好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Donnie Fritts - PRONE TO LEAN

前回の記事でリタ・クーリッジを取り上げたので、今回は少なからず彼女と縁のあるアーティストにお出でいただきます。
登場していただくのはドニー・フリッツ。もともとはクリス・クリストファースン・バンドのキー・ボード・プレーヤーで、クリストファースン主演の映画『Pat Garrett and Billy The Kid(ビリー・ザ・キッド21歳の生涯)』(1973年公開)にもリタ・クーリジとともに出演していました。
その彼がソロ・アーティストとして1974年に発表したのが、今回のお題である『PRONE TO LEAN』。その年の夏には当時夫婦だったクリス・クリストファースン&リタ・クーリッジとともに来日し、ステージで「We Had It All」を歌うソロ・パフォーマンスも披露しました。

プローン・トゥ・リーンプローン・トゥ・リーン
(1998/04/25)
ドニー・フリッツ

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1. THREE HUNDRED POUNDS OF HONGRY
2. WINNER TAKE ALL
3. WHEN WE'RE ON THE ROAD
4. WHATCHA GONNA DO
5. YOU'RE GONNA LOVE YOURSELF(IN THE MORNING)
6. I'VE GOT TO FEEL IT
7. SUMPIN' FUNKY GOING ON
8. JESSE CAULEY SINGS THE BLUES
9. MY FRIEND
10. PRONE TO LEAN
11. WE HAD IT ALL
12. RAINBOW ROAD

ファンキーでタイトなR&Bテイストに加えてほのかなカントリー風味が醸し出されたサウンドをバックに、アメリカ南部に生まれ育った自身の人生経験、見聞きしてきた様々な出来事、黒人と白人の文化と生活などがユーモアを交えながら描かれた作品です。人生の機微や普遍性も感じ取れました。決してうまいとは言えないけれど、人間味溢れた枯れたような歌声も心に残ります。

主な参加ミュージシャンはピート・カー(ギター)、ジェリー・マッギー(ギター)、エディー・ヒントン(ギター、ハーモニカ、バック・ヴォーカル)、バリー・バケット(ピアノ)、マイク・アトレー(キー・ボード)、ロジャー・ホーキンス(ドラムス)、とニー・ジよー・ホワイト(ギター、バック・ヴォーカル)、スプーナー・オールダム(ヴァイブ、バック・ヴォーカル)、リタ・クーリッジ、クリス・クリストファースン、ビリー・スワン、ダン・ペン、ジョン・プライン(バック・ヴォーカル)といった豪華な顔ぶれが集結しています。

ドニー・フリッツは1942年、アラバマのフローレンスに生まれました。音楽活動は14歳の時に組んだバンドのドラマーから始まります。やがて地元のレコーディング・スタジオに出入りするようになり、スプーナー・オールダムやダン・ペンと知り合いました。また、この頃のドニーはアーサー・アレキサンダー(ビートルズがカヴァーした「Anna」やローリング・ストーンズが取り上げた「You Better Move On」で知られるR&Bシンガー)とも出会い、曲作りをするうえで多大な影響を受けています。

作曲をするようになったドニーはドラムスからキー・ボードに転向。ナッシュヴィルに移住してソング・ライターとして活動するようになります。あるときは単独で、またあるときはダン・ペン、スプーナー・オールダム、トニー・ジョー・ホワイトらと共作で数々の作品を手掛けました。1968年にダン・ペンとの共作でザ・ボックス・トップスに提供した「Choo Choo Train」は全米26位にまで上昇しています。
1960年代の終わり頃、ナッシュヴィルでソング・ライターとして順調に活躍するドニー・フリッツに転機が訪れました。クリス・クリストファースンと出会い、彼のバック・バンドに参加することになるのです。二人は1992年にバンドが解散するまで行動を共にしました。

それではアルバムから何曲か紹介します。まず、バンド・ツアーの体験をもとに書かれたと思われる「When We're On The Road」。


続いてアルバム・タイトル曲、「Prone To Lean」。親分だったクリス・クリストファースンの作品で、ニュー・オリンズ風のファンキーなR&Bナンバーです。歌の内容は生まれついてのろくでなしの男のことが歌われていました。


トロイ・シールズとの共作、「We Had It All」。最高の恋人に去られた傷心の思いを哀愁感たっぷりに歌うドニーのヴォーカルが心に滲みます。


WE HAD IT ALL
風の声が聞こえる
俺の心の中で吹く風
昔に聞いたのと同じよう
ジョージアの松を抜けて吹いた風
おまえはそこにいて
呼べば答えてくれた
おまえと俺
それが全てだった

憶えているよ
どんなふうに俺がおまえの髪を撫でていたか
あの感触に手を伸ばす間ずっと
いつもそこにあったのに
おまえは俺の人生で最高の宝だった
思い出すよ
おまえと俺 それが全てだったんだと

わかっているさ
あの頃のことが再び甦るなんてないってな
俺はただ夢の中で
俺たちがいた場所に戻りたいだけなのさ
そしてそこでおまえと一緒にいたい
出来るだけ長く
素晴らしかった
本当に素晴らしかった
ああ 素晴らしかった
俺がおまえの男だった頃は

おまえの笑顔を信じることを
止めるなんて出来ないだろう
たとえおまえが一緒にいなくても
あの頃は価値があるものだったんだ
おまえは俺の人生で最高の宝だった
思い出すよ
おまえと俺 それが全てだったんだと
おまえと俺 それが全てだったのさ 
おまえと俺 それが全てだった俺たち



