好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Albert Hammond - IT NEVER RAINS IN SOUTHERN CALIFORNIA

ようやく近畿地方も梅雨明けしました。
元来日本の夏は湿気が多く、ことに京都では抜けるような青空の日に巡り会うことがそれほど多くありません。湧き立つ入道雲を気にしながら水色の空を眺めるのが常です。
というわけで、今回取り上げるアルバート・ハモンドの『 IT NEVER RAINS IN SOUTHERN CALIFORNIA』を聴きながら「カリフォルニアの青い空」に思いを馳せることにしましょう。

アルバート・ハモンドは1944年5月18日にイギリスのロンドンで生まれました。まもなく父親の仕事の関係でスペインのジブラルタルに移住。十代の半ばに歌手を志すまでその地で過ごしました。
家を出たハモンドはモロッコに向かい、生活のために未成年ながらストリップ劇場で歌うという下積みの日々を送った後にスペインへ戻ります。さぞ、好奇心と自己嫌悪が相克し葛藤したことでしょう。僅か1年半ほどの滞在でしたが、若く多感な時期に体験したことはその後の彼の創作活動においてとても貴重なこととなりました。
スペインに帰国後、ハモンドは弟らとバンドを結成。自らレコード会社に売り込みを掛けてRCAとの契約を取り付けました。しかし、自作の曲をレコーディングさせてもらえず、RCA側から要求される曲はヒット曲のカヴァーばかり。傷心のハモンドはスペインでの活動を諦め母国イギリスに渡ります。
しかし、イギリスの音楽界は無名の新人歌手に次々と仕事が入るような甘い世界ではなく、皿洗いやトラック運転手をして食いつなぎながら音楽活動を行うといった日々を過ごしました。そんなある時、ハモンドはマイク・ヘイゼルウッドという男と知り合います。二人は意気投合しソング・ライティングのコンビを組むことになりました。
このことが契機となって運が向いてきたのか、彼らのもとに子供向けテレビ番組の挿入歌の依頼が舞い込みます。ハモンドたちは何曲かを番組に提供し、その中の「Little Arrows」という曲が人気コメディアンのリーピー・リーによって歌われ、1968年に全英2位、全米16位の大ヒットを記録しました。


さらに、同じく番組に提供した「Gimme Dat Ding」も元エジソン・ライト・ハウスのトニー・バロウズが中心となって結成されたザ・ピプキンスによって1968年に大ヒットしました。


こうして時の人となったハモンドとヘイゼルウッド。1969年にマジック・ランタンに「Shame Shame」を提供した縁で、この曲をプロデュースしたスティーヴ・ローランドと知り合い意気投合します。


ハモンドたちは楽曲提供に飽き足らなかったのか、ローランドと女性2名を加えたファミリー・ドッグというグループを結成。ディヴ・ディー・グループやピーター・フランプトンが在籍したハードなどをプロデュースしたローランドの顔が広かったのか、1969年にリリースされたアルバム『A Way of Life』のレコーディング・セッションにはレッド・ゼッペリン結成直前だったジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムらが駆けつけました。


しかし、セールス的には芳しい成績を上げることが出来ずにグループは解散。ハモンドとヘイゼルウッドは心機一転、アメリカに進出して活路を見い出します。イギリスでの実績がものを言ったのか、すぐにマムズ・レコードとの契約に至りました。ハモンドはソロ・シンガーとして再出発することになりますが、ヘイゼルウッドとのコンビも継続。共作した「Mary Was An Only Child」がアート・ガーファンクルの1stアルバム『Angel Clare』(1973)に収録され、その後もアートはハモンドたちの楽曲を好んで取り上げるようになります。

アルバート・ハモンドのファースト・ソロ・アルバム『IT NEVER RAINS IN SOUTHERN CALIFORNIA』は1972年にリリースされました。アレンジとキー・ボードにはロギンズ&メッシーナのバックで活躍するマイケル・オマーティアンが参加。他にもハル・ブレイン(ドラムス)、ジョー・オズボーン(ベース)、ラリー・カールトン(ギター)といった錚々たるメンバーが顔を揃え、また、ジャケット写真にはヘンリー・ディルツを起用し、周囲のハモンドへの期待には並々ならぬものが窺えます。
カリフォルニアの青い空(紙ジャケット仕様)カリフォルニアの青い空(紙ジャケット仕様)
(2007/12/19)
アルバート・ハモンド

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1. Listen to the World
2. If You Gotta Break Another Heart
3. From Great Britain to L.A.
4. Brand New Day
5. Anyone Here in the Audience
6. It Never Rains in Southern California
7. Names, Tags, Numbers and Labels
8. Down by the River
9. Road to Understanding
10. Air That I Breathe

