好きな音楽のことについて語りたいと思います。

Gram Parsons - Sleepless Nights

グラム・パーソンズは1968年にデヴィッド・クロスビーの後任としてバーズに加入しました。彼はインター・ナショナル・サブマリン・バンドでバーズに先んじてカントリーとロックを融合させた音楽を作り上げており、その才能に目をつけたクリス・ヒルマンがヘッド・ハンティングしたようです。
グラムの加入により、バーズは『Sweetheart Of The Rodeo』というカントリー・ロックの名盤を世に送り出すのですが、当初リーダーのロジャー・マッギンはカントリーとロックの融合という作業には決して積極的ではなく、グラムを雇い入れたのもヴォーカルとギターに加え、キー・ボードもこなすというふれこみからだっとされています。グラムを紹介したクリス・ヒルマンはもともとマンドリン奏者でブルー・グラス出身。バーズをカントリー・ロックの方向に持って行こうとしたのはこの人の策略だったのかもしれません。実際クリス・ヒルマンがなかなかの策士ぶりを発揮したエピソードが幾つかあり、今後も折に触れて述べて行きたいと思います。
いわば鳴り物入りでバーズに加入したグラム・パーソンズですが、バーズの南アフリカ公演に反対しバンドを離脱。保守的といわれるカントリー・ミュージックを愛していたとはいえ、彼がいかに人種問題に対して敏感な姿勢を示していたかがよく分かります。ほどなく、グラムの後を追うようにクリス・ヒルマンもバーズを脱退。2人は合流してフライング・ブリトウ・ブラザーズの結成へと動きます。
リック・ロバーツのところでも述べましたが、順調な活動を始めた矢先にグラムはフライング・ブリトウを脱退してしまいます。バンドの運営に支障を来すほどアルコールにのめり込んだのが原因で引導を渡されたとされています。
いわば解雇されたような形でグループを去り失意に満ちたグラムですが、起死回生とばかりソロ・シンガーに転向し、1973年にソロ・アルバム『GP』を発表しました。しかし、今度はドラッグが災いしてその年の9月19日に帰らぬ人となりました。なお、2ndアルバム『Grievous Angel』は彼の死の翌年である1974年に発表されています。
今回取り上げた「Sleepless Nights」は彼の死後、1976年に発表されたアルバム『Sleepless Nights』に収録されていました。フライング・ブリトウ時代やソロ・アルバムのアウト・テイクを収めたもので、全てカヴァー曲ばかりで構成されています。この「Sleepless Nights」の他にもローリング・ストーンズの「Honky Tonk Women」、そしてお馴染みの「想い出のグリーン・グラス」など興味深い楽曲が並んでいます。

眠れない夜の間ずっと君を思って泣いていた
誰が君にキスをしているんだろう
ああ、こんな眠れない夜が続き
俺の心をまっぷたつに引き裂くよ

昼間はくじけないでいられるが
心の中では溢れ出そうな涙を押し隠している
ああ、こんな眠れない夜が続き
俺の心を再び引き裂く

どうして行ってしまったんだ
どうして行ってしまったんだ
俺が君を必要としているのを
わかってるんだろう
ねぇ、わかってるんだろう

ああ、こんな眠れない夜が続き
俺の心をまっぷたつに引き裂くよ

それでは、グラム・パーソンズの『Sleepless Nights』から上記の3曲を聴いていただければ幸いです。






スリープレス・ナイツスリープレス・ナイツ
(1998/11/06)
グラム・パーソンズ

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ザ・コンプリート・リプリーズ・セッションズザ・コンプリート・リプリーズ・セッションズ
(2006/08/23)
グラム・パーソンズマキシン・サトリ

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この人も歌っています。2ndアルバム『Feels Like Home』の日本盤のボーナス・トラックとして収録されていました。
Norah Jones - Sleepless Nights


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コメント

グラム・パーソンズは好きなアーティストで、『GP』と『Grievous Angel』はパソコンに取り込みiPodでたまに楽しみます。昔、two in oneでCDリリースされていましたね。

