好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Le Blanc & Carr - Midnight Light

今回は洗練されたメロウな感覚とアーシーなR&Bテイストが同居するアルバム、ルブラン&カーが1977年にリリースした『Midnight Light』を取り上げます。

ルブラン&カーはマッスル・ショールズで活動していたピート・カーとレニー・ルブランが組んだデュオです。ピート・カーは1950年、フロリダ州デイトナ・ビーチの生まれ。デュエイン・オールマン、グレッグ・オールマンらと若き頃から親交があり、ライバル関係でもありました。やがてオールマン兄弟がアワーグラスを結成してロサンゼルスに向かい、ピート・カーは地元に残りました。その後ピート・カーがアワーグラスのメンバーを訪ねてロサンゼルスに行った際、ベーシストに欠員が生じていたことから旧知の彼に白羽の矢がたったのです。本来ピート・カーはギタリストであり、ベーシストではなかったもののメンバー入りを承諾し解散まで行動を共にしました。

レニー・ルブランは1951年、マサチューセッツ州レオミンスターの生まれ。1968年にアワーグラスが解散してピート・カーが郷里のフロリダに戻ってきた時、デイトナ・ビーチでバンド活動を行っていたベーシストのレニー・ルブランと知り合いました。二人は意気投合しピート・カーがレニー・ルブランのバンドに加入するも鳴かず飛ばず。レニー・ルブランはセッションの仕事を求めてシンシナティに移ります。

一方ピート・カーは1971年、マッスル・ショールズに拠点を移しました。この地で彼はギタリスト兼プロデューサーとして才能を開花させます。ギタリストして参加したアルバムはポール・サイモン『There Goes Rhymin' Simon』(1973)、『Still Crazy After All These Years』(1975)、アート・ガーファンクル『Breakaway』(1975)、ロッド・スチュワート『Atlantic Crossing』(1975)など枚挙に暇がありません。私の愛聴盤であるリヴィングストン・テイラー『Livingston Taylor』(1970)、ドニー・フリッツ『Prone To Lean』(1974)、マイク・フィニガン『Mike Finnigan』(1976)といった作品にも彼の名が確認できます。また、プロデューサーとしてはマッスル・ショールズのスタジオ・ミュージシャンが集ったバンド、セイルキャットを担当。彼らが1972年に放った「Motorcycle Mama」が全米12位のヒットを記録しました。このバンドには後にオールマン・ブラザーズに加入するチャック・リーヴェルも参加しています。

画像が悪いのであまりお薦めできませんが、セイル・キャットの映像がYouTubeにありました。宜しければ雰囲気だけでも味わってください。


翌73年、レニー・ルブランもマッスル・ショールズに移って来てスタジオ・ミュージシャンとして活動を始めます。間もなく2人は再会。しかし、すぐにデュオを組んだわけではなく、各々がソロ・アルバムの制作を始めました。1975年にピート・カーが『Not A Word On It』、翌76年にレニー・ルブランが『Lenny LeBlanc』をリリース。さらに、77年には『Hound Dog Man』とタイトルを変えてを再発させています。

レニー・ルブランの『Lenny LeBlanc』から「Sharing The Night Together」。


二人はお互いのアルバムに参加しあいながらも別個に活動していたのですが、セールス的には芳しい成績を上げることが出来ませんでした。ある時、再び組んだほうが良い結果を残せるのではないかと悟ったのか、1976年に彼らを中心としたバンド、ルブラン=カー・バンドを結成。そうして翌77年にルブラン&カー名義で発表されたのが『Midnight Light』です。ちなみにレニー・ルブランはヴォーカルに重点を置くためか、ピート・カーとともにギターを担当していました。

ミッドナイト・ライトミッドナイト・ライト
(1999/05/26)
ルブラン&カーピート・カー

商品詳細を見る

1. Something About You
2. Falling
3. How Does It Feel (To Be In Love)
4. Midnight Light
5. Stronger Love
6. Johnny Too Bad
7. Desperado
8. Coming And Going
9. I Need To know
10. I believe That We

それではアルバムの中から何曲か紹介致します。まず、アルバムのオープニング・ナンバーでフォー・トップスが1965年にヒットさせた「Something About You」のカヴァーをお聴きください。浮き浮きわくわくすうな小気味よいサウンドに仕上げられています。



ライヴ映像です。


全米13位にまで駆け上がるヒットを記録した「Fallin'」。切ないラヴ・バラードです。今聴くと、少々痒くなってきますが・・・。


FALLIN'
彼女とともにいた冬を思い浮かべる
降り続く雪
暖炉の温もり
彼女の傍にいることを好んだ
誰もいない二人きりで

恋に落ちそうだ 恋に落ちそうだ
君を好きになりそうだ

頭が眩みそうだった夏を思い浮かべる
君は砂に僕の名まえを書き
二人で一緒に歩いた
ずっとそのままでいたいと望んだ
どうか僕の手を離さないで だって

恋に落ちそうだ 恋に落ちそうだ
君を好きになりそうだ

秋と冬はどっちつかずの季節のよう
君は傍にいたりいなかったり
僕が伝えたいのはこの言葉だけ
お願いだからここにいて だって

恋に落ちそうだ 恋に落ちそうだ
君を好きになりそうだ


こちらはライヴ映像。


ファンキーなHow Does It Feel(To Be In Love)。


優しいAORサウンドが漂うアルバム・タイトル曲の「Midnight Light」。


フルートの音色が印象的な「Stronger Love」。


ワクワクするような軽快なナンバー、「Coming And Going」。

http://www.youtube.com/watch?v=8sTMSvqATWA

イーグルスのカヴァー、「Desperado」。オリジナルに比べて少々軽い感じがします。この曲を含めてアルバムの中にイーグルスを意識したような感覚が漂っていました。



