好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Robbie Robertson

拙ブログとリンクを結んでいただいているPurple_Hazeさんが『Levon Helm & The Rco All-Stars』を記事にされておられたので、対抗するわけではありませんが、今回は1987年に発表されたロビー・ロバートソンのソロ・デビュー・アルバムを取り上げることにしました。


ロビー・ロバートソンロビー・ロバートソン
(2008/12/03)
ロビー・ロバートソン

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1. Fallen Angel
2. Showdown at Big Sky
3. Broken Arrow
4. Sweet Fire of Love
5. American Roulette
6. Somewhere Down the Crazy River
7. Hell's Half Acre
8. Sonny Got Caught in the Moonlight
9. Testimony

ロビー・ロバートソンは1943年7月5日、カナダのトロントに生まれました。父はユダヤ人。母はモホーク族(北アメリカの先住民族)の出身です。1950年代末にロックン・ロール・シンガーのロニー・ホーキンスのバック・バンドのメンバーとしてロビーは演奏活動を開始。そこに集まっていたのが後にザ・バンドとしてロビーとともに独立することになるリヴォン・ヘルム、リック・ダンコ、リチャード・マニュエル、ガース・ハドソンといった男たちです。

ザ・バンドはボブ・ディランとの活動を経て、1968年にアルバム『Music From Big Pink』でデビュー。ロック・ミュージックにカントリー、ブルース、R&Bなどルーツ・ミュージックの要素を融合させ、音楽を通してアメリカ人が忘れていた文化や伝統や歴史をカナダ人の手で甦らせた功績は計り知れないものでした。
1977年発表のアルバム『Island』を最後にザ・バンドは解散。メンバーはそれぞれの道を歩みます。リヴォン・ヘルムやリック・ダンコは相次いでソロ・アルバムをリリース。82年に二人は一緒にツアーを行い、そのことがきっかけとなって翌83年にザ・バンドは再結成されました。しかし、そこにロビー・ロバートソンの姿はなかったのです。

ザ・バンド解散の原因として、ロビー・ロバートソンとリヴォン・ヘルム(1940年5月26日生まれ)の不仲がよく語られています。ザ・バンドのメンバーの中で、リヴォン・ヘルムは唯一のアメリカ人。アーカンソー州出身の気骨溢れた南部人でした。彼は四人のカナダ人のアメリカへの憧憬を具体化するための感触を持っていた存在だったとも言えるでしょう。フロントに立ってビジネスマン的な志向をも持ち合わせていたロビーに対して、根っからのミュージシャンという職人気質のリヴォン。活動がうまくいっている時は補完し合いながら相乗効果を生み出すことが可能なのかもしれませんが、方向性の違いや人間関係の悪化などにより絆はもろくも崩れさるものです。さらに、結成当時はリヴォンが主導権を握っていたけれど、曲作りの中心となったロビーにリーダーの座を奪われて行ったことも要因のひとつ。加えて、真偽のほどは定かではありませんが、ザ・バンドの曲には共作としてもよいものがあるのにロビーがひとりで作ったことにして多額の印税をせしめたなどの悪い噂が囁かれました。
ロビー・ロバートソンとリヴォン・ヘルムの確執は修復し難いほど根深いようなので、解散の翌年に発表された前述の『RSOオールスターズ』が二人の最後の共演ということになるでしょう。ロビーとリヴォンの対立についての詳しいことはBRUCE06さんのブログを参照してください。お互いにプライドがあるので、和解し過去のことは水に流そうぜ、とはなかなか行きません。ファンには理解出来ない心の溝があると思われます。また、いがみ合った二人が簡単に握手する場面を目にすることになれば、却って違和感を覚えざるを得ません。

