好きな音楽のことについて語りたいと思います。

The Parade - Sunshine Girl

 隣国の大気汚染が懸念されております。春先には偏西風に乗って大量の汚染粒子PM2.5が日本を覆い尽くすとか。近年、やはり隣国からの黄砂が風物詩として定着している感がありますが、両者がデュオを組んでの来襲となれば堪ったものではありません。さらに花粉を加えてトリオ編成となればと想像するだけで悪寒が走り、くしゃみが出そうです。
 さて、前回はロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズを記事にしました。このバンドのメンバーであるマレイ・マクレオドは同時期にザ・パレードというバンドでも活動。今回は彼らが『The Parade』のオープニングを飾る「Sunshine Girl」をお題とします。パレードはスモール・サークル・オブ・フレンズ同様の3人組。このように音楽で人を癒し、和ませてくれるトリオなら大歓迎です。

パレード(紙ジャケット仕様)パレード(紙ジャケット仕様)
(2012/04/18)
パレード

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SUNSHINE GIRL
お互いに触れ合い、彼女は俺の心の奥深くに触れた
胸を揺さぶられるぐらいの衝撃を覚え、夜は更けぬまま
彼女の瞳に口づけをすると
俺の前に跪き、ワインを注いだ
そして彼女が話し出すと火がついたように
心は激しく燃え上がった

君はサンシャイン・ガール、俺の傍にいてくれ
サンシャイン・ガールよ、傍にいて
今宵は俺の傍にいてくれ

本当に理想的なことさ
想うは君のことばかりなんて初めてのこと
聞こえるのはぱちぱちと鳴る火の音
その時突然、夜が更けて行った
夜明けの薄暗さの中に陽光が差す
俺は彼女の手を取り、朝を駆け抜けて行った

 パレードのメンバーは俳優経験のあるマレイ・マクレオド、スモーキー・ロバーズ、そしてフィル・スペクター門下でスタジオ・ミュージシャンやプロデューサーの修行をしたジェリー・リオベルの3人。1967年3月にリリースしたデビュー・シングル、「Sunshine Girl」は全米20位まで上昇するヒットとなりました。以後も数枚のシングルを発表し、1968年にファースト・アルバムが発売される予定だったものの直前にお蔵入り。バンドも1968年に解散の憂き目に遭います。
 時は流れて1988年。母国アメリカはもとより、世界に先駆け日本独自でCDとしてパレードは陽の目を観ることになりました。これも後に「渋谷系」と言われることになるアーティストの方々の功績なのでしょうか。日本全国を席巻するほどのブームを巻き起こしたホイチョイ・プロダクション制作の映画が関西で話題にならなかったように、京都在住の私には「渋谷系」なる文化や現象が今ひとつ捉えきれないままです。

 アルバムからもう1曲、「I Can See Love」。


i can see love
今日は何だかいい気分、雲は流れて去って行く
そして空は澄んでいる
ああ、そうだ、今の俺には見えるんだ
俺の立っているところから愛が見えるんだ

手を伸ばせば君がそこにいる
雲の中に入り傍に立つのは君
今、俺の夢が漂いながれる場所へ
俺を連れて行く愛が分かるんだ

太陽が沈み、夜が主張するかのようにやって来る
俺はこんな風な自由を信じている
今、君の瞳は俺を見つめる
ああ、そうだ、俺には見えるんだ
俺の立っているところから愛が見えるんだ

部屋に明かりが差す
そうさ、俺の立っているところから愛が見えるんだ
手を伸ばせば君がそこにいる
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Roger Nichols & The Small Circle Of Friends - Don't Take Your Time

 暦では立春。しかし、季節はまだ冬なので、当然のことながら寒い日々が続きます。前回の記事で税金について言及しましたが、2月末は固定資産税の第4期納入期限。裏通りを入った路地裏にあるみすぼらしい我が家であっても税金を納めねばならず、昨年末から懐が膨らむことがありません。そんな中、先日は隣国の海軍艦船が海上自衛隊護衛艦に射撃用管制レーダー照射を受けていたことが明らかになり、不測の事態に備えなければならないという事態に背筋が凍りそうです。
 というわけで、せめて春の息吹を思わせる音楽を聴いて暖かな気分になりたいと思う今日この頃。今回はロジャー・ニコルズ&ザ・サークル・オブ・フレンズの「Don't Take Your Time」で暫しの暖を取り、心に余裕を持ちましょうか。

ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ:デラックス・エディション(紙ジャケット仕様)ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ:デラックス・エディション(紙ジャケット仕様)
(2012/04/18)
ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ

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DON'T TAKE YOUR TIME
成すべきことは分かっている
君に愛されるにはどんなやり方を見つけなければならないのか
そしてどうすべきかは分かっているのさ
俺のことを想ってくれるのなら
躊躇わずにぜひ伝えてくれ
俺はいつまでもここで待ち続ける

二人が出会ったあの時のように
君のことを想い続けようと決めたんだ
もう待てないぜ、お願いだから
じらさないでくれよ

今夜はいろいろ気付くことがあるはずだ
そうだろ、俺の傍にいてくれるのは君だよな

さあ、ふたりで出来ることは山ほどあるぜ
仲良く一緒に過ごそうよ
愛が永遠に続くにはどうすればよいのか
二人がなすべきことを知るために
駄目なんて言いっこなしさ
もう待たせないでくれよ、お願いだから
じらさないでくれ

 ロジャー・ニコルズは1940年9月17日にモンタナ州で誕生しました。大学卒業後に銀行員として働く傍ら、ロジャー・ニコルズ・トリオを結成してクラブなどで音楽活動を行う中、やがてプロデューサーのトニー・リプーマの目に留まり、ニコルズは彼の仕事を補佐するようになります。
 1968年、ニコルズはマレイ・マクレオド、メリンダ・マクレオドの兄妹らとザ・スモール・サークル・オブ・フレンズを結成。ようやくアーティストしてデビューする機会が訪れました。透明感のあるユニークな混成ヴォーカル、繊細かつ優雅で浮遊感漂うメロディ、独特の斬新なアレンジが特徴的なサウンドを醸し出したアルバムをリリースしましたが、世間の話題になることなくグループは解散してしまいます。
 その後、ニコルズはトニー・リプーマやハーブ・アルパートの後押しを受けてA&Mの音楽出版部門と契約。作曲家として再出発をすることになり、ポール・ウィリアムズとコンビを組んで数々の名曲を生み出して行きことになります。ポール・ウィリアムズとロジャー・ニコルズの出会いは以前に書いた「Paul Williams - Rainy Days And Mondaysの記事でも言及しましたが、A&Mの音楽出版部門のマネージャーを介してのこと。カーペンターズの代表曲の数々、クローディーヌ・ロンジェの「It's Hard To Say Goodbye」、スリー・ドッグ・ナイトの「Out In The Country」などでたちまち人気作曲家チームの仲間入りを果たすものの、二人が同じ道を歩んだ期間はそう長くありませんでした。

 私がロジャー・ニコルズという存在を知ったのは中学生の頃だったでしょうか。ポール・ウィリアムスに興味を持ち、彼が手掛けたカーペンターズの「We've Only Just Begun」、「Rainy Days And Mondays」などのヒット曲に共作者としてロジャー・ニコルズの名が記されていたからでした。そのうち彼が、スモール・サークル・オブ・フレンズなるグループを組んでいたことを知り、強い関心を抱きましたが、そのアルバムは中古盤屋で目の玉が飛び出そうな高値が付いており、とても手に入れられるような代物ではなかったのです。
 時は流れ、後に「渋谷系」と称されることになるピチカート・ファイヴやフリッパーズ・ギターといったアーティストが、1980年代後半にソフト・ロック系の音楽に影響を受けた作品を発表。その中のひとつがロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズだったことを公言していました。
 京都で生まれて京都で育った私は東京中心の文化が主導していることを苦々しく思いましたが、これらの人々の尽力やこうした現象が波及するおかげでロジャー・ニコルズの音楽が再評価され、CDとして1987年に国内で発売されるに至りました。心情的には少し抵抗感もありますが、ブームに火をつけた小西康陽さん(ピチカート・ファイヴ)や小山田圭吾さん(フリッパーズ・ギター)たちには感謝する次第です。

