好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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ALZO - Alzo

今回はkofnさんのブログの記事に被せるようで誠に恐縮ですが、アルゾが1971年に発表したアルバム『Alzo』を取り上げます。

アルゾアルゾ
(2003/12/17)
アルゾ

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1. Country
2. Don't Ask Me Why
3. Without You Girl
4. Looks Like Rain
5. Some People
6. Just Can't Get Along
7. That's Alright (I Don't Mind It)
8. Sometimes
9. You Know Me, I Know You
10. Sweet And Salty Stuff
11. You're Gone
12. Lookin' For You

アルゾことアルゾ・フロンテ(本名アルフレッド・アフランティ)はニューヨーク出身。写真家の父、バレー・ダンサーでピアノ教師、ソングライターでもあった母の元に生まれました。クリィティヴな環境に育ったせいか、少年期にはチャック・ベリーのロックン・ロールやドゥーワップに関心を示していたとのことです。
思春期になると、彼はマイルス・ディヴィスやキャノンボール・アダレイといったジャズに興味を惹かれるようになります。また、この頃には打楽器を弾き始めるとともに、父親の手ほどきでギター演奏を覚えていました。
1960年代初期から半ばにかけてアルゾは友人とデュオを組み、ドゥーワップ・ソングを主なレパートリーとしてグリニッジ・ヴィレッジのクラブに出演するようになります。そこでリッチー・ヘヴンスやホセ・フェリシアーノらと出逢い、親交を深めて行きました。
その後、アルゾはデュオを解消し、新たにインサニティーズというグループを結成します。そのメンバーの一人だったのが後にデュオを組むユーディーンでした。彼らはクラブを中心に活動し、やがてジェフ・バリーの目に留まることになります。ジェフ・バリーはエリー・グリニッチとのコンビでロネッツの「Be My Baby」を始めとするヒット曲を書いたことで知られるソングライター兼プロデューサーでした。彼は当時、Steedというレーベルを立ち上げたばかりで新人アーティストを探していたのです。
1967年にデヴュー・シングル「And I don't want Your Love」を発表するもののグループは短命に終わりました。第2弾シングル「Sitting In The Park」では既にアルゾ&ユーディン名義になっています。
デュオなった二人は活動を継続。1968年にはマーキューリー・レコードと契約し、4枚のシングルとアルバム『C'mon And Join Us!』をリリースしました。しかし、売り上げは芳しくなくデュオは解消に追い込まれました。
アルゾはソロとなり、放送用機材や録音用テープのメーカーとして有名なアンペックス社の音楽部門であるアンペックス・レコードと契約。ボブ・ドロウをプロデューサーに迎えてアルバムを制作します。ボブ・ドロウはジャズ・ピアニスト/ヴォーカリストであり、アレンジャー兼プロデューサーとしても知られる人。ソフト・ロックのグループ、スパンキー&アワ・ギャングのアルバム『Like to Get to Know You』(1968年発表)のプロデュースで実績を残していました。蛇足ながらこのアルバムにはレナード・コーエンの「Suzanne」やマーゴ・ガーヤンの「Sunday Morning」が収録されています。





閑話休題。アルゾのソロ・デヴュー作『Looking For You』は1971年に発表されました。彼の優しく透き通った歌声と自らが弾く12弦アコースティック・ギターの音色がフィーチャーされ、洗練されたジャズのフィーリング、ラテン及びブラジリアン・テイスト、ソウルフルな香りが漂う仕上がり具合になっています。
しかし、アルバムの発売直後にアンペックスがレコード部門を閉鎖。その後のサポートが得られず、アルゾは生活のために音楽界から身を引く覚悟をします。ところが捨てる神あれば拾う神ありとはよく言ったもので、ベル・レコードがアルゾ獲得に名乗りを上げて契約成立。アルバム『Looking For You』は『Alzo』と改題して再発売され、ボブ・ドロウのプロデュースでセカンド・アルバムのレコーディングも完了しました。
捲土重来を期し、チャンスをつかみかけたアルゾでしたが、またも彼に不運が襲いかかります。ベル・レコードがアリスタに吸収され、契約も白紙となりました。アルゾはめげずに活動を続け、1975年にA&Mからシングル「Sunday Kind Of Love」をリリースするも不発。引退を余儀なくされました。プロのミュージシャンの宿命であり当然の流れとはいえ、音楽ビジネスの非常や理不尽さに釈然としないものを覚え、彼の紆余曲折の人生にやりきれないものを感じます。

それではアルバムから2曲紹介します。まず、ギターのイントロが流麗な「Don't Ask Me Why」。情感のこもったファルセットが心地よく、瑞々しさをたたえています。


アルゾ本人によって幾重にも重ねられた繊細なコーラスが印象的な「Looks Like Rain」。季節を前に押し上げるような暖かさを運ぶ春先の雨の日に似合う曲です。


LOOKS LIKE RAIN
一人きりでいると時々
こんな気分になってしまう
何かがしっかりと膨らんでいく

何かが起こる
ついてない日のように思える
何かが起こるんだ

雨になりそうだ
雨になりそうだ
雨になりそうだ
雨になりそうだ

時々家路をたどるうちに
俺は不思議に思うことがある
どうして一人で歩いているんだろう

何かが始まる
ついてない日のように思える
何かが始まる

雨よ 俺をがっかりさせないでくれ
俺は恋人と一緒にいたいんだ
雨が降っても楽しめるから
避難する必要なんてないさ
でも きっと寄り添いながら気がつくだろう
この天気を楽しもうってことを

歴史や人生に "If" は禁物かもしれませんが、所属レコード会社のトラブルに巻き込まれなかったらと思うと残念でなりません。また、彼が紡ぎ出した音楽は内省的な手触りを持つシンガー・ソング・ライターが台頭し始めた1970年代初頭にはそぐわなかったのでしょうか。アコースティック・ギター一本でも洗練されたジャズ、躍動するラテン、ファンキーに弾けるR&Bなどの幅広い要素が嗅ぎ取れるジェームズ・テイラーが大きな支持を得たように、アルゾにも成功する機会はあったと思われます。
その後のアルゾはロング・アイランドで家具店を経営しながら再びチャンスが訪れるのを待っていました。しかし、女神が彼に微笑みことなく、2004年2月1日に心臓発作のため帰らぬ人となっています。

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コメント

こんばんは♪
このアルバム、高校同級生が好きでLP2枚持ってます。私もCD化した時に2ndまで買いました。12弦ギターの音色が爽やかで好きです。
隠れた好盤ですね。
しかし、こんな地味なアルバム知っていて通ですね~
kuwa様、コメントありがとうございます。
私もアルゾの存在は以前から知っていたのですが、CD化されたおかげでやっと正式に全曲聴くことができました。
友人の方がLPでお持ちとは感服する次第です。
リンクしていただいて、ありがとうございます。
ALZOを聴いたのはこのアルバムのCD化が最初でした。
相変わらず丁寧な記事に感服します。
日本でCD化されて、これから本国でも遅すぎた評価がされるだろう矢先に亡くなってしまい、非常に残念でした。生きていれば未発表曲集の発表や新作のレコーディングも期待できたはずでした。
kofn様、コメントありがとうございます。
アルゾの人生を鑑みると切なくなります。生きていれば新作はもちろん、来日公演も行われたかもしれません。
おっしゃる通り、未発表曲がいくつかありそうですね。AmazonでアルゾのCDを調べていたら1stと2ndが2in1 のUK盤が表示されていて、[I Want You To Be] A Part Of Meなる未発表らしき曲が追加されていました。

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