好きな音楽のことについて語りたいと思います。

cass Elliot - THE ROAD IS NO PLACE FOR A LADY

女性シンガーの記事が続くようですが、今回はキャス・エリオットが1972年10月に発表した『THE ROAD IS NO PLACE FOR A LADY』を取り上げます。

ザ・ロード・イズ・ノー・プレイス・フォー・ア・レディ(紙ジャケット仕様)ザ・ロード・イズ・ノー・プレイス・フォー・ア・レディ(紙ジャケット仕様)
(2009/10/21)
キャス・エリオット

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1. If You're Gonna Break Another Heart
2. Saturday Suit
3. Does Anybody Love You
4. Walk Beside Me
5. All My Life
6. Say Hello
7. Who In The World
8. When Love Was Not A Word
9. Oh Babe, What Would You Say
10. The Road Is No Place For A Lady
[Bonus Tracks]
11. East Of The sun (And West Of The Moon)
12. Theme From L'amour
13. I Think A Lot About You
14. Listen To The World

前作『Cass Elliot』(1972年2月発表)同様、ルイス・メレンタインをプロデューサーに迎え、ロンドンで録音した『THE ROAD IS NO PLACE FOR A LADY』。RCA移籍第2弾、通算では4作目のオリジナル・アルバムとなります。前作で窺えた円熟味や気品に加えて、クリス・スペディングを始めとするイギリスのミュージシャンを起用してバンド・サウンドを意識した作りを心掛けていることが注目されました。決して派手なアルバムではありませんが、いつまでも心に残る1枚です。

それではアルバムから何曲か紹介します。
オープニング・ナンバーはシングル・カットされた『If You're Gonna Break Another Heart』。アルバート・ハモンドとマイケル・ヘイゼルウッドの共作で、ハモンドの『IT NEVER RAINS IN SOUTHERN CALIFORNIA』(1972年発表)に収録されていた曲です。勝手気ままな恋人への決別の気持ちが表されていました。


続いて「Saturday Suit」。もともとはジミー・ウェッブが人類学者デスモンド・モリスの原作を映画化した『The Naked Ape(裸の猿)』(1973年公開)のために書いた曲です。アート・ガーファンクルも『Water Mark』(1978年発表)の中でカヴァーしていました。


次は「ひとりぼっちのときは私を思い出して」と爽やかに歌う「Does Anybody Love You」。レニー(ルネィ)・アーマンドがゲイリー・パケット&ザ・ユニオン・ギャップのメンバーだったケリー・チェイターと共作した曲です。オリジナル・ヴァージョンはレネー・アーモンドの『The Rain Book』(1973年発表)に収録。


クリス・スペディングが弾くワウワウ・ギターが効果的な「Walk Beside Me」。作者のビリー・デイとマイク・レスリーはイギリス人のソング・ライターです。


心地よいピアノの音色で始まる「All My Life」。キャス・エリオットの実妹リア・カンケルがダイアナ・ヒルデブランドと共作した曲です。キャス・エリオットは『BUBBLE GAM, LEMONADE & SOMETHING FOR MAMA』(1969年発表)でもダイアナ・ヒルデブランドが書いた「Easy Come, Easy Go」を取り上げていました。


これもピアノの音色が印象的な「Say Hello」。ポール・ウィリアムズがキャス・エリオットのために書いた楽曲です。ママ・キャスは抑え気味にあっさりとした雰囲気で歌っていますが、ポール・ウィリアムズの紡ぎ出すメロディ・ラインが心に響きました。控えめなストリングスとギターも好印象。


SAY HELLO
時間をかけて
お互いのことを知ろう
そうすれば私たちの間にある問題を
解決できるだろう
二人の間に違いがあるかもしれない
でもやってみなければ分からない
あなたは私から学び
私はあなたから学ぶ

愛と理解
あなたの目を大きく開けて
空は澄みわたり 見えるでしょう
二人の世界を離れたままにしてはいけない
ハローと呼びかける
簡単なことから始めましょう
そうすればあなたは答えを
見つけられたかもしれない

優しい微笑みとともに
手を広げて

私があれこれ思うのは
やるべきことはたくさんあるってこと
愛に満ちた人生のために
美徳が恐怖や心の痛みに溢れた疑念を断ち切る
二人ならきっとやれるわ
あなたもそう思うでしょう

ほんの少しの常識と
思いやりの心を持って
手を差し伸べ 相手を見つめ
ハローと呼びかけよう
そうすればあなたは答えを
見つけられたかもしれない

1970年にリリースした「Don't You Know - She Said Hello」のヒットで知られるバタースコッチの3人(マルコム・アーノルド、デヴィッド・マーティン、ジェフ・モロウ)による作品「Who In The World」。こちらも物悲しいピアノの音色で始まり、シリアスに歌い込んでいます。


