好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Linda Ronstadt - HASTEN DOWN THE WIND

京都は猛暑の日々が続いております。せめてジャケットだけでも納涼感のあるものをと思い、今回はリンダ・ロンシュタットが1976年に発表した『HASTEN DOWN THE WIND』を取り上げることにしました。憂いの表情を浮かべて海辺に佇むリンダ。遠くを見つめる眼差しの先には誰がいるのでしょうか。

風にさらわれた恋(紙ジャケット)風にさらわれた恋(紙ジャケット)
(2010/07/07)
リンダ・ロンシュタット

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1. Lose Again
2. The Tattler
3. If He's Ever Near
4. That'll Be The Day
5. Lo Siento Mi Vida
6. Hasten Down The Wind
7. Rivers Of Babylon
8. Give One Heart
9. Try Me Again
10. Crazy
11. Down So Low
12. Someone To Lay Down Beside Me

このアルバムにはJ.D.サウザーの作品は一曲も収録されていません。前作『Prisoner In Disguise』のエンディングを飾った「Silver Blue」の歌詞を鑑みると、既に二人の関係に終止符が打たれていたと思われます。それ故、このアルバムにおけるリンダの歌いっぷりには悲しみを乗り越えた強さが窺われ、失った恋への傷心を歌い上げる様が聴く者の耳へリアルに響き渡りました。

ピート・アッシャーがプロデュースを担当し始めてからリンダの持ち味だったカントリー・ロックのテイストが影を潜めた印象があります。彼女の歌唱力や表現力を生かすには幅広いジャンルの音楽を取り入れるほうが良いとの判断だったのでしょう。アルバム『Heart Like A Wheel』で全米1位を獲得したことにより、アメリカを代表する女性シンガーとしてさらなる上のステージへ上り詰めるには必然だったとも言えます。

演奏面ではストーン・ポニーズ時代の僚友であるケニー・エドワーズのサポートが大きく、彼の人脈でアンドリュー・ゴールド、カーラ・ボノフ、ウェンディ・ウォルドマンらがレコーディングに参加。ことにカーラはバック・コーラスのみならず3曲もの楽曲を提供していました。この3曲はカーラのファースト・アルバム『KARLA BONOFF』に収録され、拙ブログでも以前に扱ったことがありますので参照していただければ幸いです。

リンダ・ロンシュタットは他のアーティストが書いた作品の良さを理解し、その魅力を十二分に引き出すことの出来るシンガーとして定評がありました。その巧さを妬まれるかのように、歌心はあっても創作能力のない単なる歌い手に過ぎないと陰口を叩かれることもあったでしょう。ところがこのアルバムで注目されることのひとつに、リンダ自身が曲作りに参加している点が上げられます。「Lo Siento Mi Vida」は彼女の父親ギルバートとケニー・エドワーズの共作曲。「Try Me Again」はアンドリュー・ゴールドとともに作った曲でした。こうした試みは、いつまでも失った恋に捕われることのないリンダの前向きな意欲が窺えました。

それではアルバムの中からYouTubeの画像・映像を使って何曲か紹介します。まず、オープニング・ナンバーの「Lose Again」。カーラ・ボノフの作品です。


LOSE AGAIN
私を助けて
私を自由にして
この辛く苦しい想いから
列車は行ってしまった
この線路の彼方まで
私をひとり残したままで

でも束縛された私を
救ってくれるものなどありはしない
私は心に決めた
今日こそお別れすることに
でもあなたは私の生き甲斐
正気の沙汰じゃないわよね
あなたを愛し、またひとりぼっちになる私

心の奥底に募る想いに
理性もなすがまま
あなたは私よりも分かっているのね
もう一日だけ絶えきれれば
ああ、もしかしたら
彼は真実の愛に気がついてくれるかも

別の時期のライヴ映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=lstDLoYeoG0

ライ・クーダー作の「The Tattler」。


ライ・クーダー本人のヴァージョンは1974年発表の「Paradise And Lunch」に収録。今回は1977年のライヴ映像をご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=Yyw9Mi1BSI4

バディ・ホリーのナンバー、「That'll Be The Day」。オールディーズを取り上げることがすっかり恒例となりました。


1976年のドイツ公演の映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=eGldbF8T7Ns

バディ・ホリー自身のヴァージョンは1957年リリースの『The Chirping Crickets』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=e3WDCHF1vDE

前述したリンダ・ロンシュタットと彼女の父親ギルバート、そしてケニー・エドワーズの共作曲「Lo Siento Mi Vida」。スペイン語で歌われていました。ギルバートはドイツ系メキシコ人であり、リンダは幼き頃よりメキシコの音楽を聴いて育ったといいます。
別れた恋人への思慕や未練が歌われ、その想いはJ.D.の姿とも重なりました。


