド、フォーク・ロックのソング・ライターとして活躍した人。ジャン&ディーンの「Summer Means Fun(青春の渚)」、全米1位となったバリー・マクガイアの「Eve Of Destruction(明日なき世界)」、ジョニー・リヴァースの「Secret Agent Man(秘密諜報員)」などが代表曲です。自らもファンタスティック・バギーズやグラス・ルーツなどでも活動し、ソロとして1966年に発表した「From A Distance(孤独の世界)」が1969年に日本でヒットしました。


1970年代になるとP.F.スローンはヒットに恵まれず、彼の名は次第に忘れ去られて行きます。ジミー・ウェッブはスローンの復活を願ってこの曲を書きましたが、スローンがシーンに本格復帰を果たすまでにはかなりの時間を要し、1994年になってようやく彼は新作を発表することが出来ました。


続いて、マーク・ノップラー(ダイアー・ストレイツ)参加の「Highwayman」。アイリッシュ・トラッドの雰囲気を彷彿させるアレンジに仕上げられていました。追いはぎ、船乗り、ダムの建設作業員など名もなき人々をテーマにした歌ですが、自らの人生の興隆や軌跡を重ね合わせているようです。この歌はグレン・キャンベルが『Highwayman』(1979)でレコーディングし、1985年にはウェイロン・ジェニングス、ウィリー・ネルソン、ジョニー・キャッシュ、クリス・クリストファーソンら四人による共演アルバム『Highwayman』でも取り上げられていました。
なお、ジミー・ウェッブのヴァージョンは『EL MIRAGE』(1977)、『TEN EASY PIECES』(1996)、息子たちと共演したアルバム『COTTONWOOD FARM』(2009)などに収録。


グレン・キャンベルのヴァージョンはライヴ映像でご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=ukjYAuq6nGs

御大たちによるヴァージョンです。
http://www.youtube.com/watch?v=dQ03ngpdU80

リンダ・ロンシュタットとの共演が堪能出来る「All I Know 」。リンダはこれまでにもジミー・ウェッブの楽曲を自分のアルバムで何曲もレコーディングしています。今回はアート・ガーファンクルのソロ・デビュー・アルバム『Angel Clare』(1973)からシングル・カットされて全米9位のヒットを記録した「All I Know」を選曲。息が合ったデュエットを存分に聴かせてくれています。


こちらはジミー・ウェッブが『TEN EASY PIECES』でセルフ・カヴァーしたヴァージョン。
http://www.youtube.com/watch?v=hQC6TMazIxk

アート・ガーファンクルのヴァージョンです。
http://www.youtube.com/watch?v=33aoxUeAw0E

この他にもヴィンス・ギル、ウィリー・ネルソン、ルシンダ・ウィリアムスらカントリー系のアーティストとの共演やビリー・ジョエル、グレン・キャンベル、マイケル・マクドナルド、J.D.サウザーがフィーチャーされた興味深い楽曲が並んでいます。ことにルシンダ・ウィリアムスのエモーショナルなヴォーカルに胸を打たれました。彼女はシンガー・ソング・ライターでもあり、メアリー・チェイピン・カーペンターが歌って1993年にヒットした「Passionate Kisses」の作者として知られています。また、ルシンダは2006年にリリースされたP.F.スローンのアルバム『Sailover』収録の「The Sins Of The Family (Fall On The Daughter) 」ではスローンとデュエット。円熟味が漂う二人のパフォーマンスが心に滲み渡りました。

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コメント

ジミーウェブといえば、グレンキャンベルかアート・ガーファンクル。このアルバムは色々な人が歌ってるんですね。ジャクソンとは意外でした。レコード会社を同じくしていた時期があるから、接点はあったんでしょうけど知りませんでした。さっそく購入してみますね。ありがとうございました。
kuwa様、コメントありがとうございます。
ジミー・ウェッブとジャクソン・ブラウンは一時期同じレコード会社に所属していたとはいえ、両者の関係に少し意外な印象が否めません。ウェッブ本人が驚くほどジャクソンはかなり以前から「P.F.スローン」をステージで歌っていたらしく、そのリスペクトのほどがよく分かります。
ジミー・ウェッブの作品には人生の歓びと失意の機微が叙情的に描写されており、そのあたりの魅力が多くのアーティストに取り上げられている理由のひとつなのかもしれません。
このコメントは管理人のみ閲覧できます
ジミーウェブ!! Backstreetsさんの記事 読ませて頂いて無性に聴きたくなりました
彼のアルバムで、お勧めのが有れば教えてください  宜しくお願いします。
         後書き
愛情溢れる真摯なブログですね 此処まで詳しく書けません たいしたもんだ
今後とも宜しく御願いします。
ナルダン珈琲店主様、コメントありがとうございます。
私のつたない記事を褒めていただき光栄です。
ジミー・ウェッブのアルバムには駄作がありません。強いて言えば『Letters』、『Land's End』、『El Mirage』、『Angel Heart』あたりでしょうか。加えて実質デビュー作の『Words And Music』も瑞々しいし、好みが分かれるけれど最初のセルフ・カヴァー・アルバム『Ten Easy Pieces』も捨て難いところ。これでは絞れませんね。申し訳ございませんでした。
この投稿(レビュー)はすばらしいと思いました。
nicogori様、コメントありがとうございます。独り善がりなことを書き綴るつたないブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。

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