 こちらもたった1枚のアルバムを残してシーンから消えたバンド、The Match のカヴァー・ヴァージョンです。1969年リリースの『A New Light』に収録。


 希代のエンタテイナーであるサミー・デイヴィスJr. も歌っていました。1968年に発表されたアルバム、『Lonely Is The Name』に収録。


 アルバムの中からもう1曲。ザ・ビートルズのカヴァーで、「I'll Be Back」でお開きとしましょう。ビートルズの雰囲気を踏襲しながらも、見事なコーラスワークに暫し釘付けになってしまいます。カーペンターズ然り、サンドパイパーズ然り、クロディーヌ・ロンジェ然り。A&M所属のアーティストはビートルズがお好みなのか、FAB4の作品をこぞって取り上げていました。

The Beatles - Taxman

 昨年の8月に国会で消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案が衆議院本会議で採決され、民主党・国民新党・自民党・公明党の賛成多数で可決・成立しました。よって、2014年4月に消費税が8%に引き上げられる予定です。麻生太郎財務相兼金融担当相は「景気が悪い中では上げない」と述べ、景気動向によっては増税の先送りもあり得るとの認識を示しておりますが、このままデフレ不況が長引くことのほうが深刻。消費税増税で懐の具合がさびしくなるのは嫌ですが、経済状況が好転しないと元も子もありません。進むも地獄、引くも地獄と例えるのは大袈裟かもしれませんが、本当に痛し痒しといったところです。
 さて、そのような心配や不安の声に配慮したのか、安倍政権は消費税増税で低・中所得者の負担が重くなり、不公平感が広がる恐れがあるため、富裕層の所得税や相続税を強化する構えと聞きました。所得税は最高税率が引き上げられ、相続税は基礎控除が引きさげられるとのこと。私のように高額所得と縁のない人間にとってはあまり関係のない話かも知れません。生涯一度は人が羨むような資産家になって、国家の財政に貢献したいものです。
 このような税金にまつわる話題で頭の中に浮かぶ曲は、「Taxman」。ザ・ビートルズが1966年8月5日にリリースしたアルバム、『Revolver』のオープニングを飾る曲です。ジョージ・ハリスンの作品で、稼いでも稼いでも殆どが税金として取られてしまうことに気がついたことを歌にしたとのこと。当時のイギリスでは労働党のウィルソン政権の下、充実した社会保障を維持するために95パーセントという高い税金を富裕層に課していました。ジョージはこの政策を皮肉って「Taxman」を作ったとされています。ウィルソン首相は1965年にビートルズがイギリスの外貨獲得に貢献したことへのご褒美にMBE勲章を贈ることを推薦した人物でした。まるで恩を仇で返すような行いとの声が聞こえてきそうですが、ビートルズにしてみればそれはそれ、これはこれといったところなのでしょうか。決して政治家とは馴れ合いにならない態度が窺えます。また、後に政権交代することになる保守党のヒース党首も歌の中に登場し、ビートルズの政治批判は与野党問わず容赦ありません。

ジェームズ・ハロルド・ウィルソン(1916年3月11日 - 1995年5月24日)
1945年の総選挙で下院議員に初当選。1947年に商業大臣に就任。1963年に労働党党首に当選。翌64年の総選挙で労働党が勝利し、首相に就任。前述した重税政策のほか、選挙法を改正し、18歳以上の男女に選挙権を与えた。1970年の総選挙で敗れ、保守党に政権を譲るも1974年の総選挙で政権を奪還。首相に返り咲き、1976年に辞任した。

サー・エドワード・リチャード・ジョージ・ヒース(1916年7月9日 – 2005年7月17日)
1950年の総選挙で保守党から立候補して当選。1964年に保守党党首。1970年の総選挙で保守党が勝利し、首相に就任。中華人民共和国の毛沢東主席との会談を実現した一方で、北アイルランド問題を改善できず、1974年の総選挙に敗れて退陣した。