さて、ザ・バンド解散後のロビー・ロバートソンは『Raging Bull』(1980年公開)、『The King Of Comedy』(1983年)、『The Color Of Money(ハスラー2)』(1986年)とマーティン・スコセッシ監督の作品を中心に映画音楽をメインに活動。1980年に公開されたジュディ・フォスター主演の映画『Carny』では音楽のみならず、制作、脚本、並びに俳優としても出演していました。その間、幾度となくソロ・アルバム制作中との情報を耳にしていたもののなかなか実現には至らず、ファンをやきもきさせていたのです。
1987年、ザ・バンドの再結成を横目に見ながら満を持して発表されたのが、自らの名前をタイトルに冠した『Robbie Robertson』。完成までに三年の歳月を費やしたと言われています。
このアルバムがリリースされた直後、ファンからは驚きの声を持って迎えられました。ザ・バンドのサウンドを代表していた男であるにもかかわらず、蓋を開ければかなり異質の響き。ピーター・ガブリエル(1986年の『So』)や U2(1987年発表の『The Joshua Tree』)を手掛けて名を馳せたダニエル・ラノワのプロデュースによるものなのか、ロビー本人が表現したかったものなのか。ザ・バンドの音楽の代名詞と言える土臭さ、泥臭さよりも、全体的に品性や神秘性が窺えます。

オープニング・ナンバーは亡き友リチャード・マニュエルに捧げた「Fallen Angel」。「すべてが砂に書かれた文字のように無駄だったなんて信じない/俺は時々 君があまりにも感じ過ぎたのではと思うことがある/君は影の国へと渡ってしまった」と惜別の言葉が胸に迫ります。かつての僚友ガース・ハドソンがキーボードで参加。ピーター・ガブリエルもキーボードとバック・ヴォーカルを引き受けていました。


シングル・カットされた「Showdown at Big Sky」。


ネイティヴ・アメリカンにとって平和の象徴を意味する「Broken Arrow(折れた矢)」。戦いに敗れた敗者や核兵器の紛失との意味もあります。
http:///www.youtube.com/watch?v=RXFUr0sEgMI

ボノを始めとするU2のメンバーが馳せ参じた「 Sweet Fire of Love」。彼らとの共作曲でもあります。
http://www.youtube.com/watch?v=rn1YwsWc0To

ロビー・ロバートソンのギターが唸る「American Roulette」。この曲でもガース・ハドソンがキーボードを弾いていました。マリア・マッキー(元ローン・ジャスティス)がバック・ヴォーカルで参加。
http://www.youtube.com/watch?v=ze89N8Gc3sk

自分探しの度に出る男の物語、「Somewhere Down the Crazy River」。映像の終盤でマリア・マッキーとの濃厚な抱擁シーンがあり、思わず「おっさん、何すんねん」と叫んでしまいました。


SOMEWHERE DOWN THE CRAZY RIVER
今わかったよ
熱気の中で震える遠く赤いネオン
自分のことを見知らぬ国の見知らぬ男に感じたのだ
人々が夜にゲームを楽しむところじゃ
ああ 暑苦しくて眠れないぜ
パーティーの場から聴こえてくる
ジュークボックスの音に耳を奪われちまったのさ
すると突然に誰かが俺すぐ後ろで口笛を吹くのを耳にした
振り返ると彼女が言った
「どうして最後はニックのカフェに行くの?」
俺は言った「分からんが、ただ風がこんな風に俺を向かわせるのさ 」
すると彼女が言った「金持ちを吊るしてよ」

ブルー・トレインに飛び乗って
行ったこともないところへ
俺を捜してくれ
クレイジー・リヴァーを下ったどこかで
クレイジー・リヴァーを下ったどこかで
ブルー・トレインに飛び乗って
ココモまでずっと
俺を見つけられるさ
クレイジー・リヴァーを下ったどこかで
クレイジー・リヴァーを下ったどこかで

ここの写真を撮っておけよ
野原には何もなく
59年型のシェヴィが遺棄されている
バックシートに横たわり
リトル・ウィリー・ジョンを聴いている
そうさ そのとき時間はとまったのさ
俺は心を読んでもらいに
マダムXのところへ行こうと思っている
すると彼女は言った「ヴードゥー教のやり方なんて私には意味ないわ」

