好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Rita Coolidge

今回は女性ヴォーカルの方にご登場を願います。
取り上げるのはリタ・クーリッジが1971年に発表したファースト・アルバム『RITA COOLIDGE』。日本ではポップス・シンガーとして知られる彼女ですが、もともとはスワンプ色の濃いロックを歌っていました。

リタ・クーリッジリタ・クーリッジ
(1995/11/01)
リタ・クーリッジ

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1. The Man is My Weakness
2. Second Story Window
3. Crazy Love
4. The Happy Song
5. Seven Bridges Road
6. Born Under a Bad Sign
7. Ain't That Peculiar
8. (I Always Called Them) Mountains
9. Mud Island
10. I Believe in You

リタ・クーリッジは1945年5月1日にテネシー州ラファイエットで、先住民族チェロキー・インディアンの血を受け継ぐ家庭に生まれました。父親が牧師、教師である母親は教会のオルガン奏者という家庭環境によるものなのか、彼女自身も幼き頃から教会で賛美歌を歌っていたそうです。
15歳の時に一家はフロリダに移住。リタは姉のプリシラらとバンドを組んで歌うようになります。リタがフロリダ州立大学を卒業すると一家はメンフィスに引っ越し、姉妹はラジオCMなどを制作する会社と契約して本格的な音楽活動を始めました。1969年にはマイナー・レーベルよりシングル「Turn Around and You」を発表。この曲を作ったドナ・ワイズはその後もリタのアルバムに多数の楽曲を提供していました。また、ブッカー・T・ジョーンズ(ブッカー・T&MG's)との出会いもこの頃で、彼は後にプリシラと結婚してデュエット・アルバムをリリースするなど公私にわたって姉妹に多大な影響を与えて行くことになります。
姉妹のシングル曲はさほど話題になりませんでしたが、レコーディングのためにメンフィスを訪れていたデラニー&ボニーがリタの歌声に着目。ロサンゼルスに戻った後に制作を始めようとしていた『Original Delaney & Bonnie』(1969年発表)のバック・ヴォーカルとしてリタを迎え、デラニー&ボニー&フレンズの一員に加えて全米およびヨーロッパ・ツアーに同行させました。
これらのツアーに帯同している間にリタはフレンズのメンバーとしてデラニー&ボニーをサポートしていたレオン・ラッセル、エリック・クラプトン、デイヴ・メイソンらと親交を深めます。それが縁で、1970年にはレオン・ラッセルとともにジョー・コッカーのマッド・ドッグス&イングリッシュメンの全米ツアーに参加。ソロ・パートの機会も与えられます。その時に歌ったレオン・ラッセルとデラニー&ボニーの共作曲「Superstar」(後にカーペンターズのヴァージョンが大ヒット)が注目を浴び、彼女にソロ・デヴューの話が持ち上がりました。
デラニー&ボニーのコーデュネーターであるデヴィッド・アンダーレの尽力のもと、リタとA&Mとの契約が成立。1971年にリリースされたのがファースト・アルバム『RITA COOLIDGE』です。

それではアルバムの中から何曲か紹介します。
拙ブログで度々名前が出て来るセクションのキー・ボード奏者として有名なクレイグ・ダーギとドナ・ワイズの共作曲、「That Man Is My Weakness」。ゴスペル・フィーリングが強く表されたバラード・ナンバーです。レオン・ラッセルがピアノとオルガン、スプーナー・オールダムがエレクトリック・ピアノ、マーク・ベノとクラレンス・ホワイトがギター、クリス・エスリッジがベース、ジム・ケルトナーがドラムスと豪華なメンバーがバックを受け持っていました。


スティーヴン・スティルスが弾くギターが印象的なマーク・ベノ作の「Second Story Wind」(1970年リリースの『Marc Benno』に収録)。ブッカー・T・ジョーンズもベースで参加。ソウルフルでエモーショナルなリタの歌声に心がかき乱されますが、こうして淡々と落ち着いて歌う彼女も魅力的です。
当時スティルスとリタは恋仲だったらしく、スティルスはファースト・アルバム『Stephen Stills』(1970年発表)の中で「Cherokee」といういかにも分かりやすいタイトルの曲をリタに捧げていました。


ヴァン・モリソンのアルバム『Moon Dance』(1970年発表)に収録されていた「Crazy Love」のカヴァー。ギターはスティルスとボビー・ウォマック。キー・ボードはブッカー・Tが担当。姉プリシラ、ドナ・ワイズ、グラハム・ナッシュらがバック・ヴォーカルで参加していました。感情を内に秘めたようなリタのヴォーカルが却って胸を打ちます。


