好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Karla Bonoff - RESTLESS NIGHTS

前回のフレッド・ニールの記事の中で「The Water Is Wide」について言及した際、カーラ・ボノフが歌うヴァージョンも紹介しました。そこで、今回はその曲が収録されたカーラ・ボノフのセカンド・アルバム『RESTLESS NIGHTS』(1979年発表)を取り上げます。

ささやく夜ささやく夜
(1997/01/22)
カーラ・ボノフ

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1. Trouble Again
2. Restless Nights
3. Letter
4. When You Walk in the Room
5. Only a Fool
6. Baby Don't Go
7. Never Stop Her Heart
8. Loving You
9. Water Is Wide

清楚でたおやかな雰囲気が歌にも容姿にも滲み出るかのようなカーラ・ボノフ。まるで白百合のように気品に満ちた佇まいを彼女から感じ取れます。
カーラ・ボノフは自作の曲を中心に感情を抑制しながら淡々と歌い上げていますが、そこに描かれているのは女の情念が込められた世界。爽やかな曲調の中にも、時にどろどろとした人間模様が表されていました。人間の、あるいは女性の弱さがさらけ出されているものの、彼女の凛とした冷静な視点で心の機微が映し出されているのです。
しかし、彼女の歌は突き放すような冷たさに支配されているのではなく、傷ついた心を癒してくれるような清涼感が窺えました。歌の中に出て来る恋愛に不器用な女をけなげで可愛いと思う男もいれば、自分自身が置き換えられるような状況や心情の吐露に共感する女性もいることでしょう。それ故に、カーラ・ボノフの歌は人の心の中に心地よく響き渡るのかもしれません。

オール・マイ・ライフ:ベスト・オブ・カーラ・ボノフオール・マイ・ライフ:ベスト・オブ・カーラ・ボノフ
(2005/07/20)
カーラ・ボノフ

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アルバムのオープニングはアップ・テンポの「Trouble Again」。リンダ・ロンシュタットが自分のアルバムに収録したいと申し出たところ、「この曲は自分で歌いたい」とカーラ・ボノフが提供を断ったという逸話が有名。その後リンダの念願は叶い、1989年発表の『Cry Like A Rainstorm - Howl Like The Wind』でようやく歌うことが出来ました。
この曲はカーラ・ボノフの代表曲との印象がありますが、本国アメリカでは捉え方が違うのかベスト盤に収録されていません(日本盤のみボーナス・トラックとして追加収録)。


しっとりとしたバラードの表題曲「Restless Nights」。別れた恋人への未練が描かれた曲です。ドン・ヘンリーとJ.D.サウザーのバック・ヴォーカルは哀感を誘うほどの甘酸っぱさが漂っていました。


ジェイムズ・テーラーのプロデューサーとしても有名なドン・グロルニックが弾くピアノをバックに歌われる「Letter」。浮気相手の女性からパートナー宛てに届いた手紙を見つけ、嫉妬心が渦巻く様が描かれていました。


THE LETTER
あなたがいない間、あなたの部屋で
彼女があなたに書いた手紙を見たわ
心臓が凍り付き、自分自身を抑えることが出来なかった
嫉妬心が込み上げて来るのが分かったのよ

やっと分かったわ、他の誰かがあなたの心の中にいたと
その人はあなたをしっかりと捕まえていたのね
このベッドで、あなたはその人を抱いていたんでしょう
今まで気がつかなかったなんて、なんて不思議なこと


あの人はこう書いているわ
現実に向き合うにはあの人が必要だって言ったてことを
すべてが消え去ればばいい
私の存在をあの人が奪い取ったなんて信じられないの

あなたは二階に上がろうとしながら
「どうしたんだ?」と聞いたわね
「いま行くわ」としか私には言えなかった
でも、私はあなたの部屋の中で見つけてしまったの
決して見たくなかった何かを