俺は明確な目的を持った男
俺は広い想像力を持った男
おまえは俺の心を惑わせ 俺の魂をかき乱す
俺は自分を見失い・・・・・・コントロールできなくなる

ブルー・トレインに飛び乗って
行ったこともないところへ
俺を捜してくれ
クレイジー・リヴァーを下ったどこかで
クレイジー・リヴァーを下ったどこかで
ブルー・トレインに飛び乗って
ココモまでずっと
自分を見つけられるさ
クレイジー・リヴァーを下ったどこかで
クレイジー・リヴァーを下ったどこかで

ちょっと待て 聞こえたかい
幽霊を呼び起こそうとしている感じだぜ
彼女は言った「あんたが学ばなければならないことはただひとつ、
怖がらないことよ」
俺は言った「いいや、俺は好きさ 本当に好きなんだ いい感じだぜ」
彼女は言った「今は好きなだけかもしれないけれど、
そのうち大好きになるかもしれないわ」

俺はうっとりして、トランス状態に入った
俺は魔法にかかって、トランス状態に陥った
おまえは俺を身震いさせる 悪寒と熱
おまえは俺を身震いさせる 悪寒と熱
俺は不思議な魔法に心を奪われたのさ
クレイジー・リヴァーを下ったところで

旧友リック・ダンコがバック・ヴォーカルで参加した「Sonny Got Caught in the Moonlight」。ほのかにバンドの匂いが嗅ぎ取れました。
http://www.youtube.com/watch?v=Khr8caoZz8Q

ギル・エバンス・ホーン・セクションによるアレンジが印象的な「 Testimony」。こちらもU2がバックを受け持っていました。
http://www.youtube.com/watch?v=gVvXCmmbfHg

今回のボーナス・トラックはロビー・ロバートソンがリヴォン・ヘルムに代わってリード・ヴォーカルを取る「The Weight」のライヴ映像です。宜しければ下記のURLをクリックしてご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=EQ2fLoxe9iQ
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コメント

このアルバムを聴いてみました

ロバートソンもダニエル・ラノワも大好きなんですが、やっぱりザ・バンドの音を求めてしまうのか、当時は全然物足りないと思ってしまいました

久しぶりに聴いてみると(今から思えば)結構思い切った作品だし、悪くないのですが、ネイティブ・アメリカンなテーマの割には洗練されたというか、味が薄くなったような気がします