CRAZY LOVE
千マイルも離れていても彼の心の鼓動が聞こえて来る
彼が微笑むといつでも楽園の門が開く
私がいる場所は彼の傍
河の歌のように
彼のもとへと駆けつける私

あなたは私に愛をくれる
それはクレイジー・ラヴ
あの人は私を愛してくるの
それは熱烈な愛

私が落ち込んだ時は気の利いたユーモアで慰めてくれる
日が沈んだら私はあの人のもとに行く
私の悩みを取り除いてくれる
私の悲しみを取り除いてくれる
私の心の痛みを取り除いてくれる
私は安心して眠りにつける

だけど昼間もあの人が必要なの
もちろん夜もね 本当よ
あの人に私のこの腕を巻き付けて
キスして抱きしめたい
強くキスして抱きしめるの

遠くから私が戻って来ると
あの人はとても優しく愛してくれて
私の一日を明るくしてくれるの
そうすると私は正直になる
そうすると私は純粋になる
そうすると私は穏やかになる
心の奥深くで


アルバート・キングでお馴染みのブルース・ナンバー、「Born Under A Bad Sign」は2007年のライヴ映像でお楽しみ下さい。ブルージーに歌うリタ。円熟味が際立っています。この曲はブッカー・Tとウィリアム・ベルの共作で、MG'sの『Soul Limbo』(1968年リリース)、ブッカー・Tとプリシラのデュエット・アルバム『Home Grown』(1972年)、ウィリアム・ベル『Bound To Happen』(1969年)といった作者によるヴァージョンの他、クリーム『Wheels Of Fire』(1968年)、ジミ・ヘンドリックス『Blues』(1994年)など多数のアーティストがカヴァーしていました。
ブログへの貼付けが出来ないので、下記のURLをクリックしてご覧いただければ幸いです。

http://www.youtube.com/watch?v=ZizNDv1sVUI

マーク・ベノ作の「(I Always Called Them)Mountains」。ストリングスが効果的に施され、愛を噛み締めるかのようなリタの歌唱に花を添えているかのようです。


ドナ・ワイズとメアリー・ユノフスキーの共作、「Mud Island」。ライ・クーダーのうなるようなスライド・ギターがフィーチャーされ、スワンプ・サウンドに仕上げらています。
なお、リタに多くの楽曲を提供したドナ・ワイスはジャッキー・デシャノンと共作した「Bette Davis Eyes」が1981年にキム・カーンズによって歌われ大ヒットし、一躍有名となりました。自らもソング・ライターである傍らバック・ヴォーカルとしても活躍し、ライ・クーダーの『Into The Purple Valley』(1972年発表)、ボブ・ディランの『Pat Garrett & Billy the Kid』(1973年発表)などに参加しています。


この他オーティス・レディングとスティーヴ・クロッパー共作の「The Happy Song」(オーティスのオリジナルは1968年発表の『The Immortal Otis Redding』に収録)、イーグルスのヴァージョン(1980年発表の『Eagles Live』に収録)で有名なスティーヴ・ヤング作の「Seven Bridges Road」(1969年発表の『Rock Salt And Water』に収録)、スモーキー・ロビンソンらがマーヴィン・ゲイのために書いた「Ain't That Peculiar」(1966年発表の『Mood Of Modern Marvin Gaye』に収録)、ニール・ヤング作の「I Believe In You」(1970年発表の『After The Gold Rush』に収録)などが収められており、選曲の良さが心に沁みるようなアルバムでしたがセールス的には芳しい結果を残せませんでした。リタが成功を収めるのは全米6位まで上昇した6作目の『Anytime, Anywhere』からですが、このファースト・アルバム『RITA COOLIDGE』は彼女の原点としての瑞々しい魅力とアーシーな味わいが堪能できる傑作だと思います。

2nd『Nice Feelin'』とのお得な2in1です。
Rita Coolidge / Nice Feelin'Rita Coolidge / Nice Feelin'
(2009/02/02)
Rita Coolidge

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SHM-CDがリリースされたばかりのようですが、Amazonでは早くも品切れ状態?。発売元であるユニバーサルのサイトでは在庫ありとの表示が出ていたので、CDショップで取り寄せれば入手可能かもしれません。
リタ・クーリッジ(紙ジャケット仕様)リタ・クーリッジ(紙ジャケット仕様)
(2009/09/23)
リタ・クーリッジ