それでは、アルバムの中から何曲か紹介します。まず、アコースティック・ギターの音色とソウルフルな女性コーラスが印象的な「Brand New Day」。


全米5位の大ヒットとなったお馴染みの「It Never Rains in Southern California(カリフォルニアの青い空)。


IT NEVER RAINS IN SOUTHERN CALIFORNIA
西部へ向かうボーイング747に乗った
どうするつもりかなんて考えてもいない
チャンスがいくつもあるとか、
テレビでブレイクしたり、映画に出られるとかって話が
まことしやかに流れてた
本当にな

南カリフォルニアには雨が降らないなんて
そんな話を聞いたことがある
カリフォルニアでは決して雨が降らない
だげどなぁ
誰も教えてくれないんだ
降れば土砂降りだってことを

仕事にあぶれ 頭はイカレ
自尊心は失い 食いぱぐれっちまってる
愛されないし、栄養不良だし
ああ 故郷に帰りたいぜ
カリフォルニアでは決して雨が降らない
だげどなぁ
誰も教えてくれないんだ
降れば土砂降りだってことを

もう少しで成功するって故郷の両親に伝えてくれないか
いい話があっても どれを選べばよいか分からないんだ
どうか俺の様子は話さないでくれ
今の俺の様子は言わないでくれよ
勘弁してくれ
頼むから

南カリフォルニアには雨が降らないなんて
そんな話を聞いたことがある
カリフォルニアでは決して雨が降らない
だげどなぁ
誰も教えてくれないんだ
降れば土砂降りだってことを


歌から受ける爽やかなイメージとは少々異なり、芸能人と思われる男が南カリフォルニアに仕事を求めてやって来たけれど苦労しているといった設定のようです。おそらくモロッコやロンドンでの自身の下積みの経験がもとになっているのでしょう。

軽快なサウンドが心地よい「Down By The River」。アルバムからの先行シングルでしたが、全米91位と振るいませんでした。


ピアノの音色、ベース・ライン、ギターの音、ソウルフルな女性コーラスが織りなすサウンドをバックに誠実に力強く歌うアルバート・ハモンドに心を捕われそうな「Road To Understanding」。


国内盤のボーナス・トラックとして収録されていた「For The All Of Mankind」。1973年に発表されたアルバム『THE FREE ELECTRIC BAND』に中の1曲で、日本独自でシングル・カットされてヒットしました。


このアルバムに収録されていた「Air That I Breathe(安らぎの世界)」は1974年にホリーズによってカヴァーされ、全英2位、全米6位の大ヒットを記録しています。彼らのヴァージョンはアルバム『Hollies』に収録されていました。

It Never Rains in Southern CaliforniaIt Never Rains in Southern California
(1996/11/05)
Albert Hammond

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コメント

おはようございます。
これも心をこめてていねいに
書かれた記事ですね。
相当調査されていますね。
同じ楽曲を自分のブログで取り上げましたが、
歌詞の内容さえ知らず、ノーテンキなカリフォルニア・ソングと
考えていました。
お恥ずかしい。
ミキタカ08様、こちらにもコメントありがとうございます。
このようなとりとめのない記事にもかかわらず、丁寧とおっしゃっていただいて光栄です。
洋楽の歌には聴くイメージとかけ離れたものが少なくありません。誤訳だらけとは思いますが、大意だけでも伝われば幸いです。
Backstreets 様

いいですよねぇ、アルバート・ハモンド。
ちょっとビブラートのかかった哀愁のヴォーカルはもちろん、メロディ・メーカーとしての才能も並外れたものがあったと思いますが、イマイチ過小評価されているのが残念です。
「カリフォルニアの青い空」だけの一発屋じゃないのに…。
おやぢ様、コメントありがとうございます。
若いときの苦労は買うてまでせいという言葉がありますが、その若いときの苦労の結晶が「カリフォルニアの青い空」だったようですね。おっしゃる通り、他にも「落ち葉のコンチェルト」、「風のララバイ」などのヒットがあるのに一発屋の如く評価されるのは少々心外です。
お世話になっております。
学生時代、武道館で彼を見たことがありました。
確か、友人の付き合いで行ったテン・イヤーズ・アフターのオープニング・アクトだったと思います。
アコギ一本のステージで、やはりテン・イヤーズ・アフターが好きな人が多かったので、ウケはイマイチで、少しかわいそうでしたが、自分にとっては「カリフォルニアの青い空」が生で聞けたので、テン・イヤーズ・アフターよりもずっと記憶に残っています。
takaboh様、コメントありがとうございます。
アルバート・ハモンドのライヴをご覧になられたとは羨ましい限りです。テン・イヤーズ・アフターの前座とは少々無茶な扱いでしたね。ハモンド自身は決して格下ではないと気合いを入れて歌っていたことと思います。

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