好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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The Lovin' Spoonful - DO YOU BELIEVE IN MAGIC

前回扱ったニッティ・グリッティ・ダート・バンドの記事の中で、彼らがジョン・セバスチャンもしくはラヴィン・スプーンフルに影響を受けていることに言及しました。そこで今回はラヴィン・スプーンフルの作品を取り上げてみたいと思います。
いつまでこのブログを続けられるか分かりませんが、この人たちには今後も頻繁に登場を願うことになると思われ、ここはやはりファースト・アルバムから紹介するのが筋でしょう。ということで、今回のお題はラヴィン・スプーンフルの皆さんが1965年に発表した『DO YOU BELIEVE IN MAGIC』です。なお、この一風変わったバンド名はミシシッピ・ジョンハート(1920年代に活躍したブルース・ギタリスト兼シンガー。60年代にカム・バックし、短期間ながら精力的に活動した)が書いた「Coffee Blues」の一節、”I wanna see my baby 'bout a lovin' spoonful, my lovin' spoonful" から取られました。

Do You Believe in MagicDo You Believe in Magic
(2002/07/09)
The Lovin' Spoonful

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1. Do You Believe In Magic
2. Blues In The Bottle
3. Sportin' Life
4. My Gal
5. You Baby
6. Fishin' Blues
7. Did You Ever Have To Make Up Your Mind?
8. Wild About My Lovin'
9. Other Side Of This Life
10. Younger Girl
11. On The Road Again
12. Night Owl Blues
13. Allep Oop (bonus track)
14. Younger Girl (demo)
15. Blues In The Bottle (alternate vocal version)
16. Wild About My Lovin' (alternate vocal version)
17. Other Side Of This Life (instrumental)

1964年にデビューしたマグワンプスはフォーク・ロックを先取りしたような音楽性を持っていました。メンバーはザル・ヤノフスキー(1944年12月19日、カナダのトロント生まれ)、キャス・エリオット、デニー・ドハーティー、ジェイムズ・ヘンドリックスの4人。ニューヨークを中心に活動していましたが、商業的な成功を得られぬまま解散。キャス・エリオットとデニー・ドハーティーはジョン・フィリップスらとママス&パパスを結成してロサンゼルスに拠点を移します。残されたザル・ヤノフスキーはマグワンプスにゲスト参加したことのあるイーヴン・ダズン・ジャグ・バンドのジョン・セバスチャン(1944年3月17日、ニューヨークのグリニッチヴィレッジ生まれ)と意気投合し、新たにバンドの結成を決意。ベースのスティーヴ・ブーン(1943年9月23日、ノース・キャロライナ州生まれ)とドラムスのジョー・バトラー(1941年9月16日、ニューヨーク州ロング・アイランド生まれ)を加え、こうしてラヴィン・スプーンフルがスタートしました。
ブリティッシュ・インヴェイジョン(British Invasion イギリスの侵略)といわれる旋風が巻き起こっていた1960年代中頃のアメリカ。ビートルズやローリング・ストーンズを始めとするイギリスのロック・バンドが爆発的な人気を得て次々とアメリカのヒット・チャートを賑わしていました。ジョン・セバスチャンとザル・ヤノフスキーはこうした動きに影響されて迎合するのではなく、アメリカ的な音を醸し出すバンドを目指します。
エルモア・ジェイムズのようなブルースもチャック・ベリーみたいなロックン・ロールを弾くことが出来るザル・ヤノフスキーのギター・テクニック。経験豊かなスティーヴ・ブーンとジョー・バトラーの安定したリズム・セクション。ジョン・セバスティアンは彼らの個性を生かすことで何か新しいタイプの音を紡ぎ出せるのではないかと考えたのです。

