好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Simon & Garfunkel - Flowers Never Bend With The Rainfall

近畿地方は6月13日に梅雨に入りました。そこで今回は雨に因んだ歌を取り上げることにします。お題は「Flowers Never Bend With The Rainfall(雨に負けぬ花)」。サイモン&ガーファンクルが1966年11月に発表したアルバム『Parsley, Sage, Rosemary And Thyme』に収録されていた曲です。

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(2007/08/08)
サイモン&ガーファンクル

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1. Scarborough Fair/Canticle
2. Patterns
3. Cloudy
4. Homeward Bound
5. The Big Bright Green Pleasure Machine
6. the 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)
7. The Dangling Conversation
8. Flowers Never Bend With The Rainfall
9. A Simple Desultory Philippic (Or How I Was Robert McNamara'd Into
10. For Emily, Wherever I May Find Her
11. A Poem On The Underground Wall
12. 7 O'Clock News/Silent Night
13. Patterns
14. A Poem On The Underground Wall



FLOWERS NEVER BEND WITH THE RAINFALL
眠りの回廊を抜け
暗く憂鬱な影を通り過ぎて
私の心は乱れ 踊り飛び跳ねる
いったい何が現実なのか知る由もなく
感じているのに触れることが出来ない
私は幻想の盾に身を隠す

だからいつまでも思い続けよう
私の命に果てはなく
花は雨に打たれて折れたりしないのだと

壁に掛けた鏡に
陰気でちっぽけな男が映っている
でもその姿が自分かどうか定かでない
私は神と真理と正義の光に目が眩み
あてもなく夜を彷徨う

だからいつまでもふりをし続けよう
私の命に果てはなく
花は雨に打たれて折れたりしないのだと

生涯において人の演じる役割が
キングであるかポーンであるかは問題ではない
喜びと悲しみの間に引かれた線など細く曖昧としたものだ
だから私の思い描く空想は現実となり
そして私はあるべき姿となり
明日に立ち向かわなければならないのだ

だからいつまでも思い込みを続けよう
私の命に果てはなく
花は雨に打たれて折れたりしないのだと

ポーン(Pawn)とは一番価値の低いチェスの駒(歩兵)。他人にいいように利用される人という意味もある。

1964年にサイモン&ガーファンクルとしてのデビュー・アルバム『Wednesday Morning,3A.M.』をCBSからリリースするも不発に終わり、失意のポール・サイモンはイギリスに渡りました。ロンドンのクラブで歌い、新しい歌を作り、地元のフォーク・シーンの中にどっぷりと浸かるポール・サイモン。サンディ・デニー、アル・スチュワートら多くのアーティストや音楽関係者との出会いもありました。
異国の環境を見聞きしながら同世代のアーティストと触れ合うことはポール・サイモンにとって大きな刺激となったことでしょう。そうして彼は巧みなギター・テクニックや幅広い音楽性を身につけて行きました。順調な音楽活動を続ける中、ロンドンでも次第にポール・サイモンの名が知れ渡り、BBSラジオへの出演も果たすことになります。その際の反響が大きかったことにより、サイモンはイギリスでの活動の証としてレコーディングを残すことを決意。それが『The Paul Simon Song Book』というアルバムです。そして、「Flowers Never Bend With The Rainfall」はもともとこの『The Paul Simon Song Book』に収められていた曲でした。
アメリカに帰国後のポール・サイモンはアート・ガーファンクルとのデュオを再開。後に二人で再録音し直したヴァージョンは、アルバム『Parsley, Sage, Rosemary And Thyme』に収録されます。




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この曲を作った時のポール・サイモンは23~4歳。いかにも青年らしい苦悩や迷いが表現されているものの、諦観や達観といった心情も読みとることが出来ます。
どんな花であろうと萎れて茎が曲がってしまうのが常です。それでもサイモンは人間の命に終わりがないと無限の可能性に言及するような言葉を述べていました。それは落ち込んでいるところを周囲に悟られない強がりでしょうか。それとも前向きに生きて行こうという決意表明なのでしょうか。失望から一転、創作意欲をかき立てられたロンドンでの生活で、彼は希望を見出していたように思えます。しかし、"So I continue to continue to pretend that / My life never end, And flowers never bend with the rainfall." の"pretend (装う、思う)"という言葉を考慮すると必ずしも明るい心境ではないと推察されるのかもしれません。鏡に映った自分の姿に自信が持てず、神と真理と正義の光に目が眩むような状態には何か後ろめたい気持ちが隠されているのではないでしょうか。
でも、どのような状況に陥ろうとも、生きている限り明日がやってきます。「私は明日に立ち向かわなければならない」と強い意志が示されているようにも窺えるのですが、前述のようにふりをしなければならない、思い込まなければならないといった言葉を鑑みると半ば自暴自棄から発せられているとも受け取れるでしょう。
ダブル・ミーニングといって、歌には複数の意味が込められているとよく言われます。また、聴き手の解釈によって歌の意味が一人歩きすることも珍しくありません。真意を知るのは作者のみですが、聴き手の反応を楽しむのも作者の特権と言えるでしょう。もっとも、こんな風にあれこれと思いを巡らす自由を聴き手が楽しんでいるという見方も成り立つのですが・・・・・・。
既に還暦を過ぎたS&Gの二人。ほとばしる情熱に任せたであろう若き緑の日々と思慮分別がついた現在では歌に込める意味合いも変化していると思われます。

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コメント

味わいのある歌ですね。

ポールは23~4歳のころに作ったのですか。

>だからいつまでもふりをし続けよう
>私の命に果てはなく
>花は雨に打たれて折れたりしないのだと

実際の花は雨に打たれると折れてしまうのですが、敢えて逆のことを語っていますよね。

pretendという言葉から思いだしたのが「冬の散歩道」。ここではSimply pretend that you can build them again.という歌詞でした。

悩み苦しみに負けたくないという根底の部分が同じと言えるかもしれません。

答えのない苦しみの中にあっても、それを乗り越えていこうという気概を感じさせてくれますね★
マーヤ様、コメントありがとうございます。
この曲は悩みや苦しみに負けたくないという強い気持ちと努力してもどうにもならないやるせなさが同居しているようで、とても興味深く思えます。同時にふりをすれば道が開けると楽天的な解釈も可能でしょう。
リスナーにあれこれと思いを巡らせる歌を書けるポール・サイモンは本当に凄い人ですね。
こんばんは。一人イギリスに渡り録音したソロアルバム。近年に再販されましたが、日本のみが長く続いて、今頃になっての流通にビックリでした。中学の同級生がジャケ違いのこんpアルバムを持っていて良く借りて聴いたものです。英国トラッドを盗んだと酷評されますが、どうしてこうして当時の英国にはこれだけポップな曲は書けなかったんでしょうね。。。
やっぱり、スゴイ人だと思います。
kuwa様、コメントありがとうございます。
イギリスで出されたオリジナルのジャケットは恋人キャシーと仲良く写っているのに対して、当時の日本盤LPは「孤高の男」を強調するかのようなサイモンひとりの白黒写真でした。そんな表面から受けるイメージはさておき、若きポール・サイモンの瑞々しい感性と情熱、理想と挫折が心に伝わって来るアルバムです。おっしゃる通り、英国トラッドを盗んだというよりも、持ち前のポップな感覚に英国トラッドの要素を取り入れ自分のものへと昇華させて行ったといったほうが適切でしょうね。

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