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Art Garfunkel - WATERMARK

あまりにも暑いので、楽曲にもジャケットにも清涼感が漂う1枚を念頭に選ばせてもらうことにしました。という安易な決め方でご登場をいただく方はアート・ガーファンクル。彼が1978年に発表したアルバム『WATERMARK』が今回のお題となります。

ウォーターマークウォーターマーク
(2004/02/25)
Art Garfunkelアート・ガーファンクル

商品詳細を見る

1. Crying In My Sleep
2. Marionette
3. Shine It On Me
4. Watermark
5. Saturday Suit
6. All My Love's Laughter
7. (What A) Wonderful World
8. Mr. Shuck 'N' Jive
9. Paper Chase
10. She Moved Through The Fair
11. Someone Else (1958)
12. Wooden Planes

水色の空、白い波頭が輝く碧い海を背景にし、陽光を浴びながらくつろぎの表情を見せるアート・ガーファンクル。当時恋人だったローリー・バードによってジャケット写真が撮られたためか柔和な雰囲気に包まれています。
アルバムに収録された12曲のうち10曲がジミー・ウェッブの作品。"Art Sings Jimmy Webb" と称してもよさそうなアルバムです。アートが最も気に入っているひとりのソング・ライターの楽曲にこだわることで、歌手アート・ガーファンクルというより、あたかもシンガー・ソング・ライター的な味わいが打ち出されているようにさえ感じ取れました。
とかく甘ったるいと揶揄されることのあるアート・ガーファンクルの歌声ですが、プロデューサーにバリー・べケットを起用し、ギタリストのピート・カーを始めとするマッスル・ショールズの腕利きミュージシャンたちがバックを受け持ったことで全体的にひきしまった印象を受けます。こうした布陣を敷いたことは、アルバム『There Goes Rhymin' Simon』(1973)でマッスル・ショールズのスタジオ・ミュージシャンと仕事をして大きな満足感を得ていたポール・サイモンからの助言がありました。
アートの優しい歌声にアーシーながらもクリアなマッスル・ショールズのリズム・セクションが融合し、洗練されたジミー・ウェッブの楽曲の持ち味と相まって、さらなる透明感が醸し出されています。哀愁を帯びながらも明るい音の響きが、まるで水彩画を鑑賞するかのように思えました。

それではYouTubeの映像・音源を使ってアルバムの中から何曲か紹介します。オープニング・ナンバーは夢の中でかつての恋人に出会って感傷的な気分に陥る様子が描かれた「Crying In My Sleep」。


ライヴ映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=hYH9ecryxCE

ジミー・ウェッブのヴァージョンは1974年リリースの『Land's End』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=lWqkcB7Byq0

色褪せた操り人形への想いを愛する人への気持ちに重ね合わせた「Marionette」。ジミー・ウェッブのヴァージョンは『And So On』(1971)に収録。


MARIONETTE
マリオネット ドレスがびしょ濡れじゃないか
雨の中で誰かに置き去りにされたのかい
それとも君の頬につたう小さな涙は心が痛んでいるからなのか
屋根の雨漏りによるものなのか?
マリオネット どうして君は忘れてしまったんだ?
つやつやと輝く上塗りも剥がれてしまうと君に言ったはずだよ
鮮やかな頬紅が色褪せ
ほとんどひび割れた微笑みを浮かべた顔で
古巣に向かうのはどんな気持ちがするのだろうか?

ブランデンブルグ・ゲートの側にあるおもちゃ屋に戻ってきた
まだ間に合えばよいが
初めて君の瞳に命を吹き込んだ頃よりも
私の腕は落ちているのだ

マリオネット 君はまだ終わっていないんだよ
僕が君を新しく生まれかわらせてあげよう
君の瞳を青く塗り
かつての私のように若返らせてあげよう
そして棚の上に座らせてあげよう
操り人形師が再びやって来て
君を連れて行くまで

ピアノをバックに歌われる「Shine It On Me」。"You might as well smile/Ain't tears gonna drown the rain"「泣きながら雨の中でずぶ濡れになるよりも笑っているほうがましだよ」というさりげない歌詞に暖かみが感じ取れます。グレン・キャンベルが「You Might As Well Smile」のタイトルで1974年にレコーディングしていました。


繊細で透かし模様のような女性像が描かれた表題曲「Watermark」。


リチャード・ハリスが1969年に発表したアルバム『The Yard Went On The Forever』に収められたヴァージョンがファースト・リリースのようです。
http://www.youtube.com/watch?v=YJMZAWwC6V8

