好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Fred Neil - BLEECKER & MACDOUGAL

前回で扱ったラヴィン・スプーンフルの『DO YOU BELIEVE IN MAGIC』の中で、彼らがフレッド・ニールの「Other Side To This Life」をカヴァーしていました。そこで、今回は安易ながらもこの曲が収録されたフレッド・ニールのアルバム『BLEECKER & MACDOUGAL』を取り上げることにします。

ブリーカー&マクドゥガルブリーカー&マクドゥガル
(2006/10/25)
フレッド・ニール

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1. Bleecker & MacDougal
2. Blues on the Ceiling
3. Sweet Mama
4. Little Bit of Rain
5. Country Boy
6. Other Side of This Life
7. Mississippi Train
8. Travelin' Shoes
9. Water Is Wide
10. Yonder Comes the Blues
11. Candy Man
12. Handful of Gimme
13. Gone Again

フレッド・ニールは1936年3月16日にフロリダ州に生まれました。彼がプロのフォーク・シンガーを目指してニューヨークに辿り着いたのは1950年代の終わりから60年代の始めにかけてのこと。若い頃から放浪の旅に出ていたのでしょう。12弦ギターを弾きながらバリトン・ヴォイスで甘く語りかけるように歌うといった彼独特の怪しげなブルース・フィーリングは、そんな放浪体験から自ずと身に付けたものと思われます。

ニューヨークにやって来たフレッド・ニールが知り合ったのは1938年生まれのヴィンス・マーティン。1956年に「Cindy, Oh, Cindy」のヒットを放ち、一躍ニューヨークのフォーク・シーンの重鎮となったシンガーです。しかし、その後は鳴かず飛ばずで、知る人ぞ知るという存在になりかけていました。
ちょうどヴィンス・マーティンが起死回生を試みていた時にフレッド・ニールと出会い、年齢が近い二人は意気投合。デュオを組んで活動を始めます。ヴィンス・マーティンが一度でもヒットを出したという功績が大きかったのか、彼らは運良くエレクトラから1964年に『Tear Down The Walls』というアルバムをリリースしました。そのパフォーマンスが功を奏し、翌65年にはフレッド・ニールは同社からソロ・アルバムを発表する機会に恵まれます。
レコーディングに参加したミュージシャンはジョン・セバスチャン(ハーモニカ)、ピーター・チャイルズ(ドブロ・ギター)、後にマウンテンを結成するフェリックス・パパラルディ(ベース)、後にチップ・ダグラスとしてMFQやタートルズで活躍するDouglas Hatfield (ベース)などの錚々たる顔ぶれ。ドラムレスのサウンドがブルージーな雰囲気を醸し出していました。

それではアルバムの中から何曲か紹介しましょう。オープニング・ナンバーは表題曲「Bleecker & MacDougal」。


ラヴィン・スプーンフルの記事で紹介した「Other Side of This Life」。


OTHER SIDE OF THIS LIFE
秘密を知りたくないか
おまえと俺の二人だけの秘密だぜ
俺はこれからどこに行くか分かっちゃいないのさ
自分が何になりたいのかも分かっちゃいないんだよ

でも それも俺が生きて来た
人生の違った側面
人生の違った側面なのさ

俺の世界は丸ごと大騒ぎ
俺の世界はひっくり返っちまった
これからどこへ行くのか分からない
でも俺はいつもあちこち放浪しているだけさ

そして それも俺が生きて来た
人生の違った側面
人生の違った側面なのさ

自分が何をしているか分からない
半分ぐらいはな
これからどこに行くのか分からない
ヨットでも手に入れて
メキシコ湾でも渡ってみるとするか

でも それはまた違った側面
俺が生きて来た
人生の違った側面なのさ

ナッシュヴィルにでも行ってみようか
テネシー州のな
都会で俺が続けてきた粗末な暮らしは
俺をへとへとに参らせちまうだろうな

でも それも俺が選ばなかった
人生の違った側面
違った人生の側面なのさ

秘密を知りたくないか
おまえと俺の二人だけの秘密だぜ
俺はこれからどこに行くか分かっちゃいないのさ
自分が何になりたいのかも分かっちゃいないんだよ

でも それも俺が生きて来た
人生の違った側面
人生の違った側面なのさ

ライブ・ヴァージョンです。


ジェファーソン・エアプレインのヴァージョンは1969年にリリースした『BLESS ITS POINTED LITTLE HEAD』に収録。今回は1969年に開催された「The Altamont Speedway Free Festival」でのライヴ映像をご覧ください。


トラディショナル曲の「Water Is Wide」。


もともとスコットランド民謡だったこの曲は、数えきれないほどのアーティストが取り上げています。カーラ・ボノフのヴァージョンは1979年発表の『Restless Nights』に収録されていました。