拙ブログではお馴染みのアル・ゴーゴニ、トレイド・マーティン、チップ・テイラーの共作「When Love Was Not A Word」。オリジナル・ヴァージョンは彼らのセカンド・アルバム『Gotta Get Back To Cisco』(1971年発表)の収録されています。


ちょっとダミ声を利かせたノスタルジックな「Oh Babe, What Would You Say」。ビートルズの『Rubber Soul』(1965年発表)のエンジニアだったノーマン・スミスが、ハリケーン・スミス名義で1972年にリリースして全英4位を記録した曲がオリジナル。この選曲によって、ともすれば単調になりがちなアルバム全体の雰囲気に変化がつけられているように思えます。ホーン・セクションもユーモラスな音を奏でていました。


ハリケーン・スミスのヴァージョンはライヴ映像でご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=wJdkCs5RdQg

タイトル曲「The Road Is No Place For A Lady」。リア・カンケルの作品です。ピアノとストリングスに支えられるかのようにしっとりと情感を込めて歌い上げていました。


1973年5月にリリースされたキャス・エリオットのラスト・シングル「I Think A Lot About You」がボーナス・トラックとして収録されていました。女性シンガー・ソング・ライターのマーゴ・ガーヤンの作品です。


キャス・エリオットは1973年9月にライヴ・アルバム『Don't Call Me Mama Anymore』を発表した後、翌1974年7月29日に心臓発作に教われて他界しました。スタジオ録音のアルバムはこれが実質ラストと言えるでしょう。

なお、拙ブログとリンクしていただいているおやぢさんのブログ、「音楽系おやぢの買い物日記」でもキャス・エリオットへの愛情溢れた記事が書かれておりました。そちらもどうぞご覧下さい。

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コメント

素晴らしい人を選びますね
流石です
もともと
我々の下で
唄ってほしかった一人です♪

God bless you...
Azumi様、コメントありがとうございます。
キャス・エリオットは自分の思い通りに歌えるようになったとたんに神に召されました。本人が一番残念だったことでしょう。神様も時には地上の人間に残酷な試練を与えられるようです。
キャスの声って本当に無垢ですよね。
本人には失礼ですが、少年のような声だなーってよく思います。
僕の好み的には、ソロ転向初期の弾ける感じの曲が好きですが、この辺りのも“本領発揮”って感じですよね。
ベンジャミン様、コメントありがとうございます。
汚れのない少年のような声もママ・キャスの魅力のひとつなのでしょう。天使の歌声とも称されていました。
バリー・マン=シンシア・ワイル作の楽曲などを歌った2ndの雰囲気も好印象ですが、やはりママ・キャス本人が本当に歌いたかった「大人の歌」の世界が胸を打ちます。
Backstreets 様

こちらにも失礼します。
文中リンクありがとうございました。
CD化が待たれていたこのアルバムが復刻されたのはホントうれしい限りです。
最高傑作の座はサード・アルバムに譲るかも知れませんが、飽きの来ない名盤として多くの人に聴いてもらいたい1枚ですね。
しかし、ママ・キャスのセーラー服姿、強力ですねぇ(笑)。
おやぢ様、こちらにもコメントありがとうございます。
おっしゃる通り、このアルバムはバンド・サウンドを意識したポップな音作りがなされていて聴き飽きることがありませんね。サード・アルバムに何ら劣ることがないと思います。
YouTubeの画像を観ているとセーラー服を始め様々なコスチュームのママ・キャスに出逢えます。彼女は天真爛漫な性格だったようなので、断ることなく楽しみながら身につけていたんでしょうかねぇ。
ママ・キャスの歌を聴きながら
コメントを書きたいのですが、
コメント欄に入ると曲が消えてしまうのが残念です。
それにしても、いい曲がたくさんアップされていますね。
ミキタカ08様、コメントありがとうございます。
先にコメント欄を出した後で曲をクリックすると聴きながらコメントを書き込めると思うのですが、それでも消えてしまいますか?。
幾つか削除されたものもありますが、今でもママ・キャスの映像がYouTubeに多く残されていてありがたいものです。
ママ・キャスのCD、発売されましたが、私はカレン・ペスに行ってしまいました(^^;)2枚出たアルバム。。興味はあるんですけど、この記事を読んで買ってみようかなぁ。。
kuwa様、こちらにもコメントありがとうございます。
ジョン・サイモン人脈が勢揃いしたカレン・ベスのアルバムも良いですね。ジョニ・ミッチェルを連想させる雰囲気があるものの、彼女よりも聴きやすい感じでした。
ママ・キャスにしろ、カレン・ベスにしろ今回のシリーズを監修された長門芳郎さんの奮闘には頭が下がる思いです。

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