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コメント

本当に久しぶりで聴かせて頂きました。土埃のニオイがしそうなアコースティック・サウンドと彼女の歌声。マーチンのギターに憧れていた頃のことを思い出します。といってもそんなに歳いってるわけではありませんが・・・。

楽しく読ませてもらいました。感謝です。
トクベー&キーボー様、コメントありがとうございます。
ヒット曲「ハイヤー・アンド・ハイヤー」や「あなたしか見えない」などを歌うリタ・クーリッジには大人の魅力が溢れていますが、初期のアーシーな雰囲気のほうが心によく馴染みます。
ギターのことはよく分かりませんが、マーティンを好まれているということはフィンガー・ピッキングがお得意なんでしょうね。
Backstreets 様

こんばんは。
このアルバム、彼女のアルバムの中ではスワンプ色が強い作品ですが、他のスワンプ系のアーティストに比べると、どこか爽やかな印象が残るのが特色ですね。
2ndともども大好きな作品です。
クーリッジのアルバムの中では間違いなくこの1stが一番好きです。
ブログを始めたばかりの頃の拙い記事ですがTBさせて頂きました。
中でもCrazy Loveのカヴァーはジェシ・エド・デイヴィスのヴァージョンともども大好きで学生時代のバンドでもコピーした思い入れの強い1曲です。
70年代前半の彼女の作品が今回SHMDでCD化されたのも喜ばしい事ですね。
おやぢ様、コメントありがとうございます。
ソウルフルでエモーショナルなリタ・クーリッジのヴォーカルですが、決して嫌みな感じはしません。
彼女の歌唱がアーシーな雰囲気の中にも爽やかな印象を受けるのは甘く優しい声質で表情を変えながら優美に歌いこなせることかなと思われます。
Purple_Haze様、コメントありがとうございます。
未完成ながらも瑞々しい魅力に溢れたリタ・クーリッジの1st。シンプルな演奏を配して時に荒々しく、時に感情を抑え、時に優美に歌い込まれます。マーク・ベノの作品を始めとして選曲の良さも窺われました。リタがマーク・ベノやドナ・ワイズの楽曲を進んで歌うことはリンダ・ロンシュタットが積極的にエリック・カズやカーラ・ボノフの楽曲を取り上げることと共通するものがあるように思えます。
SHM-CDで再発されたのは喜ばしいのですが、またすぐに市場から姿を消すのではないかと心配でたまりません。
ディキシーフライヤーズがバックを務めた”ナイスフィ-リン”も素晴らしいけどリタと云えばこれでしょうね。個人的には後年AORに方にいってしまったのが非常に残念です。
このアルバム、今でもレコードで聴いてます。
リタ・クーリッジとの出会いは、東京歌謡祭79の「あなたしか見えない」。
その時にはこんなスワンプ時代があったなんて夢にも思いませんでした。
あれから時代を遡って聴いたわけです。
後でサム・ペキンパー監督の映画「ビリー・ザ・キッド・21歳の生涯」のインディアン役で出ていたのを見たときも驚きました。
今もデニムのジャケットが色褪せない素敵なアルバムだと思います。
スナジイー様、コメントありがとうございます。
AOR風のポップスを歌うリタ・クーリッジも大人の魅力が溢れていて素敵ですが、やはり『IT'S ONLY LOVE』あたりまでのスワンプの色合いが残ったシンプルな頃のリタが魅力的ですね。近年はジャズ・スタンダードにまで活動の幅を広げ、それはそれで円熟した味わいが窺えます。
kofn様、コメントありがとうございます。
スワンプ・ロックの女王といった感じで捉えられていたリタ・クーリッジですが、「ハイヤー・アンド・ハイヤー」や「YOU」がヒットし、1979年の東京音楽祭では「あなたしか見えない」を歌ってグランプリを受賞するなど大人の歌手として成熟して行く姿を目の当たりにしてまだ若かった私は複雑なものを覚えたものです。
サム・ペキンパー監督の『ビリー・ザ・キッド・21歳の生涯』やステージでクリス・クリストファースンと仲の良いところを見せていたのに離婚したときは残念に思いました。
1stのワイルドな雰囲気のジャケット。リタの視線の先は何を見つめているのか気になるところです。
こんばんは。
これは、欲しいとずっと思っていながら、未だ入手していない盤です。今回の記事を拝見して、Wish Listの上位に上げます。ありがとうございます。
Substitute様、コメントありがとうございます。
このようなつたない記事がお役に立てたのなら幸いです。
SHM-CDでA&M時代のリタのアルバムが多数再発されました。スワンプ・ロックを歌っていた頃のみならず、AOR風ポップスでも彼女の魅力が溢れています。
>マーティンを好まれているということはフィンガー・ピッキングがお得意なんでしょうね。

