好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Michael Nesmith - Rainmaker

今回も引き続き雨にまつわる曲を取り上げます。お題は「Rainmaker」。この曲はハリー・ニルソンとウィリアム・マーティンの共作で、1969年に出されたニルソンのアルバム『HARRY』を扱った際に紹介したしたことがありますが、今回はザ・モンキーズのマイケル・ネスミスのカヴァー・ヴァージョンについて少しばかり言及したいと思います。

Nevada Fighter / Tantamount to TreasonNevada Fighter / Tantamount to Treason
(2001/04/24)
Michael NesmithMichael Nesmith

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1. Grand Ennui
2. Propinquity (I've Just Begun to Care)
3. Here I Am
4. Only Bound
5. Nevada Fighter
6. Texas Morning
7. Tumbling Tumbleweeds
8. I Looked Away
9. Rainmaker
10. Rene
11. Mama Rocker
12. Lazy Lady
13. You Are My One
14. In the Afternoon
15. Highway 99 With Melange
16. Wax Minute
17. Bonaparte's Retreat
18. Talking to the Wall
19. She Thinks I Still Care
20. Canata & Fugue in C & W [*]
21. Smoke, Smoke, Smoke [*]
22. Rose City Chimes [*]

上記は『Nevada Fighter / Tantamount to Treason』の2in1。下記は『Nevada Fighter』のオリジナル仕様です。

Nevada FighterNevada Fighter
(2004/06/15)
Michael Nesmith

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マイケル・ネスミスがモンキーズを脱退したのは1969年のことです。67年にリンダ・ロンシュタットが在籍するストーン・ポニーズに提供した「Different Drum」が全米13位のヒットととなり、ソング・ライターとしての評価を高めていた彼は自己の音楽性を存分に表現しようと4人組のザ・ファースト・ナショナル・バンドを結成。70年4月にシングル「Little Red Rider」、6月にはアルバム『Magnetic South』を発表しました。
この『Magnetic South』からシングル・カットされた「Joanne」が全米21位を記録。その余勢を駆って同年11月に出されたシングル「Silver Moon」は42位まで上昇し、この曲が入ったアルバム『Loose Salute』もほぼ同時に発表されています。そして、間髪を入れず翌71年5月には『Nevada Fighter』をリリース。今回紹介する「Rainmaker」はこのアルバムに収録されていました。



RAINMAKER
今日は8月の最初の日
最後に雨が降ったのは5月のこと
埃ぽくなった真っ昼間に
雨乞い師がカンザスの町にやって来た

雨乞い師は人々に尋ねた
「おまえさんたちはいくら用意しているんだ」
雨乞い師は人々に言った
「さて、呪文で本日雨を降らせようかね」

木陰の下でも32度
陽のあたる場所では40度を超え
通りを行き交う女たちも足の裏を火傷しないように
駆け出す有様だ

雨乞い師は神秘的な呪文を唱えて稲妻を走らせ
それからその雨乞い師が雷を呼ぶと
突然雨が降り出した

雨乞い師は代金をもらおうと人々へ自分の帽子を回した
しかし、誰も皆知らんふり
すると雨乞い師の瞳とカンザスの空は
暗い灰色に包まれてしまった

今日は8月の最初の日
最後に雨が降ったのは5月のこと
埃ぽくなった真っ昼間に
雨乞い師がカンザスの町にやって来た

雨乞い師はにやりと微笑み
荷馬車を引き寄せて
何も言わずに走り去った
それから町の人々は彼の笑い声を聞いた
天が降り止むことがないと誰もが気づいたのだ

雨よ 止んでおくれ
いつか別の日に降ってくれればよい
雨よ 止んでおくれ
今日はもう十分だ
雨よ 雨よ 雨よ

ハリー・ニルソンのヴァージョンです。


この「Rainmaker」という言葉、かつてはネイティヴ・アメリカンの雨乞い師を指した言葉ですが、環境破壊といった問題を含むものの科学の発達とともに人工的な降雨が可能となり、その専門家も"Rainmaker"と呼ばれるようになりました。小学館のプログレッシブ英和辞典によると政界に有力なコネを持つ実力者という意味もあるようです。

