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Jackson Browne - That Girl Could Sing

台風が通り過ぎても一向に涼しくならない京都。9月に入り、青く澄み切った空と乾いた空気がカリフォルニアを連想させるような日もありましたが、今日は再び猛暑が復活してしまいました。

ホールド・アウトホールド・アウト
(2005/09/21)
ジャクソン・ブラウン

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1. Disco Apocalypse
2. Hold Out
3. That Girl Could Sing
4. Boulevard
5. Of Missing Persons
6. Call It a Loan
7. Hold on Hold Out

今回ご登場を願う方はジャクソン・ブラウン。彼が1980年にリリースしたアルバム『Hold Out』から「That Girl Could Sing」を取り上げます。新境地を開いたとされるこのアルバムで彼は初めて全米1位を獲得し、シングル・カットされた「That Girl Could Sing」も22位まで上昇しました。



THAT GIRL COULD SING
俺が必要とした時、彼女は友だちでいてくれた
自分が何をしたのか分からないが
彼女のためにしたことではなかった
彼女は俺に欠けたあるものを返してくれた
彼女はほぼ誰にでもなれただろう
ほぼ誰にでも
俺が彼女になってほしい人物を除いては

彼女は風に服をはためかせながら
真夜中へ向かって走って行く
優しさを持った暗闇の深部に到達しようとしている
街の灯りの中へ偶然に入り込み
再び影の中へと戻って行く
それぞれの不幸が隠された笑いを包みながら

天体と翼の上の天使について話し
彼女は近くで待つようなことは
あまり得意でなかった
でも、彼女は歌える
歌えるのだ

草木も眠る真夜中に
彼女は人が行ったこともないところに
灯りを灯すことが出来た
そんな灯りの中で
君は視力を失うこともあり得た
そしてそこには勝つべきものがあると信じた
君は君の力で
彼女をしっかりと抱きしめることが出来た
しかし、彼女は風のように君の腕をすり抜けていただろう
そしてフライトに戻り
夜の闇へと消えて行く
もう彼女に会うことはないかもしれない

俺が彼女を見つけられると思えば思うほど
俺の幻想は薄れて行く
彼女の背後で無駄に騒ぎ
彼女のせいにしようと考える
でも彼女はそれほど親切にはなれなかっただろう
彼女が戻って来て言い訳しようとしたとしても
彼女はサヨナラが言えない女
でも彼女は歌える
歌えるのだ 

この歌のモデルは諸説あります。国内盤CDの対訳をされた山本沙百理さんは、夜行便のフライト・アテンダント(キャビン・アテンダント)のことを歌ったものではないかと記されていました。また、音楽評論家の天辰保文先生はヴァレリー・カーターが2003年に発表したアルバム『Midnight Over Honey River』の解説の中で、「That Girl Good Sing」はジャクソン・ブラウンがヴァレリーのことを思い描いて書いた歌であると述べられています。さらに、ローラ・ニーロの英語版ウィキペディアの中には「ローラ・ニーロについて創作された」との趣旨の記述があり、誰に捧げられた歌であるのか何だか良く分かりません。ジャクソンの親密で複雑な女性関係をも窺わせます。
しかし、こんな疑念を一蹴するかのような言葉がジャクソン・ブラウン自身の口から語られました。

<ザット・ガール・グッド・シング>は、明らかに10年近く前のジョニ・ミッチェルとの関係を歌ったものだ。ブラウンはこう話している。「関係が終わると、人はすっかり路頭に迷うものだね。<ザット・ガール・グッド・シング>はぼくが知っている実在の人についての歌なんだ。愛を信じないで、自分自身の探求を信条としているぼくがいてー気づいたら束縛されたがらない人に引き寄せられていた。それでどうなったか。あっという間になりたくない自分になってたよ。その女性を所有したいと思ってしまった。一週間前に言ったことと完全に逆のことだった。それでその点でぼくは折り合いをつけて、自分にこう言い聞かせたわけだー『彼女が出て言ったのは、理由も言わずに姿を消したのは、彼女がなし得た一番分別のある行為だったのだろう』ってー気づいたらまた、路頭に迷っていた」(マーク・ビーゴ著、水決まり訳『ジャクソン・ブラウン~ヒズ・ライフ・アンド・ミュージック』P.181 蒼氷社 2007年)

ジャクソン・ブラウン―ヒズ・ライフ・アンド・ミュージックジャクソン・ブラウン―ヒズ・ライフ・アンド・ミュージック
(2007/11)
マーク ビーゴ

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ジャクソン・ブラウンとジョニ・ミッチェルの愛憎渦巻く親密な関係については、以前に書いたジョニのアルバム『Turbulent Indigo』の記事を参照していただければ幸いです。なお、ジャクソン・ブラウンはデビュー直前、ローラ・ニーロのツアーのオープニング・アクトとして起用された経歴があり、それ故「That Girl That Sing」がローラのことを歌ったのではないかとの憶測が囁かれたのでしょう。