ちなみに、ルブラン&カーのこのアルバムには他人の作品がもう1曲。ジミー・クリフ主演の映画『 The Harder They Come』(1972)の中でザ・スリッカーズが歌っていた「Johnny Too Bad」が取り上げられていました。

アルバムのオープニングでも言わば自分たちのルーツのひとつを披露するかの如くモータウン・ナンバーを取り上げています。彼らのオリジナル作品も各々の個性が表されていますが、こうしたカヴァー曲の出来映えも良く選曲の妙が窺えました。同時に1977年頃の音楽界をイーグルスのサウンドやレゲエが注目を集め、席巻していたことを証明しているようで興味深く感じます。

ヒット曲を放って順風満帆に思えたルブラン&カーですが、すぐにデュオは解消されます。二人に何が起こったのか分かりません。一説には一緒にツアーを行っていたレナード・スキナードの悲劇にショックを受けたピート・カーがスタジオの仕事に戻ったのだと言われております。それともピート・カーはスタジオ・ミュージシャンの経験が豊富な故に、自分の技術や力量がライヴ・パフォーマンスでは十分に発揮できないと悟ったのでしょうか。レニー・ルブランはそのままルブラン=カー・バンドを率いてライヴ活動を続けることを余儀なくされました。

2009年になってから、ちょうどピート・カー不在の時期に当たる1978年5月に収録されたスタジオ・ライヴ盤がリリースされています。リンクを結んでいただいているsintanさんのブログ「3度のメシよりCD」に詳しい解説記事がありますのでぜひご覧下さい。

ピート・カーは1978年にソロ・アルバム『Multiple Flash』を発表。ギタリストの本領を発揮したインスト中心の構成に仕上げていました。このアルバムではボブ・ディランの名曲「Kockin' On Heaven's Door」をカヴァーしています。有名なエリック・クラプトンのヴァージョンとはひと味違う個性が醸し出されていました。


1979年には元ルブラン=カー・バンドのメンバーたちとボーツというバンドを結成してアルバムを発表。1982年にはサイモン&ガーファンクルのリユニオン・ツアーに同行し、『Concert In Central Park』でもピート・カーのギター・プレイが聴けます。
近年は以前のような精力的な活動は控えているものの、ソロ・アルバム『Play The Guitar』(2004)をリリースするなど我が道を歩み続けているようです。

レニー・ルブランは1980年にバリー・バケットのプロデュースでアルバム『Breakthrough』を発表。参加ミュージシャンの欄にピート・カーの名はありませんでした。
その後、彼はコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックの世界に活動の場を移し、現在も元気に歌い続けています。

私はクリスチャンではありませんが、こうした音楽を聴いていると心が洗われるような気がしますね。




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コメント

Backstreets 様

このアルバム、いまだにプチ・ノイズが入るLP盤で聴いております。
個人的にはやっぱり「Fallin'」と「Midnight Light」がベスト・チューン
でしょうか。
結構好きな人が多いアルバムだと思うので、もう一度CDで出して欲しいですねぇ。
実に渋い選曲!!
おやぢ様、コメントありがとうございます。
こんな素晴らしいアルバムが廃盤状態とはもったいないことです。Amazonでは一時、割と結構なプレ値が付いていました。権利関係があるのかもしれませんが、ぜひ再発してほしいですね。採算が取れると思います。
ミキタカ08様、コメントありがとうございます。
ウエスト・コースト・サウンドと南部のテイストがうまく融合したAORでした。1977年頃の音楽界の傾向が見て取れるようです。
おお、名盤の登場ですね! LPで持っていますが、A面のスリリングなことといったら。シングルヒットした3曲も完璧だし、How Does It Feel のジャージーなアレンジは本当に天賦の才能なんだなあ、というのをヒシヒシと感じました。

最近70年代に活躍したミュージシャンの訃報が相次いでいますが、2人とも元気そうで何より。機会さえあればインタビューしてみたいなあ、なんて思ってます。
crofts様、コメントありがとうございます。
このアルバム1枚を残してデュオを解消したことが惜しい気がします。でも、結果的にはこの1枚に各々の才能と実力のすべてをつぎ込んだとも言えるかもしれません。
おっしゃる通り、70年代に活躍したアーティストの訃報が続きますね。ケニー・ランキン、ルブラン&カーの親分とも言えそうなバリー・ベケット、ダン・シールズ、ジョン・ドーソン(ニュー・ライダーズ・オブ・ザ・パープル・セージ)、そして、ジム・ディッキンソン。皆さん晩年は疾患との闘いだったようです。
このようなつたないブログですが今後とも宜しくお願い申し上げます。HNはSeals & Crofts由来でしょうか。

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