好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Todd Rundgren - A Cappella

Purple_Hazeさんのブログ「Blues Power」sugarmountainさんのブログ「鳥肌音楽」でトッド・ラングレンに関する記事が相次いで掲載されていました。
拙ブログでも何度かプロデューサーとしてのトッド・ラングレンの仕事ぶりを扱ったことがありましたが、今回はアーティストとしての彼のパフォーマンスについて述べてみたいと思います。取り上げるアルバムは1985年に発表された『A Cappella』。異色作と言われる一枚です。

A CappellaA Cappella
(1990/10/25)
Todd Rundgren

商品詳細を見る

1. Blue Orpheus
2. Johnee Jingo
3. Pretending to Care
4. Hodja
5. Lost Horizon
6. Something to Fall Back On
7. Miracle in the Bazaar
8. Lockjaw
9. Honest Work
10. Mighty Love

トッド・ラングレンは1948年6月22日にペンシルベニア州アッパー・ダービー(フィラデルフィア州生まれとの説もあり)の出身です。1967年にNazzを結成し、翌68年にデビュー・アルバム『Nazz』をリリース。70年にバンドが解散した後、トッドはボブ・ディランのマネージャーであるアルバート・グロスマンに目をかけられ、彼のレーベルであるベアズヴィルからソロとしての再デビュー・アルバム『Runt』を発表します。同時にエンジニア/プロデューサーとしての修行もこのレーベルで積みました。
翌71年にドラムスとベース以外の楽器演奏を自分で行ったセカンド・アルバム『Runt. The Ballad Of Todd Rundgren』、73年には2枚組サード・アルバム『Something/Anything?』をリリース。この年にはプロデュースを手掛けたグランド・ファンクのアルバム『American Band』が全米2位を記録(同名のシングルは1位)し、以後もソロと並行してトッド自身がリーダー格を務めるユートピアを1974年に結成するなど順調な活動を続けて行きます。

セカンド・アルバム『Runt. The Ballad Of Todd Rundgren』より「Waiting Wall」。


サード・アルバム『Something/Anything?』より「I Saw The Light」


このようにトッド・ラングレンが紡ぎ出す楽曲はソウルフルでメロディアスな曲が多いのですが、時おり実験的な試みを行って前衛的な面を覗かせたり、そうかと思えば敬愛するアーティストへのオマージュやパロディに溢れた作品を発表するなど一筋縄でいかない多才ぶりを発揮していました。

1980年代の音楽界を振り返ると、パンク・ロックやディスコ・サウンドが栄華を極める中、一方ではカナダ出身のナイロンズ、少し後にアラバマ州で結成されたTake6などのアカペラをレパートリーの中心としたヴォーカル・グループが注目を集めていました。日本でも山下達郎さんの『On The Street Corner』(1980)、『On The Street Corner 2』(1986)が話題となった時期です。
そんな流れに便乗したわけではないのでしょうが、トッド・ラングレンも1985年にアカペラのアルバムを発表。既に1976年のソロ・アルバム『Faithful』において、ビーチ・ボーイズの「Good Vibrations」をたった一人の多重録音により再現してみせて気を吐いていた奇人ならぬ奇才トッドのこと、「他人と同じようなことはやってられへんわい」とばかりに自分の声をサンプリングし、シンセサイザーを駆使しているものの他の楽器をヴォーカルだけで表現するといったひと味もふた味も違う作品を作り出しました。

それではアルバムの中から何曲か紹介します。エスニックな香りとビーチ・ボーイズを連想させるようなコーラスが融合された「Blue Orpheus」。


美しくも寂しい「Pretending to Care」


PRETENDING TO CARE
今日、俺はおまえの荷馬車になり
明日は戒めとなろう
かつて見たこともないほどの
美しい糸を首にぶら下げて飾り
耳もとで囁く者があれば
おまえはすべてを信じてしまう
でもその気持ちの奥底は
知る術もない
知る由もない

俺が盲人だったなら
おまえは俺の目の代わりとなってくれるだろうか
それとも気にかけるふりをしながら
見えるものすべてを隠してしまうのか
俺がいなければいいと望んでいても
思いきって口には出せずにいる

はっきりと打ち明けてくれないか
どうして自分でも分かっていると認めないのだ
傍にいて将来を託してきたのものは
ただの貝殻だったてことを
おまえはキリストの受難のように耐えることになるだろう
そのあとで擦り切れたガーゼのように破り捨て始めるのだ
俺は気がかりに思いたくないのだが
不安を抱かずにいられない
つい不安を抱いてしまうのだ

フィラデルフィア・ソウルを彷彿させる「Something to Fall Back On」。


社会への絶望感が歌われる無伴奏の「Honest Work」。トラディショナル・フォークの雰囲気が香ります。


ザ・スピナーズのカヴァー、「Mighty Love」。トッド・ラングレンのソウル・ミュージックへの傾倒ぶりが偲ばれます。


ザ・スピナーズのライヴ映像。彼らのオリジナル・ヴァージョンは1974年発表の『MIGHTY LOVE』に収録されていました。


当時としての最先端のテクノロジーによってたったひとりで完璧なハーモニーやコーラスを作り上げることに成功したトッド・ラングレン。コンピューター・ライズドされた手法はともすれば人間味がなくなる嫌いがありそうですが、彼の肉声とよく調和し、よりいっそうアコースティックな感触を際立たせる効果を醸し出していました。職人わざと言えるトッドの技量と歌詞における彼のメッセージがあいまって、アルバム全体が血の通ったヒューマニティー溢れる響きに仕立て上げられていたのです。

アルバム・ジャケットではバリ島のお面を被り、学生服を着ているという奇抜な出で立ち。ケチャを思わせるエスニックなリズムを取り入れた前衛的な「Miracle in the Bazaar」という曲も収録されていました。他にもドゥー・ワップ・スタイルの「Hodja」、反戦のメッセージが心に響く「Johnee Jingo」など捨て曲なしのアルバムですが、売れ行きは芳しくなくトッドの作品の中でも最低ランクに属するようです。
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コメント

こんばんは。またまた凝った内容です(笑)

トッドって、ラント/バラードとSomething/Anything
くらいしか、ちゃんと聴いてないんですけど・・・・
あの一人でやってる浮遊感が好きで・・・・
そういえば、東京遠征でベアズビィルでトッドが初めてプロデュース
した「アメリカン・ドリーム」のLPをようやく手に入れました♪
ずっと探していたので、嬉しかったです♪
kuwa様、コメントありがとうございます。
美しく繊細なメロディの曲を書くかと思えば多重録音やシンセサイザーを駆使して実験的な試みを行う、トッド・ラングレンは実に多くの引き出しを持っている人です。と同時に完璧主義者でもあるようで、その点では山下達郎さんと通じるものを感じました。二人にはソウル・ミュージック好きという共通点もあります。
トッドのプロデュースした「アメリカン・ドリーム」のLPを入手されたとはラッキーでしたね。以前にキャニオンからCDがリリースされていたような記憶があります。
震えるくらい売れなかったんでしょうね、このアルバム、、

幸か不幸かコレがトッドのリアルタイムでの始まりでした、、、この曲を聴いてスピナーズのCDを探しに行って、、、という感じでした

もうずっと聴いてなかったので、コチラにお邪魔して久しぶりにMighty Love聴きました

ありがとうございました
col様、こちらこそお役に立てて光栄です。
あるアーティストがとりあげた曲や関連する人脈を辿るといった行為は楽しい作業だと思います。今ではそんな面倒なことをする人が少なくなったのかもしれません。

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