表題曲の「Hasten Down The Wind」。気まぐれな女の恋心が歌われたウォーレン・ジヴォンの作品です。彼は1969年に『Wanted Dead Or Alive』でデビューしましたが、鳴かず飛ばず。1976年に親友ジャクソン・ブラウンがプロデュースした『Warren Zevon』でアサイラムから再デビューを果たしています。


ウォーレン・ジヴォンのヴァージョンです。
http://www.youtube.com/watch?v=6kWeaIOJ8FU

これは珍しい。ジャクソン・ブラウンが1975年のライヴ音源です。
http://www.youtube.com/watch?v=oTzNfjk3jBg

レゲエ調のリズムが心地よい「Give One Heart」。ジョン&ジョアンナ・ホールの共作曲です。ジョン・ホール率いるオーリアンズのヴァージョンは1975年リリースの『Let There Be Music』に収録されていました。
http://www.youtube.com/watch?v=j5K4pThiUKo

ウィリー・ネルソン作の「Crazy」。ファースト・リリースは1961年のパッツィ・クライン。ウィリー・ネルソンのヴァージョンは1962年発表の『...And Then I Wrote』に収録。この曲をレコーディングするアーティストは枚挙に暇がなく、ノラ・ジョーンズも2003年にシングル盤で取り上げていました。


ほぼ同時期のライヴかと思われますが、スタンダードを思わせる上記のパフォーマンスに比べてこちらのほうがカントリー・フレーヴァーが強いようです。
http://www.youtube.com/watch?v=ks6bjnX8c0k

宜しければパッツィ・クラインのヴァージョンもご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=Zzq5X-p2C0Y&feature=fvw

1960年代後半にマザー・アースを率い、ソウルフルな歌唱で好評を博したトレーシー・ネルソン作の「Down So Low」。去って行った男への未練が溢れた歌です。


トレーシー・ネルソンのヴァージョンは1974年発表の『Tracy Nelson』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=ThhOewiZWu8

アルバムを締めくくる曲はカーラ・ボノフ作の「Someone To Lay Down Beside Me」。オープニングとエンディングを同じ作者の楽曲で構成するとはよほどリンダはカーラの楽曲を気に入っていたと思われます。


こちらは1977年のライヴ映像です。たった1年で女性の持つ雰囲気は変わるものですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Yu-WBQdMMXM

ジャズ・ヴォーカル、ゴスペル、ラテンといった要素。ヴァラエティに富んだ内容はリンダのその後の方向性を示すものと言える。あるとき「衣服や車を買い替えるように男性を取り替えてもいいんじゃないの」と公言して物議を醸したことがありましたが、そうした自信の表れもこのアルバムあたりから培われて行ったのかもしれません。なお、アルバムは全米3位まで上昇しました。
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コメント

このAlbumから
力強さが一段と際立ちます
女性は
恋に敗れて
強くなる人
弱くなる人
落ちぶれる人
いっぱい観てきましたが
彼女は持って生まれた「心」の強さが光ります♪

素晴らしい
日曜日を
お過しくださいね♪

God bless you...
Azumi様、コメントありがとうございます。
恋に破れて強くなる人、弱くなる人。若輩の私が訳知り顔で言うのも何ですが、たいていの女性は終わった恋をいつまでも引きずることなく立ち直るのが早いような気がします。それに引き換え、男は未練がましくて駄目ですね。辛いものです。
Azumi様も素晴らしい日曜日をお過ごしください。
こんばんは。このアルバム、高校の同級生で肉屋のO君が買ったので遊びに行きながら聴かせてもらいました。高校生にはジャケットから魅力的なアルバムでしたね♪後年、輸入盤で手に入れましたが、オープニングのLose Againはよくコピーしました。エモーショナルなリード・ギターが好きです。2曲目のライの曲もバディ・ホリーのカバーも良いですよね。個人的には、ここからのリンダの快進撃ってイメージです。紙ジャケ再発どうなんでしょうか??
kuwa様、コメントありがとうございます。
1988年頃、取引先の方と雑談している時に「リンダ・ロンシュタットは『Hasten Down The Wind』あたりまでが一番よかったな」と言われたことがありました。
この『Hasten Down The Wind』は当時のトレンドも考慮して脱カントリー路線を心掛け、様々なジャンルの音楽を昇華したことでリンダがアメリカを代表する女性シンガーへの道を駆け上がるきっかけとなった一枚でしょうね。同時に新しいファンを獲得し始めたアルバムとも言えそうです。
以前の「Forever Young Series」で出されたCDは音質が悪かったのですが、今回はリマスターのおかげで格段に向上した印象を受けました。しかし、SHM-CDでもないのに2,800円とは少々高価。もう少し何とかならないのかというのが実感です。

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