続いてはジャッキー・デシャノンが1963年にリリースした「When You Walk in the Room」のカヴァー。アルバムの中にオールディーズを1曲含む構成は、リンダ・ロンシュタットを意識しているかのように思えます。


こちらは作者であるジャッキー・デシャノンのヴァージョンです。


この曲はザ・サーチャーズ(1964年にシングル発売)、デル・シャノン(1966年の『This Is My Bag』に収録)、スティーヴ・フォーバート(1982年の『Steve Forbert』に収録)、ステイタス・クオー(1996年の『Don't Stop』に収録)、クリフ・リチャード(2001年の『Wanted』に収録)など枚挙に暇がないほどのアーティストが取り上げておりますが、少々意外なところでクリス・ヒルマンも1998年発表の『Like A Hurricane』レコーディングしておりました。


女性の悲しみが切々と歌われる別れの曲「Only a Fool」。アコースティック・ギターの音色が胸に滲みます。
http://www.youtube.com/watch?v=bY0Bc0mkzTs

こちらは打って変わって行かないでと懇願する「Baby Don't Go」。
http://www.youtube.com/watch?v=FYCVncNnC3M

ピート・シーガーが在籍していたザ・ウィーヴァーズが取り上げて有名になったアイルランド民謡「Water Is Wide」。カーラ・ボノフはウィーヴァーズのメンバーだったギターの手ほどきを受けたそうです。後にこの曲を1991年のアルバム『New Moon Shine』で披露することになるジェイムズ・テーラーがまるでカーラ・ボノフを優しく包み込むようにバック・ヴォーカルとアコースティック・ギターで支えていました。ザ・バンドのガース・ハドソンが弾くアコーディオンの音色も効果的で郷愁を覚えます。なお、リンダ・ロンシュタットもデヴィッド・サンボーンが1995年に発表したアルバム『Love Songs』に客演し、彼が奏でるサックスをバックにこの曲を歌っているそうです。


前作に引き続いてプロデュースを担当したケニー・エドワーズが工夫を凝らし、硬軟取り混ぜた構成でカーラ・ボノフの魅力と実力をいかんなく発揮させようと懸命に試みた結果、このアルバムは全米31位まで上昇しました。1970年代末以降にロック・ミュージックが巨大な産業へと成長を遂げて行く過程の中で、決して爆発的なヒットを記録したわけではありませんが、一方で彼女のような気取らずてらいのない歌が支持される土壌も形成されていたのです。
発売当初は評論家からファースト・アルバムと比べて進歩が見られないとの酷評もありましたが、リスナーの心を捕らえて離さない充実した作品であることは間違いないでしょう。

