好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Margo Guryan - Take A Picture

前回のママ・キャスの『The Road Is No Place For A Lady』の記事の中で、彼女がマーゴ・ガーヤン作の「I Think A Lot About You」を歌っていたことについて触れました。そこで今回はそのマーゴ・ガーヤンが1968年に発表したアルバム『Take A Picture』を取り上げます。

テイク・ア・ピクチャー(紙ジャケット仕様)テイク・ア・ピクチャー(紙ジャケット仕様)
(2008/04/23)
マーゴ・ガーヤン

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1. Sunday Morning
2. Sun
3. Love Songs
4. Thoughts
5. Don't Go Away
6. Take a Picture
7. What Can I Give You?
8. Think of Rain
9. Can You Tell
10. Someone I Know
11. Love
[Bonus Track]
12. Timothy Gone
13. Come To Me Slowly
14. Love (Edit)

マーゴ・ガーヤンはニューヨーク郊外のロシア移民の家系を受け継ぐ家庭に生まれました。生年月日は不明ですが、キャリアから察すると1930年代後半の生まれかと思われます。
幼少の頃からクラシックのピアノを習い始めましたが、興味を持っていたのはポップスで、ボストン大学入学の頃にはジャズに傾倒していました。大学在学中の1957年、アトランティック・レコードと契約を交わしてレコーディングするもののデヴューは見送られます。しかし、彼女が作った「Moon Ride」がクリス・コナーに取り上げられてソング・ライターとして出発することになりました。

マーゴ・ガーヤン作の「Moon Ride」が収録されたクリス・コナーのアルバムです。
アイ・ミス・ユー・ソー(+4)(紙ジャケット仕様)アイ・ミス・ユー・ソー(+4)(紙ジャケット仕様)
(2007/02/21)
クリス・コナー

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マーゴ・ガーヤンという女性は向学心おう盛なのか、大学卒業後の1959年の夏にはマサチューセッツの「Lenox School of Jazz」という講習に参加し、ジョン・ルイス、ミルト・ジャクソンらのMJQのメンバー、ビル・エヴァンス、マックス・ローチらの豪華講師陣の手ほどきを受けます。また、その講習ではヴィブラフォン奏者のゲイリー・マクファーランドやサックス奏者のオーネット・コールマンらとの出逢いもありました。人並みならぬ才能が目に留まったのでしょうか、講習終了後にマーゴ・ガーヤンはMJQ出版とソング・ライターとしての契約を結んでいます。

マーゴ・ガーヤンの作家活動は順調に進み、ゲイリー・マクファーランドが編曲を担当したアニタ・オディのアルバム『All The Sad Young Men』(1961年発表)にガーヤン作の「I Want To Sing A Song」が収録され、オーネット・コールマンとの共作「Lonely Woman」やジョン・ルイスとの共作「Milano」がクリス・コナーによって歌われました。1964年にガーヤンはトロンボーン奏者のボブ・ブルックマイヤーと結婚し、ニューヨークのジャズ・シーンの中で彼女のキャリアは磨かれて行きます。

All the Sad Young MenAll the Sad Young Men
(1998/10/20)
Anita O'Day

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クリス・コナーが1962年に発表した「Lonely Woman」、「Milano」収録のアルバムです。
フリー・スピリッツ(+4)(紙ジャケット仕様)フリー・スピリッツ(+4)(紙ジャケット仕様)
(2007/02/21)
クリス・コナー

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公私共々ジャズの世界に没頭していたマーゴ・ガーヤンですが、前述した通り思春期の頃はポップスに興味を持っていました。ある時、友人でジャズ・ピアニストのデイヴ・フリッシュバーグからビーチ・ボーイズの「God Only Knows」を聴かされて衝撃を受けます。彼女はこの曲が収録された『Pet Sounds』(1966年発表)を手に入れて何度も聴くうちにインスパイアされたのか、「Think Of Rain」という曲を書き上げました。同曲は1967年にジャッキー・デ・シャノンが取り上げています。

ビーチ・ボーイズの「God Only Knows」です。


Pet SoundsPet Sounds
(2001/04/13)
The Beach Boys

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ジャッキー・デシャノンによる「Think of Rain」は1967年リリースの『For You』に収録。


クロディーヌ・ロンジェのヴァージョンは『The Look Of Love』(1967年発表)に収録。


アストラット・ジルベルトは1969年発表の『September 17, 1969』の中で取り上げていました。


1968年、マーゴ・ガーヤン作の「Sunday Morning」がスパンキー&アワ・ギャングによって全米30位のヒットを記録していたことも手伝って、彼女の出版担当者であるデイヴィッド・ロズナーからシンガーとしてのアルバムを出してはどうかとの働きかけがありました。大学在学中に一度は歌手デヴューの話があってレコーディングしたものの結局お蔵入りした経験を持つガーヤンにとっては願ったり叶ったリだったことでしょう。こうしてリリースされたのが今回紹介する『Take A Picture』です。プロデュースは1曲を除き、ジョン・ヒルが担当していました。
しかし、念願のアルバムは注目されることもなく静かに市場から姿を消す結果となります。その後、マーゴ・ガーヤンはデイヴィッド・ロズナーと結婚し、1970年にニューヨークからカリフォルニアへと転居しました。ガーヤンは音楽ビジネスの第一線から身を引き、現在はピアノ教師をしているそうです。

