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karla Bonoff - KARLA BONOFF

今回の記事は再び細面の女性シンガー・ソング・ライターの作品です。ご登場いただくのはカーラ・ボノフ。彼女が1977年に発表したファースト・アルバム、『Karla Bonoff』を取り上げます。

Karla BonoffKarla Bonoff
(2008/03/01)
Karla Bonoff

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1. Someone to Lay Down Beside Me
2. I Can't Hold On
3. Lose Again
4. Home
5. Faces in the Wind
6. Isn't It Always Love
7. If He's Ever Near
8. Flying High
9. Falling Star
10. Rose in My Garden

以前に240さんが素晴らしい記事を書いておられて重複するところも多々ありますが、私なりの見解を述べさせていただくことに致します。至らぬ記述が出て来ると思われますが、どうかご容赦ください。

カーラ・ボノフは1952年12月27日、カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれました。幼い頃からピアノを習い、ピート・シーガーが在籍したことで知られるザ・ウィーバーズのメンバーだったフランク・ハミルトンからギターの手ほどきを受けたといいます。
そうした音楽の英才教育のおかげか、彼女が16歳の頃には姉とデュオを組んでロサンゼルスの老舗クラブ、トルバドールに出演するようになりました。そこで知り合ったのが当時リンダ・ロンシュタットとストーン・ポニーズというバンドで活動していたケニー・エドワーズ。彼は1969年にストーン・ポニーズが解散するとカーラ・ボノフに白羽の矢をたて、アンドリュー・ゴールドとウェンディ・ウォルドマンを加えた4人でブリンドルというグループを結成します。
ブリンドルはA&Mレコードと契約し、1970年にシングル「Work Up This Morning / Let's go Home Again」をリリース。アルバムも制作されましたが、諸般の事情で陽の目を見ることなくグループは解散してしまいました。カーラは再びトルバドールで歌う傍ら、一足先にソロ・デヴューしたウェンディ・ウォルドマンのバック・ボーカルを担当するといった下積みの日々を送ります。


そんな彼女に転機が訪れたのは5年後。ベーシストとしてリンダ・ロンシュタットのバック・アップを引き受けていたケニー・エドワーズがブリンドルのメンバーをリンダに紹介したのです。リンダはカーラ・ボノフとウェンディ・ウォルドマンをバック・ボーカルとして起用。ソロ・アルバムを出してマルチ演奏家としての才能を見せつけたアンドリュー・ゴールドも加わり、ギターにピアノにバック・ヴォーカルにと重宝されました。さらにリンダはカーラのソング・ライターとしての素質を見抜き、彼女が作った「Lose Again」、「If He's Ever Near」、「Someone To Lay Me Down Beside Me」の3曲を取り上げています。こうして元ブリンドルの面々が集結した格好のリンダ・ロンシュタットのアルバムは1976年に『Hasten Down The Wind』のタイトルでリリースされました。

Hasten Down the WindHasten Down the Wind
(2009/03/24)
Linda Ronstadt

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リンダ・ロンシュタットのアルバム『Hasten Down The Wind』に収録されたカーラ・ボノフの楽曲は注目を浴び、同時にリンダの評価をもますます高めることになりました。女心の機微を描いたカーラの作品を歌うことにより、リンダは女性ならではの感情を巧みに表現できる力を発揮していたのです。
リンダへの貢献の見返りといっては語弊があるかもしれませんが、リンダやケニー・エドワーズらの後押しでカーラにも遂にソロ・デヴューの機会が巡ってきました。ケニー・エドワーズのプロデュースのもと、リンダ・ロンシュタット、グレン・フライ、J.D.サウザー、ワディ・ワクテル、ダン・ダグモア、リー・スクラー、ラス・カンケルといったリンダ人脈ともいえる錚々たるメンバー、ブリンドル時代の仲間であるアンドリュー・ゴールドやウェンディ・ウォルドマンがカーラの門出を祝うように駆けつけたのです。

それではアルバムの中から何曲か紹介します。オープニング・ナンバーは「Someone To Lay Down Beside Me」。物悲しい雰囲気の中で孤独な女性の心理が歌われます。一夜の情事やひと時の至福感を求める様に心が痛みました。