この曲は多数のアーティストにカヴァーされていました。アイク&ティナ・ターナー『Tina Turns The Country On』(1974)、リタ・クーリッジ『FALL INTO SPRING』(1974)、ボブ・ニューワース『Bob Neuwirth』(1974)、B.J.トーマス『B.J.THOMAS』(1977)、ウェイロン・ジェニングス&ウィリー・ネルソン『Take It to the Limit』(1983)、ドリー・パートン『The Great Pretender』(1984)など枚挙に暇がありません。私は未聴ですが、レイ・チャールズも取り上げているそうです。

ドリー・パートンのヴァージョン。女性の歌う「We Had It All」はまた異なった趣が窺えます。


ローリング・ストーンズは1979年に「We Had It All」をレコーディングするものの、1980年に発表された『EMOTIONAL RESCUE』に未収録。ブートレグで聴くことが出来ますが、いまだに正式なリリースがありません。


ボブ・ディランもトム・ペティ&ザ・ハート・ブレーカーズを伴った1986年に行ったツアーのステージで取り上げていました。ブログへの貼り付けが出来ないので下記のURLをクリックしてお楽しみ下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=KAXouZHufdE


ウィリー・ネルソンとキース・リチャーズの共演。


ダン・ペンとの共作、「Rainbow Road」。貧しい家に生まれた男が弾き語りの歌手になり「虹の道」を歩み始めたとたん暴漢に脅され、身を守るためにその暴漢を殺めてしまい監獄の中で「虹の道」を歌いながら年老いて行くといった設定の歌です。ドニーがしみじみと歌う声が何とも物悲しく、胸を打たれました。エディ・ヒントンが吹く控えめなハーモニカの音色が哀愁を誘います。


クリス・クリストファースン・バンドの解散後、ドニー・フリッツはソング・ライターの仕事に専念する傍ら、尊敬するアーサー・アレキサンダーのアルバム『Lonely Just Like Me 』(1993年リリース)の制作をバック・アップ。しかし、直後にアレキサンダーが急逝し、1995年には旧友でソング・ライティングのパートナーでもあったエディ・ヒントンも帰らぬ人となりました。失意の中、ドニーは1997年に2作目のアルバム『Everybody's Got A Song』を発表するなどマイペースで活動を続けます。が、それも束の間、2001年にドニーは肝臓病を患い移植手術を受けて一命を取り留めたものの休養を余儀なくされました。
2008年、ドニー・フリッツは完全回復を遂げ、3作目のアルバム『One Foot In The Groove』を発表。再び暖かい人柄が伝わって来るような歌声を届けてくれました。

最近は元カウボーイのスコット・ボイヤー、アメイジング・リズム・エイセスのケルヴィン・ホリーらが中心となって結成されたThe Decoysとともにライヴを行うことが多いようです。クリス・クリストファースン・バンドのメンバーとして来日して以来、35年ぶりとなった先日の日本公演も彼らと一緒にステージに上がっていたとのことでした。


1998年に発売されたワーナー盤はプレミアが付いており、マイナー・レーベルから再発されたこちらの盤のほうがお求めやすい価格になっているようです。
プローン・トゥ・リーンプローン・トゥ・リーン
(2005/09/07)
ドニー・フリッツ

商品詳細を見る

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コメント

こんにちは。それにしてもCDでこんなプレミア値段って・・・。
オリジナル盤でもないのにー(もってて良かった)
セカンドでもいい味だしてましたが〔ウィ・ハッド・イット・オール〕これに止めをさすでしょう。
スナジイー様、コメントありがとうございます。
マイナー・レーベルから再発しているのにとんでもない価格が付いているものですね。
様々なアーティストが「We Had It All」をカヴァーし、それぞれが持ち味を出していますが、やはりドニー・フリッツの歌声がいちばん和みます。
サード・アルバムの国内盤は通常盤とボーナス・トラック入りの盤と二種類出ているようです。拙ブログのリンク欄にあるborninさんのブログ「いままで聞いてきたもの」の中の記事に書かれてありました。
&The The Decoysの来日、チケット買う寸前に仕事とバッティングしていた事に気が付いて泣く泣く断念しました。
行かれた方の話を聴くとあのマッスル・ショールズサウンドを目の前で見せられて失神寸前だったみたいです。
このアルバムCDがとんでもない価格なので購入を断念していましたが音源を聴けるようにして下さって感謝です。
更にはマイナー・レーベルのリリース情報、全く知らなかったので超感謝ですm(__)m
Purple_Haze様、コメントありがとうございます。
幾つかのブログで行かれた方の感想を拝読させてもらったのですが、皆さん「素晴らしかった」と感激された様子が記されていました。CDを買いすぎたために懐が痛みだして断念しましたが、少々後悔の念を禁じ得ません。
たまたまYouTubeに「We Had It All」を始め4曲もアップされていたのでDivShareを使いませんでしたが、他の曲も優劣付け難い出来です。
Backstreets 様

こんばんは。
ドニーのこのアルバムは同じ名盤探検隊で出た、ボブ・ニューワースやロッド・テイラーと一緒に買った記憶がありますが、3枚の中では一番好きなアルバムです。
マイナー・レーベルからの再発盤は知りませんでしたが、こういった地味ながら良心的な作品はいつでも入手できるようにしておいてもらいたいですね。
しかし、ワーナー盤に12,785円なんてプレ値がついているのには驚かされました(笑)。
名盤探検隊はプレ値がついているアルバムが多いですね。
おやぢ様、コメントありがとうございます。
ボブ・ニューワースやロッド・テイラーもそれぞれの持ち味がありますが、ドニー・フリッツが一番和みます。
名盤探検隊で出ていたアルバムはマイナー・レーベルからかなり再発されているものの、廃盤状態のままのCDも幾つかありますね。ワーナーに限らずCBSやEMIやユニバーサル系列等も同様で、大手レコード会社さんにはいつでも入手できるようにしていただきたいものです。

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