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コメント

この曲が入ってる、Hold Out大好きなんですよね。
Disco Apocalypseなんて最高じゃないですか。

2002年のライブにも行きました。
この曲は演奏しなかったけど、The Pretender、Late For The Sky、Take It Easyなどのキラーチューン満載で良かったです。懐かしいな・・・

That Girl Could Singに注目しつつHold Out、聴き直します。
ryo様、コメントありがとうございます。
これまでの私小説的な心情を吐露する文学青年のイメージを払拭するかのような『Hold Out』。シンセサイザーとキーボードの音色が見事に都会の夜の喧噪を醸し出した「Disco Apocalypse」は旧来のジャクソン・ブラウンのファンを困惑させたものでした。
しかし、親友ローウェル・ジョージの死を歌った「Of Missing Persons」や "I Love You" という歌詞がフィーチャーされた「Hold On Hold Out」など興味深い曲が収録されているのも事実。哀しみと同時に愛が素直に語られ、それらのことがジャクソン・ブラウンの歌声に艶を与えているかのようです。
backstreetsさん
こんにちは!

このアルバムの曲、コンサートであんまり
やらないですね。
最近ではBoulevardとCall It A Loanくらいかな。
私にとって初Jacksonのコンサートは
このアルバムの80年のツアーでした。
その時は、ほとんどやってくれたのかな?

2008年のコンサートでは近くで
延々とHold Outをリクエストしている人が
いましたがもちろんやりませんでした。
どっちもしぶといです。

賛否ありますがわたしはどの曲も好きです。
moonlight様、コメントありがとうございます。
ジャクソン・ブラウンの来日公演は直近にリリースされたアルバムのタイトルを冠したツアーを謳っているためか、当該のアルバムの収録曲が中心に演奏される傾向がありますね。この『Hold Out』に収められた楽曲は二番目の妻となるリン・スウィニーに捧げられたこともあり、離婚した現在ではあまり歌いたくない曲が多いと思われます。
このまま封印するには惜しいので、いつか再演してくれることを望む次第ですが、ジャクソン・ブラウンの感情を察すると難しいのかもしれません。
このアルバムは持っていますが、私はB面ばかり聴いていたのでこの曲は久しぶりに聴きました。 現在はアンプが無いので、レコード自体が聴けない状態です・・・

そろそろまたジャクソン・ブラウンの曲を採り上げようかと何曲か聴いていたところですが、歌詞で引っかかるものが多くて悩んでしまいます。
プライベートなことを歌った曲が多いですからね・・・
OneMusic1様、コメントありがとうございます。
ジャクソン・ブラウンの歌詞もボブ・ディラン、レナード・コーエン、ルー・リードらと並んで難解ですね。この『Hold Out』に収録された楽曲は比較的シンプルな言葉を使い、意味も分かりやすいと思われるものの一筋縄でいきません。
私小説的な表現はもとより、アメリカの苦悩と良心を背負うといった姿勢も見られるので訳が分からなくなることもあります。
ジャクソンですね♪このアルバムはリアルタイムで聴いていましたが、まだ70年代のジャクソンらしくて好きなアルバムでした。歌詞の背景は知りませんでしたが・・・このアルバムでリンドレーと離れたのは、サウンド面での嗜好が変わったからだろうと思っています。でも、このアルバム発売での来日公演での演奏は素晴らしかったと思います。
個人的にはぎりぎりジャクソン・ブラウンらしさを感じさせてくれた最後の1枚でした。(実質的には「Running On Empty」ですが)
TBさせて頂いた記事では他の曲を選曲していますがThat Girl Could Singも大好きな1曲です。
kuwa様、コメントありがとうございます。
1980年の「Hold Out」ツアーは素晴らしかったですね。来日メンバーにはデヴィッド・リンドレーに加えて、ラス・カンケル、クレイグ・ダーギ、ビル・ペイン、そしてローズマリー・バトラーなんて今となっては懐かしい女性シンガーもいました。
この後ジャクソン・ブラウンはリンドレーと袂を分かつことになり、もう一緒に演ることはないかもしれないと少々心配していたところ、私よりも年配でマニアックなジャクソン・ブラウンのファンである知り合いが、「大丈夫。近い将来、必ず二人で我々の目の前に立つよ」と言われたのを憶えています。その予言通り1986年の「Japan Aid」で二人だけのパフォーマンスが実現したのですが、共演盤がリリースされるにはさらに長いと年月がかかりました。
Purple_Haze様、コメントおよびトラックバックありがとうございます。
ジャクソン・ブラウンは全米1位となったこの『Hold Out』で新しいファンを獲得したものの、多くの旧来のファンを失ったとも言われました。私小説的な独白の重みが影を潜めて軽やかになったと揶揄されることに反するように、この後のジャクソン・ブラウンが政治的・社会的な活動を深めて行くところが興味深く思えます。

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