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(2009/09/09)
ザ・ビートルズ

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1. Taxman
2. Eleanor Rigby
3. I'm Only Sleeping
4. Love You To
5. Here, There and Everywhere
6. Yellow Submarine
7. She Said, She Said
8. Good Day Sunshine
9. And Your Bird Can Sing
10. For No One
11. Doctor Robert
12. I Want to Tell You
13. Got to Get You into My Life
14. Tomorrow Never Knows



TAXMAN
ひい、ふう、みい、よお
どんなふうになんのか説明しまひょ、
おたくの取り分が1、私の取り分が19ですわ
何でやて、私は税務署のもんです、税金徴収担当でっせ
5パーセントは少なすぎるように見えますのんか?
感謝してもうてもバチ当たらへん、根こそぎいただくわけやないねんし
お車を運転しはるんやったら、道路に税金をかけまひょ
座らはるんやったら、座席に課税しまっせ
底冷えして来たと思わはるんやったら、暖房器具が課税対象や
徒歩で行かはるんやったら、おたくの足に税金をかけまっせ
税務署のもんです
何でやて、私は税務署のもんです、税金徴収担当ですわ
何のためにそんなに徴収すんのかなんて野暮な質問は止めておくれやす
(ああ、ウィルソン首相)
さもないともっと増税しまっせ
(ああ、ヒース保守党党首)
何でやて、私は税務署のもんです、税金徴収係ですわい
さて、死なはる人へ私から忠告しまっさ、三途の川の渡し賃もちゃんと申告しておくれやす
何でやて、私は税務署のもんです、税金徴収係でっせ
そうやっておたくらは他ならぬ私のために働いてはるんですわ(税務署のもんです)

 1970年代に活躍したブラック・オーク・アーカンソーのカヴァー・ヴァージョン。 1975年発表の『Ain't Life Grand』に収録。その名の通り、アメリカ南部アーカンソー州出身のハード・ブギーを得意とするバンドです。今回はライヴ映像をご覧ください。


 南部のロッカーはこの曲がお好みなのか、スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブルも取り上げていました。1995年の『Greatest Hits』に収録。こちらもブラック・オーク・アーカンソー同様、無骨でアーシーな雰囲気が漂います。


 2003年に発表されたConcert For George』に収められていたトム・ペティ&ザ・ハートブレーカーズのヴァージョンです。トム・ペティはジョージとの親交が深く、ボブ・ディランとジェフ・リンを加えたトラベリング・ウィルベリーズを結成して活動していたこともありました。


 ヘヴィー・メタルのアーティストによるビートルズのトリビュート・アルバム『Butchering The Beatles』に収録されてされていたカヴァー・ヴァージョンで、ヴォーカルにダグ・ピクニック(KING'S X)、ギターにスティーヴ・ルカサー(TOTO)、ベースにジョン・レノンやポール・サイモンのアルバムに参加し、ピーター・ガブリエルのバンドやキング・クリムゾンでも活動したトニー・レヴィン、ドラムスにスティーヴ・フェーロン(アヴェレージ・ホワイト・バンド)といった陣容でレコーディングされていました。なお、スティーヴ・ルカサーは最近、リンゴ・スターのバック・バンドに加入したようです。


 ジョージ自身のセルフ・カヴァーで締めくくりとしましょう。1991年に行われた来日コンサートの映像です。皮肉る政治家をジョン・メジャー(イギリス首相)、ジョージ・H・W・ブッシュ(アメリカ大統領、パパブッシュ)と変更して歌っていました。


 フランスのオランド大統領が年収100万ユーロ(約1億1500万円)を越える富裕層に75%の所得税を課す方針を示したことに抗議し、映画『Camille Claudel(カミーユ・クローデル)』や『1492: Conquest of Paradise(1492 コロンブス)』などに出演した著名俳優で、富豪としても知られるジェラール・ドパルデューがロシア国籍を取得。彼に限らず重い税負担を嫌って富裕層による外国移住や外国籍取得が相次いでいるとのこと。大金持ちの方々にはお国のためにたくさんの税金を収めていただきたいものですが、日本でも増税によって富裕層が海外移住し、企業の流出に拍車が掛かることが懸念されるところであります。