「SLEEPLESS NIGHTS」はEVERLY BROTHERSの60年作品アルバム『IT'S EVERLY TIME』に収録されていますね。この盤、日頃愛聴していますが、エヴァリーズお馴染みのB.&F. BRYANT作のこの切ない名曲、大好きな曲です。
このグラム・パーソンズのヴァージョンもいい味わい、コーラスはエミルー・ハリスのようですね。
bob様、コメントありがとうございます。
エヴァリー・ブラザーズはグラム・パーソンズのお気に入りのアーティストのようで、『Grievous Angel』で「Love Hurts」を取り上げておりますし、『Sleepless Nights』でもタイトル曲の他に「Brand New Heartache」が収録されていました。
エミルー・ハリスにとってグラム・パーソンズはデュエットの相手に選んでくれたいわば恩人のような存在。彼女もソロ・アルバムで「Sleepless Nights」を収めていましたね。
最初にNorah Jonesに反応してしまいました(笑)
私が持ってるのは輸入盤なので初めてここで聴きましたが素敵です。。
グラム・パーソンズも1stと2ndは持っているのですが「Sleeples Nights」は未聴でした。
Deezerの3曲ともとても良いです。気持ちよく眠れそうです(笑)
kofn様、コメントありがとうございます。
私はノラ・ジヨーンズの『Feels Like Home』の国内盤をCDショップで買おうとした時、悪名高きCCCD仕様だったので商品を戻しました。輸入盤には「Sleepless Nights」が入っていないので、買いあぐねて今日に至っております。
Backstreetさんのblogにお邪魔するのは初めてです。

このアルバムは僕が最初に聴いたグラムのアルバムです。
コレ聴いてお気に入りのミュージシャンになりました。

中でもこの曲は好きです。
切ない歌詞とグラムの声がマッチしてる気がします。

何度この曲をBGMにヤケ酒を飲んだコトか(爆)

僕もこのアルバムや曲、
記事したいと密かに狙ってました(苦笑)
DEB DYLAN様、コメントありがとうございます。
グラム・パーソンズの歌声は癒されますね。時に不安定になることもあるけれど、そこが何とも味わい深い気がします。彼の生き方、生き様が歌に表されているのでしょう。それ故に、聴く者の心を打ちます。
稚拙なブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
こんばんは。ちょくちょくと拝見させていただいてましたが、コチラのブログにコメントさせていただくのは初めてですね。コチラでもよろしくお願いします。

グラム・パーソンズのこのアルバム、アウトテイクながら味わい深いんですよね。僕もこのアルバムのホンキートンク・ウィメンなんかが好きで良く聞いていました。
実はちょっとグラムパーソンズの歌声は緩くて眠たくなってしまうときがあるのですが、それほど心地いいアルバムと言うことで納得しています(笑)

よろしければこのブログを僕のブログにブックマークさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?ぜひお願いします。
king様、コメントありがとうございます。
グラム・パーソンズの『Sleepless Nights』はアウトテイク集というよりも、正式なソロ・アルバムと捉えても良いとのではないかと思います。編集盤にありがちな散漫な印象が感じられないほどの出来映えです。
緩くて眠たくなる歌声にはグラムの優しさが滲み出ているのかもしれませんね。
こんな稚拙なブログで宜しければぜひブックマークに加えてやってください。誠にありがたいことです。

先の2枚のアルバムもいいのですが、
これコンピレーションなのに
繰り返し聴きたくなるのですよ。
Sken様、コメントありがとうございます。
やはりグラム・パーソンズの歌声と選曲の妙によるものでしょうか。
バック・オウエンズの「Together Again」、ニコレット・ラーソンも1stでカヴァーしている「The Angels Rejoiced Last Night」なども良い出来映えでした。
なるほど、グラムの脱退劇にはそんな理由があったのですね!
僕はこの曲はノラ・ジョーンズのあのけだるい雰囲気にマッチしていてほろ苦い感じがして好きです。

クリス・ヒルマンの策士振り、是非知りたいですねぇ!
路字山吟様、こちらにもコメントありがとうございます。
グラム・パーソンズがフライング・ブリトゥ・ブラザーズの顔のような印象が強いのですが、実質のリーダーはクリス・ヒルマンであり、彼がメンバーの人選やバンドの運営をしきっていたようです。もちろんグラムに引導を渡したのもヒルマンでした。
バーズ時代にデヴィッド・クロスビーを解雇する場面ではヒルマンとロジャー・マッギンの二人で臨んだものの、積極的に肩を叩く役目をしたのはヒルマンのほうだったと言われています。
ヒルマンは目立たないところで重要な役割を担っていた人だと今さらながら実感しています。

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