ラヴィン・スプーンフルはニューヨークのクラブ「Night Owl(ナイト・アウル)」を中心に活動を始め、次第に業界の関心を集めていきました。ある時、ザ・ロネッツのプロデューサーとして有名なフィル・スペクターが彼らの演奏を観ていたく気に入り、自らプロデュースを買って出ます。しかし、ラヴィン・スプーンフルはスペクターの「ウォール・サウンド」の下では自分たちの個性が発揮されない状況になることを懸念してこの申し出を断りました。
そんないきさつがあった中、ジョン・セバスチャンとスティーヴ・ブーンはボブ・ディランのアルバム『Bringing It All Back home』(1965)のレコーディン・セッションに参加。積極的に関係各所へ自分たちをアピールしていたのです。
間もなく、ラヴィン・スプーンフルは新進プロデューサーのエリック・ジェイコブセンの助力で数曲をレコーディング。彼らはジェイコブセンとともに大手レコード会社へ売り込みをかけ始めます。運良くエレクトラで4曲を録音する機会を得るものの発売に至らず、他のメジャー・レーベルから相手にされない状況が続く中、ようやく新興のカマ・ストラとの契約に漕ぎ着けました。
なお、エレクトラでの録音は1966年にエリック・クラプトン、アル・クーパー、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドの楽曲とともに『What's Shakin'』というオムニバス盤に収録されて陽の目を見ます。

それではアルバムの中から何曲か紹介して行きます。オープニング・ナンバーの「Do You Believe In Magic」は彼らのコンセプトのような曲。一度耳にすると魔法のような音楽に取り憑かれてしまいそう。


DO YOU BELIEVE IN MAGIC
若い女の子のハートにかかった
魔法を信じるかい
音楽が始まるときはいつも
どうして彼女たちの心を解き放てるのか
音楽がイカしていれば魔法となるのさ
古い映画のように君をハッピーにさせる
魔法について教えてあげよう
君の心を解き放ってあげよう
でもそれは見知らぬ人に
ロックン・ロールを語るようなもの

魔法を信じるのなら
あれこれ悩まないで
ジャグ・バンドの音楽であれ
リズム&ブルースであれ
ただ聴いてみればいい
そうすれば笑顔になれるさ
どんなに激しく
君の顔から喜びがさめることはない
足がタップを始めても
どうしてそうなったのか分からない
だからすべてを忘れて楽しもう

魔法を信じるのなら
俺についておいでよ
朝まで踊ろう
二人きりになるまで踊ろうぜ
そして もしかして
音楽がぴったりだったら
明日も会おうよ
夜遅くにでも
そして踊りに行こうぜ ベイビー
そうすれば分かるはず
音楽には魔法があり
俺の中には音楽あることを

Yeah
魔法を信じるかい
若い女の子の心の中にある魔法を
ロックン・ロールの魔法を信じるかい
君を解き放つ魔法を信じるかい
さあ 音楽について語ろうぜ
魔法を信じるかい

1963年に発表されたジム・クウェスキン&ザ・ジャグ・バンドのファースト・アルバムにも収録されていたトラッド・ナンバー「My Gal」です。ジャグ・バンドのスタイルで演奏されたジム・クウェスキンのヴァージョンと異なり、ロックン・ロール風の仕上がり。ジョン・セバスチャンはソロ転向後のライヴ・アルバム『Real Live』(1971年)でもこの曲を取り上げていました。


バリー・マン、シンシア・ウェイル、フィル・スペクター共作の「You Baby」。フィル・スペクターに敬意を表するかのように、彼が観に来た時はいつも演奏されていたといいます。


シングル・カットされて全米チャート2位まで上がった「Did You Ever Have To Make Up Your Mind ?」。一人の女性を愛しながらも別の女性にも惹かれる浮気心をユーモラスに歌い上げています。


フォーク・ロックの名曲とされるフレッド・ニール作の「Other Side Of This Life」。将来への希望と不安が入り交じったような心情が描かれていますが、最後に「俺の人生にはもうひとつの生き方がある」と締めくくられ、冷静で力強い決断が窺えました。なお、フレッド・ニールのヴァージョンは1965年発表の『Bleecker & MacDougal』に収録されていました。


オリジナル盤では最後の曲だった「Night Owl Blues」。ジョン・セバスチャンのブルース・ハープ(ハーモニカ)をフィーチャーしたインストゥルメンタルです。自分たちの原点であるクラブへのオマージュの意味が込められているのでしょう。