土曜日の気分で憂さを晴らそうと歌う「Saturday Suit」。もともとはジミー・ウェッブが人類学者デスモンド・モリスの原作を映画化した『The Naked Ape(裸の猿)』(1973年公開)のために書いた曲です。


キャス・エリオットが『The Road Is No Place For A Lady』(1972)で取り上げていました。
http://www.youtube.com/watch?v=FyyshYxkERY

殆どジミー・ウェッブの作品で纏められたためか、アルバムの中では少々異質な色彩を放っているサム・クックのナンバー、「 (What A) Wonderful World」。ポール・サイモンとジェイムズ・テイラーが友情参加していました。


サム・クックのヴァージョンは1960年リリースの『The Wonderful Of Sam Cooke』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=VF6JMotbHYM

アイルランドに古くから伝わるバラッド「She Moved Through The Fair」。アレンジはジミー・ウェッブとパディ・モロニー(チーフタンズ)が担当していました。この歌は伝承歌であるため内容の異なる幾つかのヴァージョンが存在するようです。アート・ガーファンクルのヴァージョンは歌詞が一部省略されていますが、両親に結婚を反対された娘が湖に身を投げた後で恋人の枕元に現れて変わらぬ愛の想いを告げるという悲恋物語が歌われています。


この曲は多数のアーティストによって歌い継がれています。今回はそのうちの幾つかを紹介しましょう。まず、メアリー・ブラックのヴァージョン。アルバム『Collected』(1984)に収録されていました。
http://www.youtube.com/watch?v=wBpuikqf9tA

愛くるしい歌声が魅力のアイルランドのシンガー、カーラ・ディロンはアルバム『Hill Of Thieves』(2009)で歌っていました。今回はライヴ映像でご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=RdrqkMvCx3I&feature=related

お時間があればペンタングルのギタリスト、バート・ヤンシュの演奏をお聴きください。ソロ・アルバム『Toy Ballon』(1998)に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=KKAIQjkAiDU

愛する人は他の男のものであることが分かっていても、その相手を憎むことは出来ないという複雑で微妙な心理が描かれた「Someone Else (1958)」。タイトルに1958と付けられているのはジミー・ウェッブがこの曲を作った年が表されているとのことです。つまり12歳頃の作品。ジミーの感性には感服する次第です。


幸せな時間は長く続かず、1979年6月にローリー・バードが自らの命を絶ちます。アート・ガーファンクルにとっての1980年代は悲しみに打ちひしがれた期間だったと言えるでしょう。1981年に発表された『Scissors Cut』は彼女に捧げられたアルバムでした。
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コメント

このアルバム、高校3年の終わり・・・卒業までの僅かな時間に発売され上京前のいろいろな思いの中で聴いた一枚です(笑)いまでも哀調盤なんですけど^^;

特にA面のサタデースーツまでは一気に聴きます。最後の木製飛行機も良い曲ですね♪
哀調→愛聴です。重ねてすいません。
kuwa様、コメントありがとうございます。
様々な想いの中で聴いた一枚はいつまでも心に残りますね。自分の人生の中のひとコマと重なるものは忘れることが出来ないものでしょう。
アルバム最後の「木製飛行機」はYouTubeに画像・音源がないので外しましたが、心が洗われるようなエンディングの聖歌隊のコーラスやノスタルジアを感じさせるような雰囲気が良いですね。
なるほど、シンガー・ソング・ライターってのは良い表現ですね~~。

一つ前のセカンドも大充実で、私も大好きなんですが、あれはスティーヴン・ビショップ中心ですし、この時期の彼に、そういう面が出ているように思えます。

ウェッブも充実していた頃ですし、本当にこのアルバムは優れた芸術品として、もっと聴かれて欲しい1枚ですね。
ベンジャミン様、コメントありがとうございます。
ポール・サイモンを意識したわけではないのでしょうが、アート・ガーファンクルのこのアルバムは歌手というよりもシンガー・ソング・ライター的な味わいが感じられます。作家をジミー・ウェブひとりに絞ったこともその傾向を強めているのでしょう。また、ポールが参加していることもあり、アートのアルバムの中では一番S&Gに近い雰囲気が醸し出されているようにも思えました。
ともに繊細な感性を持ったアート・ガーファンクルとジミー・ウェッブ。二人が充実していた時期に作り出されたかけがえのないアルバムです。

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