好きな音楽のことについて語りたいと思います。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

STEPHEN STILLS MANASSAS

報道によると、ボビー・チャールズもケイト・マッガリグルも癌との闘病生活の末に旅立たれたそうです。そういえば前立腺癌を克服したスティーヴン・スティルスはその後どうしているのか、彼のことがふと頭の中をよぎりました。この病気を患われた天皇陛下はお元気になられてなによりですが、ダン・フォーゲルバーグは帰らぬ人となっています。また、この病を治療しながら「アースマラソン」を続ける間寛平さんのことも心配でなりません。

スティーヴン・スティルスのことに話を戻します。彼は2009年秋に新作ライヴ盤をリリースしていました。
Live at Shepherd's BushLive at Shepherd's Bush
(2009/11/17)
Stephen Stills

商品詳細を見る


録音されたのは2008年とのこと。2009年の夏にクロスビー、スティルス&ナッシュとしての新作をレコーディング中との情報も耳にした憶えがあり、再発もなく順調に復帰しているようで安心しました。

ということで、今回はスティーヴン・スティルスが1972年にマナサスを率いて発表したアルバム『MANASSAS』を取り上げます。マナサスはスティルスのサード・アルバムの制作中に集められたメンバーが中心となって正式なバンドに発展しました。このアルバムについてはBYRDさんが詳しい記事を書いておられますので、そちらも参照していただければ幸いです。

マナサスマナサス
(1998/05/25)
スティーブン・スティルス

商品詳細を見る

1. Song of Love
2. Rock and Roll Crazies/Cuban Bluegrass
3. Jet Set
4. Anyway
5. Both of Us
6. Fallen Eagle
7. Jesus Gave Love Away for Free
8. Colorado
9. So Begins the Task
10. Hide It So Deep
11. Don't Look at My Shadow
12. It Doesn't Matter
13. Johnny's Garden
14. Bound to Fall
15. How Far
16. Move Around
17. Love Gangster
18. What to Do
19. Right Now
20. Treasure [Take One]
21. Blues Man

メンバーはスティーヴン・スティルス(G, Vo)クリス・ヒルマン(G, Vo)、アル・パーキンス(Steel Guitar, Vo)、ジョー・ララ(Percussion, Vo)、カルヴィン・サミュエルズ(B)、ダラス・テイラー(Ds)、ポール・ハリス(Keyboards)の7人。前述のように、もともとは1971年6月に2枚目のアルバムを発表してソロ活動を始めたスティーヴン・スティルスのバンドが母体です。スティルスはフライング・ブリトゥ・ブラザーズを脱退した旧知のクリス・ヒルマンに声を掛けて参加を要請。ヒルマンはフライング・ブリトゥの同僚だったアル・パーキンスを引き連れてバンドに加わりました。ソング・ライティングの実力があり、ハーモニー・ワークもこなせるヒルマンの存在と貢献はスティルスにとって心強かったことでしょう。
スティーヴン・スティルスは多様な音楽性を示していたアーティストですが、マナサスを組んだことによりさらにその傾向は進化。従来からの持ち味であるラテン・フレーバーやブルース・フィーリングに加えて、クリス・ヒルマンとアル・パーキンスからブルー・グラスの要素がもたらされたことによるカントリー・ロック風の趣も備わります。演奏面ではスティルス独特のギター・プレイ、アル・パーキンスの豪快なスティール・ギター、脇を固めるクリス・ヒルマンのリズム・カッティング、ダラス・テイラー、カルヴィン・サミュエルズ、ジョー・ララのリズム・セクション、ポール・ハリスのキー・ボードが重量感のあるダイナミックなバンド・サウンドを醸し出していました。

ちなみに、マナサスというバンド名はヴァージニア州の地名から付けられたものです。かつて南北戦争の激戦地だったマナサス。1945年1月3日に南部テキサス州のダラスで生まれたスティーヴン・スティルスは幼少期に各地を転々とし、パナマやコスタリカに居住した経験もありました。ラテン感覚はこの頃に自然と身に付いたのでしょう。アメリカに戻ってからはニュー・オリンズに住み、その後フロリダの大学に進学したそうです。マナサスに思いを馳せる南部人スティルスの歴史観が垣間見えるようで興味深く思えました。

余談ですが、マナサスのツアーでパリを訪れたスティルスは歌手のヴェロニク・サンソンと出逢って恋に陥り、1973年に彼らは結婚します。しかし、ヴェロニク・サンソンのコンサートでスティルスがバックを担当し、彼女のサード・アルバム『Le maudit』 (1974年発表)でもスティルスが参加するなど仲の良いところを見せつけていましたが、2人の結婚生活は僅か3年で破局を迎えました。

この人がヴェロニク・サンソンです。宜しければご参考までに。


1994年に元夫婦と2人の間に出来た息子クリストファーが共演した映像です。離婚訴訟で10年に渡って両者は争ったのですが、すっかり和解しているようなので取りあえず一安心。曲は「Daylight again」(CS&Nが1982年に発表した『Daylight Again』に収録)。


姿が小さすぎてはっきりと確認できませんが、2008年にステージで親子3人が共演した時の映像とのことです。曲は「Love The One You're With」(1970年発表の『Stephen Stills』に収録)。


