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Bobby Charles - Wish You Were Here Right Now

ボビー・チャールズさんが2010年1月14日に71歳の生涯を閉じられました。今回は彼が1994年に発表したサード・アルバム、『Wish You Were Here Right Now』を取り上げます。

君がここにいてくれたならWish You Were Here Right Now(君がここにいてくれたなら)
(1994/11/25)
ボビー・チャールズ

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Wish You Were Here Right NowWish You Were Here Right Now
(1995/04/25)
Bobby Charles

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1. Not Ready Yet
2. Jealous Kind
3. See You Later, Alligator
4. I Want to Be the One
5. Promises, Promises (The Truth Will Set You Free)
6. Walking to New Orleans
7. Mardi Gras Song
8. I Remember When
9. Ambushin' Bastard
10. Peanut
11. I Don't See Me
12. Wish You Were Here Right Now

ボビー・チャールズの作品といえばファースト・アルバムである『Bobby Charles』が有名ですが、こちらはpurple_hazeさんwhiteさんsugarmountainさんらが素晴らしい記事を書かれており、私如きが語るのはおこがましく敢えてこの『Wish You Were Here Right Now』についての私見を述べさせていただくことにします。また、purple_hazeさんkaorakさんkingさんの追悼記事も合わせてご覧くださると幸いです。

ボビー・チャールズ+4(K2HD/紙ジャケット仕様)ボビー・チャールズ+4(K2HD/紙ジャケット仕様)
(2007/03/07)
ボビー・チャールズ

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ボビー・チャールズは1938年2月21日にルイジアナ州アベヴィルに生まれました。10代の頃よりR&Bに親しみ、フアッツ・ドミノやジョー・ターナーを聴いていたといいます。
やがて、仲間とザ・カーディナルズを結成。当時流行ったR&Bのナンバーを演奏する傍ら、ボビーは自分で曲を書き始めるようになりました。
地道な活動が認められたのか、1955年、ボビー・チャールズはチェス・レコードのオーディションを受けてレナード・チェスに見初められ同社と契約。レーベル初の白人アーティストとしてデヴューする運びとなります。チェスには1957年まで在籍。その後も幾つかのレコード会社を渡り歩きながらシングルを発表し続けるもののヒットには恵まれませんでした。
シンガーしては成功をつかめない日々を送りましたが、ソング・ライターとしての才能は高く、1955年にリリースした「See You Later Alligator」は翌1956年にビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツに取り上げられてヒットしました。


ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツのヴァージョンはライヴ映像でご覧ください。


1970年代から80年代にかけて人気があったイギリスのロック・バンド、ドクター・フィールグッドも1986年にカヴァーしていました。


その後は仕事が減少してドラッグに手を出すようになり、さらに父親が亡くなってどん底の毎日に陥ります。そんな失意の中、故郷を離れ街から街へ彷徨う旅に出たボビー・チャールズ。ナッシュヴィルを経てニューヨークを北上、たまたま辿り着いたニューヨーク州郊外のウッドストックでザ・バンドのメンバーとの運命的な出会いがありました。彼らはアメリカのルーツ的な音楽要素を昇華し再構築しようとの意図を持っていたのです。伝統に根ざしたロック・ミュージックを作り出そうとする試み。当時のウッドストックのミュージシャンにはそんな気運が高まっていました。
言わば伝説の人であるボビー・チャールズは温かく迎えられ、ウッドストックのミュージシャンたちと親交を深めて行きます。ナッシュヴィル時代の旧友であるベン・キースの仲介でボビー・チャールズはボブ・ディランのマネージャーとして有名なアルバート・グロスマンとも知り合い、彼が立ち上げたベアズヴィル・レーベルからファースト・アルバムのリリースのオファーさ受けました。
レコーディングにはロビー・ロバートソンを除くザ・バンドのメンバーが参加。ベン・キース、エイモス・ギャレットら後にハングリー・チャックを結成する面々にドクター・ジョン、デヴィッド・サンボーンらも駆けつけ、アルバムはウッドストックの腕利きたちが集結した様相を呈します。プロデュースはボビー・チャールズ自身とジョン・サイモン、そしてザ・バンドからリック・ダンコの3人。完璧なまでの豪華な布陣によって穏やかなボビーの歌唱が支えられ、ゆったりとした味わい深い世界が繰り広げられていました。しかし、セールス的には成功を収められずに終わります。

放浪生活を長く送ったのが災いしたのか、ツアーに出るのが苦手だったボビー・チャールズ。そのことが売れなかった一因になったようです。それでもヒット曲「See you Later Alligator」の印税のおかげで路頭に迷うことなくマイペースで活動を続け、1987年にセカンド・アルバム『Clear Water』を発表。そして、1995年にリリースされたのがこの『Wish You Were Here Right Now』です。

それではアルバムの中から何曲か紹介します。サニー・ランドレスが弾くギター・ソロが味わい深い「The Jealous Kind」。


THE JEALOUS KIND
ベイビー、怒らないでくれ
おまえに熱を上げていたっていう
昔の知り合いに出会う度に
俺は荒っぽくなるかもしれないけれど
ただ怖いだけなんだ
誰かがおまえを横取りしてしまうんじゃないかと
そしたら俺は気が変になっちまうよ
許してくれよ 俺が時々言うぼやきを

