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Ron Sexsmith - RON SEXSMITH

バンクーバー・オリンピックが終わってしまいましたが、今回はそんなこととは関係なくカナダのアーティストを取り上げることにしました。ご登場いただく方はロン・セクスミス。1995年にアルバム『RON SEXSMITH』でデヴューしたシンガー・ソング・ライターです。
RON SEXSMITHRON SEXSMITH
(1996/08/21)
ロン・セクスミス

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1. Secret Heart
2. There's a Rhythm
3. Words We Never Use
4. Summer Blowin' Town
5. Lebanon, Tennessee
6. Speaking With the Angel
7. In Place of You
8. Heart With No Companion
9. Several Miles
10. From a Few Streets Over
11. First Chance I Get
12. Wastin' Time
13. Galbraith Street
14. There's a Rhythm
15. Almost Always (Bonus Track)

ロン・セクスミスは1964年の1月8日にカナダのオンタリオ州に生まれました。幼き頃から音楽に親しみ、ビング・クロスビー、アーヴィン・バーリンなどのスタンダード、マール・ハガード、チャーリー・リッチなどのカントリー、そしてシンガー・ソング・ライターのティム・ハーディンなどを聴いていたそうです。また、とくにお気に入りのアーティストはハリー・ニルソンとキンクスのレイ・ディヴィスで、彼曰く「悲しみが奥底にそこはかと流れているユーモラスな歌を書いている」とのことでした。
当然のように音楽活動を始めたのも早く、14歳の頃よりバンドを組み、17歳の時には地元のバーで演奏するようになります。その後トロントに転居し、ザ・アンクールというバンドを結成。1985年には自主制作でカセットをリリースしました。
しかし、音楽で容易に身を立てられるはずもなく、早婚だったロンは家族を養うために郵便配達人として働きながら歌を創作する毎日を送ることになります。1991年、書きためた曲を自主制作アルバム『Grand Opera Lane』としてリリースすると、そのソング・ライティングのセンスが注目され、たちまちロサンゼルスに本拠を置くインタースコープ・レコードとの契約に漕ぎ着けました。
レコーディングではすべてのギターをロン・セクスミスが弾き、プロデュースとキー・ボード担当にはロス・ロボスの「La Bamba」(1987)やスザンヌ・ヴェガのアルバム『99.9F』(1992)などで知られるミッチェル・フルームが迎えられ、他にピーター・ガブリエルのバック・バンドやオーリアンズとのセッションなどで知られるジェリー・マロッタ(ドラムス)、エルヴィス・プレスリーのバック・バンドを始め多くのアーティストをサポートした経験を持つジェリー・シェフ(ベース)ら腕利きのミュージシャンが招かれています。ストリングスも効果的に配されていますが、敏腕プロデューサーであるミッチェル・フルームの手によって最小限の編成で最大限の効果が発揮されたと言って良いでしょう。
なお、アルバム・ジャケットの写真は童顔に写っていますが、30歳を過ぎてデヴューを飾った遅咲きの花で、この時は既に二児の父親でした。

それではアルバムから何曲か紹介します。
恋い焦がれる人に自分の思いを打ち明けようとする様が描かれた「Secret Heart」。人間なら誰でも経験するような普遍的な内容の歌です。


SECRET HEART
隠れた心よ
おまえの正体は何?
おまえが恐れているものは何?
たった三語の言葉なのか
それとも頭上にある恐怖なのか?
いったいどうしたっていうんだ?
おまえの秘密を打ち明けてしまえ 心よ

秘密の心よ
なぜそんなに不思議がっているんだい?
神聖になりすぎて
真剣になりすぎているのはなぜ?
たぶんおまえは虚勢を張っているだけ
まだまだ人間が出来ていないっていうだけ
いったいどうしたっていうんだ?
おまえの秘密を打ち明けてしまえ 心よ

おまえが隠そうとしている秘密は
おまえが明かそうとしている秘密でもあるのさ
おまえがどのような気持ちでいるのか
彼女に打ち明けてよ

秘密の心よ
姿をあらわして分かち合ってくれよ
一人きりじゃ耐えきれないこの孤独
すべきことがあるといえば
一人では切り抜けることが出来ないと
認めることじゃないのか?
いったいどうしたっていうんだ?
おまえの秘密を打ち明けてしまえ 心よ 

続いて「There's a Rhythm」。ロン・セクスミスが言うには「歌の奥にはリズムがある。どの世代にもその中にしっかりと行き渡っているリズムがあるのだ」とのことです。


人々はどうして自分たちの関係の中で面と向き合うことを避け、いつもすべてをやり過ごしているのかとの趣旨が歌われた「Words We Never Use」。


「彼に天国のことを教え込もうとしているの?/彼にこの大地の愛し方を示そうとしているの?/生まれた瞬間から彼に偏見を抱かせ心を汚してしまうつもりなのかい?」と歌い、子供たちは憎むために生まれて来たのではないというロン・セクスミスの思いが込められた「Speaking With the Angel」。ロンはテレビのニュース・リポートで、白人至上主義団体クー・クラックス・クランがどんなふうに自分たちの子供を育てているのかを観て嫌な思いをしたと語っていました。
こちらは自主制作で発表した前述の『Grand Opera Lane』に収録されたヴァージョンのようで少々荒削りな印象を受けますが、アレンジはメジャー・デヴュー盤の本作と殆ど変わりません。


アルバムの中の唯一のカヴァー曲、レナード・コーエン作の「Heart With No Companion」。ロンはコーエンのライヴでこの曲を聴き、感激して自分のテーマ・ソングと言い切っても良いと語っております。


レナード・コーエンのオリジナル・ヴァージョンは1984年発表の『Various Positions』に収録。このヴァージョンはライヴ盤『Cohen Live』(1994)から。


ロン・セクスミスの歌い方や曲調がジャクソン・ブラウンを彷彿させるところがあり、このアルバムがリリースされた当時はよく引き合いに出されました。こうした論評に対し、ロン本人は「うんざりだね。ウエスト・コーストのロック・シーンで俺が好きなアーティストはランディ・ニューマンやハリー・ニルソンで、イーグルスやジャクソン・ブラウンは好きになれなかったよ」との趣旨を語っていました。
ごく普通の人々のどこにでもある物語が描かれた簡潔ながらも奥深さが窺える内省的な歌詞。アコースティック・ギターの弾き語りを主体としたシンプルなサウンド。ロン・セクスミス自身が否定しようと、初期のジャクソン・ブラウンと共通する部分は大いに感じ取れます。
かつてエルヴィス・コステロは「私は一年中ずっと『RON SEXSMITH』を聴き続けた」と述べていました。大きなインパクトを与えるような派手さはありませんが、語りかけるような穏やかなロンの歌声に心が洗われ、言葉と音が胸に染み入ります。ロンが紡ぎ出す飾り気のない音楽、聴く度に新鮮な感動を与えてくれた一枚でした。

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コメント

リリースされてからもうすぐ15年経つんですね

この時を経ても何年に一枚、というレベルでの名盤ですね

オーソドックスな雰囲気ですが、彼にしか書けないオリジナルなメロディを聴いてると贅沢な気分になれます

おそらくずっと聴き続けると思います
col様、コメントありがとうございます。
このアルバムには流行のリズムも音もありません。でも、「人々の心に残る歌」がありました。
市井の人々の人生や喜怒哀楽をささやかな歌にするロン・セクスミス。たとえ時代が変わろうとも、その時代の声や空気をつかむ彼の歌はいつまでも聴き手に感動を与え続けることでしょう。

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