ジャケットや数少ないポートレートから察するとアイドル的なポップス・シンガーを連想されるかもしれませんが、アルバムの内容はクラシックやジャズを学んできた人だけあって背後にそうした音楽の要素が嗅ぎ取れます。また、クロディーヌ・ロンジェを彷彿させるウィスパリング・ヴォイスも彼女の魅力の一端でしょう。

それではアルバムの中から何曲か紹介して行きます。
オープニング・ナンバーは「Sunday Morning」。


SUNDAY MORNING
日曜日の朝
あなたの瞳に太陽の輝き
眠そうな顔が
私に微笑みかける

日曜日の朝
急いですることは何もなく
あなたとともにゆったりと過ごす
日曜日の朝

通りはとても静か
行き交う人々の足音だけが聞こえる
私が入れたコーヒーを
二人で楽しむ
皆と同じように過ごす
日曜日の朝

日曜日の朝 日曜日の朝 日曜 日曜
私は日曜が好き

私を抱きしめて
あなたを愛している
かけがえのない幸せな気分
日曜日の朝
かけがえのない幸せな気分

スパンキー&アワ・ギャングの「Sunday Morning」です。

他にもジュリー・ロンドンが1969年に発表したアルバム『Yummy, Yummy, Yummy』で取り上げていたのを始め、多くのアーティストがこの曲をカヴァーしていました。

1968年にリリースされたグレン・キャンベル&ボビー・ジェントリーのヴァージョンです。


陽を浴びた爽やかな気分が表されているような「Sun」。当時流行ったちょっとサイケデリックなインド音楽風のアレンジが窺えます。


追憶の愛の歌といった「Love Songs」。


別テイクです。


ジョン・サイモンがプロデュースした「Don't Go Away」。テンポの変化が興味深い曲です。カーメン・マクレエが1968年に発表した『Sound Of Silence』の中で取り上げていました。


二人の思い出を写真に込めてと歌う美しいバラード曲、「Take a Picture」。


少々ヴォードヴィル調のアレンジが施された「What Can I Give You?」。


J.S.バッハのカンタータ第147番「Herz und Mund und Tat und Leben(心と口と行いとなりわい)」に含まれるコラール「Jesus Joy Of Man's Desiring(主よ、人の望みの喜びよ)」がバックに流れる「Someone I Know」。この曲はマーゴ・ガーヤン本人とジョン・ヒルがアレンジを担当していました。ガーヤンが幼少の頃にクラシックを学んだことの賜物と言えるのかもしれません。


1960年代後半を象徴するかのようなサイケデリックな雰囲気に仕上げられた「Love」。


恋人が去って行ったことを後悔する「Timothy Gone」。


ジュリー・ロンドンが前述の『Yummy, Yummy, Yummy』(1969年発表)で取り上げていた「Come To Me Slowly」。


ママ・キャスが歌った「I Think A Lot About You」の本人によるデモ・トラックの他、別テイクや未発表曲などが収録されています。
テイク・ア・ピクチャー・プラス・モア・ソングステイク・ア・ピクチャー・プラス・モア・ソングス
(2009/11/18)
マーゴ・ガーヤン

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コメント

なんとも不思議な声の持ち主
所謂
Smoky Voiceですが
「心」がゆったりします♪

God bless you...
Azumi様、コメントありがとうございます。
ジャズ、ボサノヴァ、バロック、ポップスなどが絡み合ったようなお洒落なサウンドにハスキーなウィスパリング・ヴォイス。一度聴いたらすっかり虜になってしまう魔力のようなものがマーゴ・ガーヤンにはありますね。
Backstreets 様

これは文句なしの名盤ですね。
内容はもちろん、ジャケも秀逸のひとことです。
「テイク・ア・ピクチャー・プラス・モア・ソングス」スゴイですね。
46頁ブックレット、ポスター、最新録音曲「16 WORDS」とその映像、う~ん、欲しいなぁ。
ただ、自分もそうですがマーゴ・ファンの多くは既に「25 Demos」か「Thoughts」を持ってるハズなんで収録曲の大部分がダブっちゃうことになるんですよね~。
そうなると3675円はちょっと出しづらいなぁ。
おやぢ様、コメントありがとうございます。
発売当時はまったく話題にもならなかったようですが、才能があり努力を重ねてきた人の紡ぎ出す音楽はいつしか人の心を捕らえるものです。
そうですね。3,675円は確かに出しづらいですね。ボーナス・トラック欲しさに何枚も同じようなアルバムを買ってしまうと散財するだけなんですが、なかなか止められません。
大好きですね。クローディーヌ・ロンジェより好きかも知れません。

スパンキー&アワ・ギャングで先に知ったんですけどね。

隠れた洒落人です。
ベンジャミン様、コメントありがとうございます。
マーゴ・ガーヤンは作詞・作曲に加えアレンジまで出来るのが強みですね。天は二物も三物も与えたといったところでしょうか。また、多少の時間がかかっても、才能のある人は必ず再評価されるようです。

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