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Dave Mason - IT'S LIKE YOU NEVER LEFT

デイヴ・メイスンのCBS時代のアルバムが再発されました。今回は彼が1973年にCBS移籍第一弾としてリリースした『It's Like You Never Left(忘れえぬ人)』を取り上げます。

忘れえぬ人(紙ジャケット仕様)忘れえぬ人(紙ジャケット仕様)
(2010/04/14)
デイヴ・メイスン

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1. Baby... Please
2. Every Woman
3. If You've Got Love
4. Maybe
5. Head Keeper
6. Misty Morning Stranger
7. Silent Partner
8. Side Tracked
9. Lonely One
10. It's Like You Never Left

デイヴ・メイスンは1944年(1946年説もあり)5月10日にイギリスのウスターで誕生しました。十代半ばでギターを弾くようになったメイスンは1961年にジャガーズ、63年にはジム・キャパルディらとザ・ヘリオンズを結成してシングルを数枚をリリース。ヘリオンズ解散後はキャパルディがクリス・ウッドらと新たに結成したディープ・フィーリングに加入します。
1966年頃、メイスンらは当時スペンサー・デイヴィス・グループに在籍していたスティーヴ・ウィンウッドと知り合い意気投合。翌1967年、メイスン(ギター)、キャパルディ(ドラムス)、ウッド(サックス/フルート)らはスペンサー・デイヴィス・グループを脱退したウィンウッド(キー・ボード)とトラフィックを結成しました。ファースト・アルバム『Mr. Fantasy』、翌68年に『Traffic』を発表して順調に活動を続けて行くように思われましたが、メイスンは他のメンバーとの間の音楽的な方向性の違いを理由に脱退と再加入を繰り返します。

トラフィック時代のデイヴ・メイスンの代表曲、「Feelin' Alright」。セカンド・アルバム『Traffic』に収録されていました。


デイヴ・メイスンは1968年にはソロ・シングル「Little Woman」を発表。同年にリリースされたジミ・ヘンドリックスの『ELECTRIC LADYLAND』にトラフィックのメンバーがレコーディングに参加したのを皮切りに、メイスンはローリング・ストーンズの『BEGGER'S BANQUET』の録音にも関わるなど単独活動を強めて行きました。結局、トラフィックは69年に2枚のアルバムを残して活動休止。ウィンウッドはエリック・クラプトンらとともにブラインド・フェイスを結成します。

トラフィックを正式に脱退したデイヴ・メイスンは渡米。拠点をロサンゼルスに置いて、グラム・パーソンズやキャス・エリオットらとの交流を深めます。この地での音楽活動の手始めとして、メイスンは当時LAスワンプとして注目を集めていたデラニー&ボニーのバック・バンドのメンバーとしてツアーへ同行。トラフィック時代の代表曲「Feelin' Alright」からも察せられるようにメイスンの南部音楽思考は強く、デラニー&ボニーに刺激を受けてスワンプ・ロックに惹かれて行きました。アメリカ南部のサウンドに関心を抱くミュージシャンが多かったこの時期、デラニー&ボニーのツアーにはエリック・クラプトンやジョージ・ハリスンらも客演しています。
アメリカでの充実した音楽活動の中、メイスンはジョージ・ハリスンの『All Things Must Pass』(1970)に参加。その後、エリック・クラプトンらとデレク&ドミノスを結成。しかし、また悪い癖が出たのか早々に脱退し、メイスンはソロ活動へ向かいます。

1970年、デイヴ・メイスンはブルー・サム・レーベルから念願のソロ・アルバム『Alone Together』を発表。71年にはキャス・エリオット(元ママス&パパス)との共演盤、『Dave Mason & Cass Elliot』、72年に『Headkeeper』、73年に『Dave Mason is Alive』をリリースするなど一見順調そうな活動を行っているような印象を受けますが、メイスンとブルーサムの間にはトラブルが存在していたのです。アルバム『Headkeeper』や『Dave Mason Is Alive』はメイスンの意向を無視してブルーサム側が勝手に発売したものでした。こうしたトラブルやレコードの配給権を巡って契約上の問題も起き、やがて裁判沙汰にまで発展します。

その後ブルー・サムとの訴訟が解決したデイヴ・メイスンは心機一転とばかりにCBSと契約。こうして1973年に『IT'S YOU LIKE NEVER LEFT』のリリースへと漕ぎ着けたのです。

アルバムのオープニング・ナンバーは哀愁を帯びたコード・ストロークで始まる「Baby... Please」。官能的なギター・プレイが胸に迫ります。グラハム・ナッシュがコーラスで参加。


BABY... PLEASE
おまえと一緒に水辺にいると
時はすぐに過ぎ行く
すぐに俺を連れていけ
それがおまえのすべきこと

ベイビー お願いだ
おまえは俺に膝を擦らせるばかり
ベイビー お願いだ
冷たくしないでおくれ

連絡しようとすると
おまえの電話はいつも話し中
俺はおまえの思うままの奴隷
俺はおまえに尻尾を振る子犬

ベイビー お願いだ
おまえは俺に膝を掻かせるばかり
ベイビー お願いだ
冷たくしないでおくれ

どうしようもない子供のように
窓から飛び出し
むやみやたらとウイスキーを注ぐ
精神病院の大きなゴム室の中で
すべて順調と自分自身に言い聞かせる
頭の中は銀のスプーンを抱いたまま