数年に一枚でもコンスタントに作品をリリースして欲しいですね
こんにちは。なるほど!丁寧な解説を教えていただくと、このアルバム。悪くないですね。ザ・バンドはリック・ダンコのボーカルが中心と思ってましたので、聞き流していました。かなり前にwowowで(ボブディラントリビュートかな??)ステージでのロビーのソロパフォーマンスを見ましたらインディアンの姿のバックボーカル親父がでてきました・・・ナンだったんだろう??
col様、コメントありがとうございます。
ファンからすればロビー・ロバートソン=ザ・バンドというイメージが強いので、驚きとともに肩すかしを食ったという感じがありましたね。でも、ロバートソンにはザ・バンドでの成功はある意味「重荷」になっていたのかもしれないし、ソロとして再出発するにあたり過去とのけじめをつけたかったのかもしれません。
商業的なことも考慮したのか、今作では洗練された中にも情感に満ちたダイナミックな仕上がりになっていましたが、サード・アルバム以降、ネイティヴ・アメリカン・ミュージックの色合いが濃くなって行きました。
1998年発表のアルバムからだいぶ間隔があいてしまいました。新作のリリースを望む次第です。
kuwa様、コメントありがとうございます。
ロビー・ロバートソンは時代を捉える洞察力や社会性にも長けた人です。ザ・バンドの音楽とはかなり印象が違いますが、過去にこだわっていては時代に取り残されてしまうことも悟っていたのかもしれません。
3rdアルバムはネイティヴ・アメリカンに関するドキュメンタリー番組のサントラ盤を兼ねていて、ネイティヴ・アメリカン・ミュージックのミュージシャンも参加していました。同様に4thアルバムもそうした傾向が強いものです。ステージでのパフォーマンスもその一貫性の動きだったのかもしれませんね。
80年代を代表する名盤のひとつと聞きますが、The Band/ロビ・ロバ贔屓の私でも、正直、今だに少々消化不良です。次作の"Storyville"はスンナリと聴けるのですが。
でも、80年代中盤にトレンドだった多くの音は普遍性に乏しく、年月に耐えられない中、この"Robbie Robertson"は当時の先端的な音ながら現代でも充分に聴けるのは、やはり大したものなのでしょう。
Substitute様、コメントありがとうございます。
私もこのアルバムを初めて耳にした時は少なからず違和感を覚えたものの、聴き込んで行く度に「ロバートソンがやりたかったこと」と理解出来るようになりました。ニール・ヤングが参加した次作の『Storyville』はザ・バンドのサウンドに近い感触があったので、すんなり耳に馴染んだものです。
いずれにしろ彼の作品の完成度の高さには圧倒されます。音楽に対する妥協を許さぬ思いや情熱が込められ、誇りや気品の高さも窺えました。
いつも素晴らしい記事をありがとうございます。
一The Band ファンとして、解散後のロビーには、複雑な思いがあり、今でもそれは払拭できずにおります。
 このアルバムも持っていますが、悪くはなくて、それなりだとは思うのですが、やはりどうしてもかつての印象が強すぎるので、音的にあまり納得できないものがあります。
 それに比べ、新生The Bandの「ジェリコ」を聞いた時は、ギターには、やや物足りなさを感じたのですが、音的には納得はできたものです。
 ロビーが新しい自分を音で表現したいのなら、もっとアルバムを出して、ファンを納得されば・・・と思うのですが、それもしないので、彼も表面では、以前に決別をしたといいながら、経済面も含め、かつての自分に安住しているところがあるでは・・・と思ってしまいます。

takaboh様、コメントありがとうございます。
ファンにとってロビー・ロバートソンはThe Bandの延長線上にいてもらいたいという願いがあることは否めません。しかし、アーティストが生き残るためには語弊があるかもしれませんが、懐メロに徹するのか過去と決別しながら進歩していくのかを選択しなければならないでしょう。リヴォン・ヘルムらの新生The Bandと差別化を図ることも必然的なことかと思われます。また、ロバートソンが自らのルーツを探る作業を行ったことにも興味深いものを感じました。
2007年のクロスロード・ギター・フェスティヴァルでロバートソンがエリック・クラプトンらと共演する映像を観ていると、プレイにかつてのような精彩がないように見受けます。おっしゃる通り、かつての自分に安住している様が象徴されていたのかもしれません。
ロバートソンの新作を望みたいところですが、レコード会社は慈善事業ではありません。過去の実績と関係なく、結果を出さなければ次の契約はないという厳しい世界です。不況も相まってヴェテラン・アーティストには不遇の状況が続くでしょう。ロビー・ロバートソンによるThe Bandの楽曲のセルフ・カヴァーやスタンダード曲のカヴァー集などは想像するだけで少々違和感を覚えます。
仰ることはよく分かります。
ただ、ロビーはかつてのプレイや作品が示すとおり、とても才能がある人だと思っていますので、音楽に向かう気持ちさえあれば、他人のプロデュースとかでも素晴らしい音楽を創造できるはずです。
しかし、想像ですが、気持ちが音楽以外のところに行っているのではないかという気がしているので、それが残念でなりません。
takaboh様、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、ロビー・ロバートソンに関する情報が少ないこともあって、彼の気持ちが音楽以外のところに行っているのではないかという疑念を拭えませんね。エリック・クラプトンとのデュエット・アルバムの話はどうなったのでしょうか。また、新作のレコーディングに入ったとの噂もありましたが、その後の情報は何もありません。
他人のプロデュースは相手のある話なので、オファーがなければどうにもならないでしょうね。彼の技量を求めているアーティストは皆無ではないと思うのですが、事務所やレコード会社が「OK」しないとどうにもなりません。

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