好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Lynyrd Sknyrd - Sweet Home Alabama

前回ニール・ヤングの「Southern Man」を取り上げて論じました。あのままでは南部人は保守的で残酷な人々と受け取られかねません。実際の南部の人々は社交好きで人をもてなすことを得意とした気さくな人が多いと言われています。敬虔なクリスチャンでありながらもピューリタンのように厳格さや潔癖さに縛られることのない奔放な一面もあり、付き合ってみれば人間臭い部分に魅了されてしまうことでしょう。ウィリアム・フォークナーやテネシー・ウィリアムズの諸作に登場する人物のように、伝統や因習にとらわれながらもゆったりとした優雅な日常を送ることも南部人の特徴です。
そして、何より南部は音楽の素晴らしさを伝えてくれました。ジャズ、ゴスペル、ブルースなどの西アフリカにルーツを持つ黒人音楽。後にカントリーやブルーグラスへと発展するイングランド、スコットランド、アイルランド出身の白人が移入した音楽。そして、それらが融合されて誕生したロックン・ロール・ミュージックなど南部が育んだともいえる音楽についての興味が尽きないところです。

ニール・ヤングは「Southern Man」に続き、1972年発表の『Harvest』では「Alabama」というタイトルの曲を歌って変化を促していました。デヴューから今日に至るまで、政治や社会問題を扱うのは彼の真骨頂と言えるのでしょう。


ハーヴェストハーヴェスト
(2009/11/11)
ニール・ヤング

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それらの曲へのアンサー・ソングとしては、レイナード・スキナードが1974年にリリースしたアルバム『Second Helping』に収録されていた「Sweet Home Alabama」がよく知られています。
Second HelpingSecond Helping
(1997/11/04)
Lynyrd Skynyrd

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1. Sweet Home Alabama
2. I Need You
3. Don't Ask Me No Questions
4. Workin' for MCA
5. Ballad of Curtis Loew
6. Swamp Music
7. Needle and the Spoon
8. Call Me the Breeze
9. Don't Ask Me No Questions [Single Version]
10. Was I Right or Wrong [Sounds of the South Demo]
11. Take Your Time [Sounds of the South Demo]

自分の故郷を悪く言われて気分のいい人はいないでしょう。フロリダを本拠にしているレイナード・スキナードの皆さんの本拠地はフロリダですが、南部という点では共通の意識があるだろうし、何よりアラバマ州にあるマッスル・ショールズ・スタジオへの敬意が払われていると思われます。彼らにもこのスタジオでレコーディングをした経験があり、いわばアラバマは第二の「Sweet Home」と言えるかのかもしれません。
実際のニール・ヤングとレイナード・スキナードは親交が深く、対立した感情はなかったそうです。レイナード・スキナードのヴォーカルであるロニー・ヴァンザントはニール・ヤングのTシャツを着てステージに上がったことがあり、ヤングも彼らに「Power Finger」という曲を提供しています。しかし、この曲は1977年にレイナード・スキナードが飛行機事故でヴァンザントを始めとする数人のメンバーを失ったためレコーディングがされずに終わり、1979年に発表されたヤングのアルバム『Rust Never Sleeps』で陽の目を見ました。
もちろん出来レースとは言いませんが、「ニールの兄さん、ちょっと言い過ぎやで。カナダから来はったお人には南部のええとこが分からへんみたいで残念やな」ぐらいの気持ちだったのではないかと推測されます。南部人としてのプライドもあったことでしょう。また、18世紀の啓蒙主義を代表するフランスの哲学者、ヴォルテールの「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」という有名な言葉の如く、民主主義国家アメリカの言論の自由が表された例とも言えるのかもしれません。



SWEET HOME ALABAMA
大きな車輪が回り続けている
俺を故郷へと運び、親しき人に会わせてくれる
南部の歌を歌いながら
俺は再びアラバマを離れる
そして俺はそれを罪なことと思う そう罪なことだぜ

俺はニール・ヤングさんがアラバマのことを歌っているのを聴いた
親愛なるニールがアラバマをこき下ろしてるのを耳にしたんだ
ニール・ヤングは憶えておいたほうがいいぜ
南部の人間はもはやあんたなんか必要としていないってことをな

素晴らしき故郷 アラバマ
そこでは空がとても青い
愛しき故郷 アラバマ
ああ 俺はこの地に戻って来たんだ

バーミンガムじゃ人々は知事を愛している
そう 俺たちはみんな自分たちにできることをやったのだ
ウォーターゲート事件なんておれにはまったく問題じゃない
あんたの両親があんたには気になるのかい?
本当のことを言ってみなよ

アラバマにやって来た

マッスル・ショールズにはスワンプ・サウンドの強者たちが集まってるぜ
奴らは1、2曲かき鳴らして有名になった連中だ
ああ、俺はすっかりあいつらにハイにさせられちまってるぜ
憂鬱な俺の気分を回復させてくれるんだ
さあ、みんなはどうだい?