SOMEONE TO LAY DOWN BESIDE ME
通りで佇むひとりぼっちの誰か
行き交う人が声を掛けてくれるのを待っている
あなたはこの街で一人きり
傍らにいた人はどこへ行ったの
夜になれば寂しげな顔があなたをじっと見つめる
彼らは言うだろう ねえ、一緒に帰らないかと
あなたは目を輝かせ、その気になり、解放された気分を味わうけど
そんなことはありふれた情事
そんな愛は胸をときめかすほどのものじゃない
でもいまのあなたが必要としているのはそんなことなのね

私の隣で寝てくれる誰か
本気でなくてもいい
私の隣で寝てくれる誰か
そんな運命にある人

私の隣で寝てくれる誰か
本気でなくてもいい
私の隣で寝てくれる誰か
そんな運命にある人

朝が来て 街の灯りが消えると
太陽がこのつれない世間の苦痛を和らげてくれる
そんな愛は胸をときめかすほどのものじゃない
でもいまのあなたが求めているのはそんなことなのね

私の隣で寝てくれる誰か
本気でなくてもいい
私の隣で寝てくれる誰か
そんな運命にある人

リンダ・ロンシュタットのヴァージョンは1977年頃のライヴ映像でお楽しみください。


打って変わって軽快な「I Can't Hold On」。歌詞の中では「あなたの振る舞いに声を上げて叫びたくなる/遊び半分なんだから/あれこれ悩みながら/あなたが変わってくれるんじゃないかと期待している」との微妙な心の動きが描かれていました。


2009年9月27日のライヴ映像です。この人は幾つになってもキュートで清楚ですね。 


ピアノの弾き語りで「まだ思い焦がれている/どうかしているわね/愛していながらまたふられた私」と別れた恋人への未練と後悔が歌われる「Lose Again」。


2007年発表の『Karla Bonoff Live』から。


1976年11月16日のドイツ公演でのリンダ・ロンシュタット。


こちらもリンダのライヴ映像。


カントリー・ロック調の「Home」。人生で関わった人々の顔を思い浮かべながら望郷の念が語られていました。2005年3月の東京公演の映像でご覧ください。マンドリンを弾いているのはケニー・エドワーズです。


1995年にブリンドルは再結成しています。これは2002年11月に行われたのコンサートのライヴ音源とのこと。


チャーミングな声で「いつも絶望させるのは愛じゃないの?/いつも泣かされるのは愛じゃないの?/でもいつも涙を拭ってくれるのも愛じゃないかしら?」と歌われる「Isn't It Always Love」。ウェンディ・ウォルドマンがバック・ヴォーカルで参加。


アコースティック・ギターの響きをバックにして「愛を見分けるのは難しい/私の前にあるのなら/そうだと知りたい」としみじみに歌われる「If He's Ever Near」。ケニー・エドワーズ、グレン・フライ、J.D.サウザーのコーラス陣がかよわきカーラを支えているかのようです。


こちらも2005年3月の東京公演から。ベースはケニー・エドワーズが務めていました。


これも未練心を描いた「Falling Star」。寂しく鳴り響くハルモニウムはアンドリュー・ゴールドが弾いていました。


リンダ・ロンシュタットがバック・ヴォーカルで参加の「Rose in My Garden」。庭に植えられた薔薇に気を配って咲かす努力をすれば恋人の心も開かれるという願望が込められた歌でした。リンダとカーラの声質はよく似ています。


このファースト・アルバムでのカーラ・ボノフは決して歌がうまいわけでなく、ピアノ演奏にもどこかぎこちなさが窺えます。しかし、そんなカーラの繊細さが彼女が描く世界、微妙な女性の心理や感情を表しているようであり、持ち前の可憐ではかなげな魅力がよく示されているようにも受け取れました。
明るく活発なリンダ・ロンシュタットに対して物憂げで透明感のあるカーラ・ボノフ。声質は似ていても対照的な個性と雰囲気を持つ二人。でも、案外芯の強いのはカーラ・ボノフのほうなのかもしれません。
カーラ・ボノフにしろリンダ・ロンシュタットにしろスタジオ録音のオリジナル・アルバムが久しくリリースされていません。現代の音楽産業の状況や潮流の変化、景気の動向などが大きく関わっているのでしょう。音楽をめぐる環境も大きく変わりました。それ故にCDというパッケージであれ音楽配信であれ、どういう形になろうと近いうちに彼女たちの新作が聴けることを心待ちにしております。