ピンポーン、正解です。でも私自身はマーチンが特にフィンガー・ピッキングに向いているとかという話は聞いたことが無いので、何とも言えませんが。というのもマーチンのネックは太くて私のような小さな手だと左手のフィンガリングがかなり難しくなってしまうのです。といっても外人さんのバカでかい手には関係ないのかもしれませんけどね。
ギターの話しついでに、一つ面白い逸話を紹介させていただきましょう。マーチンには一つのポリシーがあって、それは何かというと、宣伝のためだからといって絶対にギターをプロのミュージシャンに贈呈することはしないのです。そんなことをしなくても彼らはマーチンのギターを購入し、それを弾いている姿が雑誌の表紙を飾るのでそんな必要はないからです。一方ギブソンの戦略はその逆で惜しげもなくギターをミュージシャン達に贈呈しどんどん使ってもらう。ただ、ギブソンのずるいところは、こうした贈呈用のギターを外部の腕のいい職人に制作を依頼、つまり、ゴーストビルダーに作らすわけです。当然社内で大量生産された品物より音がいいわけですから、宣伝効果は抜群というわけです。という話を行きつけのギターショップのおじさんが、まことしやかに話してくれました。
事実がどうかは知りませんが、ありえない話ではないと思いませんか、なにしろ、ミュージシャンは無償でギターが与えられ、メーカーはその宣伝効果により売上を伸ばし、製作家は報酬と自分の手によるギターを著名なアーチストに使われているという、公表はできないが、ある種の満足感を得ることも出来るのですから、誰にとっても美味しい話しですよね。まあゴシップの域を出ませんが。
トクベー&キーボー様、再びコメントありがとうございます。
中学生の頃に音楽関係の雑誌でアルペジオやスリー・フィンガーなら繊細な音のマーティン、コード・ストロークならワイルドに響くギブソンが適しているとの趣旨の記述を目にした憶えがあります。
私は楽器のことはよく分からないのですが、有名アスリートがメーカーからグッズを提供してもらえるという話を聞き、名のあるミュージシャンも楽器メーカーからの贈呈があるものだと思っていました。マーティンはそういう行為をしなかったのですか。話が事実なら、よほど自信があったのですね。
かなり以前の話ですが、「マーティンはロゴが変わってから質が落ちた。でも値段は高いままだ」と知人がこぼしていたことがありました。結局その人はギルドか何かを買われたようです。
コンサートは別として、間近でマーティンを弾く人を目の当たりにすることがないので、未だに実際の音色を比べる機会がないままです。
リタは洋楽聴き始めの頃の「YOU」を覚えていて、近年、図書館でA&Mゴールドシリーズというベスト盤のようなものを見つけて1枚持っているきりです。彼女の声は心地よい。自分はベストテン番組中心で、スワンプロックというジャンルも初めて知った次第。あまり詳しくなくて恐縮です。管理人さんは背景やら歴史に詳しいですね。勉強になって、今後自分の聴きたい曲選びに参考になります。ブックマークさせていただきました。
すずき様、コメントありがとうございました。
スワンプ・ロックの歌姫だとか女王だとかと形容されたリタ・クーリッジですが、彼女の魅力はAORであれスタンダードであれジャンルに捕われることなく、その美声で奔放に歌いつづけているところだと思います。
つたないブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
今年25歳になる娘が生まれる年の東京都下の米軍横田基地でライブがありRitaのステージを目の前でみたのを思い出しましたライブが終わって少しの間お話する事が出来たんですが当時LAのヴィバリーヒルズにお住まいで住所も頂いたのが良い思い出になっていますとても暖かい人柄だったのを覚えています。素晴らしいUP有り難うございました
kenny様、コメントありがとうございます。
貴重な体験をされましたね。リタ・クーリッジも今は日本人の大学教授と再婚されたとか。四半世紀も経つとすっかり世の中の状況が変わってしまうものです。
つたないブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。

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