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Harry Nilsson - AERIAL BALLET

前回は久しぶりにビートルズを記事にしました。今回はビートルズと関連が深いアーティスト、ハリー・ニルソンが1968年にリリースした2ndアルバム、『AERIAL BALLET(空中バレー)』を取り上げます。本作ではビートルズのカヴァーは収録されておりませんが、ほのかにビートルズの影響が漂っていました。

空中バレー(紙ジャケット仕様)空中バレー(紙ジャケット仕様)
(2007/08/22)
ニルソン

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1. Daddy's Song
2. Good Old Desk
3. Don't Leave Me
4. Mr. Richland's Favorite Song
5. Little Cowboy
6. Together
7. Everybody's Talkin'
8. I Said Goodbye to Me
9. Little Cowboy
10. Mr. Tinker
11. One
12. The Wailing on the Willow
13. Bath
14. Sister Marie (Bonus Track)
15. Miss Butter's Lament(Bonus Track)
16. Girlfriend(Bonus Track)

実質的な1stアルバムである前作『Pandemonium Shadow Show』ではカヴァー曲が約半数を占めていましたが、本作はフレッド・ニール作の「Everybody's Talkin'」を除くすべてが共作を含むニルソンのオリジナルで構成されています。前作のセールスが芳しい成績を収められなかったので制作費削減の憂き目に合っても当然であるにもかかわらず、ラリー・ネクテル(キー・ボード)、ジム・ゴードン(ドラムス)、ジム・ホーン(フルート)などの豪華なセッション・プレイヤーが参加していました。

アルバムのオープニングを飾る「Daddy's Song」はモンキーズが主演映画『HEAD』(1968)のサントラにおいてカヴァーしています。 ニルソンの本作とモンキーズの『HEAD』の発売時期が重なったために競合して共倒れになるという事態を恐れたRCA側は、本作のセカンド・プレスからこの「Daddy's Song」を外すという措置を取りました。
まるで数人で歌っているかのように聴こえますが、ニルソン本人のみが多重録音を駆使してレコーディングしています。ピアノとタップ・ダンスのイントロが印象的で、ラグ・タイム風の演奏も味わい深く受け取れました。
なお、この曲はニルソンの父親をモデルにして作られたと言われています。


こちらはなんとなくビートルズを思わすコーラスが耳に残る「Good Old Desk」。お気に入りの机のことを歌ったそうです。


そこはかとなく気品が窺える「Together」。


この「Everybody's Talkin'(うわさの男)」という曲はニルソンがフレッド・ニールのオリジナル・ヴァージョンを聴いたのではなく、音楽出版社のデモ・テープの中から見つけ出し、気に入って録音した曲だと言われています。アルバムに先行してシングル・カットするほどの熱の入れようでしたが、当初はヒットどころか話題にも上りませんでした。ところが、ジョン・ヴォイトとダスティン・ホフマンが主演した1969年公開の映画『Midnight Cowboy(真夜中のカーボーイ)』の主題歌に抜擢されると全米6位のヒットを記録したのです。
もともとこの映画の主題歌を探していたジョン・シュレンジャー監督からのオファーを受けたニルソンは「I Guess the Lord Must Be in New York City(孤独のニューヨーク)」(1969年発表の『Harry』に収録)を提供したのですが、その前に『AERIAL BALLET』を監督に聴かせていました。監督はその中に収録されていたこの「Everybody's Talkin'」をいたく気に入りこちらを主題歌に決めたのです。このプレゼンテーションにはニルソン以外にもジョニ・ミッチェル、ランディ・ニューマン、ボブ・ディランら錚々たるアーティストにオファーが出されておりましたが、素早く積極的に動いたニルソンが勝利を得る結果となりました。
自作が採用されず、皮肉にも他人の曲で大仕事を獲得した格好ですが、この大ヒットによりニルソンはグラミー賞を獲得し、その名は広く世間に知れ渡りようになります。ちなみにフレッド・ニールのオリジナル・ヴァージョンは1967年発表の『Fred Neil』に収録されていました。


EVERYBODY'S TALKIN'
みんなが俺のことを噂にしている
おれにはあいつらが何を言っているかなんて
関心がないけれどね
俺には心のこだまがあるだけさ
人々は立ち止まり、じっと見ているけれど
俺にはあいつらの顔が見えない
ただあいつらの目の影が見えるだけ

俺は太陽が輝き続けるところへ行くつもりだ
降りそそぐ雨をくぐり抜けて
気候が俺の服によく似合うところへ行くのさ
北東の風を受けながら
夏の風に乗って走って行くんだ
嵐のように海原を越えて行くんだ

みんなが俺のことを噂にしている
おれにはあいつらが何を言っているかなんて
関心がないけれどね
俺には心のこだまがあるだけさ
俺はあいつらをおいて行かない
俺はあいつらが好きなんだ


いやいや おいて行ったりなんかしないよ
俺の好意をおきざりになんかしないよ

拍子の変化が興味深い「I Said Goodbye To Me」。


スリー・ドッグ・ナイトのカヴァー・ヴァージョンが全米5位のヒットを記録した「One」。ハープシコードの響きとウッド・ベースの演奏が印象的です。ハリーのオリジナル・ヴァージョンは孤独感が滲み出るような仕上げになっています。ちなみにスリー・ドッグ・ナイトのヴァージョンは1968年発表の『Three Dog Night』に収録。他にもアル・クーパーが1969年リリースの『I Stand Alone』で取り上げていました。


こちらはスリー・ドッグ・ナイトのヴァージョン。


オーケストラをバックに歌うスリー・ドッグ・ナイト。時間があればこちらもどうぞ。


ニルソンといえば「Everybody's Talkin'」や「Without You」が有名ですが、彼のオリジナルの中にもこの「One」のように素晴らしい曲が幾つもあります。ノスタルジックな音楽を基盤としながら斬新なアレンジが施された楽曲。哀愁のこもった甘く多彩な歌声。希有な才能が彼の作り出す作品の中に発散されていました。この世に彼がいない今、残念ながら忘れ去られがちのアーティストのひとりになってしまいましたが、もっとその魅力が正当に評価されてもよいと思われます。

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