ジェイムズ・テイラー氏にも登場してもらうことにしました。彼のスタジオ録音は1991年リリースの『New Moon Shine』に収録されています。


1966年にフレッド・ニールはキャピタル・レコードに移籍。同社では『Fred Neil』(1966)、『Sessions』(1967)、『Other Side Of This Life』(1971)と3作のアルバムを残しています。キャピタル時代はエレクトラの作品と少々趣を異にし、全体的にポップな仕上がりがなされていました。
フレッド・ニールのアルバムは商業的に大きな成功を収めたとは言えないのかもしれませんが、「Everybody's Talkin'」を始めとして彼が書いた数々の曲が多くのアーティストにカヴァーされています。また、カリズマ的な魅力を発散させ、ボブ・ディラン、カレン・ダルトン、ジョン・セバスチャンなど当時グリニッジヴィレッジ周辺で活動していたアーティストのみならず、ジョニ・ミッチェル、ティム・ハーディン、スティーヴン・スティルスら同時代に活躍した人々に与えた影響は計り知れないものがあるでしょう。
個性豊かな12弦ギターと低音の魅力で1960年代のニューヨークのフォーク・シーンを静かながらも席巻したフレッド・ニール。リンダ・ロンシュタットやティム・バックリィーがカヴァーしたことでも知られる「The Dolphins」(1966年発表の『Fred Neil』に収録)という自然への愛情を描いた作品を書いているように、早くから環境保護へ関心を寄せていたといいます。1977年4月にジョン・セバスチャンやピーター・チャイルズらを従えて来日し、東京の晴海で開催された「ローリング・ココナッツ・レビュー(捕鯨に対する抗議が趣旨)」で演奏したことも、そうした彼の信念によるところが大きいのかもしれません。1970年代半ばにフロリダへ転居し、イルカを保護するプロジェクトと関わりながら隠遁生活を送っていたようですが、残念ながら2001年7月7日に癌により他界しています。

今回のお別れは「Everybody's Talkin'」。以前にハリー・ニルソンのヴァージョンを記事にしたことがありましたが、作者本人のものを聴いていただけたら幸いです。この曲も枚挙に暇がないほどのアーティストに取り上げられており、フレッド・ニールに影響を受けたといわれるスティーヴン・スティルスも1975年発表のライヴ・アルバムでカヴァーしていました。


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コメント

こんにちは。お久しぶりです。独自のブルース解釈に基づいたオリジナル・ソングが収録された”ブリーカー&マクドゥガル”名盤の名に恥じないアルバムだと思います。何年たっても色あせないでしょうね。
スナジイー様、ご無沙汰しております。
ブルース、R&B、ソウル・ミュージックなどを吸収したフレッド・ニール独特のサウンドが心の琴線に触れ、一度聴いたら忘れられないような魅力を持っていますね。多くのアーティストに影響を与えた存在感が滲み出ています。
フレッド・ニール、CD持ってることは持っているのですが、あんまり詳しく知らなかったので大変参考になりました。
もう1回聴きなおしてみます。
しかし、どの記事もすごく充実していてビックリです。過去の記事も全部読まなければ、です。校長なんていってる自分をお許しください(ペコリ)。
ミス・タンブリンマン様、コメントありがとうございます。
フレッド・ニールの個性豊かな12弦ギターの響きと低音の歌声は聴く者の心をとらえて離さないことでしょう。
つたないブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
こんばんは。このアルバムSSWの中では聴かなければいけない百選(笑)に入ってるんですけど・・・子供を抱えているモノクロのアナログしか持っていません。。たしか晴海で行われた1979年の鯨のコンサートに来ていましたね。他界されたとは知りませんでした。
kuwa様、コメントありがとうございます。
子供を抱えているモノクロのアルバムとは、「Everybody's Talkin'」が収録されている『Fred Neil』ですね。キャピタル時代の録音は少々ポップス路線なので、ブルージィーな雰囲気のあるエレクトラからのファーストと印象が異なります。
多くのアーティストに影響を与えて存在感のあった人だけに、晩年の暮らしが寂しく思えて残念です。
おはようございます。TB有難うございます。
Backstreetsさんのこの記事は当時拝見しており、オフでジャケを見て思い出した次第です。もしこの記事を拝見していなければ、この名作は購入していなかったかもしれませんね。有難うございます!
それにしても寡作な人だったんですね。これだけの影響を与えていた人なのに・・・。
240様、コメントありがとうございます。
拙ブログのつたない記事がお役に立てて光栄です。
ワイルドな面を内に秘め、骨太な低音がじわじわと心に伝わって来るフレッド・ニールの魅力。彼の音楽からは「フォーク・ソングの伝統なんて関係ないぜ。俺は俺の道を行くまでさ」といった印象さえ窺え、そうした特性や姿勢が周囲のアーティストに影響を与えたのかもしれませんね。

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アシッド・フォークの先駆者といえばフレッド・二ール。ジョン・セバスチャンが大好きな私は彼が影響を受けた人物として、その名を記憶してましたが、実際に楽曲を聴いたことはありませんでした。 ところがオフで彼のデビューアルバムが500円で売られているのを発見。も
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