素晴らしき故郷 アラバマ
ああ 懐かしの故郷よ
そこでは空がとても青い
そして知事は誠実だ
愛しき故郷 アラバマ
おお
ああ 俺はこの地に戻って来たんだ
そうだ そうだ モントゴメリーに答えがあるんだ


レイナード・スキナードが「Sweet Home Alabama」を歌った時期にアラバマ州知事を務めたのはジョージ・ウォレスです。彼のスローガンは「今ここで人種隔離を、明日も人種隔離を、永遠に人種隔離を」という人種差別主義に溢れたものでした。彼は民主党から出馬し、1963年~1967年、1971年~1979年、1983年~1987年と何度も再選されるほど高い支持を集めています。1972年には銃撃事件で下半身不随となりながらも、不屈の精神で知事職を務めました。そんなたくましい知事でしたが、1998年に南北戦争時代に南部連合の首都だったモントゴメリーで逝去しています。
私には "In Birmingham they lone the governor"(バーミンガムじゃ人々は知事を愛しているぜ)と歌った直後のバック・コーラスが、盛り上げているようにもブーイングのようにも聴こえます。知事への賞賛とも揶揄とも受け取れるダブル・ミーニングなのでしょうか。また、アラバマ州バーミンガムはウォレス知事が在任中の1963年に黒人教会爆破テロによって少女4人が命を落とした事件で知られる土地です。同じ年の6月には知事が2人の黒人学生のアラバマ大学入学拒否を言明しました。結局連邦政府の命令により黒人学生は無事入学を許可され、ジョン・F・ケネディ大統領はテレビを通じて、「人種問題は、アメリカの生活や人生に入り込む余地はない」との声明を発表しました。
民主党から人種差別を標榜するような知事がいた事実。南北戦争の頃の民主党は奴隷制度存続を求めていました。今でも南部では民主党が保守層の根強い支持を集めています。
日本では共和党が保守、民主党がリベラルといったイメージで解釈されることが多いと思われます。しかし、一概には言えません。サダム・フセインとのイラク戦争やイスラム過激派などとのアフガニスタン紛争は共和党政権が決断して行ったたものですが、ヴェトナム戦争を始めたのは民主党政権でした。両党の大きな相違点は自由貿易と保護貿易、小さな政府と大きな政府といった政策面に表れていると理解するほうが適切でしょう。

ライヴ映像です。


これもライヴです。いつ頃の映像でしょうか。


観客のリアクションが興味深い2003年のライヴ映像。


アラスカ州出身の女性シンガー・ソング・ライター、ジュエルによるカヴァー・ヴァージョンです。2002年公開の映画『Sweet Home Alabama』のサウンド・トラック盤に収録。


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コメント

Free Birdとともにレイナード・スキナードの数々のレパートリーの中で大好きなナンバーです。
歌詞の中でI hope Neil Young will remember
A Southern man don't need him around anyhowと歌っていますが、おっしゃる通り「ニールの兄さん、ちょっと言い過ぎやで」みたいな感じだったんでしょうね。
2番目の映像は以前VAPからDVD化された「Free Bird The Movie」の映像なので、あの事故の前年の1976年のものです。
Purple_Haze様、コメントありがとうございます。
どのような主張や意見であれ、両者に禍根を残さないことが一番ですね。私はあまり融通がきかず、ものの言い方がうまくないので失敗ばかりです。このままでは現実の世界はもちろん、インター・ネットの世界からも退場勧告を受けるかもしれません。
事故の前年の映像ですか。今となっては貴重ですね。

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何度も書いてるけどレイナード・スキナードを聴くとついつい体中のROCKの血が騒いちゃいます。 彼らの短いキャリアの中でも好きなアルバムが1974年に発表された2ndアルバム「Second Helping」。 1stアルバムに続いてアル・クーパーがプロデュースして
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