俺は虎のようにフロアを行ったり来たり
昼へと移り行く夜を過ごしている
俺のほうにやって来る何かを捕まえようと
肩越しに見ている

ベイビー お願いだ
おまえは俺に膝を擦らせるばかり
ベイビー お願いだ
冷たくしないでおくれ

片思いの相手に必死で懇願する様子が描かれているようですが、少々難解な比喩表現が多くて意味不明な部分もありました。

続いて、甘く美しい「Every Woman」。


ライヴ映像です。


ブリティッシュ・フォークの雰囲気が漂うような「Maybe」。英国人の翳りが窺えます。



スティーヴィー・ワンダーのハーモニカがフィーチャーされた「The Lonely One」。「絶望のときがあった/気にかけられない時もあった/俺は孤独な人間だった/その時おまえは俺自身を教えてくれた/そして俺は気がついたんだ/孤独な人間にはならないと」と自らの半生を振り返るような歌詞が印象的です。


他にも大人の事情から"Son Of Harry"の変名で参加したジョージ・ハリスンのスライド・ギターが泣かせる「If You've Got Love」、「Headkeeper」の再録ヴァージョン、ホーン・セクションが鳴り響くファンキーなスワンプ・ロック「Misty Morning Stranger」、ほのかなラテン・フィーリングにトロピカル風の味付けがなされた「Silent Partner」、フュージョンの先駆けのようなサウンドを連想させるインスト・ナンバー「Side Tracked」、初期トラフィックの一翼を担っていたことが再認識させられるタイトル曲「It's Like You Never Left」など底知れぬ魅力に溢れた楽曲が収録されていました。
デイヴ・メイスンはトラフィック時代から曲作りに長けていて、それ故にスティーヴィ・ウィンウッドも彼の才能を認めてバンドに出たり入ったりの我がままを許していたのかもしれません。デイヴ・メイスンが態度の悪いたんなるギタリストだったならば、突然解雇を通知されても文句が言えなかったでしょう。
ともあれ、デイヴ・メイスンが自らの音楽的なルーツを再確認し、様々なジャンルを昇華してヴァラエティに富んだ
創作を披露した一枚であると言えるでしょう。

今回のボーナス・トラックはトラフィックが2004年に「ロックの殿堂(The Rock And Roll Hall Of Fame And Museum)」入りを果たした授賞式の映像です。同年に授賞したジャクソン・ブラウンの姿も確認出来ました。


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コメント

相変らず情熱 注がれとりますなぁ このブログは勉強に成ります 凄い!!
改めてデイヴ・メイソンは、よろしいなぁ 今後とも宜しくです。
ナルダン珈琲店主様、コメントありがとうございます。
充実していたCBS時代のデイヴ・メイスン。この時期は彼の実力がいかんなく発揮されていました。忘れえぬ人にならぬよう、今回の再発を機に再び注目が集まれば良いと思います。未聴ですが、2008年に新作を発表して健在ぶりを示していました。
つたないブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
こんばんは~ TBありがとうございました。
デイヴ・メイソンはそれほど思い入れがあったわけではなかったんですが、今回紙ジャケで何枚か聴いて虜になってしまいました。いいですよね~ CBS時代ではこの「忘れえぬ人」が一番好きかな・・・
shintan様、コメント及びトラックバックありがとうございます。
この『忘れえぬ人』でも片鱗が窺えますが、デイヴ・メイスンは時代を意識したかのようにAORやフュージョンの要素を次第に取り込んで行きました。もちろんそうした試みによって作り出されて行った彼の音楽が素晴らしいことは言うまでもありませんが、それだけにこのアルバムには瑞々しさを感じます。
今晩は♪

知る人ぞ知る、地味なデイヴ・メイスン・・・やっぱりいいですね。

私も、メイスンが好きで、ブログ初めて2番目に書いたくらいです。
Toshinosuke様、コメントありがとうございます。
このアルバムではデイヴ・メイスンの新たなる門出を祝うようにグラハム・ナッシュやスティーヴィー・ワンダーらの豪華な面々が駆けつけていました。
また、ジャンルにこだわることなく多彩な音楽を取り入れるといった彼のスタイルや方向性が示されたアルバムだったと思います。
とウエスト・コースト・サウンド、イギリスの翳りとアメリカの乾いた空気感が共存しているのがこのアルバムだと思います。
どちらもデイヴ・メイソンの持ち味でそれがバランス良く配されているのがこのアルバムの魅力ですね。
いずれにせよ紙ジャケの再発で彼が再評価される事を望みたいですね。
Purple_Haze様、コメント及びトラックバックありがとうございます。
このアルバムにはグラハム・ナッシュがバック・ヴォーカルで参加しています。アメリカに渡って来た二人のイギリス人による翳りが窺えるハーモニーはCSN風というよりも、どこかイーグルスを彷彿させるような気がしました。
今回のCBS時代の作品は前回のCD化と同じく、すぐに市場から姿を消してしまうことでしょう。その前にブルー・サム時代のアルバムが再発されることを望みます。
こんにちは。
正直に申すとデイヴ・メイスン。今までソロはじっくり聴いたことがありませんでした。今回いくつかのソロを聴き、彼の多彩なメロディーメーカーぶりに驚いた次第です。クラプトンより好きですね。
240様、コメントありがとうございます。
男前で格好よすぎるクラプトンさんよりもデイヴ・メイスンのほうが親近感が湧きます。もっともメイスンもダンディーであり、決して遜色はないと思うのですが・・・。
おっしゃる通りデイヴ・メイスンの音楽性は多彩で、ギターの音色も心の琴線に触れます。1980年代の中頃や90年代の一時期に殆ど活動を停止していたこともあるようですが、近年の再始動は嬉しい限りです。

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