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コメント

ブリンドルが昔からあったのは知らなかったです。Duoのライヴが懐かしかった。でも、やっぱり怖い顔してません?僕、怒られたから......でも、Kenny はやさしかったですよ。
mackk様、コメントありがとうございます。
カーラ・ボノフを知った頃に彼女がブリンドルというバンドを組んでいたという情報を雑誌か何かで目にしていましたが、実際の音を聴くことが出来たのはYouTubeのおかげです。
さて、カーラ・ボノフのライヴに行って怒られたのですか? 何か問題のある行動でも起こされたのでしょうか。
二人の共通語は
泣かせる
でも
泣かせ方がちょっと違いますよね
Karla Bonoffは聴いたその瞬間から
目頭が熱くなります
Linda Ronstadは聴き終わってから
目頭が熱くなります
熱くさせていただきました♪

素晴らしい
週末を
お過ごしください♪

God bless you...
Azumi様、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、物憂げな哀感でリスナーを引き込むカーラ・ボノフに対して、リンダ・ロンシュタットは情感豊かに迫るタイプだと思います。ただし、どちらも心の琴線に触れる歌い手であることには変わりありません。
寒い日が続きますが、Azumiさんも素晴らしい週末をお過ごしください。
このコメントは管理人のみ閲覧できます
Backstreets 様

カーラの残した4枚のソロ・アルバムの内、最高傑作はというとやはり「Restless Nights」になるのかもしれませんが、個人的に一番よく聴くのはこのアルバムです。
本人もこのアルバムの発表時に「私は(リンダのように)あまり強い声が出せないし、テクニックもまだまだなので…」と語っていますが、カーラの歌には、リンダとはまた違った、しっとりとした情感が感じられますよね。
おやぢ様、コメントありがとうございます。
完成度では『Restless Nights』のほうが高いと評価されがちですが、瑞々しさに溢れたこのファースト・アルバムのほうが今でも心を捕らえられることが多いようです。カーラの清楚な魅力が一番出ているアルバムなのかも知れません。
アルバムで一番好きなのがこの1stアルバムです。
彼女のピュアで素朴な歌声とバックのサウンドのテイストが一番マッチしているので・・・。
僕も芯が強いのはカーラ・ボノフだと思います。
来日公演では変わらぬ歌声を聴かせてくれているだけに配信でも良いから新作を聴きたいですね。
Purple_Haze様、コメントおよびトラックバックありがとうございます。
おっしゃる通り、このデヴュー作はカーラ・ボノフの持ち味を素直に表したアルバムだったと思います。思慮深さが窺えるところも彼女の魅力でしょう。
音楽をめぐる環境は厳しく、配信ビジネスも頭打ちとのこと。ヴェテラン・シンガーたちの今後の動向が気になるところです。
こんばんは。ボビーチャールズやケイト・マッガリグルが亡くなったのを貴ブログで知りました・・・
共にCDは(特にボビーは)愛聴盤だったので残念です。カーラやスティルス、好きなウエストコーストのアーティストです。これからもお邪魔させてください。
kuwa様、コメントありがとうございます。
最近は訃報が相次ぎました。自分が年を取るのと同じく、憧れだったアーティストも年齢を重ねます。仕方のないこととはいえ、とても残念な思いをしています。
こんなつたない記事でも読んでいただけたら幸いです。今後とも宜しくお願い申し上げます。

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実はこのアルバムについてはもっと早くエントリーするつもりだったんだけど、今年発売されたLIVEアルバム があまりに良かったのでついついそちらを先に紹介してしまっていました。 カーラ・ボノフのキャリアの実質的なスタートはケニー・エドワーズ、アンドリュー・
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