前述したようにこの曲のオリジナルはハリー・ニルソン。彼の真骨頂でもある寓話的なセンスが盛り込まれた楽曲でした。以前に何度かテレビ番組で取り上げられたことがあるのでご存知の方も多いと思いますが、20世紀前半のアメリカ、カンザス州出身のチャールズ・ハットフィールド(1876-1958)という気象学者が人工降雨に成功した人物として知られています。彼は”Rainmaker”と称されました。
ハットフィールドは子供の時に読んだ書物の中に土埃が雨に関係するという記述をもとに研究を重ね、独自の降雨方法を確立したとされます。そして、あくまでも成功報酬という約束で人工降雨を商売にして活動を始めました。各地で次々と人工的に雨を降らせることに成功して評判を呼びましたが、1916年に干ばつに見舞われたサンディエゴで人工降雨を行った時に、雨が一ヵ月以上も降り続いてダムが決壊し、大洪水を引き起こしてしまいました。当然ながらハットフィールドは張本人として裁判に掛けられたものの、「降雨技術は非科学的なもので、大洪水は偶発的な自然災害」といった趣旨の判決が出て罪に問われることはなかったとのこと。しかし、自身の技術を否定されたことや良心の呵責に苛まれたのか、その後ハットフィールドは降雨技術を封印します。
ハットフィールドが人工降雨を行った期間は26年に及び、失敗は僅か2回。驚異的な確率で成功を収めていましたが、他人に技術を伝えることもなく、資料も一切残さなかったために彼の降雨技術は未だに解明されていません。現在はドライアイスや環境を汚染する恐れのあるヨウ化銀を雲に散布して氷の粒を作るといった方法がよく用いられておりますが、雲のないところに雨雲を作ることは現代の科学技術を持ってしても不可能な状況です。

おそらくハリー・ニルソンたちはハットフィールドの逸話をもとに「Rainmaker」という曲を創作したのでしょう。代金を踏み倒した町の人々に罰が当たるというニルソン一流の風刺と皮肉が込められていました。

このままでは人工降雨や気象学者のことを書いた記事で終わってしまいそうなので、前述したマイケル・ネスミスの楽曲についても触れておきます。まず、全米21位のヒットとなった「Joanne」。モンキーズ時代からカントリー・テイストに溢れた歌を発表していましたが、独立後にその才能が見事に開花したといったところでしょう。


日本でもヒットしたという「Silver Moon」。


ストーン・ポニーズに提供した「Different Drum」のネスミス自身のヴァージョンです。ファースト・ナショナル・バンドを解散した後、ソロ名義で1972年にリリースされた『And the Hits Just Keep on Comin'』に収録されていました。


ストーン・ポニーズのヴァージョン。リンダ・ロンシュタットの歌声を聴いていると、まさしく彼女のために書かれた曲と思えて仕方がありません。


マイク・ネスミスは音楽のみならず映像制作の分野、さらには小説『The Long Sandy Hair Of Neftoon Zamora』(1998)の執筆も行うなどその活動の幅は多岐に渡ります。まさに多芸多才。これからも目を離せません。

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コメント

こんばんは。
私の大好きなマイク・ネスミス。こうも真正面にマイクを採り上げてくれた方は見たことがありません。多謝!!!
モンキーズも大好きですが、マイクのソロも味わい深く大好きです。特にファーストナショナルバンド時代がいいですね。
ザ・ファースト・ナショナル・バンドのアルバムはカントリーの名盤と誉れも高い1枚(青いジャケットでイーグルのイラスト)と赤いジャケットで風刺漫画のような叔父さんのジャケット(笑)を持ってます。いずれもモンキーズのような華やかさはないんですがカントリー好きには良いアルバムですね♪日本盤ではないので、このような解説を拝見すると納得です(^^;)
240様、コメントありがとうございました。
マイペースで現在も活動を続けるマイク・ネスミス。カントリー・ロックが基盤であるものの斬新な試みもあり、もっと高く評価されてもよいアーティストだと思います。
CSで「モンキーズ・ショー」が何度も再放送されていますが、ボーナス・トラックが収録されたモンキーズのオリジナル・アルバムのリマスター盤の国内発売が見送られているのが現状。サード・アルバム以降もぜひリリースしていただきたいところです。
kuwa様、コメントありがとうございます。
お持ちのアルバムは本文でも言及した『Magnetic South』と『Loose Salute』ですね。おっしゃる通りモンキーズのような華やかさはなくとも、それが本来のマイク・ネスミスのやりたかった音楽なのでしょう。『Loose Salute』にはモンキーズ時代のナンバー「Listen To The Band」のリメイクも収録されていました。
現在のマイク・ネスミスは事業に専念するためにCDの制作を控えているとの情報もありますが、再び音楽活動へと動き出すことを願って止みません。

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