俺は嫉妬深いタチなんだろうなぁ
おまえと初めて会ったときは気にもしてなかったので
問題はなかった
でも今は変わっちまって
以前の俺じゃない
おまえを独り占めしたい気持ちに気づいているんだ
他の誰かとおまえを分かち合いたくない
だから時々抑えることが出来なくなるんだ
俺は嫉妬深いタチなんだろうなぁ

その言葉がどんなに俺を傷つけるのか
おまえに分かっていれば
二人が出会う前の楽しい日々が懐かしいとおまえは言う
どうして俺をそんなに傷つけるんだ
もう我慢出来ない 俺だって本当に努力してるんだ
ベイビー おまえがやきもちを嫌いなことは知っている
だから俺はそのことを必死に出すまいとしていたんだ
でも俺は嫉妬深いタチたちなのさ

ファースト・リリースは1962年のClarence "Frogman" Henry とのことです。


リタ・クーリッジが1978年発表の『Love Me Again』で取り上げています。リタは当時夫だったクリス・クリストファーソンとのデュエット・アルバム『Full Moon』(1973年発表)でもボビー・チャールズの「Tennessee Blues」(前述の『Bobby Charles』に収録)をカヴァーしていました。


フランキー・ミラーのカヴァー・ヴァージョンは2004年リリースのアルバム『Standing on the Edge』に収録。


ファースト・リリースは1962年のClarence "Frogman" Henry とのこと。他にもジョー・コッカーが『Stingray』(1976年発表)で、エタ・ジェイムズが『Seven Year Itch』 (1988発表)でそれぞれ取り上げていました。

歌詞に「ホワイト・ハウスの通じる道は嘘で固められている」、「悪魔が救われてしまったら伝道師はどうするつもりだろうか」と社会批判や政治的なメッセージが込められた「Promises, Promises (The Truth Will Set You Free)」。アメリカ社会に存在する様々な不正が歌われていました。


1960年に敬愛するフアッツ・ドミノに提供した「Walking To New Orleans」のセルフ・カヴァーヴァージョン。ドミノ自身もレコーディングに参加していました。


ファッツ・ドミノのヴァージョン。全米6位のヒットを記録しました。


ニール・ヤング、ウィリー・ネルソン参加の「I Don't See Me」。


人間性が滲み出ているかのような朴訥な歌声。辛辣なメッセージが込められていてもどこかのんびりとして癒されます。他にも「See You Later Alligator」の再録、ニール・ヤングや旧友ベン・キースが参加した「I Want Be The One」など捨て曲なしの構成。暫し手を休め、時が経つのを忘れて耳を傾けていたい1枚でした。

Thank You, Mr. Bobby Charles

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コメント

大好きなライターだったのに、残念な出来事でしたね。
ち~旦様、コメントありがとうございます。
本当にショッキングな出来事でした。一部報道によると腎臓癌を患っていたとのこと。ご冥福を祈るばかりです。
ち~旦さんは「ち~旦のレコ堀り日記2」というブログをを書かれている方ですね。時折拝読しております。
つたないブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
亡くなられてたとは、全然知りませんでした。

まったくライブをやらない人で、
THE BANDのラストワルツへの出演が
初ライブだと聞きました。
そんなボビーがレボンヘルムと共に
来日し、ステージに上がってくれたのを
いまだに覚えています。
こんにちは。
レゲエ風に”世界中の水をきれいにしよう~”と歌われる2nd"CLEAN WATER"しかり、中味もジャケもタイトル通りほのぼのとした3rd。今日の天気みたいな日にはもってこいのアルバムですね。
ご冥福祈ります。
BRUCE06様、コメントありがとうございます。
リヴォン・ヘルムのRCOオールスターズの来日公演を観られたとは羨ましい。当時の『ニュー・ミュージック・マガジン』に掲載された天辰保文先生によるコンサート・レヴューにはボビー・チャールズへのアンコールの拍手が鳴り止まなかったと記されていました。
今はただ、冥福を祈るばかりです。
スナジイー様、コメントありがとうございます。
暖かい日に暫し時間を忘れて聴くにはもってこいのアルバムですね。ボビー・チャールズはこの幸福感を永遠に残してくれました。
今はただ、ご冥福を祈ります。
コメントが遅くなりましたが未だ彼の死が夢の中の事のような気がしています。
この「Wish You Were Here Right Now」は未聴でした。
最初のThe Jealous Kindからいきなりやられてしまいました。
カトリーナの時、避難を拒んだファッツ・ドミノを説得したのがボビー・チャールズだったそうですね。
そのファッツ・ドミノより先に逝ってしまうなんて。
Purple_Haze様、こちらにもコメントありがとうございます。
今でもライヴが苦手なボビー・チャールズがひょっこり来日して、日本のファンのために歌ってくれるような気がしてなりません。
頑ななファッツ・ドミノを説得出来たのも彼の人柄や人を思う温かい気持ちが通じたのでしょう。
こんばんは。
ボビー・チャールズ亡くなってたんですね。
ベアズヴィルからリリースされてたアルバムはよく聴いてました。
先日、バンド仲間で名前が出てきて久しぶりに聴いたとこなんです。
また聴いてみようと思います。

ご冥福をお祈りします。
DEB DYLAN様、コメントありがとうございます。
自分が年を取るのと同じように、憧れだったアーティストも年齢を重ねます。ボビー・チャールズ、ケイト・マッガリグル、そして作家のJ.D.サリンジャー。自分より遥かに年上の人もいるので先に旅立たれるのは仕方がないことでしょう。世の常です。今はただ、冥福を祈りながら作品を手に取って読み返したり、聴き直すことしか出来ません。

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