1966年にシングル「Daydream」が全米2位を記録し、「Summer In The City」ではついにトップを獲得したラヴィン・スプーンフル。ユーモアとウィットに富んだ歌詞と陽気なサウンドで古き良きアメリカを表現し、快進撃が続くように思われました。しかし、ザル・ヤノフスキーがマリファナ所持で逮捕されて1967年6月に脱退。替わって元モダン・フォーク・カルテットのジェリー・イエスターが加入しますが、健全なイメージは回復されず人気に翳りが見え始めます。
ロック・ミュージックの主流がサイケデリックやプログレッシヴなサウンドへと向かい始めた1967年。ラヴィン・スプーンフルもこの潮流の中に飲み込まれて行きます。4枚目のアルバム『EVERYTHING PLAYING』ではオーケストラを導入して時代に呼応するような試みもなされたものの全米116位に終わり、かつての勢いを取り戻せませんでした。翌68年にはジョン・セバスチャンが脱退。グループはまもなく解散へと追い込まれてしまいます。
その後、1991年になってジョー・バトラー、スティーヴ・ブーン、ジェリー・イエスターの三人が中心となってラヴィン・スプーンフルは突然再結成。2000年にはロックの殿堂入りを果たしました。新生ラヴィン・スプーンフルは現在も各地でコンサート活動を行っているようですが、我が道を行くジョン・セバスチャンの姿はそこにはありません。

今回はラヴィン・スプーンフルがエド・サリヴァン・ショーに出演した際の映像でお開きにします。ブログへの貼付けが出来ないので、宜しければ下記のURLをクリックしてご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=m4zoIxW--Y0

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コメント

ジョン・セバスチャンを巡ると、ここに来ますね(笑)彼のポップでコミカルな原点だと思いますが、センスの良さはウェスト・コーストにはないですね・・
最近話題のキャロルキングも同じ匂いがします。

私も音楽ネタを書いてますが、マイナーなSSWはスルーされてしまいます(^^;)
まぁ、高校時代から地味なヤツしか聴いてなかったというか・・・
kuwa様、コメントありがとうございます。
古き良き時代のアメリカ音楽を醸し出したラヴィン・スプーンフルは明らかにウエスト・コーストのロックとは異質でしたね。でも、ジョン・セバスチャンはロサンゼルスのミュージシャンと交流があり、ザル・ヤノフスキーが脱退した直後のステージではスティーヴン・スティルスが助っ人として参じたという話が残っています。
どうしてもマイナーなSSWは敬遠されがちですね。じっくり聴けば馴染むであろうアーティストも少なくないだけに残念です。
おはようございます。
ラヴィン・スプーンフル、なんとも粋なバンド名ですよね。また「DO YOU BELIEVE IN MAGIC」は私の音楽を聴く原点、拠り所となっているような楽曲です。
やっぱり音楽っていいなあ(特に60~70年代)。
240様、コメントありがとうございます。
ラヴィン・スプーンフルは音楽にもバンド名にも粋で独特のセンスが表されていますね。古き良きアメリカを音楽で甦らせ、「Do You Believe In Magic? 」との優しい歌声が安らぎを与えてくれました。
ジョン.セバスチャンは1976年に「Welcome Back」を大ヒットさせるものの栄光はそこまで。魔法の効き目が切れたのか、忘れ去られたような存在になっていることが残念です。
古い記事にすみません。

スプーンフル、大好きです。
一般的に、なぜこんなに知名度ないですかね(涙)。

サントラも含め、全アルバムが見事な風格をもった、60年代ポップミュージックの上澄み液のような存在だと思うんですけどね。

演奏力も、当時ではトップクラスだったように思いますし。
ベンジャミン様、コメントありがとうございます。古い記事へのコメントも大歓迎です。
ラヴィン・スプーンフルの存在自体が古き良きアメリカの一部になってしまったような現状は誠に残念ですが、アルバムは何度も再発されており、今でも彼らの音楽に接することが出来るだけでも有り難いのかもしれません。これからもラヴィン・スプーンフルが紡ぎ出した音楽の魔法に掛かる人々が増えることを望む次第です。
ジョン・セバスチャン自身が適切なる人選と自負するだけあって、彼らの持つ演奏力やセンスだからこそラヴィン・スプーンフルのサウンドが成立したのでしょうね。

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