話が脱線して行きそうなので、ここからアルバムの中から何曲か紹介することにします。スワンプ・ロック風の雰囲気を持つオープニング・ナンバーの「Song of Love」はドイツのテレビで放送されていた音楽番組『BEAT CLUB』出演時の映像かと思われますが、途中で切れてしまうのが残念。1960年代から70年代にかけてのヴェトナム反戦運動を始めとする闘争を背景に、「だって君は知っているだろう/愛の歌は涸れ果て空しいことを」と脱力感や空虚感を表しながらも現状を冷静に見つめ、どのようにして前向きに進めば良いのかを提起し問いかけた歌です。


ヘヴィーなブルース・フィーリングに溢れた「Jet Set (Sigh)」はジェット機に乗って世界狭しと各地のリゾート地を飛び回るセレブやエリート層の若い女性を皮肉った内容が歌われていました。残念ながらこの音源も途中で切れてしまいます。


別れた恋人への未練が歌われるカントリー・ロック・ナンバー「Hide It So Deep」。


スティーヴン・スティルス名義でシングル・カットされ、全米61位を記録した「It Doesn't Matter」。スティルスお得意のラテン風のアレンジが施されています。


IT DOESN'T MATTER
落ちて行く くるくると回りながら
負けたり 勝ったり
正気を保ちながら
シグナルを探している
うんざりする座り込み
俺は欺かれていたのか
おまえは言ったよな
俺を忘れたくないって
もうどうでもいいことさ
二人のうちどちらが途方もない夢を失ったのかなんて

来る日も来る日も
察知しようと模索している
今日の気配を
もう少し早く走れよ
仕事を全うしようと
捕獲者のおでましだ
留まらないほうがいいぜ
まもなく囲まれてしまうだろう
もうどうでもいいことさ
二人のうちどちらが途方もない夢を持ち続けるかなんて

任務を覚え
誰かの助けを借り
たった今を生きる
何か浅薄で
醜くうつろだ
生活のために生きねばならない方法さえ
認めてくれない
与えられたものを与えるために
一瞬一瞬を
その日ごとに
もうどうでもいいことさ
もはや夢に過ぎないことだから

スティルスのアコースティック・ギターをフィーチャーした「Johnny's Garden」。都会の喧噪から逃れて静寂の庭で安らぎを求めたいというスティルスの願望が歌われているようです。


1974年に行われたCSN&Yのコンサートのライヴ映像です。


順調に事が運んでいたのにちょっとした油断で人生に躓く絶望感が歌われた「Bound to Fall」。


ロッキー・マウンテンからやって来た女に魅せられ、手に手を取って都会へと旅立つカントリー・ボーイの話が歌われている「Treasure [Take One]」。


アルバムの最後は「あんたは夢を共有しようとし、俺はあんたの心を感じた」とブルース・シンガーに呼びかける内容の味わい深いブルース・ナンバー「Blues Man」。1972年のライブ音源でお聴きください。


1973年にマナサスはセカンド・アルバム『Down The Road』を発表。順調な活動が続けられるように思えたもののスティルスはCSN&Yの再結成話に心を奪われ、次第にマナサスの運営がおろそかになって行きました。業を煮やしたクリス・ヒルマン、アル・パーキンス、ポール・ハリスらはマナサスを脱退してJ.D.サウザー、リッチー・フューレイ(元ポコ)らとサウザー・フューレイ・ヒルマン・バンドを立ち上げます。こうしてマナサスは僅か2枚のアルバムを残しただけで崩壊してしまいました。

スポンサーサイト

コメント

MainStreetsさん(?)、ど~も、お久しぶりです♪

仕事で疲れすぎて今回の記事、じっくりと読む事ができませんが、スティーヴン・スティルスは個人的にはあまり注目されていないものの、エレキ、アコギとも凄いテクニシャンなんですよね!
私の大好きなCSN&Yでも、スティーヴン・スティルスのあの“くせのある”ヴォーカルがあるから、よりいいサウンドになっていると思います。
ナッシュを除き、クロスビー・スティルス・ヤングは異常に“メタボ”のようですね。
Toshinosuke様、コメントありがとうございます。
おっしゃる通りスティーヴン・スティルスのヴォーカルはくせがあり、発音がよく聴き取れません。そのあたりが却って彼の個性や魅力になっているのでしょう。
CS&Yに限らず、欧米人のアーティストは年を重ねるにつれてメタボになる人が多いようです。スティルスは大病を患いましたが、太っていても健康であるならかまわないといったところでしょうか。
これは文句なしの素晴らしい盤ですね。大好きです。Bill Wymanも参加してますよね。
何にせよ、Stephen Stillsという人は、飛びぬけた才人の一人だと思います。
Substitute様、コメントありがとうございます。
このアルバムはスティーヴン・スティルスの音楽性を基盤として、メンバーの持ち味が生かされた傑作だと思います。紹介しきれなかったのですが、「The Love Gangster」はスティーヴン・スティルスとビル・ワイマンの共作ですね。ファンキーでラテン・フレイヴァーが漂う曲でした。
現在のアメリカ音楽界はヴェテラン・アーティストとにとって厳しい状況が続くかもしれません。体調が回復したスティルスには今後も活躍してほしいものです。

コメントの投稿

URL
コメント

パスワード
秘密
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL : http://shadowdream25.blog105.fc2.com/tb.php/171-75704e45
Manassasアーティスト: Stephen Stills, Manassas 出版社/メーカー: WEA 発売日: 1995/12/12 メディア: CDしりとりは続かなかったのですが、カントリー、フォーク、スワンプにど~っと寄った気分は続いています。ここでは、それに加えてラテンのフレーバー入り。最近のお
<< Neil Young - Southern man | TOP | kate & Anna McGarrigle - KATE & ANNA McGARRIGLE >>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。