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コメント

彼女のAlbum作りは
手を抜かない
丁寧さが光ります♪

連休疲れのないように♪

God bless you...
Azumi様、コメントありがとうございます。
ひたむきで思慮深そうなカーラ・ボノフ。そんな彼女の真面目な人柄が、リスナーの心を捕らえるのでしょう。
Azumi様も連休のお疲れが出ませんように。
個人的には1stより歌に表情があって良いと思いますけど・・・特にB面は良いですね。「Never Stop Her Heart」の頭のAギター好きなんです(笑)
ラストは言わずもがな(笑)
おはようございます。
GW明けのカーラ、癒されますね。
彼女のアルバムはどれも大好きで、このアルバムではやはり「The Letter」が印象深いですね。
これほどの実力ある彼女が、なぜ4枚しかオリジナルアルバムを発表していないのか、不思議です。しかもまだ現役ですからね。
kuwa様、コメントありがとうございます。
力強く歌ってもどこか憂いや翳りが漂うカーラ・ボノフのヴォーカルはファースト・アルバムよりも表現力が増していますね。おっしゃる通り、歌に表情があります。
YouTubeに画像がないので外しましたが、カーラ自身がアコースティック・ギターを弾く「Never Stop Her Heart」も良いですね。歌詞も少々皮肉です。
関西限定だと思いますが、「The Water is Wide」は尼崎ボートレースのCMで長く使われていました。幾つかヴァージョンがありましたが、もちろんカーラ・ボノフの歌ではありませんでした。
240様、コメントありがとうございます。
カーラ・ボノフの歌は失恋や女心の切なさが描かれたものが多いですね。誰もが人生で経験するものだからこそ共感を呼ぶのでしょう。
1988年以来、ライヴ・アルバムが近年りりーすされたもののスタジオ録音の新作の発表がないカーラ・ボノフ。不況も相まって、現在のアメリカの音楽界の状況では彼女のようなタイプのシンガー・ソング・ライターは採算の取れるほどのセールスが見込めないのかもしれません。CDの発売が無理ならば、配信でも良いので新曲を聴いてみたいものです。
ご無沙汰しております。
"When You Walk In The Room"、サーチャーズやデル・シャノン以外にもカバーしているアーティストがいるのですね。
紹介のクリス・ヒルマンのもいいですね。
オリジナルのジャッキー・デシャノンも、ちょっとハスキーな感じの声がいいですね。
saya様、こちらこそご無沙汰しております。
「When You Walk In The Room」はここで列挙した以外にも、枚挙に暇がないほどのアーティストがカヴァーしております。どれもが各々の個性が表現された素晴らしい出来であることは言うまでもありません。
ジャッキー・デシャノンはシンガー・ソング・ライターでもあり、ご存知かと思いますが、カーペンターズのアルバム『A Kind Of Hush』に収録された「Boat To Sail」は彼女が書いた作品です。この曲はビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンに捧げた曲だそうです。
カーラ・ボノフ、いいですね~
久々に聞いて昔を思い出します、
ドン・ヘンリーとJ.D.サウザーが参加してるなんて
知りませんでした、ドン・ヘンリーて
バックで演奏するの好きみたいですね
リンダしかり。
珈 coto 都様、コメントありがとうございます。
カーラ・ボノフが紡ぎ出す音楽には、楽しかったことも苦しかったことも懐かしく想い起こさせてくれる響きがありますね。とりわけリアル・タイムで体験された方々には格別のものだと思います。
バックにドン・ヘンリー、J.D.サウザーらのリンダ・ロンシュタット人脈やセクションの面々を引き入れることが出来たのは、このアルバムのプロデューサーでカーラ・ボノフのかつての同僚でもあるケニー・エドワーズの力が大きかったようです。
ご覧のようにつたないブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
カーラ・ボノフの初期の2枚は特に大好きです。
個人的にはいかにもカーラらしいRestless Nightsや名曲Water Is Wideあたりが好きです。
ほんと新作を聴きたいものです。
Purple_Haze様、コメント及びトラックバックありがとうございます。
このアルバムはソング・ライティングとヴォーカルの両面にカーラ・ボノフの個性と魅力が全開しているように思います。いつ聴いても彼女の持つ清涼感と哀感に引き込まれてしまいますね。
現状は厳しいのでしょうが、どういう形であれ早く新曲を聴きたいものです。
お久しぶりです。

カーラ・ボノフのこのアルバムは私も持ってますが、久しぶりに聴くといいですね。

私も、以前にこのアルバムをブログでとりあげましたが、70年代お勧めのアルバムだとおもいます。

当事のウエストコーストロックの代表的シンガーでしたね。
ちょいと地味な印象の彼女ですが、歌声はさわやかですよね。
mick様、こちらこそご無沙汰しております。
元気に力強く歌っても、どこか覚めた様子が窺えるカーラ・ボノフ。思慮深い雰囲気が素敵なアーティストです。このアルバムはそんな彼女の持ち味が素直に展開されていると言えるでしょう。少々華やかさに欠けるかもしれませんが、それゆえ身近に感じられるような魅力を含んでいるのかもしれません。

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